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「人造人間キカイダー」 第13話「ピンクタイガーの遊園地襲撃」



 第13話「ピンクタイガーの遊園地襲撃」(1972年10月7日)

 冒頭、ギルがダーク破壊部隊のピンクタイガーを呼び寄せ、横浜ドリームランドで働いている甚兵衛と言うロボットが持っていると思われる、光明寺博士が隠した秘密の奪取およびドリームランドの爆破を命じる。

 ちょうどその頃、ミツ子とマサルもドリームランドを訪れていた。

 
 ミツ子「ここにはね、昔お父様が作ったピエロの甚兵衛ってロボットがいるの、だから、もしかしたらお父様が……」
 マサル「ふぅーん」

 二人の背後に見える、クソでかい五重塔のような建物は、ドリームランドに併設されていたホテルエンパイアと言うホテルで、現在は横浜薬科大学の図書館として利用されている。

 ドリームランド自体は、2002年に無事潰れたそうです。

 と、彼らの前方で小さな爆発音が響くが、

 
 マサル「おーい、ハンペン」
 半平「ハンペンではない、半平」

 案の定、それは半平の愛車スバル360がエンコした音だった。

 ちなみに、本当にくどいようですが、大竹さんではありません。

 マリオでも、フレディ・マーキュリーでもありません。

 
 マサル「へへ、どうしたの?」
 半平「ある人物の尾行を頼まれたんじゃがねえ、こんな始末で大事なお客さん、また取り逃がしてしまった」

 いつものことなので、ミツ子は含み笑いを浮かべ、半平を置いてさっさとドリームランドに入っていく。

 甚兵衛にはすぐ会えるが、

 
 ミツ子「甚兵衛さん」
 甚兵衛「光明寺のミツ子さん」
 ミツ子「久しぶりねえ、変わりない?」
 甚兵衛「もうポンコツだから、やっとね。もうじきスクラップにされるらしい」
 ミツ子「まぁ」(どうでもいい)

 
 マサル「お父さんはやっぱり来なかったの」
 ミツ子「う、うん、帰りましょ」
 甚兵衛「また来て下さい」

 最近、光明寺が訪ねて来たことはないとのことで、二人はすぐ引き揚げようとする。

 甚兵衛を演じるのは、ベテランの多々良純さん。

 見掛けはどう見ても人間だが、声はコンピューターっぽい無機質な声に加工されている。

 しかし、これだけ人間そっくりのロボットが普通に働いてたら、もっと世間の耳目を集め、ドリームランドの客も増えそうなもんだけどね。

 
 だが、ミツ子が細く美しい足を惜し気もなく露出しながら横切った喫茶コーナーのテーブルには、

 
 ちゃっかり光明寺が座っていたのである!

 いや、その位置なら、さすがにミツ子たち、気付くのでは?

 光明寺(私はここに来たようなことがあるような気がする……だが霞が掛かってるみたいでどうにも思い出せない)

 その目で自分の子どもたちを見ても、光明寺の頑固な記憶喪失は回復の兆しすら見せなかった。

 ミツ子たちと別れた後、甚兵衛がカシャカシャと言う機械的な足音を立てながらよたよた自分の部屋……と言うか、保管場所(修理工場?)に戻ってくると、そこに光明寺がいて、ロボットの部品のようなものをいじっていた。

 
 甚兵衛「おお、あなたは光明寺」
 光明寺「私は君が誰だか分からない、私がどうしてここへ来たのかも分からない。しかし私は覚えている。私は君に大事なものを預けた気がする」
 甚兵衛「何のことやら、分からない」
 光明寺「さ、返してもらおうか」

 しかし、娘の顔さえ思い出せないのに、そんな些細なことだけはっきり思い出すというのも変だよね。

 だが、甚兵衛は自分で言うようにスクラップ寸前で、記憶回路も故障しているのか、本当に覚えていないようであった。

 記憶喪失の男と、記憶回路の壊れたロボットの会話と言う、ドラマ史上、これほどイライラするものはあるまいと言うシーンである。

 そこへ現れたのがピンクタイガーであった。

 
 怪人「記憶を失った筈の貴様がここへ現れた以上、プロフェッサー・ギルの狙い通り、ここには秘密が隠されている。さぁ、特殊回路の秘密は何処に隠されているのだぁ?」

 ……

 いや、そんなことするより、とっとと光明寺を拉致した方が良くない?

