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「青春オーロラ・スピン スワンの涙」 第24話「命を賭けた説得」

 第24話「命を賭けた説得」(1989年9月18日)

 前回のラスト、精神的に勝手に追い詰められた涼子が、ミカの部屋で待ち伏せしてミカのアキレス腱をナイフで切ろうとしている緊迫のシーンからだが、違うテイクが使われていて、二人の動きや位置などが前回とは異なっている。

 前回はベッドの上で涼子がミカの体を押さえつけていたが、

 
 今回は、ミカがベッドに放り投げられて、そのまま反対側の床の上に、巨乳をゆさゆさ揺らしながら落ちて大股開きで尻餅をつくという、なかなか目に快いシーンのあと、

 
 涼子に背中に乗られて、ヒールホールドのように足首を取られることになる。

 ミカ「涼子さん、やめて!」
 涼子「ミカ、お前がクラブを辞めると約束するなら許してやっても良いわ。このまま居続けると言うなら、私はお前のアキレス腱を切って、二度とシンクロ出来なくなるようにしてやるわ!」

 
 涼子「どうなのミカ?」
 ミカ「そんな約束出来ないわ!」
 涼子「だったらアキレス腱を切るしかないわね」

 ミカの拒絶に対し、何かに憑かれたような異様な目つきで応じると、涼子は実際にナイフをミカの右足首にあてがってみせる。

 ミカ「涼子さんやめて!」
 涼子「クラブを出て行くと約束するならやめると言ってるじゃないの!」

 が、性格が陰険で捻じ曲がっていても、所詮はお嬢様育ちの涼子は、脅すだけで一向に実行に移そうとしない。かつて、汚い仕事はすべて冴子たちにやらせていたように、涼子は悪ぶっていてもいざと言うときには怖気づいてしまう小心なところがあるのだ。

 だから、ドラマでは翔子、草薙夫妻が駆け込んできて涼子の計画は未遂に終わるのだが、仮に邪魔が入らなくても、結果は同じことだったのではないかと思われる。

 
 順子「ミカさんはあなたの妹なのよ、血を分けたあなたの妹なのよ!」
 洋平「なんだって?」
 順子「涼子、あなただったのね、ミカさんに散々意地悪をしてクラブから追放しようとしたのは……」

 最終回直前になって漸くそのことに気付いたうっかり順子さん。

 順子「ミカさんはあなたの妹なのに……」
 涼子「知ってたわ、つい数日前、私はミカが妹であることを知ったわ。でも私はこの事実をパパにだけは知られたくなかった!」

 恐れていた最悪の事態を前に、放心したような顔でつぶやいていた涼子、耐え切れなくなって部屋を飛び出す。

 一方、初めてその事実を知らされた洋平は、当然、妻の順子を厳しく問い質す。

 
 洋平「順子、どう言うことなんだ? ミカくんが君の娘だったなんて私は何も聞いてないぞ」
 順子「あなた、ミカのこと、いつ話そうかと毎日毎日悩みながら今日まで来てしまいました。ミカは私の娘です」
 洋平「君は、君は何もかも承知でミカくんをクラブに入れていたんだな。私や涼子には内緒にして、秘密にして! ずーっと私を欺き続けてきたんだな?」
 順子「あなた……」
 洋平「許さん! 私に対する重大な裏切りだっ!」

 洋平は、妻に釈明の機会すら与えようとせず、激しく怒号してその前から立ち去る。

 ミカ「草薙先生、涼子さんは本気で私のアキレス腱を切るつもりはなかったんです。涼子さんを責めないで下さい!」
 順子「ミカ……」

 順子はミカの言葉に振り向くが、すぐ洋平を追いかけて部屋を出て行く。

 
 ミカ「森谷先生、涼子さんはどうなるんですか、私の為に涼子さんの家族が不幸になるなんて、私も耐えられない。私はどうしたらいいんですか? 私は何をやったらいいんですか?」
 涼子「そうねえ……」

 ミカに質問を連打された翔子の顔に、「めんどくせ」と言う文字が、くっきりと浮かび上がっているように見えるのは、管理人の錯覚だろうか?

