第21話「ベルリンの壁殺人事件」(2003年2月23日)
「愛」のレビュー開始時に書いたように、本来は、この21話だけをレビューするつもりで、去年の1月に記事を書いたのだが、ついでだからと他のエピソードを4話ほど書き、それらを今年の2月から放送順に公開しているのだが、執筆から実に1年と3ヶ月を経た今、漸くこのエピソードを皆さんに紹介することが出来て、管理人は大変嬉しく思うのであったと言うクソ長い前置きはおいといて、早速本題に入ろう。
冒頭から、早くも事件現場の赤坂映画撮影所を訪れて、ドラマごっこをしている五代と愛。

愛「宇宙人……」
五代「美代ちゃんでーす」
愛「うっふふふっ」
ついで、小道具のかぶりものを勝手につけて遊ぶ。
いつも不貞腐れているようなイメージのある(註・管理人の偏見です)宮崎あおいだが、こうして笑っているところを見ると、やっぱり可愛いよね。
愛は、五代から何か重大な事件が起きると聞かされて、ホイホイついてきたらしい。
そして五代が愛を連れて行ったのが、殺風景な会議室のような一室だった。

山田「君たち、オーディションは2時からだから……」
愛「今日はそういうことじゃなくて、事件って聞いたんですけどぉ」
五代「あの、『男はむなしいよ』シリーズの山田洋助監督ですよね。あの、役者の経験はないんですけど、才能は絶対あると思います」
と、そこへ現れた山田なる監督に、いそいそと履歴書のようなものを取り出して見せる五代。
愛「なんだ、五代さん、今日、映画のオーディション受けに来たんですか? だったら最初からそう言えばいいのに、はずかしがっちゃって~」
愛、ニヤニヤしながら履歴書を見るが、なんと、それには他ならぬ愛の写真が貼ってあるではないか。
愛「あたし? 妹役?」
そう、五代、勝手に愛の履歴書を作って、「百と百子の髪飾り」と言う、どっかで聞いたようなタイトルの映画のオーディションを受けさせるつもりだったのだ。
憤慨する愛だったが、五代は監督を追いかけて何処かへ行ってしまう。愛がスタジオの中を探し回ってようやく見付けるが、五代がいたのは、ドアが向かい合わせになった二つの部屋の前だった。
愛「パフィンクって、あの二人組の?」
五代「そうだよ」
愛「どうして別々の部屋なんですか」
五代「お前、何にも知らないんだね、二人組ってはだいたい仲が悪い。だから別々になってんのよ」
その二つの部屋は、二人組のアイドル「パフィンク」のナツミとアキの控え室になっていた。

ナツミ「横山さーん!」
五代「おっ、なっちゃん!」
ナツミ「あっ、おはようございまぁす!」
と、左側の部屋から不機嫌そうな顔をした女の子が出てくるが、五代の姿に気付くと、咄嗟に営業スマイルを作って明るく挨拶する。
続いて右側のマキの部屋から、マネージャーの横山がぼやきながら出てくる。

ナツミ「あ、横山さぁん」
横山「なぁに」
ナツミ「どれに着替えればいいのぉ?」
横山「あの、赤い奴ね、ね、一回で覚えようね」
この、美しいデコルテを見せているナツミこそ、管理人がこのエピソードを紹介しようと思った最大の動機である、ゲストヒロインの小橋めぐみさんなのです!
横山、ふと五代たちに気付いて険しい顔で誰何する。五代が慌てて身分証を見せるが、

さりげなくそれを覗き込む小橋さんのアップをとりあえず貼っておくのが管理人のお仕事なのです。
横山「小道具でしょ、サインは駄目だからね!」
当然と言えば当然だが、横山、五代たちが刑事などとは信じてくれず、厳しく釘を差してから、その場を離れるが、

ナツミ「刑事さぁん?」
五代「ええ、一応」
ナツミ「サインしましょうか?」
五代「え、いいんですか?」
ナツミのありがたいお言葉に、臆面もなく色紙を取り出してお願いする五代であった。
愛「もしかして、五代さんが(芸能人に)会いたくて私をダシに使ってここに来たんじゃないんですかぁ?」
横からぼそぼそ文句を言う愛だったが、五代は無視してナツミといちゃいちゃしている。
と、ナツミがマジックペンが切れていると言い出し、嬉しいことに楽屋に五代たちを入れてくれる。

