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「新ハングマン」 第22話「ホテトル嬢の口をふさぐ好色官僚」

 

 第22話「ホテトル嬢の口をふさぐ好色官僚」(1984年1月13日)

 冒頭、耳を聾する音楽と、乱舞する光と闇の中で、楽しそうに体を揺らしている若者たち。

 そんな、ナウなヤングたちで賑わうディスコの片隅に、場違いな二人組の中年が座っていた。

 チャンプとETである。

 
 チャンプ「どうや、おい、言うたとおりやろー? ぎょうさんおるやろ、ええ、選り取りみどりやがな、もうパックンパックン……」
 ET「……」

 もっとも、チャンプが強引に連れてきたらしく、ETはいかにも興味がなさそうに酒を飲んでいる。

 チャンプが目を付けたのは、女子大生らしい三人組。

 チャンプ「あの子らな、毎晩、この店にたむろしとんやで」
 ET「じゃ、チャンプも毎晩ここ来てんのか?」
 チャンプ「うん、ナンパしにな」
 ET「しょうがねえな、まったく」

 で、その三人と言うのが、今回のゲストヒロインで、この後、事件に巻き込まれることになるのだが、これが正直、全員十人並みと言ったルックスで、単体(単体言うな)で勝負できる女優さんが一人もいないと言うのが痛い。

 かと言って、三人がガンガン脱いでくれると言う訳でもないし。

 同じ頃、とある高級料亭の一室で、土木省の開発局長の磯部と言う男と、大光不動産の田所専務と言う男が、まるっきり、悪代官と悪徳商人のノリで、なにやらよからぬ密談を交わしていた。

 
 磯部「昨日の国土開発会議で、例のパイパス道路の建設が決定したよ。遅くとも5年以内には着工になる予定だ」
 田所「それはまた耳寄りな情報を……当社としても早速手を打つことにいたしましょう」
 磯部「あまりに露骨に動かんでくれよ」
 田所「心得ております。些少ではございますが……」

 田所が分厚い札束を取り出して置くと、磯部は平然とそれを懐に入れる。

 職務上得た情報を業者にリークし、見返りに報酬を受け取るという、実にわかりやすい汚職の構図であった。

 これだけなら良かったが(註・良くないです)、

 
 磯部「酒はこれくらいで十分だ、それより専務、アレ以来、私は妙に若返ってしまってなぁ、忘れられんのだよ、あの味が……」

 店を変えて飲もうと言う田所に、酒の脂でテラテラした顔をほころばせながら、別の接待を要求する。

 田所「はぁ? あっ、こりゃどうも! いや、局長もお元気ですなぁ」

 そう、他の中年男同様、スケベでスケベでどうしようもない磯部は、田所から若い女もあてがってもらっていたのだ。

 スケベでスケベでどうしようもない局長を演じるのは、毎度お馴染み、加藤和夫さん。

 再びディスコの店内。

 三人のギャルをじっくり品定めしていたチャンプは、三人の中では一番顔立ちの整ったミカという子に狙いを定め、自分ではなくETに声を掛けさせようとする。

 ET「なんだ、俺をダシにするためにこんなとこに呼んだのか?」
 チャンプ「まぁ、まぁ、そんな固いこと言わんといっといでぇな」

 だが、ちょうどその時、ディスコの支配人が彼女たちに近付き、ミカに電話が掛かって来たと伝える。

 ミカは電話で何か話していたが、すぐ友達二人を連れて店を出て行ってしまう。

 ET「残念でした、ボーイフレンドと待ち合わせでもしてたんだろう」

 なおも諦め切れないチャンプは、今度は別の店に行こうとETを誘い、ETを呆れさせる。

 だが、三人を待っていたのは、ボーイフレンドなどと言うロマンティックなものではなく、

 
 ホテルの一室で、股間をギンギンにさせながらタバコをくゆらしている、磯部局長であった。

 ミカ「お待たせしました、先日はどうも」
 磯部「なんだ、友達も一緒か」
 田所「三人の中からお好きな相手を選んでいただこうかと思いましてね」
 磯部「そんな、気を使ってくれなくてもいいのに……」

