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「ウルトラセブン」 第9話「アンドロイド0指令」(リライト版)



 第9話「アンドロイド0指令」(1967年11月26日)

 ※この記事は2013年9月29日に公開した記事を全面的に書き直したものです。

 冒頭、ストーリーとは無関係に、ホーク2号などが出撃するライブラリーが映し出されるが、本作は、特撮班がおらず、本編班だけで撮影した異色作で、その手のシーンがほとんど出て来ないので、アリバイ的に持ってきたのだろう。

 続いて、フルハシとソガがポインターでパトロールに出掛けるが、オフィス街を走っていると、いきなり前方に、金髪にキラキラ光る金色のワンピースを着た美女があらわれる。

 フルハシが急ブレーキを掛けると、女はゆっくりこちらに近付いて来る。

 
 本編では呼ばれないが、一応、ゼロワンと言う役名がついているアンドロイド美少女を演じるのは、小林夕岐子さん。

 無論、この金髪はカツラだが、それが滑稽に見えないのは、小林さんの日本人離れした美貌のお陰だろう。

 ゼロワンは、運転席側の窓のそばに立ち、

 ゼロワン「ウルトラ警備隊の方ですね」
 フルハシ「そうですが」
 ゼロワン「あの、モロボシ隊員では?」

 
 フルハシ「えっ?」

 フルハシ、ダンの名前が出たので少し驚くが、例によって茶目っ気を出し、

 
 フルハシ「……」
 ソガ(キモッ!!)

 振り向くと、こっそりウィンクをして、ソガを死ぬほど怖がらせてから、もう一度女性に向き直り、

 フルハシ「そう、モロボシ・ダン」

 
 ゼロワン「お会いしたかったんです……」
 フルハシ「えっ、あ、ああ……」

 女性がにこやかに手を差し伸べてきたので、フルハシも反射的に手袋を脱いで、赤くマニキュアされた華奢な手を握る。

 だが、次の瞬間、

 
 フルハシ「うわーーーっ!!」

 女の手から凄まじい電気ショックを受け、けたたましい悲鳴を上げて悶絶する。

 それでも、咄嗟に左手を伸ばし、女性の胸にあったブローチを毟り取ったのが、さすがウルトラ警備隊随一の豪傑フルハシらしいしぶとさであった。

 女はとっとと逃げ出し、ソガが気持ちだけ追いかけるが瞬く間に闇の中に消えてしまう。

 
 ソガは、苦しがっているフルハシの左手を無理やりこじ開け、握られていたブローチを手に取る。

 そして、苦しがっているフルハシを放置して、その蓋を開けてみるのだが、正直、開けるカットまでは要らなかったと思う。

 何故なら、本部に戻ったフルハシにキリヤマが訓戒するシーンのあと、

 
 もう一度、開けた状態のブローチが映し出されるからである。 

 今回、特撮シーンが極端に少ないせいか、全体的に無駄なシーンが多い気がする。

 話が前後したが、ブローチの中に書かれていた文字を、アマギがコンピューターで解読する。

 アマギ「アンドロイド0指令……」
 キリヤマ「アンドロイド0指令? 一体なんだろう?」

 しかし、なんでゼロワンがそんな文字の入ったブローチやワッペンを持つ必要があるのか、その辺が良く分からないのである。

 ダン「隊長、僕にその女を追わせてください」
 フルハシ「い、いや、俺も行くよ」

 右手を包帯でグルグル巻きにしたフルハシも名乗りを上げるが、

 キリヤマ「おい、その体じゃ無理だ」
 ソガ「俺が行くよ、あの顔は忘れん」

 相変わらず優しいソガ隊員が代役を買って出る。

 キリヤマ「よし、二人で追っかけろ、ついでにアンドロイド0指令がどんな指令なのか探るんだ」

 今回の話の一番おかしなところは、次のシーン、団地の公園で、リアルなおもちゃの銃器を持って戦争ごっこしている子供たちの映像が映し出され、そこへダンとソガが、ポインターに乗ってあらわれ、まるで彼らのことを調べに来たかのようにまっすぐ向かってくることである。

 二人は、あの謎めいた美女を探しているはずなのに、なんでそんなところにやってきたのか?

