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「光戦隊マスクマン」 第40話「甦れ!愛のメロディー」



 第40話「甦れ!愛のメロディー」(1987年11月28日)

 冒頭、ひとりの若き女性ピアニストが空港に降り立つ。

 
 眉「私は帰ってきた。三年ぶりにフランスから日本に……孤児の私を援助し、留学までさせてくれた、顔も名前も知らない恩人のおじ様を探すために……」

 有名なピアニスト、香月眉を演じるのは、管理人がはじめて本格的なレビューを書いたドラマ「セーラー服反逆同盟」にも出ていた岡谷章子さん。

 現在は、岡寛恵と言う名前で声優として活躍されている。

 ま、要するに今回は特撮版「あしながおじさん」なのである。

 
 ハルカ「わぁ、さすが世界コンクールで優勝した天才ピアニスト、素晴らしいわぁ」
 モモコ「この人が探してる恩人ってどんな人なんでしょうねえ」

 彼女の演奏をテレビでうっとりしたように聴き入っているハルカとモモコ。

 眉が恩人を探していると言うことは、マスコミを通じて広く世間に喧伝されていた。

 そこへ姿長官が入ってきて、チューブに狙われる可能性があるので、眉をガードするよう5人に命じる。

 これは、何か確たる証拠があってのことではなく、姿長官しか知りえない事実に基づく直感であったことが後に分かる。

 ……しかし、卑しくも世界征服を企んでいるチューブなら、別に日本に限定しなくても、彼女がフランスにいる間に襲えばいいと思うんだけどね。

 眉は、仕事のあと、かつて自分が暮らしていた教会の孤児院にシスターの運転する車で向かっていた。

 海岸通の道を走っていると、その車がパンクする。チューブの仕業ではなく、純然たる事故である。

 
 シスターがひとりでヒーヒー言いながらタイヤを交換している間、懐かしくも美しい風景に目をやる眉。

 岡谷さん、はっきり言って好みのタイプではないが、それでもなかなかの美形である。

 いわゆる癒し系の顔立ちだよね。

 
 眉(懐かしい海……この海辺のマリア修道院におじさまは15年前私を預け、お金を送り続けてくれた……あたたかく、力強いおじ様の手……)

 だが、眉があまりに幼かったせいか、それとも別の理由でか、眉はその「おじ様」の名前はおろか、顔すら覚えていなかった。

 シスター「直りましたわ」

 自分ひとりで直したのに、まるで自然に直ったかのような奥床しいシスターの言葉に、眉は車のところに戻り、

 
 眉「私、おじ様にピアノを聞いてもらい、父や母、そしてマリア修道院で過ごすまでの子供のときのことを教えてもらいたいんです」

 夢見るような笑顔で、自分の願望を語る。

 この口の形がめっちゃ可愛い……

 再び車は走り出すが、案の定、イガムに率いられた一団が襲ってきて、眉の命を奪おうとする。

 そこへ姿長官の命を受けた5人が駆けつけ、間一髪で眉を救う。

 
 タケル「何故だ? 何故眉さんを狙う?」
 イガム「我が帝国の邪魔者は消す!」
 タケル「邪魔者?」

 5人はマスクマンに変身し、イガムの連れてきたバルドドグラーと戦う。

 
 バルドドグラー、レッドに左腕を切り落とされるが、すかさず頭部の寄生獣が分離して、切断面にキラキラ光る粉を振り掛けると、たちまち左腕が再生してしまう。

 
 イガム「寄生獣バルドの角のエキスは、あらゆる病気も傷も、一瞬にして治す!」

 うーむ、見え見えの伏線である。

 しかし、そんな便利なものがあるのなら、その粉を大量にストックして、チューブ全体の役に立てるべきなのでは?