 そう、チャンプにとってはショックなことに、三人は女子大生でありながらホテトル嬢のバイトをしていたのである。

 どうせなら、三人まとめて面倒みたるわーっ! などと磯部が叫んで4Pに突入してくれれば良かったのだが、割りとノーマルな磯部は真ん中のあゆみという女の子を指名して、残りの二人はさっさと帰らせてしまう。

 ま、ありようを言えば、あゆみ役の女の子だけ、脱ぎOKだったのだろう。

 で、二人きりになった磯部は、あゆみがさすがに恥ずかしそうに、先にお風呂に行きたいと言うのを押しとめ、すぐ服を脱ぐよう命じる。

 ほんっっっっっっと、どうしてこう中年男と言うのはスケベでスケベでどうしようもない生き物なのだろう?

 管理人も、そういう中年だけにはなりたくないと……あっ、とっくに中年だったか、俺様。

 なにしろ進んでそんなアルバイトをしようと言うだけあって、あゆみは景気良く服を脱ぎ、

 
 なかなかの美パイを惜し気もなく晒す(顔は見ないようにするのがコツです)

 それを、子供が拗ねたように唇を突き出しながら、嬉しくてたまらないと言う風に見詰めている磯部。

 ただ、あゆみの脱ぎっぷりは良いのだが、

 
 磯部、上半身脱いだだけで辛抱たまらなくなったのか、ゆっくりとあゆみの胸に手を伸ばし、

 
 手の中で弄ぶように揉みしだくと、そのままあゆみをベッドに押し倒してさっさと次のシーンに飛んでしまうのが、蛇の生殺しのように中途半端なベッドシーンで、ちょっと残念である。

 重度の尻フェチとしては、生のお尻はともかく、パンツくらいは見せて欲しかったな、と。

 
 井上「バイパス建設計画は、いよいよ決定ですか」
 田所「うん、5年後に着工の予定だそうだ。すべては磯崎局長のお陰だ」
 井上「では専務、早速明日からでも建設予定地の買収を」
 田所「ああ、たとえ一坪でも買って買って買い捲るんだ」

 その頃、ホテルのラウンジでは、田所と腹心の部下の井上が話していた。

 田所の部下、実は名前が分からないのだが、演じている井上高志さんの名前をとって、とりあえず井上と呼ぶことにする。

 しかし、磯部も含めて、この三人では、ハングマンの相手としてはいかにも迫力不足だよね。

 さて、続いて、いつものようにチャンプと園山の「商談」となるが、園山の持ってきたのが、他ならぬ土木省の汚職事件の摘発と言うものだった。

 
 例によって、狐と狸の化かし合いとも言うべき腹の探り合いが行われるが、園山に提示された報酬があまりに安かったこともあり、チャンプはその仕事を断ってしまう。

 チャンプ、それがあの女の子たちに関わりのある事件と知っていたら、手弁当で引き受けたであろうが……

 
 ET「断った?」
 チャンプ「そ、断った。しかし、あの園山ちゅう男は煮ても焼いても食えんな、あらぁ」
 マリア「なんで? ギャラが折り合わなかったの?」
 チャンプ「折り合うも折り合わんも、話にならんがな」
 ヌンチャク「そんなに安いんすか? 300万?」
 チャンプ「そう、調査費込みで」
 マリア「それはちょっと安過ぎるわね」

 ETたちは、チャンプが依頼を断ったと聞いてさすがに不服そうだったが、ギャラの安いことと、警察が既に動き出していることなどから、チャンプの判断を妥当と考えるのだった。

 だが、その後、磯部の汚職疑惑が表面化して、警察に事情を聞かれ、マスコミにも騒がれると言う、磯部たちにとっては困った展開となる。

 磯部は田所に電話して、大光建設が(土地買収などを)やり過ぎたせいだと文句を言い、

 磯部「収賄の事実に関しては何とか逃げ切れる。だが、君との個人的な関係は最早周知の事実だ。疑惑が完全に払拭されたとは言えんのだよ!」
 田所「それじゃ、一体私にどうしろと?」