 それでも、愛弟子に聞かれたからには何か気の利いた返事をしなくてはならない。

 翔子「そうねえ、真実が明らかになった以上、誰も逃げ隠れは出来ないわね。ミカも、涼子さんも、草薙先生も、ご主人も、愚かな道を選ぶか、賢い道を選ぶか……人間の本当の誠実さと勇気が要るわね」

 翔子の、何か深遠で含蓄があるようで、実は全く中身のないスカした発言に、

 
 ミカ(要するに、どうでもいいんだな……)

 最近漸く翔子がどんな人間がわかってきたミカであった。

 と言うのは嘘だけど、翔子の台詞が、何も言ってないの同じであることは事実である。

 OPタイトル後、草薙家ではなおも息苦しい夫婦のやりとりが続いていた。

 
 洋平「君は私と言う男を最初から少しも信用してなかった。信じていたらミカくんのことを真っ先に私に話していたはずだ」
 順子「ですからそれは……」
 洋平「もういい、私がどんなに悔しい思いをしているのか、君には分かるまい」

 だが、信じていた妻に裏切られた夫の怒りは予想以上に深刻で、順子の弁明を聞こうともせず、順子が誠心誠意、頭を下げてひたすら謝罪に努めても、

 
 洋平「全日本が終わるまでは私も大目に見よう。しかし全日本が終わった時点で、君にはクラブのオーナーを辞めてもらう。涼子を連れて何処へでも好きなところへ行きたまえ」

 と、僅かな猶予期間を設けただけで、涼子が危惧していたように、二人をこの家から叩き出すと宣言するのだった。

 涼子があそこまで必死になっていたのも、こう言う洋平の性格を知り抜いていたせいもあったのだろう。

 しかし、そもそもそんなに怒らなくてはいけないようなことなのだろうか?

 順子に隠し子がいたというのならともかく、単に前夫の娘がもうひとりいたと言うだけで、そんなにムキになって怒るようなことではないと思うのだが。

 まぁ、それを結婚前に自分に打ち明けてくれなかったことを責めているのだろうが。

 その涼子は、とあるバーのカウンターにお神輿を据え、ヤケ酒をかっくらっていた。

 そこへ、背後霊のように涼子のいるところなら何処へでも付きまとう冴子が来て、

 
 冴子「やっぱりここね」
 涼子「何の用なのよ?」
 冴子「ミカさんに頼まれてあなたを探していたの。ミカさん外で待ってるわ」
 涼子「ミカになんか会いたくないわ」
 冴子「涼子さん、あなたミカさんを刺そうとしたそうね」
 涼子「だったらどうだって言うの」
 冴子「ミカさんにそんな真似をしたら私が許さないと言った筈よ。私、オーナーに会って何もかも話してやるよ」
 涼子「パパやママにはもう知られてしまったわ」

 冴子が、涼子に対するマジックワードをちらつかせるが、何もかもが露見した今、涼子にとっては冴子の脅しなどもはや何の効力もないのだった。

 それでも、冴子、「約束を破った落とし前をつけてやる」と、いかにも元ヤンキー少女らしく無理矢理涼子の腕を取って外へ連れ出そうとするが、そこへミカが来て割って入る。

 
 ミカ「冴子さん、やめて」
 冴子「こんな奴ほっといたらつけあがるだけよ!」

 まったく仰るとおりです。

 なおも涼子に掴みかかろうとする冴子を、ミカが重ねて止める。

 
 ミカ「お願い、やめて!」
 冴子「ミカさん、何度騙されたら気が済むの? ほっといたらまたミカさんを傷付けるのに決まってるのよ!」

 冴子の言葉が正しいのは、反省の色がひとかけらも窺えない涼子の顔を見れば一目瞭然であった。

 ミカ「冴子さん、涼子さんは私のお姉さんなの、私たち、本当の姉妹なの」
 冴子「なんですって」
 涼子「ミカ、余計なこと言うもんじゃないわ」

 ミカ、興奮気味の冴子を説得する為にあえて事実を明かし、席を外してくれるよう頼む。冴子も大人しく店を出て行く。

 
 涼子「ミカ、あんたの思ったとおりになったわね」
 ミカ「どういうことですか」
 涼子「初めてアサオに来たあんたを見たとき、私はやな予感がしたんだ、あんたが私の大切なものをすべて奪い去るような気がしていた。シンクロも私のパパもママも……私のやな予感は当たったわ、あんたは私の大切なものを全部奪い取ってくれたわよ。今頃パパはカンカンだわ、ミカのことを隠していたママも私のこともパパは決して許さないわ。パパとママは離婚と言うことになるでしょうね。ミカ、あんたの望んだとおりになってさぞ満足でしょうね!」
 ミカ「涼子さん、あなたに私の心が見えるんですかぁ? 見損なわないで、私の心はあなたのように歪んでないわ!」
 涼子「なんですって」
 ミカ「あなたって人は、ちっぽけな殻の中に閉じ篭ってそこからしか世界を見られない人よ。悪いほうに悪いほうにしか考えられない心のいじけた人よ!」