 マスクマンとの戦いにおいて、絶大な効果を発揮するだろう。

 あるいは、それを人間社会で医薬品として金持ちに売りつければ、莫大な利益を上げられると思うんだけどね。

 レッド「なんだって? ここは俺とブラックが食い止める、三人は眉さんと脱出しろ」
 イエロー「OK」

 レッドとブラックは自らの体を盾にして、一刻も早く眉をその場から遠ざけようとするが、

 
 バルドドグラーの放ったビーム弾が運悪く眉の右手に当たり、一瞬で石のように硬化してしまう。

 眉「あっ……」

 その後なんとかマリア修道院に辿り着いた眉であったが、

 
 眉「こんな手にされて、ピアノが弾けないくらいなら、死んでしまったほうが……」

 ピアニストの命とも言うべき右手を石にされ、絶望の呻き声を上げてむせび泣く。

 5人もなんと言って慰めてやれば良いのか途方に暮れていたが、

 タケル「眉さん……挫けないで欲しい」

 さすがリーダーのタケルは、その極めて困難な仕事を自ら買って出る。

 リーダーの資質と言うのは、こういう場面で試されるものなのである。

 眉「でも! でも私はもう……恩人のおじ様にピアノを聞いてもらえないの……」
 タケル「……」

 続く眉の悲痛な叫びに対しては、掛けるべき言葉が見付からず、沈黙する。

 
 タケルが本部に戻ってくると、姿長官が、いかにも気付いてもらいたそうに、いわくありげな青色のオカリナを手に物思いに耽っていた。

 タケル「長官、香月眉の詳しいことを教えてください」
 姿長官「10年前のことだ、我々は地底に異常なエネルギーを感じ、調査を始めた……」

 姿長官の台詞に合わせて、10年前、アリ地獄の穴に、ひとりの地底人の女性が吸い込まれている様子が描かれる。

 女性は幼い娘に形見のオカリナを手渡して地中に没するが、その娘こそ眉であり、そのオカリナこそ、姿長官がもてあそんでいたオカリナであった。

 ちょうどその場に来合わせた光戦隊の男が、眉を助けて地上へ脱出する。

 
 タケル「じゃあ、眉さんは地底人?」
 姿「うん、眉の記憶は恐怖で一杯だった。放っておくと心が壊れてしまうほどの恐怖だ。男は恐怖を取り除くために眉の記憶を消した。生まれ変わった眉はマリア修道院に預けられ、ピアノに興味を持った」

 姿長官はぼかして語っているが、その人物が姿長官自身であることは見え見えだった。

 たぶん、姿長官も、タケルに察して欲しかったと思うのだが、

 
 タケル「長官、眉さんを助け援助を続けている恩人は……一体誰なんですか?
 姿(そこは察してーっ!)

 わざとやってんじゃないかと思えるほど勘の鈍いタケルに、思わず心の中で叫ぶ姿長官であったが、たぶん、ほんとである。

 仕方ないので、姿長官は、眉を「おじ様」に会わせると、それがきっかけで過去のことを思い出し、自分が地底人であることまで知ってしまうかもしれないから会わせる訳に行かないと突っ撥ねる。

 
 姿「……」

 そう言ったあと、まるで「お願い、気付いて、お願い!」とでも言いたげに、手の中のオカリナを握り締める姿長官であった。

 それを見ていたタケルは、ハッとしたように、

 タケル「長官……握力を鍛えてるんですか?」
 姿「ちゃうわっ! わしがそのおじ様なんじゃボケェエエッ!」

 殴り殺したくなるほど鈍いタケルに、姿長官、遂にキレる。

 ……と言うのは嘘で、ここにいたって漸くタケルもそのことに気付く。

 一方、チューブでは、ゼーバが何故眉を執拗に付け狙うのか、その理由を部下に明かしていた。

 ゼーバ「眉はわしに最後まで抵抗した、メルメ族唯一の生き残り」
 バラバ「メルメ族?」
 アナグマス「メルメ族は地底一の音楽部族、その音楽は地底人に安らぎを与え、戦う気持ちを奪う」

 アナグマスの台詞に合わせて、岩の上に腰掛けてあのオカリナを吹いている眉と、そのまわりで楽しそうに踊っている戦闘員や地帝獣たちのイメージが映し出される。

 ゼーバ「そうさせてはならん、眉を必ず葬るのだ!」

 改めて眉抹殺の厳命を下すゼーバであったが、地上で眉が活動している限り、さしあたってチューブの作戦の邪魔にはならないと思うんだけどね。

 幸か不幸か、まだチューブは地上に一尺一寸たりとも領地を確保できていないのだから……

 それはさておき、このメルメ族の設定、「チェンジマン」16話に出てきたメルル星人にそっくりだなぁと思ったら、どっちも藤井邦久さんの脚本でした。道理で。

 一方、眉はそんな状態でも、何とかピアノの前に座って演奏を試みていたが、当然、まともに弾けるはずがなく、その都度、新たな悲しみに打ちのめされるだけであった。

 
 モモコ「眉さん……」

 いたたまれなくなって走り去る眉を言葉もなく見送るモモコたち。

 
 その背後の窓から、ケンタとアキラもその様子を覗いていた。

 アキラ「一体どうしたら、あの手を治してあげられるんだ?」
 ケンタ「……」

 察しろよ!(管理人の魂の叫び)

 何のためにイガムがわざわざ丁寧に解説してくれたと思ってるの?