 美女と戦争ごっこには、何の関連性もないではないか。

 ともあれ、二人は群がる子供たちの中に進み出て、

 
 子供「えっへっへっ、かっこいいだろう」
 ダン「うん、凄くかっこいいよ」

 ダン、調子を合わせながら子供の一人から銃を取り上げ、仔細に調べる。

 ダン(まるで本物だ。とても玩具とは思えない……)

 ダン、そのことにすぐ気付くのだが、子供からそれを借りてちゃんと科学班に調べさせようとしないのは変である。

 ダンはまた、子供たちがみんな、ブローチに入っていたワッペンと同じものを胸につけていることに気付く。

 同じものは、おもちゃの銃器にもついていた。

 ダン「何処で買ったの」
 子供「おもちゃじいさんだよ」
 ダン「そのワッペンも?」
 子供「おもちゃを買うとおまけにつけてくれるんだ」

 そのじいさん、公園の別のところで、おもちゃの実演販売をしていた。

 
 じいさん「さあ、今度はこのジェット機が空を飛ぶよ、ワシのおもちゃは買って損はないね」

 おもちゃじいさんを演じるのは、メイツ星人でお馴染み、植村謙二郎さん。

 
 おもちゃじいさんが、アメリカ空軍のYF-12という戦闘機の模型を地面に置き、気合のようなものを発すると、

 
 どういう仕組みか、ジェット噴射を行い、宙に飛び上がる。

 こういう映像を、CGなしで撮っちゃう当時のスタッフの技術力とセンスには、毎度のことながら脱帽である。

 戦闘機はしばらく飛んでから地面に落ちる。

 ダンが拾い上げるが、その機体にもワッペンが貼ってあった。

 じいさんは子供たちを掻き分け、ダンの前に来ると、事務的にそれを受け取り、

 じいさん「や、どうもありがとう、さあ、今日はおしまいにしようかな」

 そう言って、おもちゃを積んだリヤカーを引いて帰っていく。

 二人がそのあとを尾行したのは言うまでもない。

 
 国鉄の車庫に置かれた車両のそばを、リヤカーを引いて進むじいさん。

 ガラガラで赤ん坊をあやしている主婦と挨拶して擦れ違い、

 
 雑草だらけの、廃墟のような建物の中に消えていく。

 このあたりの風景が、管理人が子供の頃に遊んでいた原っぱと言うか、空き地を思い出させて、ほのぼのとした気分になるのだった。

 続いて、ポインターに乗ったダンとソガがあらわれ、

 
 ダン「あのじいさん、何時頃からあそこへ住んでるんですか」
 主婦「ああ、おもちゃじいさんですか、そうね、ふらっとあそこに住み着いて、かれこれ一年ぐらいになるかしら、子ども好きのいいおじいさんですよ」

 ……

 え、一年前から住んでたの?

 さすがに準備期間長過ぎない?

 東京23区にあのおもちゃをばら撒くくらい、1ヶ月もあれば可能だろう。

 兵は拙速を貴ぶと言うが、ちゃっちゃと作戦を開始していれば、セブンが地球にやってくる前に地球を征服できていたかもしれないのに。

 ここで、アマギからダンのビデオシーバーに通信が入り、あのブローチが宇宙金属だと判明したと言う、「だから何?」的なことを伝えてくる。

 このシーンも要らないよなぁ。

 と、ちょうど二人の前をあのおもちゃを持った子供たちが戦争ごっこをしながら走り抜けていく。

 その際、子供の一人がワッペンを落とし、ダンがそれを証拠として持ち帰るのだが、ワッペンってブローチの中にもあったから、これもあまり意味がないように思える。

 それとも、ブローチの中のワッペンは、ただのマークだったのだろうか?

