第4話「2つの改造人間 怒りのライダーブレイク」(1979年10月26日)
と言う訳で、「スカイライダー」のレビューやり直しの始まりなのです。
ただし、一応一通り紹介した作品なので、全話ではなく、厳選したエピソードだけをレビューしていく所存である。
何卒、ご理解いただきたい。
さて、最初は名作と誉れの高い4話であるが、爆走するスカイターボのターボ音からの、
「チャーチャーチャーチャーチャチャチャチャー、チャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャ、レッツゴー!」(分かるかっ!)
前期OPのイントロを聴くと、胸が高鳴るのを抑えられない管理人であった。

「飛べー、飛べー、高く、空をゆけぇ~、セーリングジャンプ!(うっうっ!) 明日へ飛べ~♪」
そして、菊池先生の素晴らしい旋律と、石ノ森先生の心揺さぶられる歌詞、そして、それに最高のパフォーマンスで応える水木アニキの歌声!
前にも書いたと思うが、管理人、「仮面ライダー」シリーズの楽曲の中では、この前期OP、そして前期EDが一番好きである。

「不ぅ滅のライダー、仮面ライダー、戦いのときは今、戦いのときが来た~♪」
くぅ、良い歌詞だなぁ。

タイトルバックの、ライダーがライダーブレイクで壁を突き破るシーンも迫力満点で、このあたりからの、
「燃えろ!(ジャンプ) 燃えろ!(ファイト)
燃えろ燃えろ燃えろ燃えろ仮面ライダー!」 合いの手を交えての「燃えろ」6連発のサビは、ほんと、何度聞いても鳥肌が立つカッコ良さ。
大好きな作品だが、このかっちょいい主題歌の変更と、ユミちゃんが39話で水着姿を披露してくれなかったことが未だに残念である。
冒頭、ゼネラルモンスターのアジトに、新たな改造人間があらわれるが、その姿は闇に包まれて良く見えず、なんともいえない不気味な息遣いが聞こえるだけであった。
ゼネやん、モニターに初老の男性の顔を映し出し、怪人に見せる。
ゼネ「この顔、ようく覚えておけ」

ゼネ「この本田はロボット工学の権威だ。奴のところに行け」
初代大幹部のゼネやんを演じるのは、今や名優と呼ばれるようになった堀田真三さん。

カッと見開かれた目が、獲物を探すように左右にギョロリとうごめく、おぞましくも鮮烈なショット。
あ、今、
怪人「……え、僕がやるんですか?」
ゼネ「他におらんだろうがっ!」
と言うボケを思い付きました。ご笑納下さい。
なお、これも以前書いたと思うが、「スカイライダー」の序盤は、「原点に帰る」と言うコンセプトに忠実で、「仮面ライダー」初期の怪奇ムードを色濃く引き継いでいるのだ。
まあ、途中からコミカル路線に舵を切るようになるのだが、ある意味、その辺も本家「仮面ライダー」の展開をなぞっていると言えるのかも知れない。
怪人が無言で出撃した後、

ゼネ「このリモート装置で改造人間は完全にワシの命令どおりに動く」
インカムから伸びるマイクを、誇らしげに撫でるゼネやんであった。

続いて、白いワンピースをまとった若い女性が本田博士のマンションの前で車から降りるが、その顔をはっきり見せないのが演出上の工夫である。
女が本田博士の部屋に入ると、ちょうど博士がゼネラルモンスターからの最後通牒をつきつけられているところだった。
ゼネ「本田博士、決心はついたかな」
本田「私の研究はどんな大金を積まれても渡すことは出来ん。断る」
ゼネ「死んでもかね?」
本田「脅してもダメだ!」
本田はゼネやんの脅しにも屈せず、気丈に突っ撥ねて受話器を叩きつけるように置くが、

女「……」
ふと見れば、いつの間にか、ソファーに若い女性がこちらに背を向けて座り、大きく肩を上下させているではないか。

本田「誰だね、君は? 今日はデリヘルを頼んだおぼえはないが」
じゃなくて、
本田「誰だ、君は? 何処から入ったんだね?」

ゼネ「その男の死は決定した、サソランジン、始末しろ」
ゼネラルモンスターの命令を受け、女が立ち上がりながら振り向くが、その顔をはっきり見せず、

振り向いた時にはサソランジンと言うサソリをモチーフにした怪人に変わっているのも、優れた演出。
本田「やめてくれ、研究は渡す。やめてくれ!」
と、この期に及んで、本田博士が命乞いするのは、ちょっと情けない。
ゼネやんに男らしくタンカを切っていた25秒前の博士は何処行っちゃったの?
本田博士は首筋を噛まれてあえなく絶命するが、その悲鳴を聞きつけたのが、通り掛かりの仮面ライダーこと、筑波洋であった。
洋は非常階段を一気に駆け上がって博士の部屋へ飛び込むが、既に博士の死体は煙となって消えていた。
ベランダから逃げる怪人の姿を見た洋は、再び非常階段を駆け下りる。
若いって良いなぁ。

