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「宇宙刑事シャリバン」 第16話「美少女歌手が歌う危険なヒットソング」(リテイク版)



 第16話「美少女歌手が歌う危険なヒットソング」(1983年6月17日)

 と言う訳で、久しぶりの「シャリバン」の時間がやって参りました。

 別に理由はありません。

 書きたいから書きました。

 ところで、今回チェックしてて思ったのだが、

 
 OPのリリィのプロフィール画像、もうちょっと良い写真使ってやれよ……

 管理人があまりリリィに魅力を感じないのは、あるいはこの顔が毎回頭に刷り込まれていたせいかもしれない。

 さて、本編。

 とある海岸の砂浜に、年の離れた姉妹と思われる少女と幼女が立って、寒々とした海を眺めている。

 
 明子「お姉ちゃん、早く歌えるようになると良いのにね、もう一度」
 佐世子「……」

 「初恋の渚」という、しょうもなさそうな歌のレコードを抱いて、魂の抜けたような顔で佇んでいる姉・佐世子に話しかける妹・明子。

 佐世子を演じるのは、「バトルフィーバーJ」の上野ユキ役で、全国のロリコン戦士たちを悶絶させていた佐藤三千代さんである。

 
 その脳裏に、人気歌手として輝いていた頃の自分の姿がフラッシュバックする。

 なお、佐世子は、「さよこ」と読みます。間違っても「させこ」などと読まないように!

 
 と、急にあたりが暗くなったかと思うと、水平線の向こうから不気味な怪物の顔……マドーの支配者である魔王サイコの顔が近付いてきて、口をパクパク動かして佐世子に向かって何かを言う。

 もっとも、それが見えているのは佐世子だけのようで、明子は何の反応も示さない。

 やがて佐世子は何かに魅入られたように真っ直ぐ海に向かって歩き出し、明子が止めるのも聞かず、どんどん深みに嵌まって行き、海中に没してしまう。

 
 明子「うっうっ……」

 まったく突然のことで、周りに助けを求める余裕すらなくその場に取り残され、がくがく震えながら泣いている明子。

 どうでもいいが、彼女の服装がまるっきり男の子のようで、あたかも「のび太」の胴体に女の子の頭をくっつけたように見える。

 
 電「ねえ、どうしたの?」

 と、そこへ、待ってましたとばかりにジープで駆けつけて声を掛けたのが、高精度のロリコンセンサーを体内に持つ我らが伊賀電であった。

 冷静に考えたら、なんで砂浜をジープで走ってるんだ、お前は?

 
 明子「お姉ちゃんが、お姉ちゃんが……助けて、あっちよ、溺れちゃったみたい」
 電「ぬわんだってえぇぇーっ?」

 電、明子の言葉に必要以上に真剣な表情になって叫ぶと、

 
 上着を脱ぎ、何の躊躇もなく海に飛び込むと、沖に向かって泳ぎ出す。

 ただの通りすがりにしては不自然なほど親身になってくれる電の姿に逆に戸惑いを覚える明子であったが、

 
 明子(ああ、ただのロリコンか……)

 そのことに気付いて納得するのだったが、嘘である。

 まあ、電がロリコンであることは、3話などで立証済みなので、その点は嘘ではないが。

 電「このあたりか?」

 明子に場所を聞いて海の中に潜って探す電であったが、既に沖に流されたのか、佐世子の姿は見付からなかった。

 芸能人と言うこともあり、彼女の行方不明事件は新聞にでかでかと載ることになる。

 だが、当然と言うべきか、佐世子の身柄はマドーの手中に落ちていた。

 手術台に寝ている佐世子に、ドクター・ポルターたちが様々な処置を施していると、闇の中にサイコの顔が浮かび上がる。

 
 サイコ「どうだ?」
 ポルター「は、魔王様が見込まれただけあって、潜在的なサイ能力が普通の人間の数倍はあります、この娘に幻夢声帯を移植すればその声はまさに……」
 サイコ「クオーッ!」
 ポルター「改造手術を開始します」

 余人には理解できないサイコの雄叫びだが、ポルターには「ゴーサイン」だと分かるらしく、晴れ晴れとした笑顔を見せて、本格的な手術に取り掛かる。

 それはさておき、左端に立っている初代ミスアクマ2のララさんが、相変わらず可愛いのである!

