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「人造人間キカイダー」 第25話「ダイダイカタツムリ 殺しの口笛」



 第25話「ダイダイカタツムリ 殺しの口笛」(1972年12月30日)

 冒頭から、キカイダーが、ミツ子とマサルを殺そうとして、崖に追い詰めているショッキングな映像が映し出される。

 
 キカイダー「もう逃げ場はない、二人とも殺してやる」
 ミツ子「助けてーっ、お父様ーっ!」
 マサル「お父さーん」
 キカイダー「呼んでも無駄だ、お前たちの父親・光明寺博士もすぐに後を追わせてやる」

 
 キカイダー、憎々しげに言い放つと、まずマサルの体を持ち上げて崖下に放り投げて殺し、ミツ子も同様に殺害する。

 いつもながら、子供向け番組とは思えぬハードな描写である。

 てっきり、これは誰かの見ている悪夢なのかと思ったが、そうではなかった。

 
 光明寺「ミツ子、マサル、私には、娘と息子がいた。そしてあの、アンドロイドに殺された」

 そう、その巧妙さに思わず舌を巻いたが、それはダークが作ったフェイク映像で、彼らはそれを記憶喪失の光明寺に見せ、あたかもキカイダーが自分の子供を殺した極悪アンドロイドだと信じ込ませようとしているのだ。

 つまり、キカイダーもミツ子もマサルも、すべてダークが作り出したニセモノだったのだ。

 
 会長「そうなのです、今のフィルムがあなたの失われた過去なのです」
 光明寺「誰なんです、誰が何のために?」
 会長「ダークと言う恐ろしい秘密結社です。我々はダークの陰謀を破るために、全力を挙げて戦っているものです。博士、ぜひとも我々に協力してください」
 光明寺「やります、やりますとも」

 しかもそれを、いかにも信頼できそうな老紳士の口から語らせるあたり、水際立った騙しの手口と言えるだろう。

 ダーク対策委員会の会長を名乗る老人が、仇敵キカイダーを倒せる強力なアンドロイドを開発して欲しいと頼むと、光明寺は快く引き受ける。

 そこへ女性秘書が入ってきて、ありもしない会議が始まると告げ、会長は部屋を出て行く。

 だが、会長の乗り込んだエレベーターが降下して着いた先は、

 
 会議室ではなく、他ならぬダークの本部なのだった。

 会長「ギル教授、全ては成功しました」

 会長が恭しく頭を下げると、その姿がアンドロイドマンに変わる。

 どうでもいいが、部下がギルのことを「プロフェッサー」じゃなくて「教授」って呼ぶのって、珍しいよね。

 ギル「記憶を失ったが、光明寺の潜在意識にダークを恐れる意思があった。それを逆に利用した。ふっふっふっ、光明寺はキカイダーを憎んだ、さて、どんな新しいアンドロイドが出来るか楽しみなことだ」

 計略図に当たり、上機嫌のギル。

 前回の、モモイロアルマジロによるふざけた作戦とはえらい違いである。

 ともあれ、光明寺博士はダークのためとは知らず、三角定規で図面を引くと、心血を注いで戦闘アンドロイドを作製する。

 
 ただ、善の心を持つ光明寺が作ったにしては、過去のダークのアンドロイドとデザインが全く同じと言うのは、いささか解せないことである。

 もっとも、初期のダーク破壊部隊も(ギルに騙されて)光明寺が作ったものだから、もともとこういうセンスの持ち主なのかもしれない。

 夜、横浜マリンタワーを掠めるようにして、赤い火の玉が公園に落下する。

 
 半平「隕石! たしか、港公園の方に落ちたぞ。いこいこ、掘り出して博物館に売っちゃうもんね」

 たまたまそれを目撃した半平、欲の皮を突っ張らせて落下地点へ向かう。

 ただ、目撃してすぐ出掛けた筈なのに、公園に着いた時には朝になっているというのは、いくらなんでも時間が掛かり過ぎではないか?