 ミカ、痛烈な罵言を涼子に叩きつける。

 それは、今まで何度かあったように、わざと相手を怒らせて奮起を促す……と言うことではなく、今まで胸に秘めていた、ミカの本音であったのだろう。

 同時にミカは、涼子を……姉を根本から立ち直らせる為には、荒療治しかないことも知っているのだ。

 
 涼子がまた酒を注ごうとするのを、ミカが邪魔する。

 涼子「なにすんのよ」
 ミカ「お酒なんてやめなさいよ、シンクロの選手がお酒なんて飲んで恥ずかしいと思わないの?」
 涼子「クラブは除名になるわ」
 ミカ「そんなことあなたが決めることじゃないでしょう? 除名になるのがイヤだったら、土下座してでもコーチに謝ったらどうなの?」
 涼子「そんなこと私のプライドが……」
 ミカ「何がプライドよ、涼子さんのプライドなんてニセモノよ!」
 涼子「ミカ、許さないわよ」

 涼子もさすがにムカッと来てドスの利いた声を出すが、今のミカは怖いもの知らずで、

 
 ミカ「本当にプライドのある人なら、練習を怠けてお酒を飲んだりしないわ。シンクロ選手のプライドはつらい練習に耐えて、大会で実力を発揮することじゃないんですか? 涼子さん、私にあなたのプライドを見せてください」

 いつになく真っ向からビシビシ痛いところを突いてくるミカを持て余して、とうとう涼子は店から逃げ出す。

 だが、ミカもしつこく、何処までも涼子についていく。

 
 ミカ「お酒を飲んで足元がふらついてるので練習は無理ですね、私がお送りします」
 涼子「うるさいわね! ついてこないで」
 ミカ「私、そんなに邪魔ですかぁ?」
 涼子「邪魔に決まってるでしょう、私の前から消えて」

 ミカは涼子の行く手を遮るように前に出ると、

 
 ミカ「こんなに可愛い妹なのに?」

 お澄まし顔で冗談っぽく問い掛ける。

 それにしても、ほんと、本人が「可愛い」と言っても何ら不思議のない壮絶な可愛らしさである。

 涼子「つけあがらないで」
 ミカ「私、涼子さんほどつけあがっていません。涼子さんは漬け過ぎのおしんこみたいです。塩分が多過ぎて、からくてからくて煮ても焼いても食べられない女です。今塩抜きしないと、どうしようもなく嫌な女性になると思います」
 涼子「ブワァカッ!」

 翔子直伝なのかどうか、ミカが、若干オヤジギャグっぽい独特の表現をまじえて涼子の性格の悪さをずけずけと指摘すると、涼子はカッと来てその横っ面を引っ叩く。

 
 その横顔が綺麗だったので、とりあえず貼っておく。

 ミカはなおも辛抱強く涼子に練習に出るよう説得に努めていたが、ちょうど彼らの目の前に洋平が現れる。冷静に考えたら物凄い偶然だが、もっと凄いことに、いきなり土砂降りの雨が降ってきて、その一帯を強引にクライマックスシーンにふさわしい劇的空間に作り替えてしまうのである。

 涼子「パパ、私を許して! 私は悪い娘だったわ。パパが大嫌いなことを私はミカに何度もやってしまったわ、でも、パパ分かって、私はミカのことを知られて怒られたくなかったの、私はパパが好き、パパを失いたくない!」

