FC2ブログ

記事一覧

「ウルトラマンレオ」 第6話「男だ! 燃えろ!」(リテイク版)



 第6話「男だ! 燃えろ!」(1974年5月17日)

 ……と言う訳で、今回も、昔レビューしたことのある作品をもう一度やる、リバイバル企画でありんす。

 「レオ」も、かなり初期の頃に紹介していた作品で、今振り返ると書き直したいところが山ほどあるので、素材としてはうってつけである。

 ただし、1話からみっちりやるのはしんどいので、厳選したエピソードに絞って書いてみたい。

 冒頭、ゲンが同じMACの制服を着た白土と言う若者を、MACの施設の前で下ろす。

 
 白土「すまないな、洋子さんを頼むよ」
 ゲン「任しとけよ、無事おたくまで送るよ」
 白土「ごめんよ、洋子さん、ご両親によろしく」
 洋子「ええ」
 白土「オオトリ、頼むぞ」
 ゲン「オッケイ!」

 白土は、MACの宇宙ステーションに勤務している隊員で、会議に出席するため地上に降り、久しぶりに恋人の洋子や友人のゲンと会い、車でしばしの息抜きを楽しんだ後なのである。

 
 ゲン、洋子を乗せて気持ちよく車を走らせていたが、

 
 歩道でスタンバッていたカーリー星人が、いきなり車道に飛び出して車の後ろにまわり、全速力で追いかけてくると言う奇跡が起きる!

 何度見ても、カーリー星人がカメラにフレームインしてくる時の緊張感のカケラもない動きが笑える。

 ここでゲンが落ち着いてアクセルを踏んでカーリー星人を引き離せば何の問題もなかったのだが、ゲン、反射的に車を停めて外へ出ると、カーリー星人と殴り合いを始める。

 そ、殴り合いである。銃の撃ち合いじゃなく、殴り合い。

 ゲンに顔面をグーで殴られて地面にひっくり返り、苦しそうに悶えていたカーリー星人だったが、あっという間に巨大化して、星人と言うより怪獣のようなデザインに変わる。

 ゲン「洋子さん、逃げるんだ」
 洋子「はいっ」

 ホルスターに銃がぶちこんであるのに、ゲンは何故かそれを抜こうとせず、空手の構えを取ってカーリー星人に対峙する。

 
 ゲン「洋子さん!」

 と、ここで何をトチ狂ったか、ゲンの後方に走り去った筈の洋子が怪獣に向かって突進していくではないか。

 
 ゲン「お前はアーホーかーっ!」

 じゃなくて、

 ゲン「洋子さーんっ! 戻るんだーっ!」

 ゲンの絶叫も空しく、

 
 洋子「きゃああーっ、助けてーっ!」

 
 洋子、ぷちっと言う感じで踏み潰されてしまう。

 ま、我々が蚊を叩き潰すのと同じような感覚であろう。

 ゲン、レオに変身して戦うが、両肩から生える二本の巨大な角を向けて闘牛のように突進を繰り返すカーリー星人の猛攻に、ビームも空手技も使う余裕がなく、一方的に攻め立てられる。

 

 
 レオ「えいやーっ、えいやーっ」

 さらに、二本の角で何度も上空に持ち上げられて、散々いたぶられるという屈辱的な目に遭う。

 惨敗であった。

 空高く舞ってから地面に叩きつけられるレオの動きに繋げて、

 
 MACステーションの固い床に叩きつけられる情けない顔をしたゲンの映像にスイッチする。

 恋人(婚約者?)を殺されて激怒している白土隊員にぶっ飛ばされたのである。

 
 白土「バカヤロウ、無事に家まで送り届けると言ったのはオオトリ、貴様だぞ」
 ゲン「……」

 
 ゲン「家に帰るまでが遠足です……」
 白土「なんだとぉっ?」
 ゲン「いえ、なんでもないです」

 あまりのつらさに、幼児退行して現実逃避を試みるゲンであったが、嘘である。

 
 白土「MACのパトロール隊のメンバーと言えばこの世で最強の人間たちだ。その貴様がついていながら……なんてことをしてくれたんだ?」

 そのまま床に座り込んでいたゲンの襟首を掴み、無理矢理立たせる白土隊員であったが、ゲンは腑抜けのように力なく立っているのがやっと、と言う風情であった。

 にしても、MAC隊員が「この世で最強の人間」って、いくらなんでも持ち上げ過ぎだろう。

 実態は、その辺のヤンキーにも余裕で負けそうなくらいなのに。

 
 ゲン「すまない」
 白土「バカヤロウ、俺は貴様になんて謝って欲しくない、洋子さんは帰ってきやしないんだ、貴様になんて俺の気持ちが分かってたまるもんか」
 ゲン「許してくれ……」