 ここで、やっと、佐世子についての説明がイメージ映像とナレーションによって語られる。

 
 ナレ「林田佐世子は、アイドル歌手ナンバー1の人気を誇っていた。新曲の『初恋の渚』は、ベスト10のトップに躍り出たヒットソングになった。ところが、一週間前に急に声が出なくなる奇病に冒されてしまったのだ。海に消えた佐世子に対し自殺ではないかと噂するものもいた」

 
 一度死んだ筈の佐世子、自分がまだ生きていて、得体の知れない連中によってたかって体をいじくられているのを見るが、動くのは目だけなので、どうすることもできない。

 ちなみに佐世子が落ち込む原因となっていた奇病だが、そんなに都合よく奇病に罹るとも思えないから、マドーが毒でも仕込んだのではあるまいか。

 佐世子(私は死んだ筈……海に沈んで死んだ……あの時、誰かが耳元で囁いた)

 佐世子の回想によって、あの時、サイコが「もう一度歌いたければ海へ入れ」と呼びかけていたことが分かる。

 
 ポルター「これは我がマドーの科学陣が長年研究に研究を重ねてようやく完成させた幻夢声帯だ。これをお前の喉に移植する。お前はもう一度スポットライトを浴びるのだ。アイドル歌手ではなくマドーの宣教歌手としてお前は神になるのだ。悪の神にな」
 佐世子「……」

 指一本動かせない佐世子にはいやも応もなく、サイボーグ手術を受けて新たな命、そして声を得るのだった。

 
 その後、マドーの後ろ盾を得て、佐世子は以前とはガラッと異なるファッションと新曲「まぼろしブルース」をひっさげて、電撃的に芸能界にカムバックするが……

 佐世子「長い旅~化石の荒野~♪ 苦しみの地獄の果てぇ~♪」

 下手だった。

 ま、当時のアイドル歌手なんて下手なのが当たり前だから良いのだが、下手なのに弾き語りするのはさすがに冒険心が旺盛過ぎた。

 
 千秋「スピード、ブレーキ、全部オッケーよ」
 電「うん」

 千秋と一緒にバイク屋の仕事を手伝っている電。

 電のそばにいられていかにも幸せそうな千秋が可愛いのである!

 こういうシーンを見ると、「ジャスピオン」「スピルバン」に足りなかったのは、結局、こういうサブヒロインの存在ではなかったかと思い至る管理人であった。

 まあ、「スピルバン」には一応美和と言うサブヒロインが(途中まで)いたけど、あくまでただの知り合いであって、主人公との接点は千秋とは比べ物にならないくらい薄かったからね。

 閑話休題、そこへ千秋の弟の明がやってきて、林田佐世子がテレビに出ていると教える。

 千秋「えっ、佐世子ちゃんが?」

 意外とミーハーな千秋はたちまち目の色を変え、電と仕事を放り出してリビングへ突撃する。

 電「林田佐世子?」

 おそらく、さっきの生番組だろう、ギターを手に陰陰滅滅とした新曲を歌っている佐世子を、鈴木家の三兄弟が食い入るように見ている。

 
 千秋「変わったわねえ、すっかり……」
 千恵「うーん、私、前の『初恋の渚』の方が好きだなぁ」

 佐世子の別人のようなイメチェンぶりに千秋があっけにとられたようにつぶやくと、妹の千恵も率直な意見を述べてから、

 
 千恵「しーおかぜに、囁いてる渚で~♪ って言う方が」

 振りつきで、「初恋の渚」を歌って見せるのが、めっちゃ可愛いのである!

 あと、たぶん、本人より千恵ちゃんのほうが歌が上手いのが、なんとなく悲しいのである!