洋「失礼!」
美也「……」
洋、マンションの出口で若い女性とぶつかるが、怪人の姿は何処にも見当たらなかった。
美也は、無言で洋を一瞥すると、停めてあった車に乗って走り出す。
だが、

美也(ご命令どおりに、本田から書類を手に入れました……)
その美しき女性こそが、醜いサソランジンの人間態であるとは、洋は夢にも気付かなかった。
美也を演じるのは、特撮ドラマではお馴染みの里美和香さん。
一方、アジトで大首領のとっつぁんと話しているゼネやん。
大首領「ゼネラルモンスター、成功したようだな」
ゼネ「はい、首領、全く新しい改造人間の誕生です。サソランジンは私の命令で行動します。しかし当人は何も知らない。ふっふっふっ、つまり誘導改造人間と言えましょう」
大首領「その上全く(自分が怪人だと言う)意識もない。従って怪しまれる恐れもないわけだな」
ゼネ「完璧な殺しのプロです」
続いてゼネラルモンスターは、ネオショッカーへの協力を拒んだ城北大学の石渡教授を殺せと美也に命じる。
しかし、よりによって洋の在籍している城北大学の教授を狙うとは、軽率のそしりは免れまい。
洋が友人をつかまえてその石渡教授のことを聞いていると、正門から堂々と美也が入ってくる。
洋(博士が襲われたときも、あの女が……)

可也「お姉ちゃーん! お姉ちゃーん!」
と、背後から小学3年生くらいの女の子が駆け寄って、美也にしきりに呼びかけ、その体に抱きつくが、美也は一切表情を変えず、うるさそうに突き飛ばす。
だが、その騒ぎで学生たちが集まってきたため、ゼネラルモンスターはやむなく作戦の一時中止を命じる。
なお、実際のシーンでは見えないが、

アジトのモニターには、尻餅をついて大股開きになった可也の股間がはっきりと映し出されるが、ちゃんと黒いブルマを着用していたので、お父さんお母さんも安心なのであった。

もっとも、可也の周りに集まった男子学生が、食い入るようにその股間を凝視しているように見えるのが、かなりヤバいが、なにしろ、当時の大学は真性ロリコン戦士たちの巣窟と言われてたから(註・言われてへん、言われてへん)、ある意味リアルな描写ではあった。
洋は泣き叫んでいる可也の体を抱き起こす。
洋「あの人が君のお姉さん?」
可也「行方不明だったの、え~ん」
洋はひとまず可也を、志度ハンググライダークラブへ連れて帰る。

みどり「お姉さんはダイバ山で遭難したの?」
ミチ「あ、それ新聞で読んだわ、捜索隊を出したけど、凄く危険な場所で死体の発見は無理だって」
可也から、美也と二人で写った写真を見せてもらいながら事情を聞いているガールズたち。

ユミ「そう、私も読んだわ」
ここで愛しのユミたんが登場。
初期のユミたんって、なんとなく鳥居みゆきに似てるような気がする……って、これも前に書いたかな?
可也「でもお姉ちゃん、生きてたのよ、良かった」
洋(遭難した美也さんが何故東京へ? それに写真の美也さんはペンダントをつけていない)
確かに写真の美也は、現在つけている奇妙な形のペンダントをつけていなかった。
でも、装身具なんて別にその人固有のものじゃないんだから、それを不思議がるのも変なんだけどね。
あと、そもそも美也が女子大生なのかOLなのかも分からないのだが、そんな危険な登山をするようなキャラには見えないんだよね。
あるいは、遭難自体、ネオショッカーが仕組んだことだったのかもしれないが。
洋「会長は石渡教授をご存知ですか」
志度「ああ、知っとるが、会ったことはない。確か博士の研究テーマは、エロビデオのモザイクをなんとか消す方法だったな」
洋「アホですね」
志度「うん」
じゃなくて、
志度「ああ、知っとるが、会ったことはない。確か博士の研究テーマは、人類生存学だったな」
洋「するとネオショッカーが狙う可能性は?」
志度「うん、考えられる」
しかし、自分の大学の教授のことを、在野の志度博士に聞くってのもアレだな。
案の定、サソランジンはその石渡教授の研究室を襲撃するが、そこにいたのは、このことあるを予想して石渡に化けていた志度と、てぐすね引いて待ち伏せていたスカイライダーだった。
ライダーはサソランジンを追いかけ、コンクリートの壁が入り組んだ迷路のように立ち並ぶ廃墟のような場所で戦う。
サソランジンのスペックは高く、しかもアジトからゼネラルモンスターが的確な指示を出すのでライダーも苦戦を余儀なくされるが、サソランジンの放った針を逆に投げつけて、あのペンダントのチェーンを切って落とすと、怪人はたちまち頭を抱えて七転八倒苦しみ出す。
ゼネ「しまった、ライダーに発見されたか」
と言うのだが、洋があれだけの情報でペンダントがキーアイテムだと見抜くのはやや不自然な気もするし、針を投げたら、たまたまチェーンに当たっただけのようにも見えるのである。
サソランジンはアダモステ的な動きで悶えていたが、ちょうどその場にいたカメラマンの今太と鉢合わせする。