 
 白土「うるさいっ、白々しい口を利かんでくれ、俺は貴様の顔なんて二度と見たくない!」
 ゲン「……」

 黙ろうが謝ろうが、ゲンのことをひたすら罵倒しまくる白土隊員。

 恋人を殺されて感情的になっているとは言え、あまりに大人気ない態度と言わざるを得ない。

 仮にその場に白土隊員が居合わせたとしても、いや、MAC隊員が全員車の中にぎゅうぎゅうづめになっていたとしても、カーリー星人を撃退できたとは思えないし、洋子が死んだのも、自分の方から星人に突っ込んで行った結果だからね。

 もっとも、後に白土隊員が銃でカーリー星人をたじろがせていることから、ゲンがマニュアルどおり銃を抜いて応戦していれば、多少は違った結末になっていたかもしれないが。

 
 返す言葉もなく、番組開始5分ほどで、すっかりおじいちゃんのように老けてしまったゲン。

 白土が舌打ちをして足音荒く立ち去った後、

 
 曲がり角からダンがあらわれ、めきょっと言う風にゲンを睨みつける。

 これがTACやZATなら、隊長が主人公を慰め、励ましてくれるところだが、MACのダン隊長にそんなことを望むのは、高田純次に責任感を望むのと一緒で無益なことであり、その後、ゲンが地上に降りて悲しそうな目で川面を見詰めていると、その横に立ち、

 
 ダン「お前が悲しむことなどひとつもない。悲しむべきは白土隊員のほうではないか?」
 ゲン「……」
 ダン「なんだその顔は? 何がつらいんだっ!
 ゲン(もう勘弁してくれ……)

 励ますどころか、追い討ちをかけに来るのだった。チーン。

 ダン「つらいのは私のほうだ。同じ宇宙人としてレオを責めたい。不用意に変身したばかりか星人を倒すことも出来なかったではないか」
 ゲン「しかし……」
 ダン「うるさいっ!」
 ゲン(う、うるさいって……)

 弱音を吐くことも、言い訳することも許されず、ひたすら怒鳴られっぱなしのゲン、だんだん、この世に生まれてきたこと自体を悔やみたくなってくる。

 ダン「白土隊員の悲しみを知れ、彼を見て自分のことをようく考えるんだ」
 ゲン「……」

 ダンは故・逸見政孝のような台詞を残して、ゲンの前から去る。

 その後、鬼気迫る様子で射撃訓練を行っている白土隊員を見掛けたゲン、たまたま通り掛かった白川隊員から、白土がMACの精鋭とも言うべき宇宙パトロール隊に志願して入隊したことを知らされ、驚く。

 ゲンは、復讐の鬼と化した白土隊員の姿に触発され、山に篭っていつものトレーニングを始める。

 それは、枝にぶら下げた二本の丸太をカーリー星人の角に見立てて、振り子のように飛んでくるそれらをかわしつつ攻撃するというものだった。

 一方、夜間パトロールを行っていた白土は、路上で若い女性を襲っていたカーリー星人を発見、得意の銃で撃ちまくって、殺せはしなかったが何とか撃退し、女性を助けることに成功する。

 それを知ったゲンが、

 「くそっ、こんな時に限って巨大化しやがらねえって、俺に対するイヤガラセかよ!」

 と思ったのは言うまでもなく嘘であるが、白土の予想外の活躍で、ますますゲンが肩身を狭くしたのは事実である。

 白土「奴は眉間が急所のようです、それ以外の部分には弾丸は効き目はありません。しかし十分我々に倒すことの出来る相手です」

 白土、入隊したばかりだというのに、ほかの隊員たちにレクチャーした上、隊員ひとりひとりが受け持ち場所を細かく決めてカーリー星人を追い詰めれば勝機があると説く。

 隊員「しかし、ウルトラマンレオをやっつけた相手ですよ」
 ダン「その点ならだいじょぶだ、白土隊員は星人を倒しかけたばかりか、女性を助けることまで出来た。余裕はある。冷静にやれば出来るんだ」
 隊員「そうか、それじゃMACは自信を持っても良いな」
 ダン「そういうことだ」