 ひとまず二人が引き揚げるのを、壁の割れ目からじいさんが見詰めていた。

 薄暗い地下室に下りると、

 じいさん「どうやら嗅ぎつけたらしいな、こっちも準備完了だ。今夜あたりやっちまおうかな」

 ウルトラ警備隊作戦室。

 キリヤマが、何かを待っているように、ライターの火をつけたり消したりしているとアマギが入ってきて、

 
 キリヤマ「どうだった」
 アマギ「間違いありません、これもあのブローチ(註1)と同じ宇宙金属です」
 ダン「やっぱりそうか」

 註1……ダンに連絡して来た時は、ペンダントと言っている。

 アマギ「それだけじゃないぞ、このワッペンにはな、ある種の周波だけを受け付ける特殊な装置がしてあるんだ」
 キリヤマ「受信装置?」

 
 アマギ「ええ、この部分が受信機になっているようです」

 アマギの言葉に、キリヤマはワッペンを手に取り、

 
 キリヤマ「ほぉおお……」

 
 ダン(ほんとは分かってねえな……)

 と言うのは嘘だが、アマギの言う「この部分」が何処なのか、分かりにくいのは事実である。

 赤い輪の真ん中の、金属部分のことだろうか?

 
 ダン「子供たち、おもちゃ、ワッペン」
 フルハシ「0指令……全く分からんなぁ」
 キリヤマ「早めに見当をつけたほうが良さそうだ。そのじいさん、徹底的に洗ってくれ」
 ダン「はい、洗濯機の中に放り込んでやります!!」
 キリヤマ「いや、そういう小ボケはいいから……」

 途中から嘘だが、今回、アンヌの出番がほとんどないことに奇異な感じを抱いた人もいると思う。

 奇禍にあったフルハシをキリヤマが叱っているシーンに姿が見えるが、台詞は全くない。

 これは、ひし美さんの女優としての姿勢に満田監督がキレて、「しばらくアンヌを干そう」と言うことになり、この時期、あえて出番を減らしているのである。

 その時期と言うのは、9話(製作順では11)から、11話(同12)、13話(同13)までである。

 アンヌ不在回を太字にして放送順に並べると、

 8→9→10→11→12→13→14

 となる。

 つまり、わざとか偶然か、通常回と不在回がサンドイッチになっている(12話は番組自体が欠番だけど)ので、普通に見ている分にはアンヌの不在があまり目立たないようになっている。

 閑話休題。

 再びじいさんのアジト。裸電球の笠に、蛾がぶつかるコツコツと言う音がしている。

 
 じいさん「これもよし、これもよしと……とどめはこれだ!!」

 ひとりでチェスのコマを動かしながらぶつぶつ言っていたが、最後に蛾をコマで押し潰す、有名なシーンとなる。

 ちなみに映像ではただのチェス盤だが、台本では、東京23区の地図になっていて、その上にコマを置いていくことになっていたらしい。

 じいさん「ふふふふ、さあて、そろそろ出掛けるかな」

 一年の準備期間を費やし、いよいよチブル星人の作戦が開始されるのだが、肝心のダン抹殺をまだ成し遂げていないのに、見切り発車で作戦を開始しようとするのは、宇宙一頭がいいチブル星人にしては迂闊だったように思う。

 ま、もっと言えば、最初からダンなど相手にしないで、さっさと作戦を開始すればよかったのである。

 最初の時点では、ダンもウルトラ警備隊も、おもちゃじいさんの布石には全く気付いていなかったのだから、そのほうがよほど確実だったろう。

 それはともかく、じいさんが部屋の片隅のカーテンを引くと、

 
 そこに、あのゼロワンそっくりの人形が立っていた。

 と言うより、この姿こそゼロワン本来の姿なのだろう。

 じいさんが人形の顔を撫でるように手を動かすと、

 
 人形に命が灯り、あの美女に変わる。

 
 じいさん「アンドロイド0指令、今夜発令する」
 ゼロワン「はい」
 じいさん「そのためにはモロボシダンの動きを封じなければならん。それがお前の役目だ、お前はそのために作られた」
 ゼロワン「わかっております」
 じいさん「二度と失敗は許されんぞ、なんとしてでもモロボシダンを」
 ゼロワン「M地点に誘い込みます」
 じいさん「それが良かろう、そろそろこっちに向かってる頃だ、行きなさい」

 小林さん、実に美しいのだが、アンドロイドと言うことで、一切瞬きしないで演技しているので、文字通り人間離れした独特の雰囲気を醸し出しているのも素晴らしい。

 マヤも捨て難いが、「セブン」の女性ゲストの中では、やっぱり彼女がピカイチだなぁ。

 さて、いささか芸がないが、ダンとソガがポインターでビル街を走っていると、冒頭と同じようにゼロワンが飛び出してくる。

 ただし、今度はすたこらさっさと逃げ出して、二人をある場所に誘導する。

 
 とりあえず、ハイヒールで一生懸命走っているゼロワンちゃんのお顔を貼っておこう。

 二人も全力で追いかけるが、なにしろアンドロイドなのでめちゃくちゃ足が速く、男の足でも全く追いつけない。

 それはいいが、途中で二人が諦めて帰っちゃったら、どうするつもりだったのだろう?