今太「あああああああ……」

今太「あ……」
今太、奇声を発して硬直すると、その場にひっくり返る。
東隆明さん、わざわざロケに同行して、出番がこれだけって……
ちなみに、管理人、このシーンの後、「東隆明さんオールアップです!」とスタッフにねぎらわれて花束を渡されているところを想像して、思わず吹いてしまった。
でも、これで主演の村上さんよりギャラが高いってんだから、村上さんもやってられんわな。
結局、高額なギャラがネックとなって(?)、東さんは洋たちとほとんど絡むことなく16話で番組からフェードアウトしてしまうのだが、賢明な判断だったと思う。
ちなみにこの今太と、「01」の百地頑太、そして「スピルバン」の大五郎の三人が、日本特撮ドラマ史上における、がっかりコメディリリーフ三傑と呼ばれている(主に管理人に)。
さて、怪人はひとりで暴れまわった挙句、壁に頭を打ち付けて気絶してしまう。
そこへ志度会長もやってきて、例のペンダントを拾い上げる。

志度「これはリモートコントロール装置だ」
ライダー「リモートコントロール装置?」
志度「この怪人は何者かにこの装置で操られていたのか」
ライダー「このペンダントは美也さんの胸に!」
ライダーは、ここで初めて、それが、美也がつけていたペンダントと同じものだと気付いているので、ライダーがペンダントを狙ったように見えたのは、ゼネラルモンスターの早とちりだったことが分かる。
ライダー「まさか、美也さんが怪人? しかも、コントロールされていたのか? ネオショッカーが美也さんを改造したとすれば……おのれぇええっ」
ライダーが怒りに任せてペンダントを叩き付けて壊すと同時に、サソランジンが美也の姿に変わる。
と、空からゼネやんの声が語りかけてくる。
ゼネ「仮面ライダー、勝ったと思うなよ、お前も間もなく、このようにコトンロールしてやる。覚えておくが良い、次はお前の番だ」

ライダー「ゼネラルモンスター、良くも抜け抜けと……人間を改造することさえ許せないのに、それを操るとは、許せん!」
ゼネラルモンスターの悪魔のような所業に、改めて怒りを燃やすライダーであった。
CM後、再び大首領のとっつぁんと話しているゼネやん。

大首領「ゼネラルモンスター、お前の作戦は失敗したようだな」
ゼネ「まだ失敗ではありません。たとえリモートコントロールが切れても、あと数時間もすれば女はサソランジンに自動的になります。そのように女の脳の内部をコントロールしてあるのです。その時こそ、サソランジンは仮面ライダーを倒すでありましょう」
一方、洋は意識を取り戻した美也をバイクの尻に乗せて走り出すが、その途中、すべての記憶を取り戻し、「停めて、停めてください!」と、叫ぶ。

洋「どうかしたんですか?」

美也「私、私、思い出したんです……あの手術台を」
洋「手術台?」
美也「キャアアアーッ!」
震える両手で顔を包むようにして話していた美也、突然、けたたましい悲鳴を上げる。

美也の脳裏には、ネオショッカーに捕まっておぞましい改造手術を受けた時の様子が、ありありと蘇っていた。
美也「やめて、やめてくださいっ!」
胸は見えないけど、全裸の体に布が巻いてある美也のスタイルが、実にエロティックである。