五代「これがアイドルの楽屋ですか……隣、マキの部屋だよね」
ガラスの窓越しに、隣室のマキの楽屋の中が見えるが、さっきの山田監督とマキが何やら揉めているようであった。
監督も、五代たちに気付いてカーテンを引いてしまったので、それ以降のことは五代たちには見えなくなる。
どうやら、マキは、自分ではなくナツミがこの映画の主役に抜擢されそうなことに不服で、監督に自分が主役になれるようお願いしているらしい。

山田「スポンサーがどうしてもナツミで行きたいっていうんだよ、それは俺は勿論マキで行きたいと思ってるよ。それにさ、この役だって良い役じゃない?」
しかも、そのあまりに馴れ馴れしい二人の態度から、二人が男女の関係にあることが示唆される。
マキ「洋介さん……バラすわよ」
山田「バラす? いい加減にしろ!」
遂には脅迫じみたことを言い出すマキに、山田もたまりかねて怒鳴りつけ、部屋を出て行く。
要するに、アイドルが枕営業で役を取ろうとした訳で、今だと、大いに物議をかもしそうな描写である。
もっとも、後に、監督が強要した訳ではなく、マキの方から誘ってきたことが分かるのだが。

愛「あっ、あっちの部屋の方が広いんですね」
一方、漸くサインを書き終えたナツミに、愛がふと気付いて指摘する。
ナツミ「広いだけじゃないの、マキの部屋からはこっちへ入れるけど、私はマキの部屋には行けないの」
五代「ええ?」
ナツミ「あっちには鍵があるのにこっちにはなし、物騒でしょう」

化粧台に向かって歩いていくナツミ。
この、中途半端にアイドルっぽい衣装がたまらんのです! ツインテールも可愛い!
正直、小橋さんだと「とうが立った」アイドルにしか見えないので、やっぱりあまり短いスカートはNGだったのだろう。

手鏡を見ながら前髪をいじるところも綺麗なのです!
と、ここで再び横山がやってきて、今度こそ五代たちは追い払われる。
熱烈なファンである五代によると、パフィンクは元々、マキがメインのコンビだったので、楽屋もマキの方が広いのだと言う。ただし、現在はナツミのほうが人気が出て、立場が逆転しているらしい。
愛は、すぐ帰りたがるが、結局無理矢理オーディションを受けさせられることになる。
もっとも、公開オーディションなのに、審査員は監督ひとりで、他の参加者もひとりもいないと言うのが、いかにも予算のないケータイ刑事シリーズらしい。
当然だが、いかにもやる気のない愛、監督を相手に台本を読むことになるが、

山田「俺は何もやってない」(熱演)
愛「やってない訳ないでしょ。だってあなたはあの子のこと恨んでた……」(棒読み)

山田「それは俺が悪いんじゃない!」(熱演)

愛「でも、あの子の気持ち、分かってて利用したんでしょ」(棒読み)
山田「そりゃするよ、俺はなんだってするさ!」(熱演)
愛「だからあなたは……」(棒読み)
山田「もういい、このヘタクソ!」
何とか耐えていた山田監督だったが、遂にブチ切れて、アルミの灰皿を床に叩き付ける。
そう、この山田監督、怒るとすぐ灰皿を投げ付けると言う、どっかで聞いたような幼児的習性の持ち主なのだ。
山田「何処の事務所なんだ? 警視庁?」
愛「ああ、それは……」
山田「ふざけるなっ」
履歴書を見てますます激怒した監督、今度は愛目掛けて灰皿を投げるが、