 まぁ、この辺が、与えられた命令どおりにしか動けないロボットの限界なのだろう。

 おまけに、部屋の外から聞こえてきたギターの音に気を取られている隙に、まんまと光明寺に逃げられてしまう。

 で、ここから、ジローとダークによる、ドリームランドの施設を必要以上に絡めた無駄に長いアクションシーンとなるが、ギルの「悪魔の笛」に動きを封じられたジローは、ジェットコースターの軌道の上で立ち往生する。

 
 怪人「高速で走ってくるジェットコースターに激突して、バラバラに破壊されるのだ! ヒーッヒッヒッ!」
 戦闘員「ヒッヒッヒッ!」

 ピンクタイガーに感化されたのか、戦闘員たちのテンションが妙に高い。

 
 立ち尽くすジロー目掛けて、無人のジェットコースターが猛然と迫ってくる。

 まぁ、容易に予想できることだが、目の前まで来たジェットコースターの轟音で笛の音が掻き消され、

 

 
 ジロー「とぉっ!」

 自由を取り戻したジロー、ぎりぎりのタイミングで跳躍して、ジェットコースターをかわす。

 これは、当然、スタントが演じているのだろうが、なかなか危険なアクションであったのは間違いない。

 少し後の「仮面ライダーアマゾン」で、俳優本人がジェットコースターのレールを登って行き、ぎりぎりのタイミングでジェットコースターをヒョイとよけると言う、神業的スタントには及ばないけどね。

 キカイダーに変身し、ドリームランドの各施設をバックに戦うジローだったが、惜しくもピンクタイガーには逃げられる。

 CM後、夜の遊園地の一室で、ピンクタイガーが甚兵衛を捕らえ、回線をいじって身動きできないようにしてから厳しく尋問していた。

 だが、甚兵衛は本当に何も覚えてないので答えようがない。

 業を煮やしたピンクタイガーは、

 
 甚兵衛の頭頂部のハッチを開いて電子頭脳を剥き出しにすると、それに鋭い爪を這わせると言うえげつない拷問を行う。

 
 甚兵衛「ああ、あああー、知らないものは知らない」
 怪人「強情なやつめぇ!」

 これ、相手がロボットだからそうでもないけど、生身の人間に同じことをしているのを想像したら、レクター博士も顔負けの残酷ショーである。

 ピンクタイガー、甚兵衛をいたぶる一方、遊園地の各地に仕掛けられた爆弾を一斉に爆発させる誘爆装置を同じ部屋に設置すると、明日の正午きっかりに爆発するようセットする。

 
 翌日、家にいたミツ子に、ジローから電話が掛かってくる。

 ミツ子「え、お父様が昨日? やっぱり……ええ、甚兵衛さんが? じゃ、私もすぐ行きます」

 まだ甚兵衛から秘密を聞き出すのを諦めないピンクタイガーは、ダークの拷問所に甚兵衛を連れて行くと、その体に強力な電流を流す。

 
 怪人「言うのだ、この電流は非常に苦しい。あまり度重なると、やがて貴様はバラバラに解体してしまうのだ!」
 甚兵衛「非常モード……ふわぁ」

 「非常モード」と言うから、てっきり緊急事態に直面して、甚兵衛の秘められたパワーが解放されるのかと思ったが、そうではなく、

 
 ジロー「信号音だ」
 マサル「え、僕たちには何も聞こえないよ」
 ジロー「人造人間同士だけ通じるもの、しかも同じ製作者のものでなければ……」

 ドリームランドにいたジローに、特殊な信号でSOSを送るだけなのだった。

 ま、演じてるのが多々良純さんだから、甚兵衛に暴れさせるのは難しかっただろう。

 ジロー「ダークに捕まっている、助けてくれ……あっちの方向だ」

 ジロー、電波の飛んできた方角を察知すると、サイドカーにまたがって走り出す。

 一方、甚兵衛は何度も電流を浴びているうちに、そのショックで、最後に光明寺と会った時、体内に何かを埋め込まれたことを思い出す。

 
 ジロー(ジンベエサン、ガンバレ、ジロー)
 甚兵衛(私の体の中に博士の大切なものが入っている)
 ジロー「頑張るんだ、甚兵衛さん」

 甚兵衛と通信しながら、サイドカーを爆走させるジロー。

 
 甚兵衛「ガマンデキナイ」

 画面全体を埋め尽くして苦悶する多々良純さんの顔の下に、カタカナのメッセージが一文字ずつ左から右へ映し出される。

 これが、可愛い女性アンドロイドだったら、俄然、管理人のやる気も湧いたのだが。

 
 ジロー「ガンバレ、ジンベエサン、と……」

 ジローも走りながら、励ましのメッセージを送るのだが、なんか、ひどい目に遭ってる人に、ケータイで激励のメールだけ送って満足している人のようにも見え、ちょっと笑える。

