「電撃戦隊チェンジマン シャトルベース!危機一髪!」(1985年7月13日公開)
劇場版第二弾である。
最近では珍しくないが、当時としては、オリジナル劇場が二本も作られているのは異例のことである。
冒頭、雷鳴轟く暗雲の中を突き進んでいるシャトルベース。
電撃戦隊の移動要塞のようなもので、チェンジロボに合体する三機のメカの母艦でもあった。

ドラゴン「うわーっ!」
と、船体の上部に落雷し、その衝撃で座席から飛び出すドラゴンたち。
しかし、どう見てもドラゴンだけ、オーバーリアクション気味である。

ドドン「はっはっはっはっ、宇宙獣士ドドン!」
それはただの直撃雷ではなく、宇宙獣士ドドンと言う、口の中に細かい牙がびっしり生えているのが気持ち悪いが、誰も聞いてないのに自己紹介する礼儀正しい怪人が着艦したものだった。
5人はオートパイロットに切り替えると、機関室の様子を見に向かう。
ドドンは外部ハッチを開けると、

数人の隊員が働いている機関部の真ん中に、まるで巨大なウ○コのように落ちてくる。
当然機関室は大混乱となるが、

その際、チェンジマンと入れ替わるように逃げ出す女性隊員のヒップが、パツンパツンの全身タイツ越しにその躍動する筋肉やヒダまでくっきり見て取れるカットを、重度の尻フェチにしてコマ送り職人の管理人が見逃すことなどありえないのだった。
こういう役を、むさ苦しい野郎ではなく若い女性にやらせたあたりに、スタッフの良識と言うものがうかがえて、清々しい気持ちにさせられる管理人であった。
ちなみに映像やクレジットから推測するに、この二つのお尻の持ち主は、後述する美津井祐子さんと、JACの村上久代さんのものだと思われる。

ドラゴン「宇宙獣士!」
ドドン「宇宙獣士ドドン、シャトルベースを頂きに来たぜぇ」
ドラゴン「なにぃ」
狭い部屋の中で長い尻尾を振り回すドドンに、チェンジマンも手を焼く。
さらに、ドアが倒れた衝撃か何かで、綺麗な女性隊員と一緒にマーメイドが気絶してしまう。
しかし、スーツを着た状態で、そんな簡単に気絶するものだろうか?
ドドンはさらに、自分の体に住み着いている寄生虫ヌウーなる怪物をたくさん放出して襲わせ、チェンジマンを翻弄する。
他のクルーは寄生虫の出す催眠波によって全員眠らされてしまい、チェンジマンもエアロックから叩き出される。
ドドン「ははは、遂にシャトルベースをハイジャックしたぞーっ」

ヒラの宇宙獣士にしては望外の戦果であったが、ドドン本人が暴れ回ったせいでエンジンにトラブルが起き、自由には航行できなくなる。そのまま宇宙へ飛び立ち、ギルークかバズーに献上していれば、まさに大殊勲であったろうに。
伊吹「このままではシャトルベースは墜落する。なんとしても墜落する前に奪い返さねば」
一方、ゴズマードでギルークたちが作戦の成功を祝っていると、いつの間にかバズーがブリッジの前方に浮かんでいた。
1時間後、

ギルーク「これはこれは、星王バズー様、いらしたんですか」
バズー「おったわい!」 と言うのは嘘だが、たまにギルークが、バズーが来てるのを知りながら、気付かないふりをしていることはあるのではないかと思う。自分の星を征服されたことへの、ささやかな仕返しである。
ギル沢「0.001倍返しだ!!」 ギルーク「これはこれは、星王バズー様、奴らが誇るシャトルベースは遂に我らが手に……ハイジャック作戦、大成功です」
ギルーク「ふっふっ、さすがは宇宙獣士ドドーン! どんな乗り物でもドドーンと来ーいっ! はっはっはっはっはっ……」 
バズー「……」
ギルーク「はっはっはっはっ……」
バズー「……」
ギルーク「はは……は……」
バズー「……」
数日後、ギルーク司令官に、宇宙の最果てイスカンダル営業所への転属命令が届いたそうです。
じゃなくて、
ギルーク「宇宙獣士ドドーン!」
バズー「つもり重なる恨み、ただちにシャトルベースで地球を総攻撃せよ」
宇宙まで持って来れないのなら持って来れないで、完全に破壊してしまうとか、格納されているジェットチェンジャーなどを奪うとか、もっとほかに有効な作戦があったと思うのだが、バズーの下した命令は、チェンジマンにも奪還のチャンスを与えるような生ぬるいものだった。
もっとも、仮にシャトルベースが攻撃を実行していれば、市民に大きな被害が出て、電撃戦隊の評判はがた落ちとなり、解散どころか、テロリストとして逮捕されていたかもしれないのだから、全く意味がないことはないのだが。
ちなみにストーリーとは関係ないが、この直後、ゲーターが「イッキ、イッキ、イッキやで」と叫ぶシーンがあり、日本を決定的に腐敗させた「亡国の音」が、戦隊ヒーローの世界にまで汚染を広げていたことが判明し、慄然となる管理人であった。
さて、剣たちはさいわい湖に落ちたため、無事であったが、雲のある高さから落ちたら、いくらチェンジマンといえど
死ぬと思うんだけどね。
あるいは、既にエンジントラブルが発生して、高度が下がっていたのかもしれない。