愛はそれをしっかり受け止め、唇を強く結んで泣きそうな顔になる。
監督も思わずたじろぐが、

愛「……」
不意に、こんな奴と真面目に喧嘩しても無駄だと気付いたのか、一転してにこやかな笑みを浮かべると、

台本を椅子の上に放り捨てて、さっさと立ち去るのだった。
愛の性格の悪さが良く出ていると同時に、横暴な監督への小気味良いしっぺ返しにもなっていて、管理人の好きなシーンである。
また、まだ腹の虫が収まらず、ナツミたちの楽屋前にいた五代のところへ来て、
「灰皿投げられた、ムカつく!」と、普通の女子高生のように吐き捨てるところも、なかなか素直で可愛いらしい。
ところが、その直後、マキの部屋に入った横山が「救急車呼んでよ!」と、大声で騒ぎ出す。

五代たちが駆けつけると、マキがソファの上に座ったまま、刃物を腹に突き立てて絶命していた。
五代「死んでる」
ナツミ「嘘でしょ、そんな……」
すぐにナツミも飛んできて、激しいショックを受けたように叫びながら後退し、

自分の部屋との境のドアの前に立ち、震えていた。
……
その後ろ手が物凄ーく怪しいが、五代も愛も全く気付かない。
なお、愛のケータイに事件の知らせが入るが、声は小林麻耶アナウンサーじゃなくて、菅原牧子アナウンサーだったりする。

愛「抵抗した形跡はなし、身内の犯行か」
五代「外部犯の可能性はないな」
五代は、警備員と一緒にずーっと楽屋の前に立っていたのだ。
愛「ナツミさんならそこのドアを使ってこの部屋に来ることができます」
五代「だから、あのドアの鍵はこちらにしかないんだ。だから、こっちから向こうへ行くことは出来るけど、ナツミさんがこっちの部屋に入ってくることは出来ないんだ。俺たちが踏み込んだ時に、あのドアの鍵は既にロックされてた」
問題のドアは、別に片方にだけ鍵穴がある訳ではなく、ナツミ側のドアのサムターンがプラスティックのカバーで覆われて動かせないようになっているだけであった。
それこそ、カバーを外せば簡単に開けられそうな気もするのだが……
CM後、二人は喫茶室で横山から事情を聞く。

五代「第一発見者が犯人である可能性が最も高いんだ」
横山「ちょっ、俺が入った時にはもう死んでたんですよ」
五代「お前がやったんだろう!」 いきなり、横山を犯人だと決め付けてしまう五代。
いくら日本の警察でも、
こんな奴ぁいねえよ。 横山「違いますよ」
愛「でも、あなた、あの二人に結構手を焼かれてましたよね」
横山「いっつも張り合ってさ、楽屋の広さでは揉めるわ……」
横山、その点については素直に認め、ほとほとうんざりしたようにつぶやく。
五代「それが面倒になって人気のない方殺したんだろう?」
横山「……違いますよ!」
五代のめちゃくちゃな推理(別名・あてずっぽう)を、呆れたような顔で否定する横山。
二人は続いてロビーで監督の山田と話す。
愛「監督さん、あなたさっき、マキさんと揉めてましたよね」
山田「それは……」
愛「痴話喧嘩ですか」
五代「え、あんた、まさか、マキちゃんとデキてたのか」
山田「あれは、マキのほうから言い寄ってきたんです」
五代「男なら言い訳するのやめなさいよ」
監督によると、客観的に見てどう見てもナツミの方が女優として優れており、ナツミばかりが脚光を浴びるのも当然だったと言う。
実際、最近も、二人で同じ映画に出たのに、ナツミだけベルリン映画祭の賞を獲ったらしい。
だから、マキは監督に体を与えてでも良い役を取ろうとしたらしいが、監督もその望みもないのにマキを抱いていた訳なのだから、単なるクソエロおやじであることは間違いない。

愛「そのことをバラすって言われたんですか?」
山田「……」
五代「ああ、それであんたカッとなって殺したんだなぁ、動機は十分だな、状況証拠も残ってる。あんたがやったんだろ!」
またまた指差して犯人だと決め付けちゃう五代。
いくら日本の警察でも、
こんな奴ぁいねえよ。 しかし、今回の事件、マキの死亡推定時刻とか、楽屋への人の出入りとか、最後に生きているマキを見たのは誰かとか、基礎的なデータが全く開示されないのは、ミステリーとしては実にお粗末である。
だから、視聴者には、山田にも犯行が可能だったのかどうかも良く分からないのだ。