 ゲン以外の隊員には不自然なほど甘いダンは、そうやって無責任に彼らを煽って、白土隊員の提案を実行に移すことにする。

 受け持ち地区を割り当てられた隊員たちが元気に出撃した直後、

 
 ゲン「隊長、今の作戦をやめてください」
 ダン「バカなことを言うな」

 ゲンの進言を、待ってましたとばかりに食い気味に却下するダン。

 ひょっとしてダン、単にゲンをいぢめるのが好きなだけなんじゃないかと言う気がしてきた……

 ゲンはなおも食い下がり、隊員を単独で張り込ませる危険性を主張するが、

 
 ゲン「隊長、そんなに弱い相手ではありません」
 ダン「思い上がるのもいい加減にしろっ!」
 ゲン(え、ええ~っ?)

 全然思い上がってないのに思い上がるなと言われ、頭がおかしくなりそうになるゲン。

 ダン「みんな星人を倒すのに一生懸命なんだ。それがMACの隊員の使命だ」
 ゲン「しかし、このままでは隊員の誰かが傷付くことは目に見えてます!」

 それでも負けずに訴えるゲンであったが、

 ダン「地球人が地球を守るために命を張ってるんだ、宇宙人のお前がなにを言うんだ?」
 ゲン「……」
 ダン「一体お前が星人を倒すためにどんな努力したと言うのだ? ウルトラマンレオは何をしたんだ?」

 いわれのない宇宙人差別をされた上、畳み掛けるようにその責任を追及される。

 ゲン「僕だって地球を愛してます。人間を愛してます。地球は僕の故郷です!」
 ダン「それならばウルトラマンレオのあのざまはなんだっ?」
 ゲン「……」

 いつも理不尽なことばっかり言ってゲンをいぢめているダンだが、この一連の台詞については、「地球を故郷だと思うのなら、地球人になったつもりで精一杯守れ」と言うことが言いたかったのだと分かり、多少は納得できるようになっている。

 ただ、客観的に見ても正しい、ヘッポコ隊員を単独でカーリー星人に立ち向かわせるという作戦が危険だと言うゲンの諫言を、感情に任せて無視したことは、ダンの明らかな判断ミスであったろう。

 ゲンの泣きそうな顔のアップでCMとなるが、序盤からCMまで延々とヒーローである主人公が人に罵られているのを見させられては、当時のちびっ子たちがいたたまれない気持ちになってチャンネルを変えたくなったとしても無理はない。

 CM後、再び山に篭って、例の二本の丸太を相手に「いやーっ」とか「とぉーっ」とか、暑苦しいほど死に物狂いに特訓に励んでいるゲン。

 ダンに発破をかけられたせいか、今度は丸太の先端を巨大な鉛筆のように尖らせており、危険度がますます高くなっている。

 しかし、ピストルを持ってる相手に素手で立ち向かう馬鹿はいないように、レオも、二本の角を無理に受け止めずに、距離を保ってビームを放つとか、少しは頭を使って対処して欲しいものだ。

 しかも、たまにならともかく、毎回のようにこんな修業をしてるんだから、効率が悪いこと甚だしい。

 
 大村「おお、あそこだ、あそこだ」

 と、近くの小道を通り掛かった大村たちが、ゲンに気付いて慌てて駆け寄る。

 このシーン、ゲンが特訓をしていると知って見に来たのか、たまたまランニング中に見掛けたのか良く分からない。

 ま、ランニングなら百子さんがこんな格好してるのは変だから、前者かな?

 それはともかく、久しぶりに貼った百子さんの可愛らしいこと!

 ブラが透けなくても、チラがなくても、これだけ可愛ければ十分メインディッシュになるのです。

 あと、分かりにくいので画像は貼らないが、走る際に両手を外側に振る、「欽ちゃん走り」の変形のような、いわゆる「女の子走り」なのもポイント高し!