 雨に打たれながら、涼子は洋平の前に駆け寄り、身も世もなく必死に許しを請い、さらにその巨乳を洋平の体に押し付けるが、洋平は冷たくその体を突き放すと、

 
 洋平「涼子、私の娘は心の気高い女性でなければならんのだ。お前のような卑劣な女が、私の娘であってたまるかっ!」

 血の繋がりがないとは言え、仮にも娘に対し、いくらなんでもそこまで言うか? と言うほどひどい罵声を浴びせ、さっさと近くのクラブの中に消えてしまう。

 まぁ、大映ドラマっぽさの稀薄なこのドラマの中では貴重な、かなり大映ドラマらしい過激な台詞ではあったが。

 当然、涼子は激しいショックを受け、呆然と立ち尽くしていたが、やがて乳を揺らしながら雨の中を走り出す。ミカも慌てて乳を揺らしながら追いかける。

 涼子は遮断機の降りている踏切まで来ると、その下をくぐって線路に飛び込もうとする。

 が、すぐにミカが後ろからむしゃぶりついて、「死ぬなんて弱虫よ!」などと叫びながら、涼子を必死に線路の外へ引き摺り戻し、事なきを得る。

 
 涼子「ミカ、いい加減にしてよ、誰も死ぬなんて言ってないわよ」
 ミカ「だって、今、信号機を」
 涼子「目障りなあんたから逃げようとしただけよ、死んでたまるもんですか」

 本人は吐き捨てるように自殺を否定するが、やはり、発作的に線路に飛び込んで死のうとしたのが事実だったのだろろう。

 もっとも、そのショックで多少、いつものふてぶてしさを取り戻し、

 
 涼子「私はパパからママからも見放されたわ、こうなったら、とことん生きて、堕ちるところまで堕ちてやるわ! 堕ちるところまで堕ちて、ミカのこと呪ってやる、呪って呪って呪い殺してやる!」

 これまた非現実な台詞を言い放つと、再びミカの前から走り去る。

 ミカ、涼子と揉み合った際に軽く足を痛めていたので、それ以上追いかけることは出来なかった。

 
 代わりにミカは、さっき洋平が入っていったクラブまで戻り、店の中に入る。

 普通なら、明らかに未成年でしかもずぶ濡れの女の子が入ってきたら、店の人に止められると思うが、これはドラマなのでそんな不粋なことは起きない。

 
 ミカは濡れた靴で絨毯を踏みしめながら、真っ直ぐ洋平のところへ行き、

 ミカ「お話があります」
 洋平「私に?」
 ミカ「はい、そうです。私、さきほど、あなたと涼子さんの話を聞いてました。涼子さんはあなたが大好きなんです。あなたに頼りきってるんです」

 話しながら洋平の前に腰掛けるのだが、

 
 洋平の横には、ちゃんとホステスのアケミ(仮名)がいるのである!

 が、ミカはアケミには目もくれず、深刻な話題を洋平にぶつけてくる。

 ミカ「娘じゃないなんてあんまりじゃないですか、あの言葉を撤回してください」
 洋平「……」
 アケミ(気まずいわ~私のホステス人生の中でも最高に気まずいわ~)

 生きた心地のしないアケミであったが、ミカの方から席を外してくださいと言ってきたので、これ幸いとばかりその場から逃げ出す。

 
 洋平「撤回するつもりはないね」
 ミカ「涼子さんがどんなにショックを受けたか、分からないんですか? 涼子さんは信号機をくぐって電車に飛び込もうとしたんですよ」
 洋平「なんだって?」
 ミカ「涼子さんは私から逃げるつもりだったと言ってましたけど、危ないところだったんですよ!」

 さすがに娘が自殺しようとしたと聞かされて驚く洋平だったが、なおも厳しい態度を変えず、

 洋平「涼子にも順子にも愛想が尽きたよ」
 ミカ「私のことで愛想が尽きたんですか?」
 洋平「ああ、君のこともある」
 ミカ「草薙さん、あなたたち夫婦は私のことで壊れるような脆い夫婦だったんですか、そんなに脆い親子だったんですか? だってそうでしょう、ほんとに愛していて本当に必要としていたら、私のことで家族がバラバラになるなんてない筈だわ。草薙先生や涼子さんを許して上げられる筈だわ」
 洋平「順子や涼子は私の経済力を当てにしていただけなんだ」
 ミカ「経済力ってなんですか、あなたがどんなにお金持ちか知らないけど、自分の家族も守れないで経済力もないもんだわ!」
 洋平「……帰る」

 十代の女の子に説教される洋平だったが、反論するどころか、お家に帰ると情けないことを言い出す。

 昔の大映ドラマに出て来る、煮ても焼いても食えない手強い大人たち(中条静夫とか)に比べたら、洋平なんてチキンナゲットみたいなもんだよね。

 
 ミカ「逃げるんですか?」
 洋平「逃げたりするものかね」
 ミカ「だったら家に帰って家族と話し合ってください。草薙先生みたいな素敵な方、そう滅多にいませんよ。他の人に取られても良いんですか」
 洋平「生意気な娘だな、君は……私が順子と別れたら、君は順子と一緒に暮らせるんじゃないのかね?」
 ミカ「私、母やお姉さんが不幸になるのを望んでいません。私に母とお姉さんがいると知っただけで、それだけで十分なんです」
 洋平「……風邪を引くな、アサオまで送ろう」