と、ガラスを隔てたロビーの外に柴田が立ち、文字の書かれた大きな紙を紙芝居のようにめくっていき、鑑識の結果を知らせる。
その紙には、凶器の刃物の柄に被害者自身の指紋がついていたと書かれていた。
しかも、血痕の下に。

愛「……ってことは、後から指紋をつけたんじゃなくて、最初から自分で包丁を握ってたってこと」
眉をひそめる愛に、柴田はさらに、被害者のカバンから包丁のケースも発見されたと告げる。

五代「刃物もガイシャが持ってたってことは、お前、自殺ってことじゃないか」
愛「自殺? まさか」
五代「自殺か、俺も最初からそうじゃないかなぁと思ってんだよなぁ」 ケータイ刑事シリーズの相棒は、全員、こんな調子の良い奴ばっかりである。
にしても、もう17年前(ゲッ!)の作品なので、金剛地さんが若くてまるで今と別人のようである。

柴田「ウント・ゲルデン・フィンフ・シュタインバーグ」
五代「ああ?」
柴田「刃物メーカー」
不意に、柴田がいつもながら美しい発音で、ややこしいドイツ語を口にする。
愛「すいません、もう一回言って貰ってもいいですか?」
愛の求めに柴田がもう一度繰り返す。
愛は急いでPDAを取り出して打ち込み、それがゾーリンゲン市の世界三大刃物メーカーだと知る。
PDAと言うのは、要するに原始的なスマホのようなものである。
ここで、

モノクロの愛の目のアップと、カラーの横顔などを素早くカットバックさせた、市川崑の金田一映画っぽい演出が見られる。
ケータイ刑事シリーズでは、たまに出てくるお遊びである。

愛「ああ、ああー、謎は解けたよ、ワトソン君!」
いよいよ謎解きである。
ナツミ、横山、山田が一緒にスタジオの裏手のようなところを歩いていると、

銭形平次の投げるような一文銭が飛んで来て、ナツミの髪留めを外し、

突風が吹いて、その長い髪を乱す。

愛「愛の光で闇を撃つ、あんたが悪事を隠しても、尻尾とあんよが見えてるよ、その名も人呼んでケータイ刑事銭形愛、そこら辺のギャルと一緒にするとやけどするよ」
階段を下りながら、決め台詞を放つ愛。
と、同時に、愛にも突風が吹きつけて、その髪を舞い上がらせる。
ここで、画面がモノクロになり、

愛「あなたはあの子のこと恨んでた」

ナツミ「それは俺が悪いんじゃない」
愛「でも、あの子の気持ち分かってて利用したんでしょ」
ナツミ「それはするよ、俺は何だってするさ」
お互い、さっきの映画の台詞を言い合うのだが、それは、今度の事件の内容とシンクロしていた。
ナツミのほうは男の役だが、この台詞を聞いただけで、小橋さんの並々ならぬ演技力がうかがえる。
愛「だからあなたは、マキさんのカバンの中に包丁を入れた。そうしておけば、彼女が自分の部屋に来ることを分かっていたから」
ここで回想シーンとなる。
カバンの中にご丁寧にギフト包装された包丁が入っているのに気付いたマキは、怒ってドアを開けてナツミのところに押し掛けて来る。
マキ「どういうつもり?」
ナツミ「ドイツのお土産」
マキ「あてつけのつもり? こんなん要らないわよ」
ナツミ「私も要らないよ、あんたなんか」