桟橋の上にヒーヒー言いながら這い上がる4人。
このシーンを、麻衣ではなくミニスカを掃いたさやかタンに演じて欲しかったというのが、全世界の成人男子共通の願いであった。
もっとも、そうすると船内でのさやかタンの活躍が見れなくなるので、痛し痒しか。

剣「さやか、応答せよ、さやか!」
剣、急いでチェンジブレスでさやかに呼びかける。
美人隊員と折り重なるように倒れていたさやか、その声で漸く目を覚ます。
さやか「丘隊員、しっかりして!」
さやか、目の前で気を失っている女性隊員を揺り起こそうとする。
ちなみに、さやかが彼女のことをなんと呼んでいるか、ほんとははっきりしないのだ。
ヨカとも、オカとかも、ユカとも聞こえて、どうにも判断できない。
とりあえず、ここでは、「帰ってきたウルトラマン」の丘ユリ子姫を連想させる、丘隊員と呼ぶことにする。
その後、さやかと目を覚ました丘隊員がコックピットに駆けつける。

ドドン「へっへっへっ、まずは東京から火の海にしてやるわ」
さやか「待って、このままでは、シャトルベースは墜落してしまうのよ」
ドドン「へっ、そんな出鱈目を言って俺を騙そうとしたって駄目だ」
プロのハイジャッカーのくせに、乗っ取った船の状態が全くわかってないらしいドドンさん。
で、さっきも書いたが、この、目の覚めるような美人隊員を演じているのが、80年代のドラマにちょくちょく出ている美津井祐子さんなのである。一番メジャーなのは、「メタルダー」の美人秘書Kかな。
二人はドドンの腕にしがみついてなんとか操縦を邪魔しようとするが、女の細腕ではなかなか宇宙獣士の怪力には抗えない。
なんでさやかがマーメイドに変身しないのか、いまひとつ分からないが。

ドドン「なんだ、頭が破裂、爆発しちゃいそう、痛い痛い!」
と、突然、ドドンの頭のてっぺんから煙が噴き出し、狂ったように暴れ、苦しみ出す。

サトル「CQCQ応答してください、こちら出来立てのほやほや、初めて電波を送る移動無線局のサトルでーす。応答してください」
ドドンの狂態にあっけに取られるさやかたちであったが、まさかその原因が、地上を自転車で走っている可愛らしい少年の出しているアマチュア無線用の電波とは、夢にも気付かない。
ドドン「誰だ、こんな電波を出す奴は、ぶっ飛ばしてやるーっ!」
文字通り頭から湯気を出して怒ったドドンは、シャトルベースでサトル少年目掛けて突っ込んでいく。
しかし、宇宙のハイジャッカーの弱点が特殊なサイクルの電波で、それがたまたまシャトルベース強奪中に地上から発信されていたと言うのは、いくらなんでも都合が良過ぎる話である。

サトル少年は轢き殺せなかったが、腹いせに、二人を尻尾で弾き飛ばすドドン。

ここで、ぶっ飛ばされたさやかタンが、

常時ミニスカの中身を公開しつつ、

床に倒れ込み、

あまつさえ、大開脚で白いパンツをフルバーストさせるという、特撮パンチラ史に残る偉業を達成する。
これだけのアクションのあいだ、ずーっと途切れることなくチラor全開していると言うのは、管理人の長いコマ送り人生を振り返っても、ちょっと他では思い当たらない。
もっとも、残念なことに、これはスタントであって女優さん本人の下着ではないのだが、漢(おとこ)は、そんな細かいことを気にしてはいけないのだ。
それにしても、この、肝心なところを隠している半開きのシャッターの枠が恨めしい。
管理人、この世に生を受けてより、これほどシャッターの枠を憎いと思ったことぬわぁいっ!(そりゃそうだろ)

さやか「だいじょうぶ?」
すぐに立ち上がって、丘隊員を庇うように身構えるさやかタン。
だが、続いてドドンが口から熱線ビームを放つと、さやかが丘隊員を見捨てて自分だけ逃げてしまうのがちょっとカッコ悪い。
その衝撃で丘隊員は再び気絶してしまい、祐子さんは大した見せ場もないままお役御免となる。
これでは、わざわざさやかのほかに女性隊員を目覚めさせた意味がないではないか。
ドドンが再び苦しみ始めたのを見て、

