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横溝正史シリーズ2「真珠郎」 前編

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 「真珠郎」は正史の戦前の作品の中では、本格ミステリーとしての骨格を備えた佳作である。無論、戦後の金田一シリーズほどかっちりした探偵小説ではないのだが、そのぶん、伝奇ホラーとしての雰囲気は抜群だ。

 だーいぶ前にも紹介したけど、書き出しの、

 真珠郎はどこにいる?

 と言う一節は、正史の全作品中でも最も印象的である。

 ただし、こちらには(まだ存在すらしていなかった)金田一耕助は登場せず、かわりに由利先生と言うダンディな私立探偵が登場する。そのため、ドラマではわざわざことわりがきをいれたうえ、探偵を金田一耕助に入れ替えて作られている。

 もっとも、原作は一人称の小説で、由利探偵も後半から登場して最後に謎解きをする程度なので、探偵が誰であろうと、あまり影響はない。

 ドラマの出来はかなり良くて、原作の持ち味を見事に再現している。
 放送は1978年の5月で、全3回。

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 スタートも(原作に忠実に)、まずタイトルにもなっている美少年「真珠郎」の幻想的な映像から入る。

 ただ、肝心の「真珠郎」が、おばさんみたいなのが唯一の欠点であった。とほほ。

 これはまあ中性的なイメージを出そうとしてそう言うキャスティングになったんだろうけど。……ちなみに、この役者名を書くと、それだけでネタバレになっちゃうんだよな。

 何十年も前の、それも著名の作品だからいいだろうと思うが、演じているのは女優(早川絵美さん)なのである。つまり、「真珠郎」と言いつつ、実際は女性なのだ。

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 城北大学の講師・椎名(原田大二郎)は、神経症気味で、大学構内から夕焼け雲を見上げてそれが「サロメ」(舞台)に出てくる預言者ヨナカンの生首のようだとつぶやく。それを聞きつけた同輩の乙骨(中山仁)は、「君は疲れてるんだよ」と、気分転換に旅行に行かないかと誘う。

 なお、実はこの椎名の見る幻影が事件の発端になっていると言うから、さすが本格の鬼・横溝正史である。

 もっとも、管理人、小説は何十回となく読んでいるが、ネタ元の「サロメ」は一回も見たことないんだけどね。

 ふたりは信州の、乙骨の知り合いが住んでいると言う奇妙な屋敷へ向かう。

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 と、乗り合いバスへ慌てて乗り込んできたのが、金田一耕助であった。この時流れるのは挿入歌の「あなたは何を」(茶木みやこ)である。

 で、何故か金田一は椎名と知り合いなのだった。あらあら。
 金田一の方は、親戚のおじさんのところへ白米を食べに行くと言う、無理矢理な設定になっている。ドラマの設定は昭和23年だから、そういうこともあるかもしれないが。

 その途中、マスクで顔を隠した老婆が乗り込んで、惨劇が起こるの、血が降るのと怪しげな予言をする。この黄金パターンは、戦後の「八つ墓村」を経て、平成の古谷一行の金田一作品にも使われる、息の長いものになっている。

 金田一は、その怪しい老婆を追って、バスから降り、椎名たちとは別れる。

 なお、この時老婆の持っている白い花が、これまた伏線になっているのだ。やや作為的だけど。

 で、これも原作そのままだが、ふたりは、バスから逗留予定先の屋敷のお嬢さんの姿を見掛ける。

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 そう、大谷直子さんです!


 何が「そう」だよ。

 彼女は鵜藤由美で、屋敷の持ち主である伯父(岡田英次)の面倒を見ているのだ。

 大谷直子さん、女優としては申し分ないんだけど、原作の由美の暗く可憐なイメージとは若干ずれている気もする。

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 どう考えても怪しい伯父さんを演じる岡田英次は、金田一耕助も演じたことのある俳優さんである。関係ないが、美女シリーズの「鏡地獄」では岡田と原田が共演してたな。

 彼は以前は学者として東京で活躍していたが、不祥事があって田舎に引き篭もっている。体が不自由だが、由美の献身的な看病に支えられていた。

 椎名と乙骨は逗留するが、すぐ屋敷に漂う奇妙な雰囲気に気付く。屋敷内に、鵜藤と由美以外に誰かいるようなのだ……

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 一方の金田一は、親戚である寺の住職と探偵小説談義をし、腹いっぱい白米を食べさせてもらってご機嫌であった。住職を演じるのは名優・加藤嘉。彼も、横溝作品にはかなり色んな役で出演してるよなぁ。

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 その後、椎名たちは冒頭のような美少年を湖畔の、柳の木の下で目撃する。

 椎名がそのことを何気なく鵜藤に話すと、鵜藤は何故か大変驚いた様子を見せる。で、それもまた伏線になってるんだけどね。

 で、1話のクライマックスでは、椎名と乙骨がボートを漕いでいると火山が噴火して、パニックになる。しかもそのさなか、美少年が屋敷の展望台で、鵜藤や由美を襲う様子が二人の眼前に展開される。

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 めかしこんでる由美は無事だったが、鵜藤は美少年、まあ真珠郎なのだが、彼に連れ去られてしまう。そこに居合わせた例の老婆が、彼らが洞窟のような水路へ入っていったと話し、二隻のボートで、追跡する。乙骨と老婆ペアが先行、椎名と由美ペアがそれに続く。

 この洞窟の水路は、きっちりとセットで作ってあって、見応えがある。

 そして、後から進む椎名たちの前に、頭を殴られて気絶している乙骨の姿が。前方のボートに、老婆が乗っているので助けを求めるのだが、

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 老婆が振り向くと、

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 それがいつの間にか若々しい真珠郎に変わっていた!

 さらに、鵜藤の生首を掲げて、ゲラゲラと笑う真珠郎。
 この辺は下手なホラー顔負けの怖さである。

 そして、

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 その混乱に乗じて、椎名は由美の唇を奪うのである。
 なんで?と思ってしまうが、椎名さん、由美を愛してしまったのだ。

 原作では、キスと言っても確か頬か額だったと思うが、ここではぶっちゅうと言う感じでこれでもかとばかりに唇を重ねている。

 そこへ、騒ぎを聞きつけて応援に来た金田一たちが現れて、気まずい空気になる。

 後編へつづく。


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コメント

確かに知り合いの目の前で(しかもディープ)キスは気まずいですね😅

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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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