 CM後、タケルは何を思ったか、「おじ様」の正体を仲間にバラす。

 
 モモコ「ええっ、長官が眉さんの恩人?」
 タケル「そうに違いない」
 ケンタ「長官が?」

 うーん、眉もなかなか可愛いけど、やっぱりモモコの方が断然好みだなぁ(知るかハゲ)

 
 タケル「ただ、何故チューブが狙うのかが分からん」
 ケンタ「眉さんの消された記憶の中にチューブの秘密が隠されているのかもしれない」
 タケル「なんとしてでも眉さんを守るんだ、そして、眉さんの手を治す方法をみんなで考えるんだ」

 いや、これから「考える」って……

 
 あれしかないでしょおおおっ!?(管理人の魂の叫び)

 その後、色々あって、イガムたちが修道院に侵入して眉の命を狙ってくるが、5人はなんとか眉を守り抜き、バルドドグラーの角を切り落とした上で、ジェットカノンで撃破する。

 ちなみに戦闘中、眉の身柄を押さえたイガムが、

 イガム「大人しくしなければ、眉の命を貰う!」

 と、彼女を人質にしてマスクマンに抵抗を禁じるシーンがあるのだが、ゼーバから与えられた命令を度忘れした、まさに本末転倒の行動だと言えよう。

 これじゃ、勝てんわな。

 ともあれ、巨大ロボットバトルをつつがなく終わらせたあと、寄生獣バルドの角に入っている不思議な粉末を石にされた眉の右手に振りかけると、

 
 眉「手が治った、もとに戻った!」

 果たして、眉の右手はすっかり元通りになってめでたしめでたし。

 それこそ、マスクマンだって、その万能薬を調べて量産化すれば、この上ない戦力になっていたと思われるのだが、それをやろうとした形跡が見られないのは残念である。

 
 ラスト、タケルに励まされた眉は、聴衆のひとりもいないホールのステージで、盛装して何処にいるとも知れない「おじ様」に向けて、心を込めてピアノを演奏する。

 
 と、観客席の上のドアが開き、そこに黒いシルエットが立つ。

 舞台袖にいたタケルたちは気付いて視線を向けるが、眉は一心不乱に指を動かしている。

 で、それが、全然見ず知らずのおっさんだったら、

 タケル「お前誰やねん!」

 と言うことになるのだが、

 
 無論、それは、タケルに知らされたのだろう、姿長官であった。

 眉(おじ様、私、信じています。今は会えなくても、いつか、必ず会えることを……)

 眉の心の声に応えるように、

 姿(眉、私は何処にいても、どんな時でも、君を見守っているよ……そしていつか必ず……)

 姿長官は胸の中で語りかけると、黙って廊下へ出て行くのだった。

 結局、眉の願いは叶えられないまま終わるが、その表情は安らぎに満ちていた。

 以上、「おじ様」の正体や、眉の手を治す方法など、ストーリーに捻りらしい捻りがなかったのがいささか物足りない感じがするが、美形ゲストの魅力を十分に引き出しつつ、少女の一途な想いと彼女見守る「おじ様」の優しさを抒情豊かに謳い上げた秀作であった。
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コメント

2話続けてピアノ

前回のチューブに殺されたⅩ1マスクの恋人もピアノを弾いてたな。
ここはヴァイオリンとかギターにした方が良かったかも?

長官!

>姿「男は恐怖を取り除くために眉の記憶を消した。」
サラッと言ってますが、ショッカーみたいな技術を持ってる長官にビックリです❢

秀作

>藤井邦久さんの脚本でした。
邦夫です。念のため。

>美形ゲストの魅力を十分に引き出しつつ、少女の一途な想いと彼女見守る「おじ様」の優しさを抒情豊かに謳い上げた秀作であった。
同意です。ゲストのキャスティングと谷さんあってですね。
これは「マスクマン」らしい・・・というか、「マスクマン」だから出来る話と思います。
「バイオマン」以降シリアスが続く戦隊で比較的明るい作風とマッチしましたね。

Re: 2話続けてピアノ

そう言えば続きましたね。

Re: 長官!

技術と言うより、催眠術みたいなものじゃないのかなぁ?