 
 ゲン「でやーっ、せいやーっ」
 百子「オオトリさん、オオトリさんってば!」
 猛「やめてください!」

 ゲンを取り押さえて無茶な特訓をやめさせようとする三人。

 勿論、本物の丸太ではなく、軽くて危険のない素材で作られたニセモノなのだが、いくら柔らかい素材であっても、先端が尖ったものがひっきりなしに顔の前に飛んでくると言うのは、先端恐怖症じゃなくてもちょっと怖いよね。

 目にでも当たったら失明しそうで。

 
 ゲン「とめないでください!」

 
 ゲン「放してください! お願いします!」

 三人に取り押さえられながら、必死に叫ぶゲンであったが、

 
 ゲン「やめてください!」

 
 ゲン「助けてください! まだ死にたくない!」

 この画像、見ようによっては、嫌がるゲンに、三人がよってたかって特訓をさせようとしているようにも見えるのだった。

 ゲン「僕は正気です。僕は今自分のために技を覚えなければならないんです。わかってください」
 百子「そんなこと言ったって……」

 困り果て、消え入りそうな声でつぶやく百子タン。

 でも、ゲンが「僕は正気です」って言うのが、客観的に見たら頭のおかしい人間に見えるのだという自覚があるらしいのが、ちょっと笑える。

 
 大村「こんなことまでしなくちゃいけないのか、MACの隊員は?」

 揺れ動く丸太を見ながら、大村が呆れたような声で疑問を口にするが、

 
 ゲン「そうです!」
 百子(言い切っちゃったよ、オイ!)

 ゲン「地球を侵略しようとする星人を倒すため、MACの隊員全員が命をかけて戦っているんです。わかってください!」
 大村「そうか、ほんとに気をつけてくれよ、君にもしものことがあったらクラブの子供たちが悲しむからな」

 ゲン、大村たちを説得すると、再び過酷なトレーニングに身を投じる。

 でも、カーリー星人に関して言えば、今のところ若い女性を重点的に狙ってるだけで、やってることは変態殺人鬼と大差なく、侵略の意図があるように見えないんだけどね。

 
 大村「あああっ!」

 まさか帰るわけにも行かず、その場に留まってゲンの特訓を見守る三人だったが、いつ丸太の先端がゲンに突き刺さるかと、ハラハラしてとても正視できない。

 ゲンがそうやって遊んでいる間に、再びカーリー星人が街中にあらわれ、黒田と青島隊員が果敢にも立ち向かうが、隊員ひとりで勝てるはずがなく、二人ともあっさり殺される。

 それを知った責任者のダンは、

 
 ダン「黒田と青島がやられたか……」

 一言で済ますなっ!

 ま、実際は負傷しただけで、殺された訳ではないらしい。

 白土「やっぱりあの近くにいたんですね、ちくしょう、俺がそこにさえいれば」
 ダン「……」

 歯切りして悔しがる白土を見ていたダンは、

 ダン(つーか、なんでお前、ここにいるの?)

 と、素朴な疑問を抱くが、白土隊員の目が怖いので何も言えないのだった。

 ダン、ゲンにはやたらめっぽう強気だが、他の隊員には割りと腰が低いのだった。

 引き続き、山の中の特訓場。

 
 ゲンに頼まれたのだろう、大村と猛が、大晦日に「笑ってはいけない」を見ててすっかり除夜の鐘を突くのを忘れていた坊さんが息子と一緒に超高速スピードで鐘を連打しているかのごとく、丸太に結ばれたロープを持って、ゲンに向かって何度も何度も突き出すのだった。

 
 ゲン「でえええーっ!」

 丸太をさけようとして、裏返って飛ぶゲンを見て、

 
 百子「ああっ」

 思わず両手を口に当て、悲鳴を上げる百子タン。

 ま、正直、この話、百子さんがいなかったら、レビューしようとは思わなかっただろうなぁ。

 それにしても、この特訓シーン、長過ぎる。

 続いて、屋外で射撃訓練をしている白土隊員の姿を映した後、MACステーションでひとりふんぞり返っているダン。

 
 ダン「はい、こちらMAC本部」

 電話が鳴ったので、ラーメン屋のおやじみたいな口調でダンが応対すると、

 隊員「桃井隊員が星人に襲われました!」
 ダン「……」

 ダン、桃井隊員の安否も聞かずに無言で受話器を置く。

 おそらく、桃井隊員が星人に服を破かれ、めちゃくちゃいやらしいことをされているシーンを妄想していたのだろう(註・違いますっ)

 ダン、何を思ったか、杖を突いて司令室を出て行く。

 ゲンが引き続きひとりで特訓をしていると、何処からか、そのダンの杖が飛んでくる。

 ゲンが杖を拾ってダンに渡すと、

 
 ダン、いきなりその杖でゲンの体をフルスイングする!