 ゼロワン、首尾よく二人を(松屋)デパートの中に誘い込み、シャッターを閉める。

 
 アナウンス「お客様にお知らせします、午前0時の時報とともに(※)アンドロイド0指令が発令されます、あとしばらくお待ちください」

 静まり返ったデパートの中を探し回る二人の頭上から、ゼロワンの声でアナウンスが流れるのだが、普通、こういうとき、アナウンスが全部終わるまで動かないと思うのだが、(※)のところでソガがその場から走り出しているのが、凄く違和感がある。

 色々どうでもいいシーンのあと、二人は三階まで上がってくる。

 その間も、あのアナウンスがエンドレスで延々流れている。

 ソガ「貴様何ものだ、アンドロイド0指令とはなんだ? 答えろ!!」

 ソガが闇に向かって吠えるように問い掛けると、

 
 スポットライトがパッとつき、並んで立っているじいさんとゼロワンの姿を浮かび上がらせる。

 
 じいさん「お答えしよう」

 
 ダン&ソガ(答えてくれるんだ……)

 仮面ライダーの悪役がそうであったように、とかく、特撮ドラマの悪役と言うのは見かけによらず親切な人が多いのである!!

 じいさん「簡単に言うと、まず、催眠周波を子供たちに送って、催眠状態に置く。それからあのおもちゃ、実は本物なんだ。機能は止めてあるがね」
 ダン「そのためにワッペンを?」
 じいさん「さよう、あのワッペンは子供たちに催眠周波を与え、おもちゃを実戦用の武器に切り替える役目をする」

 
 じいさん「午前0時とともに、子供たちのおもちゃが一斉に凶器になるんだ、私のばら撒いたおもちゃがな」

 語っているじいさんの横から、銃を持った子供たちが行進してきたので、一瞬、本物の子供がその場にいるのかと思いきや、これはイメージシーンを合成しているのだった。

 
 じいさん「催眠状態に置かれた子供たちは、私の思い通りに操ることが出来る。子供たちの持つ最新鋭の武器は地球上のいかなる武器よりも強力だ、まして地球の大人たちは子供には武器は向けやしないだろう。だから子供たちは何の苦労もなくごく平和的に東京、日本、いや全世界をたちまち占領してしまうというわけだ」

 大勢の子供たちの足音が軍靴の響きを連想させる、なんとも不気味で幻想的なシーン。

 子供たちが全員、悪人風のメイクをされているのも芸が細かい。

 ソガ「バカバカしいや、おもちゃが本物になってたまるか」
 じいさん「では納得させてあげよう」

 吐き捨てるように言うソガに、じいさんが右手を顔の前に翳すと、

 
 彼らの周りにあるおもちゃがひとりでに動き出し、しかも、戦車が実際に砲撃してくると言う怪現象が起きる。

 しかし、あの武器は本来武器であるものをおもちゃに見せかけているだけなのに、普通のおもちゃが一瞬で本物になるというのは、また別の話のような気がする。

 他にも、戦闘機の模型が空を飛んで攻撃してくるなど、撮ってる方は苦労しただろうが、個人的にはどうでもいいシーンである。

 そんなことより、ゼロワンちゃんにミニスカで飛んだり跳ねたりしてもらった方が、よっぽど有り難かった。

 
 ダンが、負傷したソガを支えてエレベーターの中に入ろうとすると、先回りしたゼロワンが立っていた。

 ソガ「うっ!!」

 
 ゼロワン、左手を広げて突き出すのだが、指の隙間から見えている小林さんの顔がめっちゃ凛々しい!!