 そこへ、遅ればせながら電が入ってきて、

 電(溺れ死んだ筈だ、林田佐世子は……)

 ありえない事態に愕然とするが、

 電(どうしたんだ、妙な気分になってきた……)

 とうとう、日頃抑えていたロリコン魂に火がついたのか、無心にテレビを見ている千恵に後ろから抱きつきたい衝動に駆られるが、嘘である。

 電(何かに、体ごとぶつけたいような……)
 明「えいっ!」

 電が、不意に湧き起こった破壊衝動と戦っていると、それより先に、明が手にしていたボールをいきなり窓ガラスにぶつけて壊してしまう。

 
 千秋「なんてことするの、明!」
 明「あれえ、俺どうしたんだろう?」

 母親代わりの千秋が叱り付けるが、明は夢から醒めたような顔でキョトンとしている。

 千秋「ぼーっとしてないで、早く片付けなさいよ」

 その夜、同じように佐世子の歌を聞いた少年少女たちが、突然破壊衝動に駆られて器物損壊や家庭内暴力、あるいは自傷行為などに走る事例が多発する。

 そう、今回は上原さんの好きな、催眠効果のある歌声を少年少女に聞かせて社会を混乱に陥れようという、メタルヒーローシリーズではお馴染みのプロットだったのである。

 その一方、幻夢声帯のお陰か、「まぼろしブルース」は爆発的な売れ行きを示し、佐世子は念願の人気アイドル歌手として返り咲くのだった。

 電は当然疑惑を感じ、「まぼろしブルース」のレコードを買ってグランドバースの最新メカで調べてみる。

 
 ……

 何処が最新メカなんだーっ!

 まあ、当時はまだレコードが主流だったから、仕方ないんだけどね。

 
 そのプレーヤーから伸びた数個の電極を顔や体につけて曲を聞いているリリィ。

 電「どうだ、リリィ?」
 リリィ「うん、なんだか、聞いてるうちに、もう、どうにでもなれって感じ」

 本人の感想だけかいっ!

 じゃあ、電極とか要らねえじゃん。

 電「やっぱりコンサートの夜の暴力事件はこの歌のせいなんですね」
 烈「一度死んだという人間が生き返るのもおかしい。その裏には……」
 電「マドー!」

 モニター越しにその様子を見ていた上司の烈も、この問題を重要視して、電に本格的な調査を命じる。

 
 続いて、車でテレビ局の前に乗りつける佐世子を、熱烈なファンが待ち伏せしているシーンとなるのだが、その際、チラッと映った看板が「西部警察」のものだということに今回初めて気付いて、思わず吹いた管理人であった。

 そう、マドーすら裸足で逃げ出す恐怖の大門軍団である。

 佐世子と一緒に車から出てきた大柄なマネージャー団巌が、うるさそうに群がるファンを掻き分けるが、

 
 その中には、呆れるほどにミーハーで世間体と言うものを全く気にしない小次郎さんもいて、ちゃっかり佐世子と握手することに成功する。

 小次郎「うわぁ、感激だなやぁ~」
 マネージャー「よいしょ、じゃ、またね」

 だが、マネージャーは小次郎さんの体を軽々と抱え上げると、佐世子から引き離し、局の中に入っていく。

 それを離れたところから観察していた電は、

 
 電(ああいう大人にだけはなりたくない……)

 と、固く心に誓うのだったが、嘘である。

 正解は、

 電(あのマネージャー、ただもんじゃない、よし、正体を暴いてやる)

 なのだが、小次郎さんも言ってるようにただの「馬鹿力」なのでは?

 
 ちなみに電が駆け出した後、その背後にいた「海坊主」すなちわ魔王サイコの分身の姿が映し出される。

 以前のレビューでも繰り返し述べて来たが、この段階から最終エピソードへの伏線を張っているのが、当時の特撮ドラマとしては心憎いばかりの周到さである。

 電はテレビ局の中に入り込み、佐世子とマネージャーの後をつけるが、わざわざ調べることもなく、向こうの方からマドーの正体をあらわして攻撃してきたので、「赤射」して戦い、魔怪獣マボロシビースト(マネージャーの正体)を撃退する。

 CM後、電は姉に会いたいという明子を連れて、佐世子の新しいマンションを訪ねる。

 
 明子「お姉ちゃん、お姉ちゃん!」
 電「……」

 だが、部屋には誰もおらず、開けっ放しの窓にカーテンが揺れているだけだった。

 
 電「アキちゃん、残念だけど、また来ればいいよ、ねっ?」
 明子「……」

 幼女といる時にしか見せない蕩けるような笑みを浮かべ、明子を促す電。

 明子は持参したタヌキだか猫だかのぬいぐるみをベッドの上に置くと、淋しそうに部屋を出て行く。

 だが、佐世子は不在だったのではなく、妹の来訪を知って咄嗟に窓の外から屋上に上がり、姿を隠していただけなのだった。

 電の車が遠ざかっていくのを確かめてから部屋に戻るが、暗がりの中、妹が残していったぬいぐるみを抱き上げ、じっと見詰めていると、スイッチの音がして再び部屋が明るくなる。