 夜、再び料亭で田所たちと密談の場を設けた磯部は、なによりも、ホテトル嬢たちとの一件が明るみに出るのが喫緊の問題と言い、

 磯部「彼女たちを私に斡旋したのは君なんだぞ、だから、後始末も君がやるべきじゃないのかね」

 あろうことか、女子大生たちの口封じを田所に押し付けようとする。

 田所も、こうなっては一蓮托生、

 田所「わかりました、局長にご迷惑の掛かるような真似は決して……」

 そう言って、部下の井上と意味ありげな目を見交わすのだった。

 その井上、ボートの中で暮らしている、どう見てもカタギの人間とは思えない男に会いに行く。

 
 井上「実はあんたに、内々で頼みたいことがあるんだが」
 井沢「……」

 で、その男の顔と言うのが、実にむさくるしい顔なのだが、これは、

 
 続いてドバッと画面一杯に映し出される、マリアのレオタードの胸元から零れ落ちそうな巨乳と言う、たいへん素晴らしい映像を、より美しく見せる為の巧みな編集テクニックだったのである! たぶん。

 

 

 
 で、このシーン、余計な演出は一切なく、マリアがひたすら前屈みの姿勢で両手を前後に動かし、それにあわせて、たぷんたぷんと音がしそうなほど勢い良く、レオタードの中で巨乳が暴れまくると言う、おっぱい星人が泣いて喜ぶお宝シーンとなっているのであります!

 どうしてこういうシーンを、もっと早くに見せられなかったのか、スタッフの見識を疑ってしまうが、まぁ、やらないよりはマシである。

 
 さらに、真正面から見たショットや、上下に揺れる胸、

 
 そして、尻フェチの管理人への贈り物的ショットに、極めつけは、

 
 カメラに股間を向けて、両足を素早く左右に動かすと言う、スケベアングル!

 しかし、マリアのボディーは大満足なのだが、マリアの髪型、今更だけど、垢抜けないなぁ。

 管理人、「魔女先生」のひかると言い、「新マン」の丘隊員と言い、ドラマの女性キャラがパーマをかけているのを見て、良いと思ったことは多分一度もないのだが、このマリアも同じく、この髪型が、彼女本来の魅力を損ねていると思うのだ。

 ま、それはともかく、今回のエピソード、はっきり言ってこのマリアのおっぱい炸裂シーンがなかったら、確実にスルーしていたと思われる。

 で、まだ続きがあって、

 
 マリアがエアロビに夢中になっていると、いつの間にかチャンプが勝手に部屋に上がりこんで、後ろのソファに腰掛ける。

 全く気付かずに体を動かしていたマリア、背後に伸ばした手がチャンプの顔に直撃して、やっとその存在に気付く。

 
 マリア「チャンプぅ! どっから入ってきたのよー」
 チャンプ「い、いや、開いてたもんやから……」

 

 
 マリア「どうしたのー、今日何にもないって言ってたじゃない」

 チャンプのセクハラには慣れっこになっているマリア、それくらいのことでは顔色ひとつ変えず、なおも上半身を何度も上げ下げしては、たわわなおっぱいをぷるるんさせる。

 チャンプ「いや、別に用事ないやけどな、この近くへ通り掛かったものやから……へー、礼子ちゃん、こうやって見るとなかなかグラマーやね」
 マリア「用がないならさっさと帰ってよ」

 チャンプ、長いこと一緒に仕事して、その体を触りまくってきたと言うのに、今更その言い草はないだろうと思うが、考えたら、マリアがエアロビしているのをチャンプが見るのは、これが初めてだっけ?

 チャンプ、1時間で良いから自分に付き合ってくれと頼むが、マリアは予定があるからとすげなく断る。

 で、マリアの代わりにチャンプが引っ張り出したのが、

 
 何故か、加代子なのだった。

 チャンプ「奥さん、なかなかええ店でっしゃろ」
 加代子「ええ、でも、若いひとばっかりで、場違いみたいで……」

 加代子、いかにも居心地が悪そうであった。

 チャンプ、例の三人娘のことを加代子に示しながら、自分にも生きていたら同じくらいの妹がいたと口からでまかせを言い出す。

 加代子「と言いますと、お亡くなりになった?」
 チャンプ「はい、あっちの田舎の方におったもんですから、昼寝してるところを牛に踏み潰されまして」
 加代子「牛に?」
 チャンプ「ぎゅっとも言わんと亡くなりました」
 加代子「まぁ、お気の毒に……」

