第29話「友情の新必殺武器」(1987年9月12日)
冒頭、幾多の苦難(眠たい、お腹ペコペコ)を乗り越えて遂に完成したマスクマンの新必殺武器の最終実験が、屋外の射撃場で行われようとしている。
だが、その矢先、不眠不休で開発に取り組んでいた主任技師の赤池が疲労の為にぶっ倒れてしまう。

東「長官!」
姿「赤池!」
嬉しいことに、今回も東ちゃんが登場。

久美「疲労がピークに達してしまったんです、当分回復不能です」
ケンタ「そんなぁ……肝心な時に!」
同じく、嬉しいことに、今回も開発チームのひとりとして松岡久美ちゃんが登場。
ケンタ「最後の実験は赤池抜きじゃ出来ないのに……」
途方に暮れるマスクマンと技師たちであったが、

姿「赤池はよくやってくれた、ここまでやってくれただけで十分だ。これ以上の無理強いは出来ん、黒川、君が代わりを務めるんだ」
姿長官の指示で、黒川と言う技師が赤池に代わって実験の指揮をとることになる。
姿長官が妙に赤池に優しいのは、赤池は元々体があまり丈夫ではないからである。

黒川「実験開始!」
和彦「秒読み10秒前」
と言う訳で、早速発射のカウントダウンが始まる。

和彦「レッドマスク、オーラパワーゴー!」
レッド「よし! メディテーション!」
ショットボンバーと同じように、新兵器を抱えた5人の体からオーラパワーが放出される。
ちなみに技師たちの名前は、マスクマンの5人のシンボルカラーにあわせてつけられているようだ。
リーダーが赤池で、サブリーダーが黒川と言う風に。
と言うことは、西村和彦が青で、松岡久美さんが黄色、もうひとりの女性がピンクだろうか。
あいにく、他の三人の名前は分からないんだけどね。

カウトンダウンに合わせて、ひとりひとりの緊張した顔がアップになって細かくモンタージュされる。

ちなみに、姿長官の暑苦しいアップも、そこのモニターを二台も占領しているのだが、これって必要か?

何故か、東ちゃんのアップもあるのだが、これを見ると、七田さんって、どっちかと言うと悪役顔だと言うことが分かる。
それこそ次回作では悪の女性幹部でも演じて欲しかったところだが。
ともあれ、遂に新必殺兵器が発射されるが、

案の定と言うべきか、実験は見事に失敗し、試作兵器は大爆発を起こしてしまう。

東「マスクマン!」
姿「マスクマン!」
なんか最近、急に東ちゃんの出番が増えてきて、嬉しい管理人なのです。
一方、チューブでは、ゼーバが新たな作戦を開始しようとしていた。
ゼーバ「アナグマスよ、そろそろあいつを使ってみようと思うが、どうじゃ?」
アナグマス「あいつ? おお、それは良いお考えです」
即答してゼーバの前から退出した後、
アナグマス(やべぇ、咄嗟に分かったふりしたけど、あいつって誰だ? 高畑裕太か?) ……と言うのは嘘で、明敏なアナグマスにはゼーバの言う「あいつ」が誰か、すぐ分かる。
それは20年間も牢獄に閉じ込められて出撃の時を待っていた、デスガドグラーと言ういかにも恐ろしげな地帝獣だった。
しかし、そいつが吐く毒ガスのひとふきで、鉄格子がぼろぼろに溶けているので、出ようと思えば簡単に出られた筈なのに、20年間も大人しく牢獄に繋がれていたと言うのは、地帝獣にしては、いくらなんでも従順過ぎるような気がする。
一方、一旦本部に引き揚げ、意識のない赤池の体を取り囲むようにして見守っているマスクマンと技師たち。

アキラ「今度こそ、完成すると思ってたのに……」
和彦「すまん」
アキラ「あ、そんな……」
思わず漏らしたアキラの言葉に、和彦が悄然と頭を下げる。
タケル「君のせいじゃない。新必殺武器は赤池が設計し、中心になって作ってきた。やはり最後は赤池でなくてはダメだったんだ」
と、警報が鳴って、複数のモニターに、デスガドグラーの吐く毒ガスによって花が枯れ、人々が呼吸困難に陥っている様子が映し出される。
赤池「あのガスは……」
人々の声に目を覚ました赤池は、その状況を見て取ると、ベッドから起き上がって仕事を続けようとする。