 洋平、それ以上は何も言わず、ミカの顔をハンカチで拭いてやり、さらにタクシーでスイミングクラブまで送ってやる。

 二人が中に入ると、順子と翔子が迎えに出てくる。

 洋平「涼子の処分は決まったのかね」
 順子「私は無期限の謹慎を提案したんですが、森谷先生が」
 翔子「私が反対しました」

 
 翔子「私は涼子さんを救うのはシンクロしかないと思ってます。今までのことを悔い改めて、シンクロに熱中すれば、涼子さんは本来の自分を取り戻すはずです」

 例によって、シンクロ馬鹿の翔子は、シンクロさえやってりゃどんな問題もすべて解決といわんばかりの楽観的な見解を述べる。

 しかし、第1話の時点では、涼子はシンクロに打ち込んでいたはずなのに、その時点で明らかに性格が捻じ曲がっていたのだから、シンクロさえやればまともな人間になるという説は、どうも信憑性が低い。

 
 ミカ「草薙さん、私が涼子さんをプールに連れてきたら涼子さんを許してあげてくれますか? 勿論、順子先生もです」
 洋平「……」
 ミカ「心をどーんと大きく持って」

 普通の大人なら、小娘にそこまで言われたら「子供の癖に分かったようなこと言うんじゃねえ!」とぶっ飛ばすところだが、チキンナゲット洋平はまるっきり歯応えがなく、

 
 洋平「ふっ、生意気な娘だな」

 降参したとでも言いたげに、苦笑を漏らすのだった。

 もし出てくるのがこんな大人ばかりだったら、名作「不良少女とよばれて」も、全然面白くないドラマになってたんだろうなぁ。

 ミカ「先ほども聞きました。私、一生懸命、生意気してるんです」
 洋平「よし、わかった、涼子が本気でシンクロに取り組むというのなら涼子を許そう」
 ミカ「順子先生はどうなんですか?」
 洋平「大人の問題に子供が口を挟むんじゃない」

 洋平、あっさりミカに押し切られて涼子を許すとは言ったものの、順子については明言を避け、常套句でミカの口を封じて帰って行く。

 その後、ミカは全体練習の合間に、千絵に「涼子とデュエットを組んでくれないか」と言い出す。

 千絵「私が涼子さんと?」
 ミカ「お願い、何も言わずに涼子さんと組んで」
 千絵「考えとくわ」

 さすがに気の良い千絵も、涼子と組むのは気が進まないようで、曖昧に答える。

 と、そこへ受付の女性が来て、ミカに冴子からの電話メッセージを伝えてくれる。涼子は今、「ディスコベイサイドクラブ」にいるらしい。

 当時は、ディスコがクラブと言う名称に切り替わる過渡期だったんだろうなぁと言うネーミングである。

 
 ミカは、急いでほかのみんなを集めて何かコソコソ相談していたが、練習が再開されると、ミカだけみんなの影に隠れてそっとプールサイドから抜け出す。

 翔子だけはそれに気付いていたが、彼らの友情に免じて見て見ぬふりをしてやるのだった。

 それにしても、若いアイドルたちの股間見放題キャンペーンも、そろそろ終わりか……

 
 ついでに、こちらもそろそろ見納めとなる遠藤コーチの画像を貼っておこう。

 それはさておき、ミカが向かった先はそのディスコ以外にない。

 
 ミカはフロアの中央で踊っていた涼子の前に立つと、単刀直入に、「私と勝負しない?」と提案する。

 涼子「勝負ですって、何の勝負よ」
 ミカ「勿論、ディスコダンスよ。どちらかが倒れるまでダンスを続けるのよ」

 ……って、シンクロ勝負ちゃうんかいーっ!(翔子の魂の叫び)

 ほんと、なんでよりによってこのクライマックスシーンで、シンクロじゃなくてダンスの勝負になっちゃうんだろう?

