第44話「変身!地帝剣士アキラ」 (1987年12月26日)
前回、キロスが作った変なピラミッドに閉じ込められたせいで、目が見えなくなってしまったアキラ。
だが、アキラは目が見えない状態のまま戦える術を身につけようと、仲間たちの協力で過酷なトレーニングを行おうとしていた。
アキラ「みんな、同情なんかしないでくれ」
モモコ「いや、別にしてないけど……」 アキラ「あ、そうなの?」
じゃなくて、
モモコ「……」
アキラ「遠慮しないで、さ、やってくれ」
それは、10メートルほど離れたところにいるタケルとケンタが、ピッチングマシーンのような装置で、砲弾のようなものをアキラ目掛けて連射して、それをアキラが双剣で切り落とすと言う無茶なものだった。
それでも、最初の数発は見事に断ち切ったものの、結局次々と砲弾が命中して、剣を取り落としてしまう。
アキラ「ああーっ!」
モモコ「アキラ!」
色っぽい美女が、どんな太い恵方巻でも頬張れるくらい大きく口を開けているのが、なんとなくヒワイだ……と思った俺がヒワイだっ!
ケンタ「やっちまったなぁーっ!」 (註・言ってません)
つーか、やる前に「やばくね?」って気付けよ。
アキラが吹っ飛んだのを見て、慌てて駆け寄る仲間たち。
さらに、再びあの謎めいた呪文がアキラの耳にだけ聞こえ始め、アキラは両手で耳を押さえて子供のように怯えまくる。
前回は何を求めているのかさっぱり分からなかった謎の白装束の一団だが、今回は、「地帝剣士ウナスを与えたまえ」と、意味の分かる言葉で、竜のような彫像に祈りを捧げており、彼らがウナスなる剣士を召喚しようとしていることが明らかになる。
と、やがて彫像の目が赤く輝いたかと思うと、
彫像は、ヨロイドグラーと言う恐ろしげな地帝獣の姿に変わる。
リセ「地帝獣!」
セト「ウナスじゃない!」
また、その時の衝撃で白いフードが脱げるが、中心になって祈祷していたのが、意外にも姉と弟と思われる二人の子供だと判明する。
そこへ哄笑を響かせながら、イガムとフーミンが入ってくる。
イガム「貴様ら逃亡者だな?」
リセ「イガム王子!」
イガム「そうか、ウナスに助けを求めるつもりだったと言う訳か、はっはっはっはっはっ、愚か者めが、ウナスが助けてくれるなどとはただの伝説に過ぎぬ! ウナスは我がイガム家に仕える剣士なのだ。そしてそいつは地帝獣ヨロイドグラーが探し出すのだ」
今ひとつ意味が分からないが、そうなんですって。
イガムがヨロイドグラーにウナスを探すよう命じると、ヨロイドグラーは即座に地上へ飛び出す。
イガム「なんと、ウナスは地上にいると言うのか?」
だが、ヨロイドグラーには地上にいるのか地下にいるのかは分かっても、誰がウナスなのかは分からないらしく、
適当に、筋骨逞しい若者を見付けては、頭部のヨロイ状の寄生獣(笑)を分離させて、その体に装着させて、ウナスかどうかを調べなくてはならないのだ。
めんどくせっ!