 
 佐世子「はっ」

 驚いて振り向くと、

 
 引き揚げた筈の電が立っていた。

 電「レディーの部屋にごめん。でもこうしなきゃ会ってくれないだろ」

 窓が開いていたことから佐世子の居場所に見当をつけ、帰ったふりをして油断させる電の頭脳プレーであった。おそらく、あの車を運転していたのはリリィだったのだろう。

 ちなみに佐藤さん、成長してもなかなか奇麗なのだが、当時から死ぬほどダサかった「聖子ちゃんカット」、および焼き海苔のように太い眉毛が残念であった。

 70年代風の髪型とメイクだったら、ハッとするような美人になっていたかもしれないのに……

 それはともかく、佐世子はすぐに電話に駆け寄り、「変質者が割りとすぐそばにいます!」と110番しようとするが、

 
 電「君のほうが困るんじゃないのか~い?」
 佐世子「……」

 日本では、性被害者のほうも白い目で見られることを逆手に取った、電の卑劣な問い掛けに凝然と固まる。

 変質者の中でも、一番タチの悪い変質者である。

 ロリロリアイドル佐世子の貞操がピンチだ!

 じゃなくて、

 電「君のほうが困るんじゃないのか?」
 佐世子「……」
 電「マドーに操られてる君の方がね」
 佐世子「……」
 電「明子ちゃんがこんなことを話してくれた、君はとっても怖がりでいつも明子ちゃんと一緒に寝てたんだったね。それが、あの事故以来ひとりでこのマンションに引っ越して明子ちゃんが来ても会ってもくれない」
 佐世子「……」
 電「ぬいぐるみだって、お姉ちゃんが寂しいだろうって……」

 電の言葉に、改めて明子の置いていったぬいぐるみを手に取り、見詰める佐世子。

 
 電「話してくれないか? 君はマドーに助けられたんだろう? 奴らは一体何を企んでるんだ?」
 佐世子「私、それは……」

 電の説得に心を揺り動かされた佐世子、双眸から大粒の涙を流しながら何もかも打ち明けようとするが、俄かに部屋の中が暗くなり、不気味な雷鳴が轟く。

 ついで、暗闇からサイコの顔が浮かび上がったかと思うと、佐世子の体が見えない巨人の手で摘み上げられたように宙に持ち上げられ、そのまま空の彼方へ連れ去られる。

 その後も「まぼろしブルース」の爆発的ヒットに伴って、少年少女たちの暴力行為もエスカレートしていき、

 

 
 遂には警察署に手榴弾か何かを投げつけて破壊すると言う、テロリストまがいのことをしでかす暴走族まであらわれる始末。

 この手の作戦としては、かなり成功した部類に入ると言えるだろう。

 ポルターも人の良さそうな笑みを浮かべて、作戦の進捗状況をサイコに報告している。

 ポルター「少年少女の心は荒み、校内暴力、家庭内暴力は日本中に蔓延しております!」

 ま、それは元からだったんじゃないかと言う気もするが大納言忠長卿。

 
 ガイラー「少女歌手一人で大した効果だ。この調子でもうひとりふたり増やしたらどうだ?」

 ポルター「シカト!」
 ガイラー「いや、シカトって……」
 ミスアクマ1(気の毒に……)

 人の手柄に乗っかる形で提案するガイラーに対し、ポルターはいつものようにシカトするのだったが、嘘である。

 嘘であるが、ポルターがガイラーを無視しているように見えるのは悲しい事実である。

 それにしても、歌手が増えれば被害も増すというものではないと思うんだけどね。

 だが、魔王サイコはその案を採用し、今度は佐世子の妹の明子を餌食にしろと命じる。

 
 ポルター「明子ちゃん、お姉さんといつも一緒にいたいって思わない?」

 で、嬉しいことに、人間に化けたポルターが胸元を大胆に開いたスーツをまとって、下校中の明子に優しく話しかける。

 
 明子「そんなことできるのー?」

 お姉ちゃんが好きで好きでたまらない明子、まったく見知らぬ相手に対し、花が咲いたようなとびきりの笑顔を見せる。

 
 ポルター「うん!」

 ポルターさん、その胸、ちょっとヤバいです!