 一度ではなく、何度も何度も金属製の杖でゲンをしばきまくるダン。

 前々から薄々そうじゃないかと思っていたが、こいつ、鬼隊長と言うより、ただの危ない奴なのでは?

 つーか、ドラマの流れからすると、部下が次々倒された腹いせに、ゲンに八つ当たりしているようにも見える。

 
 ゲン「隊長、気は確かですか?
 ダン「お前はカーリー星人を倒すと言ったな?」
 ゲン「はい」
 ダン「その腕ではまだ無理だ。白土隊員の射撃の腕のほうが上だ」
 ゲン「そんな」
 ダン「しかし、白土隊員の腕だけでも星人を倒すことはできん」
 ゲン「……」

 「つーか、今しばきまわされたのは一体なんだったんだろう?」と素朴な疑問を抱くゲンだったが、余計なことを言うとまたしばかれるのは目に見えていた。

 
 ダン「お前は一体何をしてたんだ?」
 ゲン「うっ」

 ダン、今度はゲンの顔を平手打ちすると、

 ダン「お前のやっていたことは訓練なんかではない! この丸太棒にお前を憎しみ突き刺す心があるか?」
 ゲン「……」

 今までかなりの時間を費やしてきたゲンの特訓を全否定すると、

 
 砂埃の舞う荒地で、ダンがジープに乗って、ゲンを全力で追い掛け回すと言う、伝説の特訓シーンに移行する。

 ダン「ゲン、逃げるな、逃げるんじゃない!」
 ゲン(殺す気かよ!)

 ここ、ダンが同じ台詞をニヤニヤ笑いながら言ってたら、かなり怖いシーンになったと思う。

 ゲン「隊長!」
 ダン「逃げるな、車にぶつかって来い!」

 
 ゲン「隊長!」
 ダン「バカヤロウ、掛かって来い!」

 さらに、並走しながら、杖でゲンの背中をバシバシ叩く。

 
 恐怖と言うより、憎しみの眼差しでダンを睨みつけるゲン。

 真夏さん、10年くらい前のBSの特番でこのシーンを振り返り、「やめてください!」と言うのは、ダンに対してと言うより、こんな無茶な撮影をする監督に向かって言っていた(言いたかった?)と述懐していたが、この顔を見れば、それも納得である。

 ダン(逃げるな、逃げるんじゃない、そうだ、いいぞぉ、今度こそ息の根を止めてやる、ぐへへへへ)

 心の中で舌なめずりをしながらハンドルを握るダン。

 じゃなくて、

 ダン(逃げるな、逃げるんじゃないぞ、車に向かって来るんだ。カーリー星人に勝つためにはこの方法しかないんだ。飛べ、ゲン!)

 心の中でゲンに向かって叫びながら、ハンドルを握るダン。

 おまけに、結局ゲンが角をかわす術を会得することなく、巨大化したカーリー星人が東京にあらわれたとの知らせが入ったので、ダンは急遽現場に駆けつけ、レオに変身して戦う。

 レオ、カーリー星人の角による攻撃に苦戦するが、最後は角を手刀で切り落とすと、それを弱点と思われる眉間に突き刺し、なんとか倒すのだった。

 ……

 特訓意味なし!

 一体我々は10分近くにわたって何を見させられてきたのだろうか?