ゼネ「喚くな、女め」
美也「いや、ああっ!」
ゼネ「うるさい奴め、やれ」
騒ぎ立てる美也の白い首筋にスティックの先を押し付けてグリグリするゼネやん。
ほんとはもっと別のところをグリグリしたかったであろうに、そこをグッと抑えたあたり、ゼネやんは本物のジェントルマンである。
美也「イヤーッ、改造人間なんてイヤです!」 ごもっとも。
全力で嫌がる美也だったが、ゼネやんは容赦なく手術を開始させる。
ゼネ「お前はワシの手で自由にコントロールできる改造人間になるのだ、ふっふっふっふっ……」

美也「私は、私は改造されたんです、ゼネラルモンスターに自由に操られる改造人間なんです。私は……妹のところへは帰れません」
悔しそうに唇を噛みながら話す美也の双眸から、堪え切れずに涙が零れ落ちる。
里美和香さんの迫真の演技に対し、

洋「ゼネラルモンスターめ!」
テキトーな怒りの演技で応える村上さん。
最初の頃に比べればだいぶ上達したが、まだまだ演技力は頼りない。

美也「ああっ……」
なおも湖に向かって大きく息を吐き、悲しみに打ち震えている美也の背中に、
洋「美也さん、実は僕もあなたと同じように改造人間なんです!」
洋、志度会長以外の人間に、初めて自分の正体を明かす。
美也「あなたが?」
洋「そうです」
弾かれたように振り向く美也に頷いて見せると、洋はその場で変身ポーズを決め、特に意味もなくジャンプして近くの石段の上に着地する。
ライダー「ついでに、アソコもでっかくしてもらいましたーっ!」
美也「やだっ、すごい……」 ……と言うような下品なギャグを載せると、このブログの品位が疑われるのでボツにしました。
あ、今、「何処がボツじゃ、しっかり書いてんじゃねえか!」と、ツッコミを入れられた読者の方、あなたはえらい!

美也「はぁっ、ああ……」
ライダー「これが改造された姿です! 私は仮面ライダーです」 洋、人前での初めての変身であったが、
ライダー「私があなたをネオショッカーから助けました」
美也「あなたが?」
それに続く台詞が、ちょっと恩着せがましく聞こえるのがNGです。
この場合は、
美也「じゃあ、あなたがネオショッカーから私を?」
ライダー「そうです」
と、美也の方から言わせたほうが良かったと思う。
ライダー、美也の前に飛び降り、すぐ妹に会いに行こうとすすめるが、

美也「でも私は一度死んだんです。そして私が改造人間だってこと……妹には言えませんっ」
ライダー「美也さん、たとえ体は改造されても、心はネオショッカーに売り渡したわけではない」
美也「……」
ライダー「私はこの命の続く限り、ネオショッカーの悪事を叩き潰すまで、戦い続けます」
美也「……」
ライダー「妹さんだってきっとわかってくれます、私はそう信じます」
美也「はい」
同じ境遇であるライダーに励まされ、やっと美也も笑顔を見せる。

その後、ハンググライダークラブの事務室で、遂に再会を果たした姉妹。
可也「お姉ちゃん!」
美也「可也ちゃん」
みどり「良かったわね、可也ちゃん、お姉ちゃんが戻ってきて」
ユミ「嬉しいでしょ?」
可也「うん」
はい、私もユミたんのサロペット姿が見れて嬉しいです! 洋は何故かライダーの姿のまま、窓の外からその様子を見守っていたが、

美也(私は改造人間、もう普通の人間には戻れない……)
美也が人知れず浮かない顔をしているのを見て、
ライダー「はうっ、美也さんは自分が改造人間であると言うことを悲しんでいる!」 分かりきったことを、まるで初めて知ったかのように叫ぶのが、物凄く不自然である。
まあ、今回の話はちびっ子にはちょっと難しいので、もう一度説明しておく必要があるとスタッフが判断したのだろう。
と、そのライダーにゼネラルモンスターが挑発するように話しかけてきたので、ライダーはセーリングジャンプで空を飛んで、その姿を捜し求め、新宿副都心に臨むビルの屋上に降り立つ。
ライダー「出て来い、ゼネラルモンスター」
ゼネ「今にお前に面白いものを見せてやる」
ゼネやんの予言どおり、事務室でくつろいでいた美也が突然苦しみ出し、床に膝を突く。

美也「苦しい……あっ?」

ふと見れば、自分の左手がいつの間にかサソランジンの手になっているではないか。
体の一部が怪人になるというのは、かなりショッキングな映像である。
美也は自分の正体を妹には見せまいと、左手を隠して目の前にあった用具入れのような小部屋に飛び込む。