 明子の肩に手を回して歩きながら、

 ポルター「歌手になれば良いのよ、お姉さんのように」
 明子「だって私ぃ」
 ポルター「うんっ、私に任せなさい! お姉さん以上の歌手にしてあげる」

 ポルターの甘言にころっと参りそうになる明子だったが、そこに突然あらわれたのが他ならぬ佐世子であった。

 佐世子「ダメよ!」
 明子「お姉ちゃん!」
 佐世子「ちょっとおいで」

 佐世子、ポルターをひと睨みすると、明子の手を引っ張って連れて行く。

 その後、公園の池のそばで、佐世子は妹に口を酸っぱくして歌手になることは許さないときつく言い渡すが、明子もなかなか「うん」と言わない。

 明子「だってお姉ちゃんといたいんだもの、私、歌手になる」
 佐世子「アキちゃん、お姉ちゃんだってねえ、いつも一緒にいたかった。でも、それが出来ないの」
 明子「どうして? 私たち姉妹でしょ?」

 
 佐世子「……」

 覚悟を決めた佐世子は、黙って一歩下がると、体を一回転させ、

 
 自分の本当の姿を見せつける。

 このマスクは、「サンバルカン」のダークQの流用である。

 それにしても、強烈なインパクトのあるシーンだ。

 佐世子がマドーとは関係なく死に、それでサイボーグとして蘇ったのならまだ救いがあるが、マドーにたぶらかされて命を落とした上、こんな姿にされてしまったことを思えば、その非道さに体中の血が沸騰するような怒りを覚えるのは管理人だけではあるまい。

 
 明子「……」

 それを見た明子がのけぞるほど驚いたのも無理はない。

 佐世子「あなたをこんな風にさせたくなかった。だからお姉ちゃんは冷たくしたのよ。お姉ちゃんはね、死んだの、一度死んだのよ」
 明子「嘘だ、姉ちゃん、死ぬわけない!」

 明子は佐世子の体に抱きつくと、激しく泣きじゃくる。

 佐世子「アキちゃん……」

 と、池の反対側からあのマネージャーが見ているのに気付いた佐世子は、明子の手を引いて走り出す。

 この後、マネージャーがマボロシビーストに変身して襲ってくるが、駆けつけた電が二人を逃がし、「赤射」して、長いぜ長いぜ長くて死ぬぜ的なラス殺陣をこなし、事件は解決する。