 
 ゼロワンの指先から、ビームが放たれるが、二人は体を低くしてかわす。

 二人は物置or事務所のような小部屋に逃げ込み、本部に連絡しようとするが、妨害電波のせいで通じない。

 でも、何もしてないのに普通に通信できるようになるのが、なんだかなぁと言う感じである。

 妨害されてたんじゃなくて、単に電波の入りが悪かっただけってことなの?

 
 アマギ「どうしたんだ、ダン」
 ダン「ソガ隊員が負傷して動けないんです」

 
 アマギ「ソガが負傷したって? それが何か?
 ダン「……」

 じゃなくて、

 アマギ「ソガが負傷したって?」
 ダン「おもちゃの戦闘機に襲撃されたんです」
 アマギ「なんだってえ」
 ダン「天井から飛行機、床の上には戦車部隊!!」

 興奮気味にどうでもいいことを喚き立てるダン。

 いや、真っ先に知らせるべきはアンドロイド0指令の内容なのでは?

 アマギ「おいおいもっと真面目にやれよ」
 ダン「冗談言ってんじゃありません、いいですか、僕は寝惚けてるんじゃないんですよ!!」

 まあ、パニくるのも分かるけど、このシーン、ダンがソガ並みに役に立たないのが、見ていてイライラさせられる。

 ここでキリヤマが通信を代わり、

 
 キリヤマ「ちょっと待て、ダン」
 ダン「あ、隊長」
 キリヤマ「お前を写してるカメラ、何処にあるんだ?」
 ダン「……」

 変なところが気になる年頃のキリヤマであったが、嘘である。

 キリヤマ「もっと落ち着いて話せ」
 ダン「はい、アンドロイド0指令の内容がつかめたんです。やつらは子供を催眠状態にしておもちゃの武器を持たせようと企んでいるんです。そのおもちゃも実は本物で地球上のどんな武器よりも遥かに強力です。アンドロイド0指令が発令されるのは今夜の0時です。早く何とかしなければ大変なことになります」

 やっと核心部分を話すダンであったが、それを聞いたキリヤマが、「直ちに子供たちのおもちゃを回収するよう、都内全域に呼びかけるんだ!!」みたいなことを一切言わないのが、物凄くモヤモヤする。

 ま、時間的に間に合わないと判断したんだろうが……

 怪力で事務室のドアを押しのけ、ゼロワンちゃんが迫ってくる。

 ダン、じりじりと後ずさりながら、

 ダン(ここに、ソガ隊員さえいなければ……)