 半平がそれを何処から見たのか不明なのだが、あまり遠くからでは、具体的に何処に落ちたかまで分からない筈だからね。

 
 もっとも、半平が着いた頃には、既に自衛隊が出動して隕石の調査を開始していたため、半平の野望はもろくも崩れ去る。

 半平が諦め切れずに茂みの中から様子を窺っていると、何処からか奇妙な口笛が聞こえてきて、隕石から煙が立ち昇り、

 
 怪人「うっはっはっはっはっ、ダイダイカタツムリの殺しの口笛を聞いた奴は、死あるのみだ!」

 隕石が、カタツムリをモチーフにしたダイダイカタツムリと言う恐ろしげな怪人の姿に変わる。

 隊員たちが即座に銃を撃つが、ダイダイカタツムリは硬い背中の殻で弾き返すと、

 
 情けなくも逃げ出した隊員たちの足元に特殊な粘着液を撒いてその動きを止め、カタツムリのツノのような突起物の先端から閃光を放ち、一瞬で跡形もなく焼き尽くしてしまう。

 さすが光明寺が作っただけあり、その戦闘能力はずば抜けていた。

 半平の存在に気付いたダイダイカタツムリ、車で逃げる半平を執拗に追いかけ、抹殺しようとするが、そこへ例によってジローがギターを鳴らしながら崖の上にあらわれる。
 
 ジロー「ダークのアンドロイド、久しぶりの出現だな」
 怪人「ふぇっふぇっふぇっふぇっ、人造人間、貴様に会うのを楽しみにしていた。兄弟同様の貴様だからな」

 
 ジロー「兄弟同様? それはどういう意味だ? ダークの憎むべきアンドロイドに私の兄弟はいない」

 
 怪人「そうかな、人造人間、貴様の生みの親は誰だ?」
 ジロー「光明寺博士? まさか……」
 怪人「ふぁっはっはっはっ、分かったか、聞け、キカイダー、この俺様、ダイダイカタツムリは光明寺博士の最大傑作なのだ!」

 
 ジロー「え、最大傑作ってどういうこと?」

 ダイダイカタツムリの独特の言語センスに戸惑うジローであったが、嘘である。

 ジロー「信じられない、光明寺博士がダークのために力を貸すなんて」
 怪人「さあ兄弟よ、どこからでもかかってこいっ」

 ジロー、ともかくキカイダーに変身して戦う。

 
 半平「ご注意をキカイダー、この怪物はですな、粘液を出して動きを止め、そこをレーザーで攻撃ですぞ」
 キカイダー「ありがとう、半平」

 戦いの最中、ビビりながらも、キカイダーに有益な情報を教える半平。

 キカイダー、優勢に戦いを進めるが、ダイダイカタツムリの奥の手、強力な催眠音波を食らってたじろぎ、それをかわそうと不用意に空へ逃げたところをレーザーで撃たれ、呻きながら落ちていく。

 CM後、死後の世界のような真っ暗な空間に浮遊しつつ、

 
 怪人「死ね、ジロー」
 光明寺「ジロー、お前の最後だあああっ」

 ダイダイカタツムリと光明寺博士から呪いと憎しみの言葉を浴びせられているジロー。

 無論、それは、ジローが見ている悪夢であったが、アンドロイドの分際で悪夢にうなされるとは、いかに光明寺の作った人造人間が優秀かと言う証左でもあった。

 ジローはいつの間にか布団の上に寝かせられ、うわ言を口にしていたが、心配そうに見守っていたミツ子たちに揺り起こされる。

 
 ミツ子「ジロー、しっかりして」
 ジロー「はっ?」
 ミツ子「気を失ってたジローを、ハンペンが運んだのよ」
 マサル「お父さんのこと言ってたね、何があったんだい?」