さやか「みんな、ドドンは特殊な周波数に弱いわ、早くその発信源を見つけて!」
地上にいる剣たちに知らせるさやか。
剣「分かった、必ず探し出す。それまで頑張るんだ、さやか!」
4人が手分けをして発信源探しをする一方、ここで漸くさやかがチェンジマーメイドに変身してドドンを食い止める。
だが、先にサトル少年と無線機を発見したのは、ゴズマであった。

いくら劇場版でヒドラー兵の数が多いからと言って、大人げがないにもほどがある図。
と、そこへ飛び蹴りを食らわしてサトル少年を助けたのが、剣であった。

剣「この無線機は?」
サトル「僕が組み立てたんだ」
剣「そうか、これが発信源か」
どうやら、サトル少年が組み立て方を間違えたせいで、偶然特殊なサイクルが発信されていたらしい。
剣は無線機をしばらく借りると言って、サトル少年をその場から逃がす。
ここから、無線機を持つ剣と、ゴズマの壮絶な争奪戦が繰り広げられる。
まず、ボートでやってきた勇馬が岸辺でゴズマを食い止めている間に、剣がボートに乗って湖上を疾走する。
対岸に渡ったところで、バイクに乗ってきた麻衣と入れ替わり、荒野をバイクで疾駆する。
それをブーバが同じくバイクで追いかけ、その攻撃でバイクから投げ出される剣。

この時、地平線の向こうから、ヘリが超低空飛行で飛んでくる。
これは合成ではなく、実機を飛ばしているのである。
やっぱり金かかってるなぁ。

両者の鼻先を掠めるように飛ぶヘリ。

擦れ違いざま、操縦席の疾風が、剣に向かってロープを投げる。

疾風「剣ぃいいっ!」
剣「疾風ぇええーっ、いでっ、いででででででででっ!」 ヘリコプターに引き摺り回されて、完全に首の骨が折れている剣。
ブーバ(うわ……)

ま、ほんとは、こうやってカッコよく引っ張られてることになってるんだけどね。

ヘリはそのまま上昇して、剣をぶら下げた状態になるが、そこに再びブーバが攻撃を仕掛けてくる。
特撮で、ヘリコプターを使ったアクションは結構あるが、こういう爆破ショットはちょっと見たことがない。

正面からのショットもあるが、これはさすがにスタントだろうなぁ。
剣、なんとかヘリの中に乗り込み、

剣「電波の発信源を確保したぞ、近付いて電波を送り続ける! ドドンを追い払うんだ」
孤軍奮闘しているさやかに伝える。
と、その時、眼下の丘の上にアハメス様があらわれ、得意の指先ビームを撃ってくる。

アハメス「手を焼いているギルークのために、私が力を貸してあげるわ!」
ほんとに心から楽しそうに悪事を働くアハメス様。
なんか、見てるこっちまで幸せな気持ちになる笑顔であるが、悪役がこんな曇りのない笑顔を晒していいのかしら?
アハメスのビームによってヘリは爆破するが、寸前で二人はヘリから飛び降り、

その爆発を背に、同時に一回転して変身する。
実に美しい編集とアクションである。
アハメス「あっ」
残念ながら、アハメス様の出番はこれだけ。
何しろ今回は、正味20分と、レギュラー放送とほぼ同じ尺しかないからね。
その後、色々あって、漸くドドンをシャトルベースから追い出し、シャトルベースもなんとか不時着して墜落を免れる。
ここからラス殺陣となるが、劇場版と言うことで、わざわざギルークも地上に降りての参戦となる。

また、いつもの3倍はいるかと思われるヒドラー兵が動員される。
ま、ザコがいくら集まったところで意味はないのだが。
激闘の末、ドドンを倒した後、巨大ロボットバトルになるが、なにしろ今回はシャトルベースが不時着した状態なので、

丘「発進準備完了!」
まずシャトルベースの修理をしなければならず、ここでもう一度丘隊員の出番があるのがちょっと嬉しい管理人だった。
もっとも、動けないシャトルベースが巨大化したドドンに蹴飛ばされるようなことはなく、あっさり修理が終わってしまうので、結局いつものロボットバトルと大差はない。
戦いの後、チェンジマンは、正しい電波が出るよう調整された無線機にパラシュートと感謝のメッセージを添えてサトル少年のもとへ返すのだった。
以上、内容的にはレギュラー放送と似たり寄ったりだったが、シャトルベースが強奪されるというスリリンングなシチュエーションに加え、派手なヘリアクションや二人の美女の活躍が楽しめる、なかなか目に心地よい作品であった。
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