 天然の加代子は、そんなチャンプの与太話を聞いても、怒りもせず本気で同情してくれる。

 その上で、チャンプは、自分の代わりに彼女たちを(食事に?)誘ってくれないかと、とんでもないことを加代子に頼む。

 しかし、いくらなんでもそんなことを加代子に頼むと言うのは不自然だし、そもそも彼女たち、性豪で鳴らしたチャンプが是が非でもモノにしたくなるほど、魅力的には見えないんだけどね。

 だが、チャンプの一途な想いとは裏腹に、女の子たちの話題は、ホテトル嬢のバイトを続けるか否かと言う、夢も希望もない生臭いものだった。

 
 梢「あたし、そろそろこのバイト辞めようかと思ってんだけど」
 ミカ「やめるぅ?」
 梢「彼に勘付かれそうなのよ」
 あゆみ「梢がやめるんだったら私も辞めるわ。海外旅行の費用も貯まったし、卒論の準備もしなきゃいけないし……」
 ミカ「そうお? でも私は続けるわよ、むしろ大学を辞めてプロになろうかとさえ思ってるわ」
 あゆみ「ミカ、まさか本気でそんなことを?」

 ミカの、親が聞いたら泣きたくなるような言葉に、友人も驚きを隠せない。

 ミカ「私はマジよ、20代でお店を持つのが夢なんだもん、どうせここまで来ちゃったら、中途半端で終わらせたくないのよ」

 と、そこへまたしても客からミカに電話が掛かって来て、三人は店を出て行こうとする。

 当然ながら、加代子はなかなか声が掛けられず、結局チャンプが追いかけて自分で誘うが、ギャルたちに鼻で笑われて、あえなく轟沈。

 くどいようだが、どうにも今回のチャンプの彼女たちに対する執心ぶりは解せない。

 別に三人の中の誰かに一目惚れしたと言う訳でもあるまいに……

 だいたい、チャンプ、日頃から、それこそ本物の女子大生が働いているようなフーゾク店でガンガン遊んでいるのだから、何も加代子を引っ張り出したり、生き恥晒したりまでしてナンパしなくても、そう言う店に行けば済む話ではないだろうか。

 さて、ミカは、田島と言う客に三人一緒に来るよう頼まれたのだが、既に足を洗いたがっているあゆみと梢は気分が乗らないからと断り、ミカひとりが田島の車に乗って何処かへ連れて行かれる。

 ミカは知らなかったが、田島と名乗った男こそ、井上が雇った井沢と言う殺し屋だった。

 井沢は鉄橋下の河川敷に車を停めると、細い紐でミカの首を絞めて、あっさり殺してしまう。

 20代でお店を持つどころか、命さえ奪われてしまったミカが哀れである。

 哀れではあるのだが、ちゃんとその人物が描けていないので、いまひとつ憐憫の情が湧かないのが、ドラマとしてはマイナスである。

 翌日、オープンカフェで、チャンプがその事件の記事を読んでいると、ETがやってきて、

 
 ET「あの店にいた、三人組の一人だな」
 チャンプ「間違いない、ワシ好みの子やったからなぁ」
 ET「しかし、チャンプ、これは仕事のネタにはならないぜ。この程度の事件じゃあ、園山がうんとは言わんさ」
 チャンプ「言わんかな」
 ET「向こうの仕事を断ったばかりだし、意地でもうんとは言わんさ」
 チャンプ「そうかな……ふぃーっ、こんな可愛い子を手に掛けやがってからに、わしゃハラワタ煮えくり返っとんねん。よし、向こうが引き受けんなら、俺自前でやるわ」