それこそオーラパワーみたいなので。

Re: 秀作

> >藤井邦久さんの脚本でした。
> 邦夫です。念のため。

すいません、また嘘を書いてしまいました。

> これは「マスクマン」らしい・・・というか、「マスクマン」だから出来る話と思います。
> 「バイオマン」以降シリアスが続く戦隊で比較的明るい作風とマッチしましたね。

そうですね。

しかし、終盤の連続エピソードはちょっと重過ぎた気がします。長いし。

左手のためのピアノ協奏曲

眉さんの留学先がフランスと言う事は、眉さんがむこうでピアノを学んでいたのはコンセルバトワール=パリ音楽院の可能性が高いですね。そうすると眉さんは「のだめカンタービレ」ののだめ(上野樹里さん)やロシア人ギャルのターニャ(ベッキーさん)の先輩と言う事になります!!
もし眉さんがのだめの様なずっこけひょうきん娘やターニャの様なイケイケギャルに成り果てて帰国して来たら、姿長官も
「・・・・・・・・(泣)!!!」
だったでしょう(笑)!!

ところで、姿長官が眉さんの過去を回想する処とラストシーンでの眉さんの演奏シーンでの曲はドビュッシー作曲の「月の光」です。また前者は、おそらくストコフスキー編曲のオーケストラ版ですが、ここで流れるのは、僕的にはモーツアルト作曲のピアノ協奏曲第22番の短調で叙情的な第2楽章も良いかと思われます。
そしてバルドドグラーの所為で、右手を使用不能にされてしまった眉さんでしたが、ここで眉さんが
「大丈夫。私留学先で触れて以来、一度挑戦してみたいと思ってた曲があるの。その曲に挑戦するまたとない機会だわっ!!!」
と、「ボレロ」等でお馴染みのフランスの作曲家・ラヴェルが戦争で右手を失った名ピアニストのために作曲した「左手のためのピアノ協奏曲」に挑戦する決意をします!!オーケストラコンサートの当日、開演前のコンサートホールのロビーで
「香月眉のモーツァルトが、曲の変更で聴けなくなるなんて、クリームの無いシュークリームみたいざます。」
とのご夫人と
「でも、代わりに演奏されるのがラヴェルの左手の協奏曲だろ?楽しみじゃないか。」
と(おそらく)そのご夫人の旦那さん(庄司永健さん等)。コンサートが始まり舞台では一曲目の「ローマの謝肉祭」(ベルリオーズ作曲)等が賑々しく演奏されていましたが、その明るい曲調とは裏腹に舞台のそでで出番を待つ眉さんの表情は不安で一杯といった感じです!そこへ現れ
「眉さん、君ならきっと見事に弾き上げる事が出来るよ。君の大事な”おじさん”もどこかで見守ってるさ!!」
と語り掛けるレッド。かくして右手を黒い手袋で隠した眉さんのソロで始まる「左手のためのピアノ協奏曲」でしたが、それと同時にコンサートホールを襲撃しようとホールの外に現れたバルドドグラーとチューブの面々!!しかし
「チューブっ!眉さんの演奏、貴様たちに邪魔などさせんぞっ!!!!」
とのレッドと共にその前に立ちはだかるマスクマン!!そうしてマスクマンの五人は変身し、眉さんの演奏をバックにラス殺陣!そうこうしている内に眉さんはその協奏曲を左手で見事弾き上げ、上記の旦那さんとご夫人を含む聴衆から盛大な
「ブラヴォーーーーーーーッ!!!!」
の声を浴び、マスクマンもバルドドグラーを撃滅!!
その後、右手が治り改めてオーケストラコンサートでモーツァルトの22番の協奏曲を幸福感溢れる表情で演奏する眉さん。そこ演奏されていたのは、上記の第2楽章とは好対照な明るく華麗な長調の第3楽章~映画「アマデウス」でもモーツァルト(トム・ハリス)が王様の天覧コンサートで同曲を弾く処があります~。それを客席で聴き入るレッドたち五人と
「やっぱり香月眉と言えば、モーツァルトざますね~♪」
との例のご夫人と
「そうね♪」
との旦那さん。そして姿長官も一緒に客席にいましたが、眉さんの演奏する様子に感極まって途中退出して行きます・・・・・。と、こんなお話にしても眉さんのピアニストとしての手腕と情熱も引き立ちより見応えがあったとも思えます!!


Re: 左手のためのピアノ協奏曲

随所に専門知識(?)を織り込んだ妄想コメントありがとうございます。大変参考になります。

にしても、我ながら自分の教養のなさにほとほと愛想が尽きるのです。

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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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