 まぁ、現時点では、涼子はスイミングクラブに戻るつもりはないし、シンクロ(水泳)の勝負では、どうしても画面が地味になっちゃうからねえ。

 あるいは単に、当時、空前のダンスブームだったというだけのことなのかもしれない。

 それはさておき、ミカが自分が負けたら涼子の前から姿を消す、自分が勝ったら涼子はシンクロに復帰すると言う条件を出してから、即座に勝負が開始される。

 もっとも、シンクロ同様、ダンスについても二人(女優)はほぼ素人なので、

 
 アップの役者の簡単な動きと、ロングの妙に上手い吹き替えダンスを組み合わせて表現されている。

 ここ、突然、二人ともプロみたいな高度なダンスを始めてしまうのが、全編通しても最高に笑える珍シーンとなっております。

 特に、ミカはともかく、涼子がドレス姿でキレッキレのダンスを披露するところは爆笑必至である。

 ま、二人とも、劇中ではシンクロの表現力を高める為に普段からダンスの練習もしていると言う設定だから、絶対ありえないとは言えないだろうが。

 一方、スイミングクラブでは、練習を終えた千絵たちが制服に着替えて帰ろうとしているところだったが、そこへ明子が息せき切って走ってきて、

 
 明子「大変、大変、いま冴子さんから電話があって、ミカさんと涼子さんが決闘してるらしいわ!」
 景子「決闘ですって?」

 ちなみに、クラブの女の子たちは普段、水着やジャージ姿でいる場合が多く、こうやってみんな制服&私服姿で揃っているシーンは何気にレアだったりする。

 こうして見ると、最年少の真樹(右端)は、まるっきり子供みたいにあどけないよね。

 
 明子「どちらかが倒れるまでディスコダンスを踊るんですって」

 
 景子「……え、なんで?」
 千絵「いや、なんでと言われても……」

 困っちゃうのである。

 ……嘘であるが、実際、演じている女の子たちの中にも、同じような「?」が浮かんでいた子がいたのではないだろうか。

 しかし、ヒロインとライバルの最後の決闘種目が、ディスコダンスって……、いかにもバブル真っ盛りの時期らしい能天気なストーリーとは言える。

 
 景子「千絵さん」
 千絵「ミカさんは涼子さんを救おうとして必死なのよ、ねえ、みんな、私たちもミカさんの応援に駆けつけようよ」
 全員「オーッ!」

 それはともかく、青春真っ盛りの彼女たちは、千絵の号令に拳を突き上げて呼応し、元気良くクラブから飛び出すのだった。

 勝負のことは、コーチから翔子たちにも伝えられる。

 
 翔子「ミカが涼子さんと?」
 順子「森谷先生……」
 翔子「草薙先生、ここはミカに任せましょう」
 順子「でも無茶よ、ミカはアキレス腱が……」
 翔子「ミカ……」
 順子「いや、『ミカ……』じゃなくて」(註・言ってません)

 相変わらずここぞと言うときにミカに何もかも押し付けて泰然としている、動かざるごとお地蔵さんの如き
翔子であった。

 そして、再びディスコ。

 他の客たちの輪の中で、色鮮やかなカクテルライトに照らされて乱舞するミカと涼子。

 
 だが、ミカのアキレス腱はまだ完治しておらず、床を強く踏むたび「グキィ!」と言う嫌な音がして、ミカの顔は苦痛に歪むのだった。

 それを気遣うどころか、小気味よさそうに微笑む涼子。

 果たしてダンスバトルの行方は?

 ……と言ったところで最終回に「つづく」のである!
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コメント

今回は洋平でしたか・・・

今回は実父、節也ではなく、洋平の問題ですか。シンクロとは関係なく、家庭のいざこざが忙しいですなぁ(^^;)

もう冒頭からの

>精神的に勝手に追い詰められた涼子が

からちょっと笑ってしまいましたね。
まあ、前回、わしの冴子が機転を利かせて、翔子たちに連絡してるから、すぐさま救済に向かうだろうと読んでましたが。

>>最終回直前になって漸くそのことに気付いたうっかり順子さん。

これですなぁ、順子が一番精神的に辛いだろう。。家庭問題が複雑で、娘同士が争い、かつ、涼子が極悪人だと判ったのだから。

>洋平「許さん! 私に対する重大な裏切りだっ!」
>そんなにムキになって怒るようなことではないと思うのだが。

洋平があまりにも子供じみた性格に衝撃をうけますなぁ。まあ、順子がミカをシンクロの練習で特別扱いしてたのを僻むのはわかるんですけどね。実際は翔子が特別扱いしてましたけど。