 ジローが光明寺がダークに協力しているようだと告げると、ミツ子は声を震わせて否定する。

 ミツ子「お父様がダークに力を貸すなんて!」
 ジロー「僕にも信じられない。どうしてでも博士を救い出したいんだが……」

 そこはミツ子たちの自宅なのだろうが、半平が慌てふためいて飛び込んでくる。

 
 半平「大変、天下の一大事です。街の人が全部狂って、暴れ出したんですわ」
 ミツ子「え、暴動?」

 
 半平がテレビのスイッチを押すと、ニュースでその衝撃的な映像が流れていた。

 アナウンサー「正午の時報とともに暴徒と化した7万の市民の暴動はその後も続いております」

 路上で、一般市民が互いに掴み合い罵り合っていると言う、およそ子供向け特撮番組とは思えぬ恐ろしい光景が、ブラウン管の中だけに展開する。

 映像表現としてはなかなか秀逸だが、実際の暴動シーンが出てこないのは、いささか物足りない。

 そのニュースを見ていたギル、満足げに頷くと、

 
 ギル「うむ、さすが光明寺が作ったお前だけのことはある」
 怪人「私の催眠術で人間どもは思うとおりに操られます」

 前回のモモイロアルマジロが、いちいち頭にカプセルを埋め込まなければ人間を操れなかったことを思えば、ダイダイカタツムリの優秀さにギルが目を細めたのも当然であった。

 ちなみにそのカプセル、まだ半平の頭に入ってる筈なんだけどね。

 ギルは、横浜マリンタワーのテレビ電波をジャックして催眠波を流し、さらに暴動を広げるよう命じる。

 だが、ジローは彼らの行動を予測し、マリンタワー上で待ち構えていた。

 ジロー「このタワーから催眠術を流そうとしても無駄だ」
 怪人「はっはっはっ、チャンスは何度でもある。しかし、貴様を殺るチャンスはそうない。かかれーっ!」

 マリンタワー周辺でバトルとなるが、ギルの吹く「悪魔の笛」で動きを封じられている間に、ダイダイカタツムリの催眠術にがっつり掛かってしまい、腑抜けとなってしまうジロー。

 ダイダイカタツムリ、さっきはあんなこと言ってたくせにジローを殺そうとはせず、アジトに連れて行って改造しようと欲を出す。

 
 こうして、ジローが怪人を乗せてサイドカーを走らせるという、一度見たら忘れられない強烈なシーンが誕生する。

 ギルは、再び光明寺を騙して、ジローをダークの言いなりになるアンドロイドに改造させようとする。

 
 命令を受けた男女ペアの戦闘員が頭を下げると、

 
 対策委員会会長と、女性秘書の姿に変わる。

 ちゃんと、女性秘書は女性型アンドロイドマンが演じているのが芸が細かい。

 もっとも、その気になれば性別関係なしに人間に化けられるんだけどね。

 
 会長「ご覧ください博士、あなたのお陰で憎いダークのアンドロイドを捕らえられました」
 秘書「ダーク対策委員会の決議で、このアンドロイド、私たちで使えるように改造して欲しいのです」
 光明寺「やりましょう、娘と息子を殺した憎いアンドロイドだが、ダークを倒すためなら」

 手術台に寝かせられたジローを前に、快諾する光明寺だったが、次の瞬間、眠っていたジローがガバッと起き上がる。

 案の定、ジローは催眠術に掛かったふりをしていたのだ。

 
 ジロー「光明寺博士、あなたは騙されてるんです」
 光明寺「え、なんだって?」
 ジロー「ここはダーク対策委員会ではない」
 会長「何をバカなことを」
 秘書「博士、信じてはいけません。デタラメです」

