FC2ブログ

記事一覧

「好き!すき!!魔女先生」 第23話「恐怖の毒薬! 地獄の妖女」



 第23話「恐怖の毒薬! 地獄の妖女」(1972年3月5日)

 今日も今日として、自分のねぐらで「血が吸いてえ、血が吸いてえ~」と、薬の切れたシャブ中患者のような呻き声を上げているクモンデス。

 だが、血の味にうるさいクモンデスは、ただ子供の血を吸うだけでは満足できず、デビルドリンクなる特殊な薬を準備していた。

 それを飲んだものは必ず悪夢を見るのだが、クモンデスの持論によれば、悪夢を見ている時こそ、子供の血が最高に旨くなるらしいのだ。

 
 クモンデス「さて、これを誰に飲ませるか? それはこの(水晶)玉が教えてくれる!」

 ……

 お前は自分の獲物すら、自分で選ぶことが出来んのか?

 いくらひとり親方とはいえ、「悪の組織」の首領としては、これだけで失格であろう。

 
 それはともかく、水晶玉に、ちょっと可愛いロングヘアの女の子の映像が映し出される。

 クモンデス「これは東西学園へ転校してきたばかりの子だ。名前は岡本カオル……美しい子だ、この白い柔らかそうな肌の下には、さぞ赤い薔薇の花びらのような血が流れておることだろう」

 堂々とロリコン宣言までしてしまう大胆な悪の首領だったが、それも道理、部下がひとりもいない彼の話を聞いているものは、視聴者以外にひとりもいなかったからである!

 それにしても、なんでよりによってひかるが先生をしている東西学園の子供ばかり狙うのか? クモンデスには、部下どころか学習能力さえないらしい。

 おまけに、カオルはひかるのクラスの子なんだから、ひかるに邪魔して欲しいと言わんばかりの最悪のフーズチョイスであった。

 ま、以前も書いたが、あえてひかるの周囲の子供を狙うことで、ひかるの鼻を明かしてやろう、あわよくば、ひかるの血も吸ってやろうという幼児的な発想なのかもしれない。

 続いて、路線変更後では、多分はじめてとなる本格的な授業風景が映し出される。

 旗野先生による図画工作の時間で、課題は「自画像」であった。

 机の上に鏡を置いて、自分の顔を一生懸命描いている子供たち。

 
 タケシ「へへっ、我ながらそっくり」
 ハルコ「私の口ってチャーミングでしょう?」

 お互いの絵を自慢しあうタケシとハルコちゃん。

 特にハルコちゃんの絵は、いかにも小学生の女の子が描くような絵で、味わい深い。

 そんな中、例のカオルと言う女の子だけは、自分の顔ではなく、最近亡くなった母親の顔を思い浮かべては、その似顔絵を無心に描いていた。

 隣の席の正夫、カオルが大人の女性の顔を描いているのに気付き、いきなりその画用紙をひったくる。

 
 カオル「何すんのよ!」
 正夫「いいじゃねえかよ! いいだろう、こんにゃろう! ひやー、おい、これがカオルの顔だってよ!」
 タケシ「うわー凄い美人」

 デリカシーの欠片もない正夫は、それを他の子供たちにも見せびらかす。

 それにしても、カオルと正夫が並ぶと、どう見ても同じ学年には見えないよね。

 
 旗野「こらー、やめんか、竜村!」

 旗野先生がすぐ割って入り、絵を取り返してやるが、その絵をしげしげと見て、

 旗野「お、美人だなー、こらー、10年、いや15年後の君はこれぐらいかな? ただし、先生は未来の自画像を描けと言った覚えはないぞ。はい、もう一度書き直し」
 カオル「はい」