 やがて、ピンクタイガーの言うとおり、甚兵衛の体が耐えられなくなって、片足がひとりでにもげてしまう。

 淡々とした演出だが、やってることは滅茶苦茶残忍である。

 しかも、ロボットとはいえ、相手は年寄りだから、そのむごさは目を覆いたくなるほどで、残酷描写の多い「キカイダー」の中でもとりわけ不快なシーンとなっている。

 これが丘野かおりさんみたいな美少女だったら、それはそれはエロティックなシーンになっていただろう。

 ……是非見たかった(鬼畜か)

 それはさておき、ピンクタイガーたちはキカイダーの接近を知ってその場を離れ、その隙にキカイダーは甚兵衛のところに辿り着く。

 
 キカイダー「しっかり、甚兵衛さん」
 甚兵衛「今何時? いけない、遊園地に大爆発起こる」

 キカイダー、既に手足がぼろぼろ落ちていく甚兵衛の体を抱きかかえ、サイドカーに乗せて運ぼうとするが、

 
 甚兵衛「博士から預かったもの、私の体の中にある。大勢子供たち居る、早く助けて」
 キカイダー「うん、うん」
 甚兵衛「さ、よ、なら……」

 それだけ言うと甚兵衛の電子回路が止まり、

 
 煙を吹いて、機械の残骸だけになってしまう。

 しかし、機能がストップしたからって、顔や外装が跡形もなく消えると言うのは変である。

 ま、電流を何度も浴びて、プラスティックorゴム製の表皮がドロドロに溶けてしまったのだと解釈すべきか。

 それにしても、死ぬまで子供たちのことを気遣う甚兵衛の優しさと、悲劇的な死に様に、胸が熱くなってしかるべきシーンなのに、あんまり気持ちが動かされないのは何故だろう?

 事前に、子供たちとの交流や、甚兵衛がいかに子供たちから愛されていたか、そういう描写を入れるべきなのに、省略しているせいであろう。

 この後、怒りに燃えるキカイダーは憎むべきピンクタイガーを撃破すると、大急ぎでドリームランドに引き返して爆弾を止め、事件は解決する。

 
 ジロー「これは博士が誘拐される前に密かに甚兵衛さんの体内に隠したものです」
 半平「ほお、何やら数字がたくさん並んでますな」

 ラスト、ジローが甚兵衛の亡骸から回収したロール状のフィルムのようなものをミツ子が引っ張ると、そこに複雑な数式がびっしりと書き込まれていた。

 ミツ子「あ、これは、特殊回路の計算式だわ」
 ジロー「そうです、ダークに奪われたら大変なことになるところでした」

 
 念の為、ミツ子はそのデータをジローの回路に読み取らせて記憶させると、現物はその場で燃やしてしまおうと言い出す。

 
 ミツ子「これで安心だわ」

 しゃがんで、フィルムが燃えるのを見ている4人。

 が、管理人の視線は、ミツ子さんのほっそりしたフトモモの間の神秘的なゾーンに釘付けであった。

 なにしろ、今回、エロいシーンがひとつもなかったからね。

 以上、長坂さんが書いていれば、もっと感動的な話になったんじゃないかと思えるプロットだったが、島津昇弌さんの手に掛かると、妙に索漠とした、ドライな後味になるのだった。
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コメント

半平コス

今回はシリアスなシーンが多かったようですね😅半平のマリオコスが唯一の笑いのようですね😊

長坂さんが書いていれば

>電子頭脳を剥き出しにすると、それに鋭い爪を這わせると言うえげつない拷問を行う。
じゃなくて「電子頭脳のデータを読み取る」だろうなぁ・・・
最終回の1つ前の回でバラバラになったキカイダーが「電子頭脳から」自身の設計図をミツ子に指示してたし。