 それにしても、改めて見ると、ほんと、このラス殺陣&メカアクションシーンが長い。いくらなんでも長過ぎる。

 ラスト、電と明子が最初に出会った砂浜にやってくるが、明子は、波打ち際にあのぬいぐるみと「初恋の渚」のレコードが落ちているのを見付ける。

 
 明子「……」

 しゃがんでその二つをしっかり抱き締める明子であったが、電が、明子の前に回って思う存分見たい!(何を?)と心の中で叫んでいたのは言うまでもない。

 
 明子「やっぱりお姉ちゃんは……」

 電を振り返り、今にも泣き出しそうな顔をわななかせる明子。

 なんだかんだで、この子役が上手いんだよね。

 どうやら佐世子は自ら海に身を投げて今度こそ本当に海の藻屑と化してしまったらしい。

 マドーから与えられた偽りの人生にケリをつけるとともに、明子のためを思ってのことだろう。

 この手の話では定番の、マドーの攻撃から明子を庇って死ぬ……と言うような結末もあったかと思うが、これはこれで涙が出そうなほど哀れな最期ではあった。

 数ある特撮作品の中でも、これほど悲惨な目に遭ったゲストヒロインは、ちょっと他では思いつかない。

 明子「お姉ちゃん、お姉ちゃん!」

 幼い少女の悲痛な叫び声に、答えるものは誰もいない。

 
 ナレ「明子の流した悲しみの涙を、シャリバンは忘れない。悪魔のマドーを倒すため、明日も戦うのだ、赤射せよ、宇宙刑事シャリバン!」

 可憐な少女歌手の命をもてあそび、その妹の心をも引き裂いた卑劣なマドーに対する怒りを、静かに燃やしながらジープを走らせる電の姿を映しつつ、幕となる。

 以上、70年代の特撮を思わせるようなハードでシリアスなドラマが展開する、シリーズ屈指の名作であった。

 何気に、千秋、千恵、ポルター、佐世子、明子と、美女と美少女がてんこもりなのも嬉しい。



 ※追記

 リリィのこと「素」で忘れてました……ごめんなさい、降矢さん!
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コメント

悲しい結末

本当に佐世子姉さんは海の藻屑と化したようですね😖それにしてもポルター役の吉岡ひとみさんは大人の女ですね😅

美女軍団

>左端に立っている初代ミスアクマ2のナナさんが、相変わらず可愛いのである!
ララさんですよ。
「ギャバン」35話で、マリーンと月子をバンに押し入れる花屋でもありました。

>何気に、千秋、千恵、ポルター、佐世子、明子と、美女と美少女がてんこもりなのも嬉しい。
「人間態限定」でなければララさんも・・・

的確なご指摘です

>「ジャスピオン」「スピルバン」に足りなかったのは、結局、こういうサブヒロインの存在ではなかったか
「ギャバン」の月子はボイサーの関係者で烈が宇宙刑事だと知っているけど
千秋と「シャイダー」の陽子はそれを最後まで知らなかったですね。
この距離感がいいなぁ・・・

>まあ、当時はまだレコードが主流だったから、仕方ないんだけどね。

CDプレイヤーとCDソフトが初めて発売されたのが1982年10月1日なのでまだ10ケ月。
4年後に販売枚数でLPレコードを抜いたので普及は速かった。

>これはこれで涙が出そうなほど哀れな最期ではあった

でも最期のシーンを描かず、「視聴者に委ねる」ことで、ことさら陰鬱さを強調しない
ここにセンスを感じますね。

あっ!

シャリバンもレビューされてたんですねぇ…バックナンバーを拝見させて頂きます!それにご忠告有難うございます…「さよこ」って読むんですね。つい語感の良い方で読んじゃう所でした。(^∇^)

伊賀電カッケー!

久々のシャリバン、ありがとうございました。
「スピルバン」のレビューに見慣れていると、同じ渡さんでもやっぱり電の方がカッコいい。
まさに「悪を追い詰める獣」って感じが最高!

アイドル全盛期

 うちが物心ついた時点で見た最初のヒーローはシャリバンとダイナマンやと思うんよ。ギャバンとゴーグルⅤは姉ちゃんに抱っこされながら一緒に見ていたかもしれない。そんなうちの幼少期はまさにアイドルたちの宝庫で全盛期やったと思う。シャリバンの何話目かにわらべのメダカの兄妹がBGMとして使われてるし。これだけでもうちは懐かしさが頂点に。
 佐代子を演じてるのは佐野量子ちゃんかと思った。今では武豊の奥方。このころはまだデビューしてないんかな?そんな量子ちゃんが出演してる

ゴジラvsメカゴジラ(1993)