 担任ではない旗野先生に、カオルの小さな胸に秘めた思いなど分かろう筈がなく、無情にも書き直しを命じるのだった。

 
 ひかる「それはきっとお母さんの顔だわ」
 旗野「ええっ?」

 授業の後、白い息が相手の顔にかかるくらいの距離で、そのことを話題にしている二人。

 当時のスタジオには空調設備なんて気の利いたものはなかっただろうから、クソ寒かったんだろうなぁ。

 ひかる「岡本カオルのお母さんはつい最近亡くなったばかりなんですって」
 旗野「はぁー」

 
 ひかる「お母さんのことが忘れられないのね。それでつい、お母さんの顔……分かるわ、その気持ち」
 旗野「いや、分かりますよ、僕だって」

 我がことのように物憂い顔つきで、カオルの気持ちを思いやるひかる。

 ひかるの台詞からすると、劇中では一度も言及されたことのないひかる自身は母親は、カオルと同様、既に他界していると思われる。

 もし健在なら、遠く離れた「野蛮な星」に赴任した娘のことを心配して、父親より先に様子を見に来るのが普通だからね。

 ひかる「お母さんが亡くなってすぐに転校でしょう? あの子の世話はばあやさんがやってるらしいんだけど……くすん、淋しいのね、きっと」

 そこまでは良かったが、カオルの悲しみに共感して、ひかるが貰い泣きまでするのは、あまり本来のひかるらしからぬ振る舞いで、やや違和感がある。

 それでも、今回のシナリオにおけるひかるの性格描写は路線変更前のキャラクターに近く、子供が行方不明になったらすぐメソメソしていた前回のひかると比べても、よっぽど好感が持てる。

 そのカオル、自宅で勉強していても、ふと鉛筆を休め、机の上の母親の写真を見ては、生前の母親のこと思い出し、

 
 カオル「ママ、カオル、ひとりぼっちね……ママ、どうしてカオルを置いて死んじゃったの? お願い、もう一度カオルのところに帰ってきて」

 涙ながらに母親に呼びかけていた。

 その年頃の女の子としては無理からぬことであったが、卑劣なクモンデスは、その彼女の純な気持ちを利用して、おのれの欲望を満たそうと画策していた。

 まず、写真立ての中の母親の写真を操り、

 
 カオル「待って、お母さん、待って!」

 彼女を、幽玄なたたずまいの古刹の境内に誘い出す。

 右手に見える古井戸なんか、それこそ幽霊が出てきそうな雰囲気である。

 
 カオルは、宙を舞う写真を夢中で追いかけて墓地の中に踏み込むが、なかなか豪快なデザインのお墓の後ろから、黒衣をまとった怪しい女があらわれる。

 女「ふふふふ……」

 
 怯えた表情であとずさるカオル。

 こうして見ると、確かになかなかの美少女である。個人的にはあまり好みではないが。

 
 女「この写真の人に、会わせて上げるわ」

 ついでに、この怪しい女も綺麗だと良かったのだが、世の中、そう上手くは行かないのである。

 まぁ、その正体はクモンデスなのだから、仕方あるまい。

 カオル「お母さんに、会わせてくれるの?」
 女「そうじゃ、私には死んだ人間を呼び戻す、不思議な力があるのじゃ」

 女は、怖がるカオルの手を引いて、墓地の奥にある洞窟の中に入っていく。

 洞窟の中には金無垢の仏像が置いてあったが、見れば、その横に、懐かしい母親が笑いながら立っているではないか。

 カオル「お母さん、お母さん!」

 思わず駆け寄ろうとするカオルを制すると、女はその横に立ち、手を振ってその姿を消してしまう。

 代わりに、女の手には、しゅうしゅうと煙を出す緑色の液体の入ったフラスコが握られていた。

 
 女「母親に会いたくば、この薬を残らず飲まねばならぬ」
 カオル「飲むわ、だから、お母さんに会わせて!」
 女「いいとも。ただし、この薬を一度に飲めばお前は苦しさのあまり死んでしまう。今日はこれだけじゃ」

 女は、別のグラスに液体を少量移すと、カオルにすすめる。

 女「さあ、お飲み、飲むのじゃ!」
 カオル「……」

 カオル、母親に会いたい一心で、目をつぶってグラスの液体を飲み干す。

 
 カオル「苦しい……お母さん」
 女「ひひひひひ……」

 デビルドリンクを飲んでたちまち悪夢にうなされるカオルだったが、夢現のうちに女に首筋に牙を突き立てられ、血を吸われてしまう。

 翌日の放課後、ひかるはカオルがいかにも疲れた様子でふらふら歩いているのを見て、医務室へ連れて行こうとするが、他の子供の喧嘩の仲裁をしているうちにカオルはさっさと帰ってしまう。

 今回は珍しく、夕日に染まった学園内が登場する。

 掃除当番のハルコたちが残って教室の掃除をしているのだ。

 
 ひかる「ねえ、カオルちゃん知らない?」
 正夫「なんだ、あの転校生か」
 ハルコ「医務室じゃないんですか」
 ひかる「それがいないのよ」

 そこへ校長と教頭がやってきて、

 校長「どうして病人を一人で帰したりするんです?」

 なじるようにひかるに尋ねる。

 
 ひかる「えっ」

 たぶん、シリーズで唯一の、夕日の中でのひかるのアップ。

 教頭「岡本カオルですよ。夢遊病者のようにあっちへふらふら、こっちへふらふら……」
 ひかる「まぁ」
 校長「当人はなんでもないと言っとったが、もし事故でも起きたら大問題ですぞ」

