第3話「女教師連続レイプ魔を消せ!」(1992年4月28日)
※2021年8月5日追記 以前、読者の方からの情報で、オリジナル版には、BS11版にはないシーンがあるとのことだったが、最近チャンネルNECOで放送された分をチェックしたところ、果たして、いくつかカットされているシーンがあることに気付き、この3話についてだけ、カットされた画像を追加しておくことにした。
また、それにあわせて文章についても、多少の手直しを加えている。
と言う訳で、いきなり「裏刑事」のレビューが始まってしまうのです。
ま、別に深い理由はないのだが、ちょっと前、読者の方から昔書いた「裏刑事」の記事にコメントを頂いたことがきっかけで、久しぶりに同作品をチェックしたのだが、見ているうちに、せっかく素材が使えるのだから、ちょっとだけレビューしようと思った次第である。
ただ、正直なところ、そんな面白い作品ではないし、1時間ドラマのレビューはしんどいので、厳選した3本だけを取り上げることにした。
さて、今回が初めてなので、OPから紹介しておこう。

岩城の声「俺はかつて銃弾に斃れた殉職刑事、だが、名を変え、顔を変え、法に紛れた悪を闇に葬る裏刑事として蘇った」
第1話の、表の刑事だった佐々木武夫(岩城の前身)が撃たれるシーンや、「超法規委員会」の会議の模様などをバックに、簡にして要を得た岩城自身の声によるナレーション。

そこでタイトルが表示され、岩城がそれを銃で撃つと、その一部が赤く染まる。

ついで、テーマ曲の流れる中、主要キャストがひとりずつクレジットされる。
ちなみにこのサックスを吹いているのは和田アキ子ではなく、実際にテーマ曲でサックスを吹いている朝本千可さんと言う人である。
で、まあ、このドラマ、要するに現代版「必殺仕事人」みたいな話なのである。
あるいはハード版「ハングマン」と言った方が適切か。
警察内部の裏切りによって瀕死の重傷を負った佐々木と言う敏腕刑事が、新しい顔と名前を与えられ、警察OBなどで組織された「超法規委員会」の命令のもと、普通の方法では処断できない悪を非合法的手段で抹殺して行くと言う大変教育的なストーリーなのである。
冒頭、野本と言う家に電話が掛かってくる。

野本「はい、野本です」
青木「弘美さんのお父さんですか?」
野本「はい」
青木「ビデオテープご覧になりましたか?」
野本「誰だお前は?」
青木「なかなか良く撮れてるでしょう、特にお嬢さんが」

野本「お前が送ってきたのか?」
ちっちゃなテレビには、野本の娘がレイプされている様子が生々しく映し出されていた。
しかし、これだと、娘のレイプビデオを再生しながらフツーの顔して応対している最低のド変態オヤジになってしまうので、別に今見ているということではないのだろう。

脱がすだけでなく、乳を吸いに掛かるレイプ犯。
トヨエツにも、こんな時代があったんだなぁとしみじみさせられる。
※追記 以上の三枚は、BS11放送時にカットされていた画像です。

野本「お金なら何とかする」
青木「告訴を取り下げて欲しいんです。期限は三日以内……」
相手側の映像も出てくるが、こいつはレイプ犯ではなく、あくまでその手先or代理人のような男なのである。
演じるのは、数え切れないほど色んなドラマに出ているが、個人的には「西部警察part2」の静岡ロケ篇で、静岡に出張してきた大門軍団に刑事部屋を占拠されて泣きそうな顔をしていた所轄刑事役のイメージが強い、井上博一さん。

続いて、その弘美と言う女性が、遺書を残して首吊り自殺するというキツいシーンにサブタイトルが表示される。
つまり、ビデオテープで脅されたので告訴を取り下げざるを得なくなり、絶望して自殺したと言うことなのだろうか? いまひとつ分かりにくい。

大津「結婚式を一週間後に控えた女教師が婚約者と生徒に遺書を残して謎の自殺……」
その記事を、裏刑事のアジトととも言うべき「ラビリンス」と言うバーのカウンターに腰掛けて神妙な顔で読んでいる、元刑事で岩城の仲間のひとり、大津誠。
演じるのは、競馬の実況放送の物真似で一世を風靡したと言う黒歴史を持つ山田雅人さん。
一時期、この人がやたらテレビで持て囃されていたことが、管理人にとっては大いなる謎である。