後付けだから仕方ありませんが

>ミツ子「ここにはね、昔お父様が作ったピエロの甚兵衛ってロボットがいるの
これなら、「なんでイチロー=01を探さないの?」になるなぁ・・・

石ノ森先生の漫画では「01には良心回路が無く、師の命令で封印していた」が
ハカイダー4人衆の攻撃でジローのギターが炎上、そこにあった良心回路の設計図も燃え
「仕方なく01を再起動」とうまく繋げてました。

「01」には半平・光明寺博士は出たけど、ミツ子とマサルは出てませんが
ミツ子がイチローを見たらどう思うんでしょうか?

01強すぎ問題

これも後付けだから仕方ありませんが

01を製作・仁王像に入れる➡ダークに拉致され、ジローを製作
➡ジローとダークの抗争期間➡ダーク壊滅➡3年後01起動

と「01」世界では「数年前の旧式」の01の01カットで
ハカイダーはともかく「最新機」のビジンダーもあえなくダウン・・・って
RX78ガンダムがジ・オとかキュベレイに無双するレベルか?

残酷描写の多い「キカイダー」の中でもとりわけ不快なシーン

これも「仮面ライダー」との「差別化」の一環と解釈できます
(なにせ連続してましたので、同じじゃ駄目)が
「どうせ「8時だよ!全員集合」には勝てないから」とスタッフが暴走したのかも知れません。
この時代には「炎上」なんて概念は無かったし・・・

ピンクタイガー

「ピンク」なんだから、どうせなら女性型で、タイガーじゃなくて
「女豹」=「ピンクの豹」=「ピンクレオパルト」だったら良かったのになぁ・・・

モモレンジャーは1975年、ピンク・レディーのデビューは1976年だから、そうした意識は無かったかも?

Re: 半平コス

誰もいじってくれないのがさらに笑いを呼びますね。

Re: 長坂さんが書いていれば

確かにその方が手っ取り早いですよね。

Re: 後付けだから仕方ありませんが

そうですね。私は漫画版を見ていないので良く分からないですが。

Re: 01強すぎ問題

そう言えば、メダルダーもそんな感じでしたね。

Re: 残酷描写の多い「キカイダー」の中でもとりわけ不快なシーン

多々良純さんの苦悶する顔を延々と見せられては、見てる方も拷問です。

Re: ピンクタイガー

ピンクである必然性がないキャラクターですね。

甚兵衛とメカクローン第1号

どうもこの処の「キカイダー」の記事を観ていると前回(シルバーキャットのお話)と共に、「バイオマン」に通じる物を感じるお話が続いている様な気がします。前回の王冠強奪に続き、今回の多々良純さんによる、老メカ人間・甚兵衛もまた、メイスンたちの謀反のお話に登場したメカクローン第1号にも似た悲哀を感じさせます!!
その際、メカクローン第1号は老骨に鞭を打ちメラージュ戦闘機でメイスンたちを迫撃する等して、ドクター・マンを謀反から守ろうとする心意気と無念を見せましたが、それがまたここに観るピンクタイガーの暴力に耐えながらジローにSOS信号を送り続ける甚兵衛と重なります!!
出来れば、メカクローン第1号を労わっていたピンクの様な優しさを、ミツ子姉さんが甚兵衛に向ける場面があれば一服の清涼剤代わりになりより良かったとも思えます。

Re: 甚兵衛とメカクローン第1号

そうですね。ミツ子たちの反応が妙に淡白なのが、いまひとつ盛り上がらない要因ですね。

妙に納得しました

>多々良純さんの苦悶する顔を延々と見せられては、見てる方も拷問です。
「マスクマン」で超美人の蜷川さんが、バラバのような脳筋の無法者に蹂躙される
から「画になる」んですよねぇ・・・

「悪役の顔になっていたんでしょうね」

ビッグシャドウこと八名信夫さん:84歳に注意された
「老人に席を譲らない」若者たちは、ビビッてこそこそと逃げ出したそうです。
八名さんは184㎝もあるからなぁ・・・

Re: 妙に納得しました

返信ありがとうございます。

考えたら光明寺も、わざわざ年寄りのアンドロイドを作らなくても良いのに……

Re: 「悪役の顔になっていたんでしょうね」

ゲッ、そんなに長身なんですか?

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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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