 事件解決後、

 
 白土「洋子さんの仇は取った、宇宙ステーションに帰る。ウルトラマンレオの協力を得てな、俺の役目は終わった。ま、お前もしっかりやるんだな」

 思わずその背中を撃ちたくなるようなムカつく言い方と表情でゲンに言葉をかけると、さっさとゲンの前から去って行く白土隊員。

 そう、この手の話ではお約束の、最後に二人が和解するなどと言う甘っちょろい展開にはならず、二人の仲は険悪のまま終わってしまうのである。

 いやー、後味が悪いことこの上ない。

 これにはさすがにゲンもムッとするが、

 
 ダン「よくやったな、俺とお前はこの地球に住んでいるたった二人の宇宙人だ、命ある限りこの地球を守ろう」
 ゲン「はいっ」

 散々怒鳴られ、しばかれてきたダンにねぎらわれると、たちまち笑顔になるのだった。

 ま、どうせなら、

 ダン「なんだ、その不服そうな顔は? 白土隊員の前途を素直に祝福してやれんのかっ、お前は?」
 ゲン「隊長!」

 ダンには最後まで鬼のような理不尽キャラを貫き通して欲しかった気もするが、さすがにそこまでやると、ゲンが地球から夜逃げしちゃうからね。

 
 ラスト、子供たちに楽しく空手を教えているゲンの姿を映しつつ、幕となる。

 出番の少ない百子さんであったが、これだけ可愛いと、ただ職場にいるだけで、男と言うのは無限の力が湧き上がる気がするものなのです!

 以上、アクション的にも、ドラマ的にも、最初から最後までまったくカタルシスが味わえないという、ある意味、奇跡のようなエピソードであった。

 巻末特別寄稿「ある妄想」

 それから10数年後、当時は幼かったカーリー星人の息子が立派な若者に成長したある日、早くに連れ合いを亡くし、苦労して自分を育ててくれた母親に聞いてみた。

 カーリー星人の息子「母さん、俺の死んだ父さんってどんな人だったの?」
 カーリー星人の妻「なんだい、藪から棒に……」
 カーリー星人の息子「いや、ちょっと気になってさ」
 カーリー星人の妻「そうねえ、どんなって……落ち着きはないけど、根はとってもイイ人だったねえ」
 カーリー星人「俺がずっと小さい頃に死んだんだろう? 病気かい、事故かい?」
 カーリー星人の妻「いいえ、チキュウと言う遠い星でね……」
 カーリー星人の息子「そんなところで何してたの? 出張?」
 カーリー星人の妻「そうじゃないのよ。ツアーの観光旅行で立ち寄ったんだけど、ハメを外して、原住民の女の子を手当たり次第に襲ってたら、現地にいたウルトラマンレオにぶっ殺されたのよ」
 カーリー星人の息子「それじゃあ、ただのド変態じゃねえかっ!」
 カーリー星人の妻「でも、根はとってもイイ人で……」
 カーリー星人の息子「やかましいわっ、どんな極悪人だって、根は全部イイ人なんじゃっ!」
 カーリー星人の妻「あら、そうなの?」

 カーリー星の、のどかな昼下がりのことでした(了)
関連記事
スポンサーサイト



コメント

無茶振りばかり

管理人様、久しぶりのレオのレビューありがとうございます😊どうも今回は無茶振りばかりでゲンが一番貧乏くじを引かされていたようですね😅幾らなんでもMacが地上最強の防衛隊なんて有り得ないですよね。地上最弱ならまだ分かりますがね

モロボシ・ダン"隊長"

>こんなジローor五郎、見たくなかったよ。
これよりも同一人物であるモロボシ・ダン隊長の方が見たくなかった・・・
定番の”ネタ”であるジープもだけど「ああ言えばこう言う」のもね・・・

少しはあるかも

>特訓意味なし!
これはウケましたね。実際、意味ないので仕方ないですが。
もっとも特撮の特訓って冷静に考えるとよくわからないものばかりですけどね。レオで意味のあった特訓はケンドロス、ボーズ星人、ノースサタンのストーリーくらいでしょうか。

作風ブレ過ぎ問題

「ウルトラQ」第1話放送 1966年1月2日
「ウルトラマンレオ」最終回放送 1975年3月28日
この期間(中断もある)が10年未満・・・
戦隊はともかく「クウガ」以降延々と20年以上中断もなく続いている
(東映とテレビ朝日の株の相互持合いという大人の事情がある)
のに比べたら、円谷プロがいかに時代の波に翻弄されてきたかが分かりますね。

真夏さん

>真夏さん、10年くらい前のBSの特番でこのシーンを振り返り、「やめてください!」と言うのは、ダンに対してと言うより、こんな無茶な撮影をする監督に向かって言っていた(言いたかった?)と述懐していたが、この顔を見れば、それも納得である。