大津「そやけど、俺が中学の時の女の先生によう似てんなぁ~」
その横でモップ掛けをしているのが、同じく元刑事の南俊彦で、彼も裏刑事のひとりなのである。
演じるのはご存知、西村和彦さん。

一方、元悪徳弁護士で、今は怪しげな芸能プロダクションを経営している三枝慎一郎は、暇を持て余して、マリコと言う女性社員に得意の手品を披露して遊んでいた。
彼も裏刑事のひとり……と言うより、協力者と言うべきか。
演じるのは近藤正臣さん。

マリコ「いっそのこと、タレントになったらどうですか?」
ほんのチョイ役だが、なかなか可愛いマリコちゃん。
ちなみに、レギュラーの中で唯一、裏刑事のことを知らない人物なのである。
悔しいことに、最終回で大津とくっついてしまうのである!

三枝「そお? いやいや、そんなに褒められてしまうとちょっとまた……」
マリコにおだてられて、嬉しそうに照れ笑いを浮かべる三枝。
しかし、「マジシャン」じゃなくて「タレント」になることをすすめているのが、微妙に気になる。

その様子を、奥の席からつまらなそうに見ているのが、これまた裏刑事のひとり、中里小夜子であった。
演じるのは、小林沙世子さん。
小夜子、三枝が延々と手品をしているのに痺れを切らし、二人の背後に立つと、
小夜子「ねーえー、わざわざ呼び出しといて観客にするつもりだったわけ?」
三枝「君をさ、タレントとしてスカウトして売り出そうとしてるの」
小夜子「うーん、悪いけど人の道楽に付き合ってるほど暇じゃないの」
小夜子、そう言うと、さっさと事務所を出て行ってしまう。
しかし、普段、何してるんでしょう、この人?
続いて、岩城が手術を受けた、平成会総合病院の特別室(?)。

香織「うん、だいじょぶ、異常ないわ。撃たれる前と同じくらいには戻ってるはずよ」
岩城「それは残念だな、いや、実は俺はスーパーマンとして生まれ変わることを期待していたんだよ」
香織「ふふ、モノは考えようよ、マシンに変身するよりは良かった筈よ、生身のオトコでいられただけ」
岩城「俺はマシンとしての俺に興味があるんだとそう思ってた」
香織「後悔してる?」
岩城「いや、感謝してる。お陰でオトコとしての感情を持つことが出来るし……」
香織「クラーク・ケントと言うには少しばかり年が行ってない?」
岩城「その分だけ男と女の経験は十分積んでるさ……そっちのほう、コーチしても良いんだけどね」
香織「いいわよ、その自信に乗ってみても」
主治医の長谷香織から、定期健診を受けた後、いつものようにシャレた男と女の会話を楽しむ岩城。
この物語の主人公・岩城丈二を演じるのは、藤竜也さん。
そして、ヒロインともいうべき香織を演じるのは、財前直見さん。
考えたら「スケバン刑事」で不良少女を演じてから7年しか経ってないのだが、見違えるように色っぽい女性になったなぁ。
それはともかく、岩城が半ば脅迫されながらも(註1)この仕事を引き受けている理由は、この香織の存在が少なからぬウェイトを占めていると思われる。
この仕事を続けている限り、定期的に彼女と二人だけの時間を過ごせるからである。
註1……岩城の心臓には特殊なペースメーカーが埋め込まれていて、もし彼が命令に背いたりすれば、遠隔操作によって、いつでもそれを止められるようになっているのである。
さて、なんとなく良い雰囲気になるが、ドアをノックする音がして、

雅子「お邪魔だったかしら?」
ソバージュヘアの若い女性がにこやかに入ってくる。
芦沢雅子、裏刑事プロジェクトの発案者とも言うべき長谷貢(香織の父)の秘書であり、「超法規委員会」と裏刑事たちとの連絡係のようなことをしている。
演じるのは惜しくも早世された戸川京子さん。
香織「いいえ、すぐに消えますから」
岩城「コーチの話、覚えといてくれ」
香織は、しつこい岩城の誘いに「ベッ!」と舌を出して見せると、表面的にはいたって和やかに雅子にお辞儀をして、病室を出て行く。