 ソガ隊員がいては、セブンに変身出来ず、苦慮するダン。

 しかし、撮影の都合か、二人がウルトラガンを全く使おうとしないのは、凄く奇妙である。

 ダン、やむなくソガのお腹にグーパンチを叩き込み、気絶させる。

 
 ダン「ソガ隊員、すまん、今楽にしてやる」

 念のため、空手チョップを首筋に叩き込み、息の根を止めておくダンであったが、嘘である。

 ダン「ソガ隊員、すまん、デュワッ!!」

 ダン、心置きなくセブンに変身する。

 じいさんとゼロワンは、たちまち後ろを向いて逃げ出す。

 しかし、じいさんが逃げるのはともかく、戦闘アンドロイドのゼロワンまで一緒になって逃げるのは、ちょっと情けない。

 
 二人は屋上の遊園地に逃げ込むが、あえなくセブンに追い詰められる。

 
 じいさん「あの時、モロボシさえ殺していれば」
 ゼロワン「もう何もかも終わりです」

 あろうことか、敵を前にして思いっきり後悔するじいさんに、ゼロワンも呆れ果てたように宣告を下す。

 「セブン」の中に登場する宇宙人の放った、最低の台詞だよね、これ。

 それまで憎たらしいほどの余裕をかましていただけに、落差がひどい。

 
 それでも、もう一度フィンガービームを放とうとするゼロワンであったが、セブン、一瞬早くエメリウム光線をその額に当て、

 
 その体を人形に戻し、倒れた人形はバラバラに砕け散る。

 管理人、ゼロワンって思ったほど活躍しないで死んだ印象があったのだが、今回改めてチェックして、かなり見せ場があることに気付いて嬉しくなった。

 また、登場するのは常に夜や闇の中だけで、昼間の世界に引っ張り出してその神秘性を損なわせないあたり、さすがのセンスである。

 どうせなら、衣装も2パターンくらいあるとなお良かったのだが、贅沢は言うまい。

 
 じいさん「う、うう……」

 実は口先だけのチキン野郎だったチブル星人、怯えたように背後の手摺に寄りかかると、まず頭だけがマヨネーズのような光に包まれて、巨大な宇宙人の頭部となり、

 
 続いて、胴体も、タコのような細長い触手に変わる。

 これが、「セブン」最大の見掛け倒しとも言われるチブル星人の正体であった。

 知能指数5万らしいが、知能指数5万って言ってる時点でバカ確定である。

 もっとも、それは設定がそうなってるんであって、本人が言ってるわけではないのだが。

 チブル星人にとって不運だったのは、前記したように、今回は特撮班がなく、本編班だけで撮っていたことで、巨大化することも、ビームを出すことも、操演で縦横無尽に暴れ回ることも出来ず、多少、セブンに襲い掛かろうとする動きを見せるくらいで、なすすべもなくエメリウム光線で倒されてしまったのは、いささか哀れであった。

 ちなみに、エメリウム光線を撃つ前に、セブンの見た目で、戦車が足元にいて、自分の方に向かってくるカットがあるのだが、あれは一体なんだったのだろう?

 おもちゃ売り場にあった戦車が、屋上まで上がってくるとは思えず、チブル星人がせめてもの抵抗で作り出した幻影だったのだろうか?

 ともあれ、チブル星人はぐずぐずに溶けて消滅し、アンドロイド0指令は発令されないまま終わる。

 セブンが変身を解いてダンの姿に戻ると、キリヤマたちが駆けつける。

 これも、ホーク1号などでここまでやってくる「つなぎ」のカットがないので、かなり唐突な印象を受ける。

 ちなみに、ここにもアンヌの姿はない。

 今回は小林さんのひとり舞台なので問題ないが、ゲストヒロインのいない「魔の山へ飛べ」や「V3から来た男」で、アンヌがいないのはかなりつらいものがある。

 キリヤマ「無事だったか」
 ダン「はい、ウルトラセブンのお陰です」
 キリヤマ「そうか、事件を未然に食い止めることが出来て、ほんとによかった」

 ここでも、子供たちに配られた銃器については一切言及されず、実にもどかしい。

 無論、この後、ちゃんと回収されたのだろうが、その一言があるとないのとでは、大きな違いだよね。

 ついでに、

 
 キリヤマ「さ、行こう」
 ソガ「ところで、なんでさっき殴ったの?」
 ダン「……」

 途中から嘘だが、ソガが、さきほどのダンの行動について全く触れないのも変である。

 今回のお話、以前レビューした時は、小林さんの美しさばかりに目が行っていたが、冷静にストーリーを分析すると、あちこちに綻びが見られるのが興味深い。

 それでも、なんだかんだでシリーズ屈指の力作なのは間違いない。
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コメント

毎度のことですが、どうして宇宙人にしろ悪の組織にしろ作戦内容を打ち上げるのでしょうか?黙って実行した方が気づかれずに成功する確率が高いと思うのですがね😓かまってちゃんの集まりなのでしょうか?

Re[1]:「ウルトラセブン」傑作選 第9話「アンドロイド0指令」(09/29)  

ふて猫様
>毎度のことですが、どうして宇宙人にしろ悪の組織にしろ作戦内容を打ち上げるのでしょうか?黙って実行した方が気づかれずに成功する確率が高いと思うのですがね😓かまってちゃんの集まりなのでしょうか?