 そのカオルは、女の言いつけを守ってあの洞窟に行き、デビルドリンクを飲んで血を吸われていた。

 この後、カオルを探して墓地に来たひかると、クモンデスの手下ナムダーたちとの戦いとなるが、特にどうでもいいのでカット。

 戦いの後、バルからカオルが既に家に戻っていると聞かされ、怪訝な顔をするひかる。

 CM後、翌朝、ひかるが登校してくると、山辺が待ち兼ねていたように、

 
 山辺「あの、さっきね、岡本カオルさんのお父さんが見えましてね、今日一日、カオルさんを休ませるそうですよ」
 ひかる「じゃあ、また具合が悪いのかしら」

 カオルは自室のベッドに横たわっていたが、自分を呼んでいるような鐘の音を聞くと、ベッドから起き出して、家を抜け出す。

 
 お寺の石段の手摺に縋って、いかにもつらそうに一歩一歩登っているカオル。

 その前に、カオルがなかなか来ないので痺れを切らした女があらわれる。

 
 女「さ、母親に会いたければ、立つのじゃ。立つのじゃ!」

 ともすれば挫けそうになるカオルを、丹下段平のように叱咤する女。

 つーか、この場で薬を飲ませて血を吸えば良いのでは?

 どうせ、普段は人気のない場所なんだし。

 
 バル「やや、どっかと思えばこんなところで、昼間からアベックで」

 一方、バルは電柱に登って望遠鏡を覗いていたが、けしからぬものを発見して唸り声を上げる。

 それは、旗野先生と二人で帰宅中のひかるであったが、眼下の墓地を横切っている女とカオルらしき女の子を見掛け、後を追いかける。

 ひかるが墓地を抜けて、境内の中に踏み込むと、数歩前を歩いていた二人の姿が忽然と消える。

 やがて旗野先生も追いついてきて、

 ひかる「いないわ」
 旗野「どうしました?」
 ひかる「二人がいなくなっちゃったんです」
 旗野「ええ」
 
 ところで、もうお気付きの方もおられると思いますが、今回のストーリー、全く面白くありません。

 シナリオを書いているのは近藤正さんと言う、聞いたことのない名前だが、島田真之御大に負けず劣らずの俊才と見た。

 
 ひかる「すいません、こちらに岡本カオルさんがお邪魔してないでしょうか?」

 ひかるは、ふと境内で掃除をしていた男性に気付き、カオルの行方を尋ねるのだが、考えたら、この台詞も変だよね。だって、東西学園とは何の関係もないお寺の関係者に、いきなり岡本カオルと言う名前を出しても分かる筈がないからである。

 それはさておき、「仮面ライダー」等を見慣れている人間には容易に予測のつくことだが、

 
 ひかるに言われて振り向いたその顔は、およそ人間とは思えぬ不気味な面相で、おまけにいかにも作り物のセムシなのだった。

 
 旗野「はいっ、はいっ、はいっ」
 ひかる「……」

 豪胆なひかるも一瞬ギョッとするが、抜け目のない旗野先生は、どさくさ紛れにひかるの肩に手を置くのだった。

 旗野「女の人と一緒に来た筈なんですけど」
 寺男「……見なかったよ」

 意味ありげな間をおくのでてっきり知ってるのかと思ったらこの返事だったので、思わずコケる管理人であったが、ひかるたちはすぐに境内から出て行く。

 が、無論、そのセムシ男こそ、女が化けた姿で、物陰に隠しておいたカオルの体を抱き起こすが、そこに瞬間移動してきたバルに正体を見破られてしまう。

 バル「姫様の目は誤魔化せても、このバル様の目は誤魔化されんのである!」

 
 バル「さ、大人しくその子を返せ」
 女「ふっ」

 再び女の姿になると、クモンデスが愛用しているムチを振り回して襲い掛かってくる。

 ビジュアル的には、まるっきり、実写版「妖怪人間ベム」のベラである。

 この後も、色々どうでもいいシーンがあって、漸くひかるはカオルの貧血がクモンデスのせいだと気付き、アンドロ仮面になってお寺に引き返す。

 そして正体をあらわしたクモンデス、ナムダーたちとのラス殺陣となる。

 今回も、お宝ショットは皆無なのだが、

 