 よほどミカのことが好きだったのか、およそチャンプらしくないことを言うチャンプ。

 一応、ETには、警察より先に犯人を探し出して、園山に仕事として持ち込むつもりだと弁解しているが、実際はミカの仇を討ってやろうと言う義侠心からであろう。

 なにしろ、この時点では、それがハングマンの扱うべき事件なのかどうか、さっぱり分からないのだから。

 すなわち、単なる変質者や強盗の仕業だったら、ハングマンの出番はない訳である。

 一方、当然ながら、ミカの死に、あゆみと梢は強いショックを受けていた。

 
 あゆみ「ミカが殺されちゃったなんて……私、信じられない」
 梢「私たちが一緒だったら、こんなことにならなかったかもね」

 実際は、自分たちこそ命拾いしたとは知らず、そんなことをつぶやく梢。

 彼女たちは、まさか口封じの為にミカが殺されたとは夢にも気付いてないのだ。

 それでも、田島と言う客が犯人ではないかと考え、警察に言うべきではないかと言う梢だったが、

 あゆみ「ダメよ、そんなことしたら、私たちの素性までバレちゃうじゃない」
 梢「でも……」
 あゆみ「ミカには悪いけど、私たちまで巻き添えを食うのは御免だわ」

 だが、既にこの時、あゆみの住所氏名は、ミカのアドレス帳から田所たちの知るところとなっていた。

 一方、チャンプはあのディスコの支配人に会い、彼女たちのことを尋ねると、あっさり、彼女たちがホテトル嬢のバイトをしていること、三人とも東和女子大に通っていることを教えてくれる。

 大学の門の前に車を停め、彼女たちが出てくるのを張っているチャンプとET。

 
 ET「しかし、信じられんなぁ。女子大生がホテトル嬢をやってたなんて」
 チャンプ「求めるおじ様がいるから売りますか、可愛らしい顔してほんまに何をさらしよんねん、近頃の女子大生ってのは怖いで」

 そんな会話を交わす二人だったが、若いヌンチャクやマリアならともかく、世間ずれしたチャンプたちが、その程度のことでしみじみと慨嘆を漏らすと言うのは、今までのキャラクター設定と整合性が取れないような気がするのである。

 彼らが網を張っている間に、あゆみは郵便局員に化けた井沢に部屋に入り込まれ、あえなく絞殺される。

 やがて、梢が大学から出てきたので、今度はETが追いかけて話しかける。

 
 ET「あの、ちょっと、私、沢田ミカのイトコなんですが」
 梢「ミカさんの?」
 ET「例の事件のことでちょっとお聞きしたいんですが……」

 ちなみにETは、沢田ミカと言っているが、チャンプが読んでいた新聞には秋吉ミカと書いてあった。

 ETは、田舎にいるミカの両親から頼まれたと嘘を言い、

 ET「あなた、彼女の親友だったそうですけど、何か思い当たる節でも?」
 梢「いいえ」
 ET「なんでもいいんですよ、彼女の私生活で、何か気がついたことでもあれば……たとえば、ボーイフレンドのことやアルバイトのこととか」
 梢「……」

 アルバイトと聞いて、梢の顔色が変わったのをETは見逃さなかった。

 ET「彼女、かなり派手な生活をしていたそうですけど、親からの仕送りだけじゃあ、とてもそんな生活は出来ない筈なんですが」
 梢「……」

 もっとも、初対面の人間に、友達と一緒にホテトル嬢をやってました、うふっ、などと言える筈もなく、梢は逃げるように帰ってしまう。

 その後、あゆみも殺されたことを知ったETたちは、今度は梢が狙われるのではないかと考え、急いで彼女のマンションを訪ね、有無を言わさずホテルの一室へ連れて行く。

 最初は口を閉ざしていた梢だったが、マリアからミカがホテトル嬢をしていたと言われると、涙ながらに告白する。

 
 梢「ミカだけじゃありません、私も、あゆみも……」
 チャンプ「ねえ、梢ちゃん、今度の事件はひょっとしてそれに関わりがあるんじゃないかなぁ」
 梢「どういうことですか」
 チャンプ「たとえば、君たちとの関係が表沙汰になって困る男、そういうのが常連客の中にいなかったかね」
 ET「スキャンダルを恐れるとしたら、かなり社会的地位の高い人物だろうな」
 梢「いつも電話を受けていたのはミカだから……」

 梢は、詳しいことは何も知らないと言うが、ただひとり、大光不動産の田所専務と言う名前を覚えていたのが、犯人たちの命取りとなる。

 梢「と言っても、その人、他のお客に私たちを紹介するだけなんです」
 マリア「他の客って?」
 梢「名前は知りません、だけど、見たところ結構えらい人のようでした」

 瓢箪から駒で、女子大生殺しが、最初に園山から依頼された汚職事件につながったことに、目をそばだてるチャンプとETであった。

 でも、最初の交渉シーンでは、園山、土木省の汚職とは言ってるけど、大光不動産の名前は出してないので、それだけで大光不動産と土木省の癒着事件だと断じるのは、いささか早計のように聞こえる。