ドアを背にして立っていた美也、前方の姿見を見上げると、そこには完全にサソランジンとなった自分が映っていた。
志度会長たちが雪崩れ込むのと入れ違いに、サソランジンは窓から外へ逃げ出す。
志度「ライダー、大変だ、美也さんが怪人に戻って飛び出したぞ!」
その直後、志度会長が通信機で思いっきりでかい声でライダーに伝えるのは、ちょっとどうかと思う。
可也に丸聞こえだもんね。
ライダー「なんですって、美也さんが怪人に? ゼネラルモンスターが言っていたのはこのことだったのか……おのれゼネラルモンスターめっ」
ライダーは再度セーリングジャンプすると、空からサソランジンの行方を追う。

怪人「もう私は二度と可也には会えない。私は二度と改造人間を作らせないよう、ゼネラルモンスターを倒す」
ふらふらとアジトに向かって歩きながら、美也の人格として決意を語るサソランジン。
だが、その声を怪人の声の八代駿さんが当てているのは、いささか滑稽で、興醒めである。
サソランジンを女性の怪人として、声も女性の声優さんが当てていればまだ良かったのだが。
あと、いくら怪人になっても人格が元のままでは、あまり意味がなく、これなら最初から普通の怪人として作ったほうがよっぽど便利で簡単だったのではあるまいか。
ともあれ、サソランジンはなんとかアジトまで辿り着くが、そこにはゼネラルモンスターが戦闘員を率いて待ち構えていた。

ゼネ「よくも裏切ったな、サソランジン」
怪人「おのれえ、ゼネラルモンスター!」
最後の力を振り絞って針を放つが、戦闘員が自らの体で受けてゼネラルモンスターを護る。
サソランジン、逆にボーガンの矢を打たれ、あえなく倒れる。
うーん、仮にも怪人ともあろうものが、ただのボーガンで倒されるというのは……
そこへやっとスカイライダーが駆けつけるが、一足遅かった。

怪人「ゼネラルモンスターを倒したかった……」
サソランジン、無念そうにつぶやくと、美也の姿に戻る。

美也「妹を、妹を頼みます……」
美也はそれだけ言い残すと、あっけなく息絶える。

ライダー「……」
言葉では言い表せないほどの怒りを、ライダーがボーガンの矢をへし折ることで表現した、見事な演出。
まあ、村上さんの演技力不足もあったのだろうが。
美也の死体は不思議な光に包まれたかと思うと、煙のように消える。

ライダー「おのれえ、貴様がネオショッカーの首領か?」

ゼネ「正確に呼んでいただこう、ゼネラルモンスターとな」
ライダー「よくも貴様、罪のない人たちを改造し、自由に操るとは!」
ゼネ「大層な口を利くな、仮面ライダー、さあぼつぼつ、地獄に落ちてもらおうか」
ライダー、戦闘員を片付けてからゼネラルモンスターにスカイキックを放つが、ゼネラルモンスターの姿は霞のように消えてしまう。
ライダー「影だったのか……」
そう、そこにいたゼネラルモンスターは最初からホログラフィーか何かだったのである。
身を挺して守った戦闘員たちが浮かばれねえ……
この後、ライダーがライダーブレイクでアジトの壁を突き破ってゼネやんを当て逃げし、ボコボコにするが、途中でアジトが爆発してしまったため、ゼネラルモンスターの生死は不明のまま戦いは終わる。
ま、ナレーターははっきり死んだって言ってるけどね。
ただ、戦いの後、姉を失った可也の様子を一切映さないままEDに行くのはあまりに乱暴である。
以上、ネオショッカーに弄ばれたひとりの女性の悲惨な運命を描いた、「スカイライダー」の中でも一際印象深いハードでシリアスな名作であった。
なお、初回と言うことで、EDについても触れておく。

「勇敢に戦った男がいた、人生を戦った男がいた~♪」
「たったひとつのこの命を遥かなる愛に賭けて戦う~♪」
「それだけでいいのさ、俺は俺は仮面ライダー~♪」
これがまた、OPに勝るとも劣らぬ名曲なのである。
特に歌詞が素晴らしく、自分の人生に重ね合わせて生きている人もいるのではないかと思う。
水木アニキが、ライダーソングの中で一番好きな曲だと仰っていたのも納得である。
管理人的には、この「スカイライダー」のOP・EDのほかに、「シャリバン」のOP・ED、「ジャスピオン」のOP・EDとが、特撮テーマソングのベスト3である。
あ、「Black」のEDもあったなぁ。
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