これこそゴジラシリーズで一番おもろいと思う。
 

佐世子さんと美也さん

「シャリバン」の久々の記事化、ありがとうございます!!そして管理人さんがリリィに今一つ萌えない理由も漸く氷解しました。しかしそれをわかりつつも、あの精悍でかっこかわいい制服姿を見せられ、またその姿で小回りの利いた動きで集団攻撃を仕掛けて来る小型ファイトローの大群にも臆する事無く圧勝する場面等を想像するとどうしても
「~♪」
となってしまう僕をお許しください・・・・・(苦笑)!!
また、リリィ以外での一押しと言えばやっぱり千秋さんですね!!ここに観る作業着姿でバイク店の手伝いをがんばっちゃってる処もさる事ながら、度々見せるテニスウェア姿、しかもテニスではかなりの強さを誇っているとの事も考えると、益々健康的でかわいいです!!
さて、それはそれとして、このお話を観ていて思う事は、全体的に「スカイライダー」のサソランジンのお話の発展型にも見えます。佐世子さんを誘拐しマドー製メカ人間として傀儡化してしまったポルターは、正に美也さん(里見和香さん)をサソランジンに改造したジェネラルモンスターそのもの!!
しかも、佐世子さんに妹の明子ちゃんがいた様に、美也さんにも明子ちゃんと同年代の妹・可也ちゃん(長谷川真弓さん)がいました!!そうするとシャリバンの説得で佐世子さんを思い通りに動かせなくなる事も予見していた(に違いない)ポルターが、明子ちゃんまでもメカ人間に改造しようとしていたのと同じく、ジェネラルモンスターも洋の説得で美也さん=サソランジンを思い通りに出来なくなる事に備え、可也ちゃんまでも小型サソランジンに改造する事を計画していたかもしれません!!
その反面、佐世子さんがメカ人間顔を晒して明子ちゃんに迫った様に、美也さんもサソランジンの姿で可也ちゃんに迫る処も欲しかった処です!!もっとも美也さんもサソランジンに変身してしまうと声が八代駿さんになってしまうので、もしそんな場面もあったらつかせのりこさん等にサソランジンの声をやってもらいたかったです!!そうすれば、最終的にサソランジンを口封じしてしまったジェネラルモンスターに対するスカイライダーの鉄拳制裁の嵐もより引き立った事でしょう!!その後、ラストでは明子ちゃんと同じく海に向かい
「お姉ちゃーーーーーーんっ(泣)!!!!」
と叫ぶ可也ちゃんとそれをやはりシャリバンと同じく眺める洋を映しつつ
「可也の流した悲しみの涙を、筑波洋は忘れない。悪魔のネオショッカーを倒すため、明日も戦うのだ、仮面ライダー!」
との中江真司さんのナレーションで幕となります!!
最後に余談ながら、小次郎さん位のアグレッシブさが、今太(東龍明さん)には皆無だったのは残念です(笑)!!

Re: 悲しい結末

ここまで救いがない話は、シリーズでも珍しいですよね。

Re: 美女軍団

すいません。久しぶりだったもので。

> 「人間態限定」でなければララさんも・・・

そう言えば彼女のことも忘れてました。

Re: 的確なご指摘です

> この距離感がいいなぁ・・・

ジャスピオンもスピルバンも宇宙船暮らしだから、接点が生じないんですよね。

Re: >まあ、当時はまだレコードが主流だったから、仕方ないんだけどね。

考えたら、それからずーっとCDが主流なのは凄いですよね。

Re: >これはこれで涙が出そうなほど哀れな最期ではあった

> でも最期のシーンを描かず、「視聴者に委ねる」ことで、ことさら陰鬱さを強調しない
> ここにセンスを感じますね。

作劇の高等テクニックですよね。

Re: あっ!

> シャリバンもレビューされてたんですねぇ…バックナンバーを拝見させて頂きます!

ありがとうございます。昔書いたものなので、お粗末ですが。

Re: 伊賀電カッケー!

読者様の喜びが私の喜びです。

確かにスピルバンとは段違いですよね。

Re: アイドル全盛期

>  佐代子を演じてるのは佐野量子ちゃんかと思った。

ちょっと似てますね。

Re: 佐世子さんと美也さん

熱いコメントありがとうございます。

確かにサソランジンの話と似てますね。

ただ、佐世子のほうはアイドル歌手だっただけに、その落差が余計かわいそうに見えます。

その際、チラッと映った看板が「西部警察」のもの

>>車でテレビ局の前に乗りつける佐世子を、熱烈なファンが待ち伏せしているシーンとなるのだが、その際にチラッと映った看板が「西部警察」のものだということに今回初めて気付いて、思わず吹いた管理人であった・・・・・・そう、マドーすら裸足で逃げ出す恐怖の大門軍団である

>シャリバンと同時期にテレ朝で西部警察PARTⅢが放映されていたことを絡めたネタでしょうね。実をいうと、渡さんの名前を知ったときに「渡洋史って名前からして渡哲也さんの息子?」と思ってました。

Re: その際、チラッと映った看板が「西部警察」のもの

考えたら、渡って苗字、珍しいですよね。

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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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