>涼子があそこまで必死になっていたのも、こう言う洋平の性格を知り抜いていたせいもあったのだろう。

なるほど、涼子は裕福な生活ができなくなるからあれだけ必死だったのか、むしろ、こんな養父なら関わりたくないというのが普通の心理だと思うのですが、特に、年頃の異性なお更、煙たがられる、実父でも。要は”お金”ですかい(;^ω^)
考えてみると、節也は会社を設立したい、順子はコーチをしたい、洋平はこんな性格、涼子も今の生活がいい、ってみんなワガママじゃないかぁ~。とくに翔子はその中でも別格で無理を押し通す強引さ。
そういえば、涼子のほうは実父、節也とばったり会った時なんて「どうでもいいわっ」て感じでしたね(泣)ミカと異なり、実父の再会や妹の再会よりお金、涼子、やはり性格がひねくれてました(悲)

>さらにその〇乳を洋平の体に押し付ける

ワァオ!!これは許しちゃうよ。涼子はついに体で説得かい(笑)もっとそれ以上のことも(汗)(注.個人的な願望です(汗))
それにしても、もう姉妹ゲンカにお酒にとシンクロはどうなったのだろうか。

>降参したとでも言いたげに、苦笑を漏らすのだった。

またまた、ミカの体当たり交渉で洋平までも降参ですか。ミカに仲裁させたら何でも解決できそうな勢いですね。

ラスト、前回もそうでしたが、バトルがシンクロではなく、ダンスって本筋から外れてるような気もしますな。
というかですなぁ、ミカはまだアキレス腱治ったなかったの?って感じです。厳しいシンクロの特訓や、以前、花をもって全力疾走させておいて、オイオイって思うのは私だけでしょうか・・・(;・∀・)

この流れでは翔子からの助けはなさそうですので、これが正真正銘の最後の試練ですな。

いよいよ次回が最終回ですか、この時期もいくつか最終回を迎えるドラマがあるようですね。寂しくなりますなぁ、最終回楽しみにしております。更新お疲れ様でした。

っと最終回前に誰か1人忘れてる、そう、健吾である。お~い、みんな、健吾忘れてるよ~~!!(悲)

Re: 今回は洋平でしたか・・・

> からちょっと笑ってしまいましたね。

ありがとうございます。パッと見、全力で一人相撲取ってるようにしか見えません。

> 洋平があまりにも子供じみた性格に衝撃をうけますなぁ。

確かに、奥さんと比べるとだいぶ子供っぽいですね。

> なるほど、涼子は裕福な生活ができなくなるからあれだけ必死だったのか、むしろ、こんな養父なら関わりたくないというのが普通の心理だと思うのですが、特に、年頃の異性なお更、煙たがられる、実父でも。要は”お金”ですかい(;^ω^)

お金もですが、洋平は涼子にかなり甘く、涼子もべたべた甘えてましたからねえ。父親のことが好きだったのは確かでしょう。

> ラスト、前回もそうでしたが、バトルがシンクロではなく、ダンスって本筋から外れてるような気もしますな。

まあ、シンクロを水中のダンスと見れば、全く関係がないわけでもないんですけどね。

> いよいよ次回が最終回ですか、この時期もいくつか最終回を迎えるドラマがあるようですね。寂しくなりますなぁ、最終回楽しみにしております。更新お疲れ様でした。

ありがとうございます。なんか、テレビの改編期みたいに、終了する番組が重なってしまいました。

コメント遅れてすいません
楽しくレビューを読ませていただきました。
私、宮沢りえのファンでしたのでスワンの涙はリアルタイムで見ていたのですが
このドラマが終わったすぐ後ぐらいに宮沢りえがラジオで
「ディスコでダンス対決というのが撮影当時から納得できなかった」と言ってましたよ。
リアルタイムで見ても頭が?マークでいっぱいになりましたw
でも宮沢りえが可愛かったし
武田久美子の派手な容姿もこの役にピッタリでしたね。

Re: タイトルなし

> 楽しくレビューを読ませていただきました。

ありがとうございます。

> 「ディスコでダンス対決というのが撮影当時から納得できなかった」と言ってましたよ。

そうでしょうねえ。まあ、水泳やシンクロ対決では撮影が大変だし、絵的に地味だからやむなくそうしたんでしょうけどね。

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zura1980

Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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