篠田さんとの対談で「「タロウ」の現場を見て、「これなら大丈夫」と思った」と仰ってました。

筋違い

 そもそもゲンに責任を押し付けるのが筋違いよ。カーリーが襲ってきたのは不測の事態じゃないのか?事前に狙われていたのなら、白土が送っていくべきやったんやで。
 似たような筋書きがドラマ:犯罪症候群の冒頭にも出てくるで。婚約者を犯され殺害された刑事。相棒で婚約者の兄貴に散々恨みつらみを浴びせられて。ショックが大きかったのは婚約者の兄貴やったけど。犯人が未成年だとわかるとさらに愕然。
犯人:あんたの妹さん、いい体してたぜ。暴れ過ぎたから顔を何度もぶん殴ってやったよ。殴っているうちに動かなくなったけど、こちらには好都合。じっくりと肉体を堪能できたからな。
そのセリフにぶち切れ兄貴は犯人をぼこぼこ、さらにその犯人が拘置所で死んだと聞かされてショックを受け警察を辞めることに。
白土とゲンは辞めることはなかったが、後味の悪い筋書き。後にゲンは白土と同じ立場になろうとは…。

ブラックミックス?

「ウルトラセブン」と「帰ってきたウルトラマン」
(そういえば郷秀樹が後にゲスト出演しましたっけ)
のブラック要素をハイブリットさせてたのでしょうか。

地球を守る崇高な使命を背負ったはずの
隊員同士のギスギスしたドラマを通じて
「地球人は本当に守る価値があるのか?」と
視聴者に疑問を投げかけているとか…。

坂田さんは郷の慢心した所は諌めながら
肩を持つところは持ってくれたものでしたが。

Re: 無茶振りばかり

お喜びいただけたようで何よりです。自分も書いてて楽しかったです。

今後も不定期に公開していくつもりです。

Re: モロボシ・ダン"隊長"

> 「ああ言えばこう言う」のもね・・・

そうそう、何言っても叱られる。

Re: 少しはあるかも

> これはウケましたね。実際、意味ないので仕方ないですが。

ありがとうございます。まあ、一応最後はジープを飛んでかわしているみたいなので、全然意味がないことはないでしょうが。

> もっとも特撮の特訓って冷静に考えるとよくわからないものばかりですけどね。

特にレオの特訓はそんなんばっかりでしたね。

Re: 作風ブレ過ぎ問題

20できりがいいから、やめりゃ良かったのに……

Re: 真夏さん

> 篠田さんとの対談で「「タロウ」の現場を見て、「これなら大丈夫」と思った」と仰ってました。

大間違いでしたね。

Re: 筋違い

>  そもそもゲンに責任を押し付けるのが筋違いよ。

ですよねえ。

>  似たような筋書きがドラマ:犯罪症候群の冒頭にも出てくるで。

なんかしみじみと暗い話ですね。

Re: ブラックミックス?

> 地球を守る崇高な使命を背負ったはずの
> 隊員同士のギスギスしたドラマを通じて
> 「地球人は本当に守る価値があるのか?」と
> 視聴者に疑問を投げかけているとか…。

まあ、MAC隊員=地球人の代表ではないとは言え、ここまで言われたらそんな気にもなりますよね。

特訓

ダン「人間態での特訓は効果が無かった。今後、ウルトラ兄弟が交代で特訓する」

VS初代ウルトラマン
「怪獣退治の専門家は伊達じゃない。こっちの攻撃がまるで当たらない」
VS新マン
「ウルトラブレスレットの連続攻撃に耐えられない」
VSエース
「次から次へと繰り出される光線技を避けられない」
VSゾフィー
「さすが、宇宙警備隊隊長・・・あれ?なんでキック一発でノビてんすか?」

「レオ」の残念な点の一つ

前作同様に女性隊員はミニスカなのに、エロいシーンがまるで無い!