だが、その若者はウナスではなかったようで、ヨロイを被っても、ひたすら悶え苦しむだけであった。
相手がウナスでないと分かると、ヨロイはまたヨロイドグラーの体に戻る。
イガム「人違いだったみたい」
フーミン「ごっめ~ん」
若者「ごめんで済むかあっ!」 じゃなくて、
イガム「違う、こいつではない! 探せ、探せ」
フーミン「はっ」
しかし、ツイてない人ではある。
その後も手当たり次第にヨロイを被せ、ツイてない人を量産していくイガムであった。
モニターでその様子を見ていたタケルは、ますます怯えるアキラを傷ましげに見てから、
タケル「アキラを……頼みます」
真剣な表情で姿長官にアキラのことを託す。
姿「うん」
タケル「……」
対照的に軽く頷く姿長官に、一抹の不安を覚えてるタケルであったが、アキラを残して4人で出撃する。
歩道橋の上のヨロイドグラーにレーザーマグナムを撃つレッドだが、ビームはことごとく跳ね返される。
イガム「このヨロイを身につけたものが、イガム家に仕える剣士、地帝剣士ウナスとなるのだ」
レッド「なに、地帝剣士ウナス?」
イガム「地帝剣士ウナスの鎧は無敵、やれ!」
一方、その頃、アキラは……
アキラ「うう、ああっ……」
いつの間にか光戦隊を抜け出し、手探りで街を徘徊していた。
……
アキラ「長官、俺、アキラのこと頼むって言いましたよねーっ!?」 姿「すまん、寝てた」 と言うのは嘘だが、部下に激怒されても文句は言えない姿長官のいい加減さであった。
前回もアキラのピンチに全く手を尽くそうとしなかったことと言い、そろそろ、「役立たず」とか「使えねー奴」などと言う、ありがたくないあだ名を頂戴しそうである。
ただでさえアキラを欠いて戦力不足のマスクマンは、ヨロイドグラーとイガムの猛攻に防戦一方となるが、マスクマンに突進しようとしたヨロイドグラーの寄生獣が勝手に外れ、どこかへ飛んで行ってしまう。
そして、タイトルにもあるように、寄生獣が選んだ男は、他でもないアキラであった。
寄生獣は今度は拒絶反応を起こさず、普通の鎧となって、アキラの体にフィットする。
アキラ「地帝剣士ウナス!」
さらに、アキラの目が見えるようになり、その顔つきや性格まで、すっかり別人のように猛々しいものに変わる。
イガム「と言うことはアキラは地底人?」
タケル「なんだとぉ」
この意外な展開には、敵味方双方、驚きを隠せない。
イガム「地帝剣士ウナス、イガム家のために戦え」
戸惑うイガムだったが、とりあえずアキラに攻撃を命じる。
ただでさえ体術に優れていたアキラは、鎧の力を得てますますパワーアップして、4人を相手に縦横無尽に暴れ回る。
その体を押さえようとして吹っ飛ばされたケンタに駆け寄るモモコ。
いやぁ、美女は何をしても絵になりますなぁ。
アキラはタケルたちの呼びかけに一切反応せず、二本の剣を振り回して息つく間もない怒涛のラッシュを見せる。
振り下ろされた剣を両手で防いだタケルとハルカだったが、同時に腹を蹴られて吹っ飛ばされる。
ハルカ「ああっ」
一回転するハルカのミニスカの奥から、またまたまたまた純白のパンツが覗く。
実にこれで四週連続のパンチラである。
せめて女性スタントが演じてくれていればと、一縷の希望に縋るが、
残念ながら、ハルカ本人のパンツであった。
さらに、
木の上に飛び上がった際、またしてもパンツがくっきりはっきり見えてしまい、管理人、たまらず轟沈。
これがモモコだったらなぁ……
と、アキラの背後からモモコとケンタが飛び掛かるが、やはり通用しない。
それにしても、綺麗な女優さん本人がこれだけアクションしてくれると、なんか嬉しくなるよね。
アキラの攻撃はやまず、今度は口からビームを放つと言う、ほとんど人間やめました的な技を使う。
モモコ「アキラの顔じゃない……あなたの笑顔はどこへ行ってしまったの?」
モモコの脳裏に、これまでアキラが幾度も見せた、明るい、少しはにかんだような笑顔が浮かび上がる。
ケンタ「苦しい時、悲しい時、いつも一緒に乗り越えてきた仲間を……こんなことがあってもいいのかっ」