ナツミは、マキが机に叩きつけた包丁を、あらかじめ手袋をつけておいた右手で持つと、立ったまま、マキの腹に突き刺す。

ナツミ「あはは……」
ここで、マキの肩越しに、ナツミが真っ白な顔を見せて大口開けて笑うホラー映画みたいなカットが出て来るが、はっきり言って怖過ぎ。
考えたら、今回の演出を手掛けた及川中氏は、「富江」とかのホラー映画の監督だったから、つい、そんな演出になってしまったのだろう。
そしてナツミはマキの死体を隣室へ運び、ソファに座らせて包丁の柄をその手に握らせたのだった。
このように、自分ではなく被害者の方を移動させると言うトリックは面白いと思うが、マキがこちらの都合の良いタイミングで包丁に気付いてナツミのところへ押しかけてくれるとは限らず、その辺が難点である。
それに、マキの性格からして、包丁を見付けても、自分で怒鳴り込まずにマネージャーに文句を言いそうなものだしね。
あと、楽屋にはしょっちゅう横山が出入りしているのだから、死体を運んだり偽装工作をしたりしている時に入ってこられたら、一発でアウトになっていただろう。

五代「ちょっと待てよ、自殺じゃないのかよ、だってマッキーの部屋には内側から鍵がかかってんだろう?」
愛「簡単ですよ」
無論、愛は、死体発見時のどさくさに紛れて、ナツミがこっそり鍵を掛けたことくらいお見通しだった。
だが、はっきり言って、それだけでナツミが犯人だとは決め付けられず、そもそも、自殺の可能性だって否定された訳ではないのに、

ナミツ「あの子は邪魔だったのよ。パフィンクはあの子のせいで人気が中途半端なの、私一人のほうが売れるに決まってるじゃない!」
と、あっさりナツミが犯行を認めてしまったので、全国の視聴者が一斉にコケたと言う。
ナツミ「そうでしょ?」
横山「ナツミ……」
同意を求めるナツミに、横山も山田も、力なくうなだれる。
管理人は彼らの気持ちが痛いほど分かりますので、代弁します。
さあ、皆さんもご一緒に、
「そほんなことで殺すなよぉ~、ジュン~!」 これが、マキがナツミを恨んで(邪魔に思って)殺すのなら分かるけど、売れている方が売れてない方を殺さなくてはならない理由などないだろう。
パフィンクの活動を続けることが不満なら、コンビを解消してソロでやっていけば済む話である。
それに、ベルリン映画祭で賞を取るほどの実力の持ち主なら、アイドルなんか辞めて女優になれば良いのだし。
納得の行かない動機の多いケータイ刑事シリーズだが、今回の動機は特にその印象が強い。

ナツミ「なんで分かったの?」

愛「あなたが書けないと言ったペン、ほんとは書けたんですよね、あなたは五代さんが刑事だと分かって密殺殺人の証人にさせようとした、だから、サインなんかしたりして現場に引きとどめたかったんじゃないですか?」
ナツミ「……」
しかし、密室にするのはいいが、そうなると、必然的に犯行が可能なのはナツミだけになってしまい、むしろ、自分で自分の首を絞めることになるのではないだろうか?
ナツミとしては、自殺として処理させるつもりだったのだろうが、それなら遺書くらい用意しとかないとね。
もっとも、愛たちだって、自殺ではないというはっきりした証拠も掴んでない訳で、今回は、犯人側も探偵側も、どちらも赤点としか言いようがないミステリーだった。
ともあれ、事件は解決し、五代は自らの手でアイドルに手錠を掛ける羽目になる。

ナツミ「監督、台詞は全部覚えておくから」
と、連行される途中、立ち止まり、刑期を終えたら映画の主役をやる気マンマンの笑みを浮かべて監督に言うのだが、(仮に映画が製作されたとしても)どう考えても彼女が主役になれる筈がなく、よって、カッコつけたつもりが、逆にとてもカッコ悪いシーンになっているのが気の毒だった。
もっとも、物的証拠に乏しい今回の事件、ナツミがこのまま裁判にかけられても有罪になるとは限らず、早々に無罪放免されることを見越して言ってるのかもしれないが。

愛「しかし、五代さんがアイドル好きだったとはねえ~」
ラスト、レールの上のカメラの前に乗って、五代と一緒に運ばれている愛が可愛いのでした。
以上、ミステリーとしては不満だらけの凡作だが、小橋さんの魅力を堪能できるエピソードであった。
あと、なんだかんだで、愛が可愛いことも発見して、正直書くのはしんどかったが、何かと収穫の多いレビューであった。
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