 梢が知らないだけで、全然別の、社会的地位のある人間が殺させているのかもしれないのだし。

 ともあれ、チャンプは再び園山と会い、あの仕事を受けたいと申し出る。

 園山、その場合、報酬はさらに少なくなると言うが、チャンプは反対に、倍の600万を請求する。

 園山は、とんでもないと言う顔をするが、

 
 チャンプ「園山はん、この汚職事件には殺しが絡んでまんのやで」
 園山「殺し?」
 チャンプ「そう、それも二十歳の娘、園やんの大好きなピチピチのキャンパスギャルが二人も殺されてまんのやで……どうです、このネタ、600万で買いまへんか?」

 園山、チャンプの言葉を信じ、その場で600万を渡す。

 しかし、これもねえ……現段階では女子大生殺しが大光不動産の差し金と言う確証はないのだから、それをネタにギャラを釣り上げると言うのは、なんか勇み足のような気がする。

 せめてこの次の、ETとヌンチャクが大光不動産の建物に盗聴器を仕掛け、田所と磯崎の会話から、磯崎が田所に命じてミカたちの口封じをさせていると言う確証を得るシーンの後なら分かるんだけどね。

 チャンプ「案の定や、ホテトル嬢殺しは田所の差し金だったんだ」
 ET「局長って言うのは一体誰なんだ?」
 チャンプ「園山の資料によると汚職の疑惑を受けてるのは土木省の開発局長で磯崎って男……たぶん、電話の主はその男やろ」
 ET「ようし、まずは下っ端から料理するか」

 で、盗聴器を仕掛けた直後、田所と磯崎が分かりやすく自分たちの悪事をハングマンに教えてくれると言うのも、まるで弥七が天井裏にスタンバッた直後に、天井裏まで聞こえるような大声で自分たちの悪事を語り出す悪代官と悪徳商人のようで、あまりに物足りない。

 ついで、ヌンチャクが、梢の部屋の前の廊下で、宅配便の配達員に成り済まして待ち伏せしていた井沢をぶちのめす。

 この井沢と言う男が、とても凄腕の殺し屋に見えないのも、今回のシナリオのダメなところである。

 
 チャンプ「つまり土木省の高級官僚の磯崎が、大光不動産に対しバイパス道路建設計画を事前にリークする。それを受けた大光不動産が建設予定地を買い占め、莫大な利鞘を稼ぐ、その見返りとして多額のワイロと、例の若いホテトル嬢の肉体を大光不動産から磯崎に提供しよったっちゅうわけや」

 その後、アジトで、チャンプが事件全体の構図を説明している。

 ……それを、番組開始早々に、視聴者にすべてさらけ出してしまっているのが、今回のシナリオの最大の欠点であろう。

 つまり、事件の謎解きと言う楽しみが、一切与えられていないのである。

 だから、ドラマの構成としては、まず、女子大生の連続殺人からスタートさせ、ハングマンがそれを調べているうちに、官僚と業者のおぞましい癒着の構図が見えてくる……と言う風にしないといけないのである。

 で、ヒロインには、被害者の女子大生の身内や友人、あるいはホテトル嬢の本人役として、もっと綺麗な女優さんを据えて、チャンプあるいはETとともに、事件の謎を解く役割を持たせなければならない。

 ……ま、そもそも、サブタイトルで最初からネタばらしされてるんだけどね。

 
 マリア「それにしても、19や20の女の子を汚職の道具に使うなんて、一体どういう神経してんのかしら?」

 と、マリアが、呆れたようにその点を指摘するが、

 チャンプ「その辺が、ま、女の君の限界や、ロリコン趣味は何もわしだけやないで、中年なると男ちゅうのは誰しも若い女に憧れを抱くようになんねん」

 チャンプが、世の中年男を代表してその心理を解説し、ついでに、世のロリコンたちに勇気を与える。

 
 マリア「すぐそれなんだから、いやらし!」
 チャンプ「わしゃ、ヘンタイか?」

 抜け抜けと言うチャンプを、マリアが色っぽい笑みを浮かべてなじるが、そのマリアが、実際にチャンプの愛人だったとかいう噂を思い合わせると、なんとなくコーフンしてしまう私もヘンタイでしょうか?