卒業式の答辞みたいな台詞を放って、アキラのあまりにひどい仕打ちを恨むケンタ。
姿「私が選んだ戦士が地底人とは……」
一方、部下か大変な目に遭っていると言うのに、相変わらずモニターの前から動こうとしない姿長官。
姿「信じない、私は絶対に信じない」 いや、そこで気張ってないで何か手を打てよ。
お前が信じようが信じまいが、事態に何の影響もないのだから。
CM後、仮借ないアキラの攻撃に、疲労困憊のタケルたち。
リセ「やめてください、ウナス様、あなた様はこんなお方ではない筈です」
と、そこへひょっこり顔を出してアキラにしがみついて止めたのが、あのリセと言う少女だった。
地下でフーミンに攻撃されて散り散りになり、地上へ逃げ延びていたのだろう。
4人はリセを保護して森の中へ逃げ込み、とりあえず小さな廃屋の中に身を隠す。
リセ「ウナス、私たちを救ってくれると思っていたのに……」
タケル「どういうことか聞かせてくれないか」
リセ「私はリセ、私たち一部の地底人はゼーバが地底侵略を始めた時、地底の奥深くへ逃げ込んだんです。私たちは地帝剣士ウナスに助けを求めたのです」
ハルカ「ウナスとは何者なの?」
リセ「地底人を守ってくれると言われている伝説の剣士です。でも、ウナスはイガム家に仕える剣士だったのです。イガム王子の思うがままに動いてしまうのです。ウナスは私たちを救う最後の希望だったのに……もう駄目です」
イガム「その通りだ! ゼーバ様に逆らったものに明日はない」
と、リセの呻き声に答える形で、イガムがあらわれる。
しかし、ゼーバが地底を侵略したのはかなり昔のことと思われるのに、今までずーっとリセたちがチューブに見付からずに地下で生きながらえてきたと言うのは、いささか信じがたい。
それに、アキラがキロスのピラミッドに閉じ込められておかしくなったのと時を合わせて、彫像がヨロイドグラーの姿になると言うのも、あまりにタイミングが良過ぎる話である。
あるいは、イガム王子が近付いたので、ヨロイドグラーが覚醒したのだろうか?
タケル「黙れ! この子には指一本触れさせん」
ケンタ「地底にも平和を願う人たちがいる。その願いを踏みにじらせはしないぞ!」
精一杯難しい言葉を使ってタンカを切るゴリライモ2号ことケンタであったが、
イガム「ほざくな、4人でナニが出来る?」
イガム王子に突っ込まれると、
ケンタ「うが……」
たちまち魂の抜けたような顔になり、
ケンタ「ナニが出来るの?」 ハルカ「私に聞かないでよ!」 いつものゴリライモ2号に戻ってしまうのだったが、嘘である。
再び戦いとなるが、依然として苦しい戦いを強いられる4人。
いくら仲間が寝返った(?)とは言え、これだけ長時間にわたって主人公たちの劣勢が続くのは、戦隊シリーズにおいては極め強い珍しいことである。
ピンク「アキラ、あなたって人は……」
思わずアキラに対する恨み言がピンクの口を突いて出るが、すかさず姿長官がフォローする。
姿「アキラを恨むな、アキラこそ苦しんでいるのかもしれないぞ。
この前、アキラは目が見えないにも関わらず、たった一人で君たちを助けに行ったではないか 」
と、この前、五体満足にもかかわらず、タケルたちを助けに行こうとしなかった人が言ってます。
姿「今度は君たちが助ける番だ。頑張ってくれ」
絶対にその場から動こうとしない姿長官の無責任な励ましに、
アキラ「いや、今度は長官の番じゃないんですか?」 と、突っ込みたくてしょうがないタケルであったが、グッと堪えて戦うのだった。
査定に響くからね。
で、4人は、と言うか、レッドはなんとかアキラ抜きでヨロイドグラーの本体を倒し、これだけは何があっても譲れない1987年最後の巨大ロボットバトルをこなし、ひとまず戦いは終わる。
だが、依然としてアキラはイガムの忠実な家来となったままで、タケルたちの苦難は来年に持ち越されるのだった。
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