 二人はなんとか誤魔化そうとするが、ジローが拳を唸らせると、会長の体は一撃でアンドロイドマンの姿になって砕け散る。

 
 秘書も、女性型アンドロイドマンの姿になって慌てて逃げ出す。

 どうでもいいが、女性が戦闘員の格好してるのって、なんかエッチだよね……

 たとえ貧弱な胸でも、女性が演じているというだけでなんとなく嬉しくなる、生涯思春期宣言中の管理人なのです。

 ジロー、キカイダーに変身すると、崩れ落ちるアジトの中から光明寺とともに脱出するが、ダイダイカタツムリ、さらに、

 
 怪人「俺たちは光明寺に修繕してもらい、再びこの世に蘇ったのだ」

 まったく何の前ふりもなしに三体の再生怪人が現れ、キカイダーに襲い掛かる。

 しかし、よりによってその中に、良心回路を内蔵している筈のゴールドウルフが混じっているのは、スタッフの見識を疑う。

 キカイダーが三人の相手をしている間に、ダイダイカタツムリは光明寺博士をもう一度捕らえようとする。

 
 光明寺「私を欺いて、よくも……」
 怪人「ふっふっはっはっ、光明寺博士、俺の生みの親だ。大事にしてやるぜ!」

 だが、光明寺は足を滑らせて斜面を転げ落ちていき、追いかけてきたダイダイカタツムリの前に、あっという間に再生怪人を撃破したキカイダーが立ちはだかる。

 ちなみに再生怪人たちは、崖から突き落とされて三体同時に爆死しております。

 これを専門用語で、「クソ弱え」と言います。

 
 キカイダー「ダイダイカタツムリ、博士は渡さん」
 怪人「ふぇっふぇっふぇっ、生みの親の前で兄弟が戦うのも宿命と言う奴かーっ!」
 キカイダー(あっ、ちくしょう、悪人の分際でカッコイイ台詞を~っ!)

 ダイダイカタツムリ、外見に似合わず、その台詞回しがまるでコブラみたいにシャレているのである。

 キカイダー、苦戦の末にダイダイカタツムリを倒すが、例によって、その間に光明寺はふらふらとどっかへ行ってしまい、またしてもミツ子たちとの再会は果たせぬまま終わる。

 ちなみに、ラストに次回登場するミドリマンモスがちらっと姿を見せ、次回の舞台となる洞窟に光明寺博士が近付くシーンもあり、描写に連続性があるエピソードまたぎとなっている。

 これは、25話が年内最後の放送になるから、年が明けても忘れずに見て欲しいというスタッフの心配りであろうか? それとも別に深い意味はなかったのだろうか?

 以上、さすが伊上勝さんと言った感じの面白さであったが、設定の面白さが十分にストーリーに活かされているとはいえないような気もした。
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コメント

マルチ商法みたい

今回の作戦は中々手の込んだ洗脳作戦(或いは擦り込み)のようですね。怪しい雰囲気で如何にもマルチ商法みたいに言葉巧みに光明寺博士をたぶらかしているようですね😅惜しむらくは最後に破綻してしまうのが残念でしたね😖

Re: マルチ商法みたい

こういう大掛かりな仕掛けは見ていて楽しいですよね。

No title

こんばんは です^^

放送当時は ちゃんと 毎週観ることが

出来ないのもあって 自分の中の評価は

ゼロワンの方が 高かったんですが 今になって

全話を観ることが 出来るようになると

兄弟共に 高評価です^^

ジローは 今 YouTuberで 頑張ってられますね^^

ちなみに ・・・・

「やりましょう、娘と息子を殺した憎いアンドロイドだ

が、ダークを倒すためなら」 の セリフは

光明寺博士ですね^^

自分も よく 誤字脱字を 鉛筆でも PCでも

未だに やっております ^^

Re: No title

あ、ほんとだ……お恥ずかしい。あとで直しときます。

衣装

確かにアンドロマン(女性戦闘員)の衣装は、中々エロいですね😅

Re: 衣装

嬉しいというほどではないですけどね。

再生怪人

どうも再生怪人は本来の能力を発揮せずにあっさりと負けるのが宿命のようですね😅

Re: 再生怪人

お約束ですね。

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