雅子「やっぱりお邪魔だったみたいね」
岩城「指令は?」
雅子、青い表紙のファイルを取り出し、ベッドに寝たままの岩城に渡す。
雅子「この半年の間に同一犯人の仕業と思われるレイプ事件が三件発生していて被害者のうち二人まで自殺しているの」
岩城「レイプ事件だったら表の警察の領分じゃないのか」
雅子「勿論、普通ならね。でもいずれの被害者も一旦は被害届けを出しながら全て引っ込めてしまっているわ」
岩城「レイプは親告罪、そうなりゃ警察も手出しが出来んと言う訳か」
雅子、このレイプ犯を「抹殺して下さい」と、可愛い顔に似合わず物騒な指示を与える。
犯人を懲らしめるとか、警察に引き渡すとかではなく、いきなり殺しちゃうのが、一般の刑事ドラマと違う、「裏刑事」の凄いところなのである。
……
ま、「西部警察」の人たちも、割としょっちゅう犯人を撃ち殺したあと、何事もなかったようにタバコを吸いながら帰ってましたが。
ともあれ、岩城は「ラビリンス」に行き、資料を仲間たちに見せて概要を説明する。

岩城「判明してる被害者はこの三人だが、実数は恐らくこの数倍にのぼるはずだ」
三人の被害者の中には、冒頭自殺したあの野本弘美の名前もあった。
南「外聞を恐れて泣き寝入りですか……」
大津「なんで同一犯の仕業やと分かりますの?」
岩城「みんなこりゃ学校の先生だよ、しかも結婚を間近に控えて婚約者と一緒のところを拉致され、その目の前でレイプされてるんだよ」
南「なんて趣味の悪い奴だ。こういう奴は許せませんよ」
大津「当たり前やん、趣味の悪いにきまってるやないか、レイプするような奴は」
と言う訳で、まず岩城が、唯一生きている菊池祥子と言う女性に接触を試みることになる。
教師らしからぬ派手な服を着たその祥子は、とあるバーの片隅で、ヤケになったように酒を飲んでいた。
岩城はすぐにその隣に腰掛け、ボトルを祥子の手から奪う。

祥子「何すんのよー」
岩城「酔い潰れるには少し時間が早過ぎないか」
祥子「大きなお世話よ。よそが空いてるでしょ。行って」
見ず知らずの岩城に対し、当然祥子は刺々しい反応を示すが、
岩城「やだね、ひとりでいるのは淋しすぎるよ」
祥子「慣れることね、すぐになんともなくなるわ」
岩城「いやいや、この年まで色々努力はしてみたんだ、しかし時として耐えかねて枕を濡らすこともある」
祥子「その年で?」
岩城「ふっふっ、しかし布団を濡らすよりはマシだろう」
祥子「からかってんの?」
岩城「慣れることだ、すぐになんともなくなる」

祥子「くっ……あっはっはっはっはっ、いつもそんな調子なの? ふっふーっ」
岩城「ほんとは俺、ネクラなんだけどさぁ」
恐るべし! 話しかけて1分もしないうちに、たちまち祥子から笑顔を引き出してしまうのだった。
香織にその道のコーチを買って出たのも、まんざら根拠のないことではないらしい。
祥子「もー、久しぶりよ、笑ったの」
岩城「笑った方が全然君は綺麗だよ」
祥子「あなたも良く見れば素敵だわ」
岩城「どうだ、メシでも食いに行かないか?」
こうして岩城は、とても元敏腕刑事とは思えない口説で、あっさり祥子をナンパすることに成功する。
だが、二人が店から出て、仲良く腕を組んで歩いていると、コートを着た若い男が立ちはだかる。

祥子「なによ、今更何の用?」
その顔を見た途端、たちまち祥子は不機嫌な顔に戻る。

おっ、誰かと思えば隠密同心ではありませんか!
南条弘二さんね。
三上「俺へのあてつけか」
祥子「関係ないでしょう! あんたには」
祥子が反抗的な目で叫ぶと、男はその頬を引っ叩く。
岩城がやめさせようとするが、男は警察手帳を突きつけた上で、岩城を殴る蹴るして黙らせると、嫌がる祥子を無理矢理連れて行く。
と、二人の様子を窺っている、いかにも胡散臭い中年男がいた。
岩城は素知らぬ顔でやり過ごしてからその男を尾行し、男が青木と言う探偵だと突き止める。
南たちはさすが元刑事だけあって、速やかにその身辺を調べて岩城に報告する。

南「青木研二、一応探偵の看板を上げてはいるんですが、業界の評判は最悪です。ゆすりを働いたとかで逮捕されたこともあるそうです」
岩城「実はな、この男、被害者と婚約者の刑事を尾行していたんだ」
南「昨日一日だけで都内の結婚式場を7も件まわってます」
岩城「恐らくターゲットの選定をしてると……」
だが、被害者の証言によればレイプ犯は若い男だったということで、青木がレイプ犯と言う訳ではないようだ。
で、そのレイプ犯の正体はあっさり視聴者に示される。