Re: 特訓

確かに、ウルトラ兄弟と特訓した方が有意義ですよね。

Re: 「レオ」の残念な点の一つ

そもそもエキストラみたいな扱いですからねえ。

いっそのこと百子さんに隊員になって欲しかった。

No title

この話を最初に見たのが1987年12月でした。白土隊員の顔写真が梶田隊員と入れ替わっていることに気付かず混乱しました。白土は赤石の代替要員ですね。隊長から命令を受けることが少なく出番も全体に少ないことが共通しています。恋人役の菅沢恵美子さんは早川絵美に改名してブラックテリナの回に再登場します。
二人ともV3のメインゲスト経験者という共通点があります。

外様

ウルトラの父もウルトラの母も「本当に困っている」レオこそ助けてやれよ!
と子供時代から思っていました。
「タロウがいなくなった」地球には関心が無いのか?
レオが「外様」ウルトラマンだからか?
だから、代わりにキングが援助してきたのか・・・とふいに落ちましたが。

オイルショック後なのに

>あっという間に巨大化して、星人と言うより怪獣のようなデザインに変わる。
これってスーツを2体作っていますよね。厳しい予算の中で・・・
イマイチ意図がわかりませんね。

Re: No title

番組内のMAC隊員の扱いは、もうちょっとどうにかして欲しかったです。

Re: 外様

まあ、ヒーローが人に頼ってたらダメなんですけどね。

Re: オイルショック後なのに

最初はまだ多少の余裕があったんじゃないですか。

どっちが得がよーく考えてみよう!

>≧ダン「白土隊員の悲しみを知れ、彼を見て自分のことをよーく考えるんだ」と故・逸見政孝さんのような台詞を残してゲンの前から去る。

>その昔、萩本欽一さんが写真用カラーフィルムの宣伝で「20枚撮りのカラーフィルムと24枚撮りのカラーフィルム、どっちが得がよーく考えてみよう!」と言ってたネタがあったのを思い出しますね。

>≧大村「おお、あそこだ、あそこだ」と近くの小道を通り掛かった大村たちが、ゲンに気付いて慌てて駆け寄るのだが……このシーン、ゲンが特訓をしていると知って見に来たのか、たまたまランニング中に見掛けたのか良く分からない。

>第2話でゲンの手伝いをする猛もそうですが、丸太相手に打倒カーリー星人の特訓をするゲンに大村さんや猛たちは誰一人疑問を抱かないのか?と感じますね。

「僕は正気です……僕は今自分のために技を覚えなければならないんです!わかってください」と叫ぶゲンを見ると「お前はカーリー星人を倒すと言ったな?」というダンの前でもう一度「僕は正気です!」とゲンが言っていたら「お前はアーホーかーっ!」と一喝されていたんじゃないかな?

>≧大村さんと猛が〝大晦日に「笑ってはいけない」を見ててすっかり除夜の鐘を突くのを忘れていた坊さんが息子と一緒に超高速スピードで鐘を連打しているか″のごとく

>状況が目に浮かびますが、時間的には新年を迎えて…なところでしょうかね。

>≧白土「洋子さんの仇は取った、宇宙ステーションに帰る。ウルトラマンレオの協力を得てな、俺の役目は終わった。ま、お前もしっかりやるんだな」と思わずその背中を撃ちたくなるようなムカつく言い方と表情でゲンに言葉をかけると、さっさとゲンの前から去って行く白土隊員。そう、この手の話ではお約束の「最後に二人が和解するなどと言う甘っちょろい展開」にはならず、二人の仲は険悪のまま終わってしまうのである。

>視聴者も最後に「ゲンと白土隊員の和解が描かれる」と思ってたら「ま、お前もしっかりやるんだな」とさっさと去ってく姿に視聴者も「ゲンの特訓」と合わせて肩透かしな展開では?と思ったでしょうね。
せめて白土隊員が去り際に「そういえば…あの時のウルトラマンレオの姿、お前にそっくりだったな」と一言だけ口にする場面があれば、ゲンも救われたんじゃないかな?と思います。

Re: どっちが得がよーく考えてみよう!

> 視聴者も最後に「ゲンと白土隊員の和解が描かれる」と思ってたら「ま、お前もしっかりやるんだな」とさっさと去ってく姿に視聴者も「ゲンの特訓」と合わせて肩透かしな展開では?と思ったでしょうね。

特撮で、あれだけ後味の悪い結末も珍しいですよね。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

zura1980

Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

最近のトラックバック

カテゴリー

カレンダー

06 | 2020/07 | 08
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

FC2カウンター