久美「赤池さん、まだ休んでなくては」
タケル「赤池、チューブは俺たちに任せろ」
赤池「待て、今度こそ大丈夫だ、今度こそ俺が責任を持ってやる」
タケル「何を言ってるんだ、今の君は絶対に無理をしてはいけないんだぞ」
赤池「しかし君たちだって、必殺武器なしでどうやって戦うつもりなんだ?」

赤池の痛烈な問い掛けに一瞬沈黙する5人だったが、
モモコ「その前もこの前も、必殺武器なしで勝ってきたじゃないの」
モモコがあえて楽観的なことを言うと、
ハルカ「そうよ、今度だって」
アキラ「俺たちの体には未知の力が秘められているんだ」
他のメンバーもそれに呼応して、自分たちを奮い立たせて出撃しようとする。
だが、赤池は「それは驕りだ!」と、一刀両断する。

赤池「いくら君たちが強いからといって、スポンサーの意向には逆らえないんだぞ!」
じゃなくて、
赤池「いくら君たちが強いからといって、決して君たちだけでは勝てやしないんだぞ!」
それでもタケルたちには苦しんでいる人々を放っては置けず、無茶を承知で出撃する。

5人が変身して、被害に遭っている人々を介抱していると、地中や植え込みの奥から、無数の触手のようなものが飛び出し、5人の体に巻きつく。
さらに、触手の根元から毒ガスが吹き付けられる。

レッド「ああっ」
呼吸の方はスーツを着ているので平気だったが、毒ガスには金属を腐食させる作用もあるらしく、レーザーマグナムすら一瞬でボロボロになってしまう。
狼狽する5人の前に自信たっぷりにイガム、フーミンがデスガドグラーを従えてあらわれる。

イガム「最早お前たちなど敵ではない。日本中をこのデスガガスで死の大地に変えてやる!」
レッド「美緒はあれほど優しい人だったのに、双子の兄でありながら、何故お前は?」
イガム「言うな! イアル姫はイガム家の恥、その恥を雪ぐ為には、この俺の手で、手柄を上げねばならんのだ!」
触手を巻かれた状態では、まともに体を動かすことが出来ず、戦闘員にすら手を焼く5人。
イガム「愚かな妹とはいえ、よくもイアル姫をたぶらかしてくれたな!」
レッド「違う、俺と美緒は……」
イガム「言うな!」
レッド(じゃあ話し掛けんなよ……) とりあえず相手の発言をシャットアウトするのが好きなイガム王子であった。
それでもなんとか触手を切り離し、自由を取り戻す5人であったが、デスガドグラーの放ったビームによって吹っ飛ばされ、自動車のスクラップ工場に迷い込む。
変身も解け、毒ガスから逃げ回るのが精一杯のタケルたち。
と、タケルの手を引いて安全なところまで連れて行ってくれたのが、意外にも赤池であった。

赤池「もう一度オーラを出してくれ、今度こそうまく行くんだ」
タケル「しかし、みんなが危ない!」
赤池「今度こそ成功すると言ってるんだ、信じてくれ。俺の技術を……この俺自身の仇を取る為にも!」
顔を紅潮させてゴリライモ1号になりかけたタケルだったが、赤池の言葉に驚いて振り返る。

タケル「ええっ?」
赤池「俺の育った山の小さな町が、このデスガガスに襲われたんだ」
タケル「なんだって?」
赤池「あれは20年前のことだった……」
ここで回想シーンとなり、田舎の駅の前で、デスガガスによって苦しんでいる住人の姿が映し出される。
駅は、「サンバルカン」の39話「尻もちおてんば娘」に出てきたのと同じ駅だと思われる。
で、たまたまそこへ遊びに来ていた運の悪い赤池は、毒ガス騒ぎに巻き込まれ、それが原因で病弱な体になってしまったと言うのだ。
その病弱な少年時代の回想シーンまで出てくるのだから、スタッフの丁寧な仕事ぶりに頭が下がる。
タケル「チューブが20年も前に、既にそんなことをやっていたなんて……」
赤池「それがゼーバの実験だったことを教えてくれたのが、姿長官なんだ。それを知ったときの俺の怒り、悔しさ、分かってくれ」
と、赤池は言うのだが、一体姿長官はどうやってそんなことを知ったのだろう?
若き日の姿長官自身が、初代マスクマンとして彼らと戦っていたのだろうか?
その際、デスガドグラーが深手を負い、その傷を癒し、もう一度毒ガスをばら撒く為に20年間雌伏していたとすれば辻褄が合う。