 ヌンチャク「だからって殺すことはないっすよ、殺すことは!」
 ET「政治家や官僚は、金銭感覚は麻痺しているんだが、スキャンダルに関しては異常に敏感だからな。事件が発覚しようになったんで、慌てて彼女たちを抹殺しようとしたんだろう」

 さりげなく凄いことを言うET。

 ま、全部が全部とは言わないが、そういう連中が少なからずいることは事実である。

 ここでやっとハンギング開始となるが、

 
 今回も、経費の内訳が、パソコンのディスプレーに表示される。

 前回の、交通費とガソリン代あわせて55万と言う、めちゃくちゃな金額より多少控え目になっているが、それでもガソリン代が15万円もある。

 さすがにこれ、過大請求だろう?

 チャンプあたりが差額を自分の懐に入れているのではないかと疑いたくなる。

 で、まず磯崎を料亭で拉致した後、マリアを囮にして、田所と井上を捕まえる。

 
 人気のないところに磯崎以外の三人を連れて行き、木に縛り付けると、その体に小型爆弾を差し込み、目の前でマネキン人形を吹っ飛ばして見せる。

 これで、ただ彼らの悪事を白状させるだけなら、あまりに芸のないハンギングとなってしまうのだが、今回は一応工夫されていて、

 田所「何でも言うことを聞く! 助けてくれーっ!」

 と叫ぶ田所のアップから、

 
 磯崎「……」

 何処かのホテルのベッドに横たわっている磯崎が目を覚ますと言う、全然別のシーンに飛ぶ。

 状況が分からず、戸惑う磯崎、ふと横を見れば、

 
 磯崎「お前は……」
 梢「……」
 磯崎「何故だ、何故こんなところに?」

 なんと、下着姿の梢が寝ていて、にっこり笑っているではないか。

 
 梢「お忘れになったんですか」
 磯崎「なにぃ」
 梢「私、田所さんに呼ばれてきたんですよ」
 磯崎「そんなバカな、俺は知らん、俺は女なんか頼んだ覚えはない」

 と、そこへ田所たちが入ってくる。

 
 磯崎「専務、これは一体どうなってるんだ?」

 慌ててベッドから出て、ガウンを羽織る磯崎。

 加藤和夫さんの白いブリーフ姿と言う、滅多に見られない映像であるが、我々が見たいのは女の子のパンツなのであって、スタッフは一体何を心得違いをしているのであろうか?

 これじゃあ、視聴率がふるわなくても無理はない。

 田所「私は、局長に頼まれて、ホテトルの手配をしただけです」
 磯崎「なにっ、私が君に頼んだのは、この女たちを始末することだ」

 磯崎の言葉を聞くと、梢が上半身を起こし、磯崎に憎しみの眼差しを向ける。

 梢「そう、そう言うことだったのね。ミカやあゆみを殺したのはあんたたちだったのね」
 磯崎「お前は黙ってろ、田所君、早くこの女を始末してくれ!」
 田所「……」

 と、どこからか、チャンプの声が聞こえてる。

 チャンプ「磯崎局長、あんたの言うてはる意味がよう分かりましたよ」
 磯崎「はっ」
 
 磯崎、ドキッとしてカーテンを引くと、まばゆい太陽光が差し込んでくる。

 そう、夜だとばかり思っていたが、まだ昼だったのだ。

 ……ま、ハンギングとはあまり関係ないトリックだが。

 
 続いて、反対側の窓のシェードがあがり、その向こうにたくさんのカメラマンが群がって盛んにシャッターを切り始める。

 しかし、梢がハングマンに協力するのは分かるけど、これじゃあ、自分の顔もマスコミにバンバン撮られてしまい、ホテトル嬢をやっていたことがバレてしまうのではないだろうか?