基本的な質問ですね。まぁ、自信があるのか、天然なのか、構って欲しいのは確かだと思いますが。

Re:「ウルトラセブン」傑作選 第9話「アンドロイド0指令」(09/29)  

「ファンタスティック・コレクション ウルトラセブン」の満田監督の寄稿によると
たまたま小林多岐子さんと出合って「人外なものを感じた」ので
「アンドロイド少女が出る話」を発注したそうです。

「日本人女性には金髪は似合わない」(by高校の同級生)の稀な例外ですね。
小林多岐子さんの美しさがほぼ全てのお話だと思います。

Re[1]:「ウルトラセブン」傑作選 第9話「アンドロイド0指令」(09/29)  

影の王子様
>「ファンタスティック・コレクション ウルトラセブン」の満田監督の寄稿によると
>たまたま小林多岐子さんと出合って「人外なものを感じた」ので
>「アンドロイド少女が出る話」を発注したそうです。

小林さんありきの話だったんですね。

>小林多岐子さんの美しさがほぼ全てのお話だと思います。

おもちゃじいさんが住んでるあたりの風景も、なんとなく子供の頃を思い出させてくれて好きですけどね。

突っ込みどころ満載

この話はかなり突っ込みどころが多く、特に「ソガ隊員、すまん!」のシーンについて、後でソガはダンに腹パンしたことを責めていたでしょうね。

Re: 突っ込みどころ満載

> この話はかなり突っ込みどころが多く、特に「ソガ隊員、すまん!」のシーンについて、後でソガはダンに腹パンしたことを責めていたでしょうね。

パロディ漫画とかでよくネタにされるシーンですよね。

腹パン

正体をバラされたく無いとはいえソガ隊員に向かって腹パンですか?その後(ソガから)講義は無かったのでしょうか😅

Re: 腹パン

ソガはお人好しですからね。

ツッコミどころ満載でも

ゲストのキャラクターが立っていることで人気の高いエピソードの典型ではないでしょうか。セブンのファンでこの話が好きな人が多かったから近年の作品にチブル星人がメトロン星人の次ぐらいに良くでてくるというところでしょうか。

Re: ツッコミどころ満載でも

これもリテイクする予定です。

漫画版は多分特撮班有り

この回は一峰先生の漫画版にも採用されており、大筋は同じですが全体的に漫画版の方が面白くなっています
こちらではゼロワンが倒された後チブル星人が巨大化してセブンに挑み、硬化液カプセルを浴びせてセブンの上半身を固めてアイスラッガーを投げられなくするが、セブンは止めに投げ付けられたビルを利用してアイスラッガーを発動させて逆転勝利、という流れになっていました(ついでにソガ隊員が気絶した理由も玩具に襲われた時に戦闘機のミサイルを頭に受けた為、という流れになっています)

ただゼロワンに関しては明らかに特撮版の方が上です
漫画版では戦闘形態への変身を見せていましたが特撮版でのマネキンからの変身の方が怖く感じますし、ビジュアル面でも小林夕岐子さんの演じている特撮版の方がより女アンドロイドらしい美しさと恐ろしさが表現できていると思います

No title

生身のフルハシすら殺せなかったのに宇宙人のダンを殺せたとは思えません。

そもそもですね

モロボシ・ダンを狙わなければ作戦を遂行出来たのに。

Re: 漫画版は多分特撮班有り

> この回は一峰先生の漫画版にも採用されており、大筋は同じですが全体的に漫画版の方が面白くなっています
> こちらではゼロワンが倒された後チブル星人が巨大化してセブンに挑み、硬化液カプセルを浴びせてセブンの上半身を固めてアイスラッガーを投げられなくするが、セブンは止めに投げ付けられたビルを利用してアイスラッガーを発動させて逆転勝利、という流れになっていました(ついでにソガ隊員が気絶した理由も玩具に襲われた時に戦闘機のミサイルを頭に受けた為、という流れになっています)

ご教示ありがとうございます。確かに面白そうですね。

> 漫画版では戦闘形態への変身を見せていましたが特撮版でのマネキンからの変身の方が怖く感じますし、ビジュアル面でも小林夕岐子さんの演じている特撮版の方がより女アンドロイドらしい美しさと恐ろしさが表現できていると思います

キャスティングの勝利でしたね。

Re: No title

まあ、そうでしょうね。

Re: そもそもですね

絵に描いたようなやぶへびでしたね。

見かけ倒し

チブル星人程見かけ倒しの侵略者はいないでしょうね😅子供達を利用してセブンを倒そうとしたまでは良かったですがね

Re: 見かけ倒し

見掛け倒しと言うより、期待はずれと言うべきでしたか。

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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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