赤池「チューブはまた同じことを始めようとしている。俺は俺と同じような被害者を二度と出したくないんだ。でも俺は君たちのように戦えない、だから
頭脳と技術で、光戦隊の役に立ちたいんだ!」
タケル「……」
要するに、タケルたちが
バカだと言ってるのである(註・違います)

赤池「信じてくれ、俺たちの技術を!」
赤池とがっちり手を握り、その言葉に従うことを決意するタケルであった。
CM後、タケルとはぐれた4人は、毒ガスから逃れて山の中の洞窟に隠れるが、デスガドグラーはどんどんガスを送り込んできて、4人の命は風前の灯となる。
アキラ「タケルは一体どうしちゃったんだ」
モモコ「タケル、助けて!」
タケル、赤池に肩を貸して光線隊本部へ向かっていたが、マスキングブレスで仲間たちの悲痛な声を聞くと、
タケル「こうなったら、この場からオーラを送るしかない」

その場で座禅を組み、精神を集中させてオーラを発動、

遠く離れた光戦隊本部の新必殺武器に直接注ぎ込む。
しかし、実験の失敗からほとんど時間が経ってないのに、もう新しい武器が出来上がっていると言うのは、いくらなんでも仕事が早過ぎるのでは?
おまけに、

タケルのオーラを受けて完成したそれは、実験のときに見えた武器とはまるっきり別物であった。

それはそれとして、完成を喜ぶ久美ちゃんの画像をとりあえず貼っておこう。
ちなみにもうひとりの女性技師(植松里香)もなかなか綺麗なのだが、あいにくほとんど映らない。
一方、毒ガスに苦しめられていたケンタたちは、なんとか岩をどかして洞窟から脱出する。

と、そこで彼らに襲い掛かってきたのが、登場3話目にして早くも管理人にその存在を忘れられていたキロスであった。
イガム「うせろキロス、マスクマンを倒すのはこの地帝王子イガム!」
キロス「勝てるかな?」
もっとも、すぐイガムたちに押しのけられ、今回は見物に回ることになる。
4人はマスクマンに変身して戦うが、タケルを欠いた上、疲労困憊の彼らにはデスガドグラーを擁するイガムたちに対抗するすべはなかった。
が、その時、彼らの頭上に飛んできたのが、

飛行能力を持つ新必殺武器にサーフボードに乗るように立つレッドマスクであった。
レッド「ジェットカノン!」
この後、新必殺武器がくるりと一回転するが、何故かレッドは落ちない。

赤池「ジェットカノンが飛んだ! 長官、見てくれましたか?」
本部でそれを見ていた赤池たちは歓声を上げ、直ちに姿長官に報告する。
姿長官は爽やかな笑顔で、
姿「すまん、タバコ買いに行ってた!」 赤池「……」
じゃなくて、
姿「赤池、よくやった!」
赤池「はいっ」
こうなればもう詳しく書くことはない。
レッド、ジェットカノンで敵を蹴散らしながら着陸すると、

ショットボンバーと全く同じ方法でジェットカノンを発射し、デスガドグラーを撃破するのだった。
……
もっとも、新必殺武器は、そもそもキロスのクレセントスクリューを打ち破る為に開発されたのだから、ただの地帝獣を倒したところでその威力が実証されたとはいえないのではないだろうか。
それはともかく、赤池をはじめとする技術陣とのチームワークと友情とによって新たな必殺武器を手に入れたマスクマン。
ラスト、赤池たちと健闘を称えあうのだが、あいにく久美ちゃんのアップはないまま終了。
以上、東ちゃんと久美ちゃんの画像をたっぷり貼れたのが嬉しい、新必殺武器開発にまつわるドラマを描いた2連続エピソードであった。
- 関連記事
-
スポンサーサイト