中西と言う長身のなかなかのイケメンであった。
そう、さっきも書いたが、演じるのは若き日のトヨエツなのである!
今は基本的にエエモン役が定着しているが、昔はこんな役もやってたんだね。
中西は、またしても若い女性を拉致して、何処かの倉庫へ連れ込み、ベッドの上に縛り付け、その婚約者を前にして彼女をレイプしようとしているのだった。

その場には、中西の協力者と言うか、お目付け役のような男もいた。
名前は不明だが、演じるのは「不良少女とよばれて」の終盤で、岡田奈々さんをいじめていた鶴岡修さんである。
とりあえず、鶴岡と呼ぶことにする。

女性「なにするの? 北野さん、どこ、北野さん?」
両手両足を縛られ、目隠しをされ、これから何をされるのかと不安と恐怖に怯え切った声で婚約者の名前を連呼する被害女性。
中西はプラスティック製のマスクで顔を隠してから、同じく縛られて椅子に座らされていた男性に近付き、その目隠しを外してやる。

中西「これからショーが始まる。あんたはその特等席ってわけだ」
北野「……」
女性「何するの? 何しようとしてるの?」
中西がガムテープを口に貼られて喋れない婚約者に語りかけると、鶴岡は席を外す。
ここから中西が、ビデオカメラで録画しながら、暴力的に女性を犯すシーンとなるのだが、女性のスカートと服がハサミで切り裂かれてブラが一瞬見えると言う程度で、その描写は大変なまぬるい。
別にレイプを推奨する訳じゃないが、おっぱいぐらい見せろよと思った管理人であった。
※追記 以下の画像も、BS11ではカットされていたシーンである。

女性「やめてーっ、ああ、ああーっ!!」
衣服を切り裂かれ、たわわなおっぱいを掘り出された被害者が、身をくねらせて絶叫する。

それに続けて、そのカップルが、礼服を着用して心中していると言う、これまたウツなシーンとなる。
しかし、レイプされた女性が自殺するのはまあ分かるけど、婚約者まで一緒になって死ななくても……とは思う。
お前の役目は心中することじゃなくて、絶望の淵に立つ婚約者を慰め、支えることだろうが。
ともあれ、大津たちがその新聞記事を読んで溜息をついていると、しゃなりしゃなりと小夜子が入ってくる。

南「う、髪切ったの? どうしたんだよ」
小夜子「うふっ、そろそろ私の出番かなぁって思って」
大津「どういうこっちゃ?」
小夜子「私なりに被害者の共通点調べてみたんだけど、教師であること意外にもうひとつ重要なことを見逃してたわ」
大津「重要なこと?」
小夜子「被害者がみな、女性だってこと」 大津&南(芯からアホや……) じゃなくて、
小夜子「被害者がみな、ショートヘアだってこと」
大津「……」
南「そんなことね」
二人は白けたような顔でそっぽを向くが、離れたところで聞いていた岩城は感心して、
岩城「さすが女だな。この手の奴はそういうことに妙に拘るんだ」
小夜子「でしょう? 手詰まりのようだからエサをまいたらどうかしら?」
大津「エサ?」
岩城「なるほど、小夜子さん、やってくれるか?」
察しの良い岩城は、小夜子の意図を見抜き、彼女に囮になってくれと頼む。
と、そこへ三枝が入ってきて、馴れ馴れしく小夜子の肩に腕を回す。