 この辺の雑な処理は、どうにも納得できない。

 まぁ、彼らの罪を糾弾するには、梢自身が警察に証言する必要があるので、梢も腹を括ってマスコミに顔をさらすことに同意したのかもしれない。

 
 磯崎「はぁっ……」

 
 磯崎「なんだ君たちは?」
 記者「今朝、あなたの名前で各社に記者会見の連絡が入りましてね、さきほどからここで待機してたんですよ」
 記者「今の話で汚職の構造が良く分かりましたよ」

 ともかく、そこから逃げようとする磯崎だったが、テレビカメラを含めたマスコミ連中に包囲され、ジ・エンド。

 なお、言うまでもなく、田所たちは小型爆弾で脅されて、やむなくハングマンに言われるがままに行動していたのである。

 悪が断罪されるのを見て、4人揃ってホテルを後にするハングマンたち。

 
 チャンプ「それにしても惜しいことしたな」
 ET「なにが?」
 チャンプ「あの子らがホテトル嬢と分かったら、いっぺんぐらいお願いしたんやけどな」
 ET「また始まった」

 チャンプの、ある意味、磯崎たちと同じくらいに最低の台詞に、ETたちは呆れて笑う。

 
 ET「チャンプのロリコン病は不治の病のようだな」
 チャンプ「あほう、病気やないぞ、これは中年男のロマンや」
 ET「ま、言葉は文化だ、大いに弄ぶがいいさ」
 チャンプ「あれ、どっかで聞いた台詞やな」

 ラストはいつものように二人の軽口で幕となる。

 ETの最後の台詞、何が元ネタになっているのか分からないが、当時、そういうフレーズが流行っていたのだろうか。

 以上、途中で書いたように、最初から話の底が割れている点、ストーリーに捻りと謎解き要素が全く無い点、特に可愛い女の子が出て来ない点、エッチ度が中途半端な点、悪人に歯応えがない点……などなど、中盤以降の番組の低迷ぶりを象徴するような、欠点だらけで退屈極まりないエピソードであった。

 最後のハンギングには多少の工夫が見られるが、大勢を挽回するには程遠い。
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コメント

悪人軍団

>この三人では、ハングマンの相手としてはいかにも迫力不足だよね。
シリーズを重ねると、どうしても払底しちゃいますよね。

残念な作品

どうも特撮ヒロインのパーマスタイルが似合う女優さんがいないのは残念ですね😅コケテッシュだかクールビューティーだか知りませんが(どういう例えだよ😔)どうにも似合わないですね。何だかスケールの割にはみみっちいのも残念ですね

加藤和夫さん

筑波洋の父でしたね。
母も処刑していれば、ネオショッカーの勝利でした・・・

ヌルい!(byロボット長官)

悪の強大さ、極悪さ、巧妙さ、外道っぷり、下劣さ
被害者の不幸っぷり、同情を誘う度
「ハングマンじゃないと裁けない」←これ重要!

Re: 悪人軍団

確かに、悪役俳優と言っても、無尽蔵にいる訳じゃないですもんね。

Re: 残念な作品

まあ、当時は別におかしくなかったんでしょうけどね。

Re: 加藤和夫さん

善玉も悪玉もこなせる良い役者さんでしたね。

Re: ヌルい!(byロボット長官)

これだけツボを外したエピソードと言うのも珍しいですよね。

ETの最後の台詞

初めまして。さっそく本題に。

同時期に『アイ・アイゲーム』というクイズ番組が放送されていました。
山城新伍さんが司会で、名高達郎さんがレギュラー解答者でした。
で、この台詞は、司会の山城さんのオープニングキャッチフレーズを
ほんの少しアレンジしたものです。
元は、確か「言葉は文化です。大いに弄びましょう」です。
アレンジした理由は、そのままでは名高さんらしくないのと、
フジテレビ系列の番組だからだ、と思います。

いつも楽しく拝読しておりますので、御礼までに。
これからも眼福画像よろしくお願い致します(笑)
長文、失礼致しました。

Re: ETの最後の台詞

はじめまして。

ご丁寧な解説ありがとうございます! 大変参考になりました。

> いつも楽しく拝読しておりますので、御礼までに。
> これからも眼福画像よろしくお願い致します(笑)

ありがとうございます。ご期待に応えられるよう頑張ります。

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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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