 
 いつもながら、菊さんのアクションは素晴らしく、和製ワンダーウーマンと言ってもおかしくない凛々しさ&逞しさであった。

 クモンデスのクモの糸に悩まされるひかるだったが、最後はバルと協力してクモンデスを倒す。

 ひかるに救出されたカオルは、なんとかクモンデスに血を吸い尽くされずに済む。

 
 ひかる「一日も早く元気になって、また学校へ出て来て頂戴ね」
 カオル「はいっ」

 ひかるに優しく囁かれて笑顔で応えるカオル。

 どうやら、母親を失った悲しみから、漸く立ち直ったようである。

 ……ようではあるのだが、結局、カオルの亡き母親に対する思いと言うものが、ストーリーの中で昇華されず、曖昧なままで話が終わってしまい、なし崩し的にカオルが立ち直ったようにしか見えず、ドラマとして全く感動できないのが、今回のシナリオの最大の欠点である。

 たとえば、悪夢の中で母親に励まされて、あるいは助けられて、カオル自身がクモンデスに立ち向かうとか、そう言うシークエンスを組み込むのが、この手の話の定番だと思うんだけどね。

 以上、母親を亡くしたばかりの美少女転校生と言うお膳立てだけは期待できるのだが、ドラマ本編は無味乾燥の一言と言う、残念な作品であった。

 ちなみに、次の24話の予告編で、天地さんが、

 ナレ「はぁーい、(今回の話は)どうだった? 面白くもおかしく……」

 と言い出すので、てっきり、「面白くもおかしくもなんともなかったでしょう?」と、つい本当のことを言うのかとドキッとしたが、実際は、

 ナレ「面白くもおかしく、おかしくも面白かったでしょう?」

 であった。

 なお、次の24話は島田真之さんのシナリオなのだが、これが今回に輪をかけて退屈なので、24話だけスルーさせて頂きます。あらかじめご了承ください。

 それにしても、この23話や24話などと、前半の名作群とを比べると、まるっきり別の番組としか思えない。いくら路線変更したとはいえ、同じ番組で、これだけ評価の違うエピソードが混在しているドラマと言うのも、稀だよね。

 同じくらい落差が激しいのは、自分の知る限り、「ウルトラマン80」と「スターウルフ」くらいかなぁ。
関連記事
スポンサーサイト



コメント

落差が激しい

確かに今回もイマイチの作品でしたね😓とても同じ作品とは思えないぐらい落差が激しいようですね😅せめてクモンデスには戦闘員でもいいから部下を連れてきて欲しかったものですね

実験台?

>いつもながら、菊さんのアクションは素晴らしく、和製ワンダーウーマンと言ってもおかしくない凛々しさ&逞しさであった。

「僕はモルモットだった」と語る藤岡さんほどではないけど
「女優がどこまでアクションが出来るのか?」というスタッフの思惑でしょうか?

残念

せっかく主人公の職業が教師なのだから
生徒の「心を悪に染める」ヤプールやフーマのような「嫌がらせ作戦」
を全面に押し出した方が面白くなったんじゃないかなあ?

Re: 落差が激しい

レビューしてても全然楽しくないんです。

Re: 実験台?

> 「女優がどこまでアクションが出来るのか?」というスタッフの思惑でしょうか?

でも、下手に怪我でもされたらスタッフの方が困るから、菊さんが「アクションが出来るから」やらせてたんじゃないでしょうか。

Re: 残念

そうですね。

元々目的が「子供の血を吸うこと」ですから、その手の話にはなりにくいですよね。

No title

 もう少しアンドロ仮面のデザインがよければ(しつこい)。でも名作なので現在放送するものがなくて困っている地上波でも再放送してほしいですね。

Re: No title

自分が子供の頃は、よく昔の特撮の再放送してましたけどね~

もう一人ゲストヒロインがいれば

この話はTSUTAYAのオンラインレンタルで見ました。
カオルの描写が薄くて感情移入しづらいのが難点ですね。カオルを救おうとする女性ゲストがもう一人いれば王道のストーリーになったのではと思います。
クモンデス編はクモンデスの変身や分身といったキャラがビジュアル的に中途半端なのが最大の難点です。

Re: もう一人ゲストヒロインがいれば

> クモンデス編はクモンデスの変身や分身といったキャラがビジュアル的に中途半端なのが最大の難点です。

せめて悪役にもう少し魅力があれば……と自分も思います。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

zura1980

Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

最近のトラックバック

カテゴリー

カレンダー

06 | 2020/07 | 08
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

FC2カウンター