三枝「グッドアイディアね、それ、奴の好みは婚約中のカップル、ね?」
大津「まさか、三枝さんが小夜子ちゃんの相手を?」
三枝「他に適役がいるか? お前らじゃ女教師を相手にするにはちと教養と知性がなさ過ぎる」
三枝にバカにされた大津たちは、「親子にしか見えん」「素人娘に手ぇ出す悪徳マネージャー」などと陰口を叩くが、岩城は三枝に任せることにする。
で、岩城が「恐らくターゲットの選定係だ」と言って青木の写真を二人に見せるのだが、正直、あれだけのデータでは、青木がレイプ犯と繋がっているとまでは断定できないと思うんだけどね。
中西とは関係なく、レイプされた女性を探し出して、その事実を公表されたくなかったら金を出せと恐喝しているだけかもしれないではないか。
ともあれ、三枝は身分を偽って青木の探偵事務所を訪ね、婚約者の素行調査を依頼する。
正式な依頼なので青木はきっちり小夜子の身辺を調査するが、小夜子は別のマンションに住んで架空の人物になりすまし、実際に中学にも通って本物の教師を演じ、探偵である青木の目を見事に欺く。
しかし、ニセの住居を用意するのはともかく、普通の職場と違って学校なのだから、そんなところに教員の資格もない小夜子が簡単に潜り込めるとは思えないのだが……?
彼らの後ろ盾である「超法規委員会」に手を回してもらえば、教員として採用してもらうことは可能かもしれないが、生徒たちにまで口裏を合わせさせることは困難なので、青木が直接生徒たちに話を聞いていたら一発でバレるのではなかろうか?
一方、三枝はもう一度祥子に近付き、バーで酔い潰れているところを彼女のアパートへ連れ帰る。
翌朝、祥子は着の身着のまま自分のベッドで寝ていることに気付き、一瞬戸惑う。
と、キッチンにいた岩城が、コップに水を入れて持ってくる。

岩城「おはよ」
祥子「運んでくれたの?」
岩城「運んだだけ、人の弱みに付け込むのは俺は嫌いだ」
祥子「かっこつけないでよ、男なんてみんな同じよ」
岩城「君な、男には色々タイプがあるんだ」

岩城「それにひとつ、君に謝らなくちゃいけないことがある」
祥子「?」
岩城「君が履いてた黒いパンティー、今俺が履いてるんだ」 祥子「出てけ!」 じゃなくて、
岩城「君に接近したのは情報が欲しかったからだ。はっきり言うと、君が一番思い出したくないことを話して欲しい」
小僧に大人の違いを見せつけるロングサイズのタバコを吹かしながら単刀直入に頼む岩城。
祥子「何者なの? 警察じゃないわよね」
岩城「警察じゃないから出来る時だってあるんだ」
祥子「そうね、警察なんて何も出来やしないわ」
岩城「君、なんで、告訴を取り下げたんだ?」
祥子「テープが送られてきたのよ、私がレイプをされている一部始終を映した……それから何度も電話で脅迫を受けた。告訴を取り下げないとテープをばら撒くって」

岩城「犯人からは?」
祥子「犯人の声じゃなかったわ、犯人はもっと若い感じだった」
そうそう、言い忘れていたが、祥子を演じているのは影山依子さん。
キリッとした顔立ちのなかなかの美人だが、あまり出演作がないのが惜しまれる。
祥子「それでも、私は戦うつもりだった、絶対に許せなかったから……でも、あいつが勝手に告訴を」
岩城「こないだの刑事か」
祥子「そう、私の婚約者、いえ、だった男」
岩城「……」
祥子「私がレイプされるのを黙ってみてるしかなかった男よ」
祥子が軽蔑と憎しみの表情で吐き捨てると、その時の様子が再現される。

祥子「いやっ! ああーっ!」
と言っても、ガムテープを口に貼られて縛られている三上のアップと、祥子が服を引き千切られて清楚な白いブラが剥き出しになるカットだけの、迫力のないレイプシーンとなっている。
別にレイプを推奨する訳じゃないが、おっぱいぐらい見せろよと思った管理人であった。
※追記 オリジナル版でも、彼女のおっぱいは見られなかった。悔しいです!!
事件の後、三上は苦渋の顔で、祥子に向かって意外な言葉を口にする。

祥子「どういうことよ?」
三上「被害届けも告訴も取り下げてきた」
祥子「なんでー? どうして勝手にそんなこと?」
三上「こうするのが……一番良いんだ」
祥子「嘘よ、ほんとは自分のためなんでしょ、刑事としての体面を考えたからでしょ!」
三上「祥子!」
祥子「出てって、二度とあんたの顔なんか見たくないわ!」 三上「いや、ここ、俺ン家なんだけど……」 祥子「あ、そうだっけ?」
じゃなくて、祥子はそれっきり三上とは別れてしまったのだと言う。

祥子「かえって良かったのかもしれないわ、あんな男と結婚しなくて済んだんだから」
岩城「ほんとにそう思うのか?」
祥子「……」
岩城「奴だってつらい筈だぞ、男にとってこんなつらくて惨めなことはないんだ」
祥子「あんたなんかに何が分かるって言うのよ!」
どうでもいいけど、祥子さん、さっきと服が変わってない?
回想シーンの間に服を着替えるとは、なかなか珍しいことをする人である。
後編に続く。
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