続きです。
反射的に逃げようとする二人を、松山は慌てて呼び止める。
松山「逃げるな、逃げなくて良い、俺は丸腰だ。お前たちの話は聞いた、俺と一緒にトミーを探さないか?」
雷「一緒に?」
松山「今のお前たちに何を言っても信じないだろうが、だからこそトミーを探し出して、真実を知る、違うか? 今きっとトミーは石川の奴らに拘束されてるはずだ。俺は逮捕する任務がある。力を貸してくれ」
二人は松山の熱意に動かされ、協力して岡野を探すことに同意するが、何故かここで、クラブハウスのような建物のカフェテラスで、松山がギターを弾きながら「愛のメモリー」を熱唱すると言う、意味不明のシーンとなる。
ちなみにこのシーンで、歌っている松山の背後に、客に扮したプロデューサーの丹羽多聞アンドリウの姿がチラッとだけ見える。

零「どうして一緒に探すことになったの?」
雷「岡野って人が災いを呼ぶ悪魔なら、あの松山っておじさんも、相当災いを呼ぶ人かも思わない?」
雷は、最初に難波副総監が考えたように、岡野と同じくらい運の悪さそうな松山と一緒に行動すれば、岡野のいるところに辿り着けるのではないかと考えていた。
零はあまり気乗りせず、二人だけで探すべきだと主張する。
で、雷は、これまた最初にやった寿司選びと同じような実験をその場で松山に仕掛け、松山がまさしく「災いを呼ぶ」男だと言うことを立証し、零も素直に松山についていくことにする。
松山は例によって勘だけを頼りに森の中をずんずん進んでいく。
そのたびにいちいち熊用の落とし穴に落ちるのだが、岡野も同じように落ちたのか、そこには必ず検定カードも落ちていた。
「スターウォーズ」「宇宙戦艦ヤマト」のパロディー(……と言っていいものかどうか)についで、

松山「コバヤシマヤコン、コバヤシマヤコン、松崎シゲルになーれっ!」
雷「誰って?」
零「……」
松山「あっちだ」
手鏡に向かって訳の分からないことを叫んでから、閃いた方角へ向かって歩き出す松山。
一応、これは「ひみつのアッコちゃん」のパロディーなんだろうか?
今度は穴には落ちなかったが、大したもので、またもや検定カードを発見する。

雷「それにしても、なんでこんな風に岡野ってひとの検定証が落ちてるのかな?」
零「だよね、まるでわざと手掛かりを私たちに教えているみたい」

松山「そのとおり、やつらは、自分たちのアジトを俺たちに教えようとしてるなぁ。これ見てごらん」
松山が拾ったカードを裏返して見せると、そこには、次の手掛かりへのルートと、アジトの場所まできっちり書いてあった。

零「ほんとだー」
雷「なんでそれ、先に言わないかなぁ」
松山「……行くぞ!」
二人から白い眼で見られて気まずい顔になる松山だったが、誤魔化すように大股で歩き出し、そこでまた落とし穴に落ちる。

零「ませり、愚か者の数字」
雷「よどむ、愚か者の天気」
それを見て、溜息をつきそうな顔で、いつもの決め台詞をもじってつぶやく二人。
ほどなく三人は、地図を頼りに森の中にうっそりと佇む廃工場のような建物を発見する。
松山は、副総監から預かった二人のケータイを彼らに渡してから、ひとりで敷地内に踏み込む。
人の気配は全くなかったが、不意に何者かが発砲してくる。
ここでは、一応CGじゃなくて本物の弾着が使われているが、打ち上げ花火のようなへぼい火薬で、ドラム缶に当たっても傷ひとつつかないというのは、さすがにどうかと思う。

松山を撃ったのは、彼らの探していたトミーこと岡野だった。
岡野「我が名はキング・アンドリウ、世界のすべてをつかさどる神なり」
松山「なんだぁ?」
岡野「不要な遺伝子は消す」
が、そのマトリックス風のコートと言い、イカれ気味の目付きと言い、意味不明の台詞と言い、岡野も小百合たちによって洗脳されているのは明らかだった。

松山「トミー、眼を覚ますんだ! 先輩を撃つとは何事だ。バカ、間抜け、おたんこなす、お前なんか男じゃない、これで十分だ、トミ子ーっ!」
ここで、松山が、往年の某刑事ドラマにおける定番の台詞を放つ。
岡野の顔が紅潮し、

さらに、その耳がピクピク動くという、細かい演出まで忠実に再現されている。
念の為、「噂の刑事トミーとマツ」において、普段は大人しいトミーは、相棒のマツに女みたいだと罵られると、我を忘れて暴走し、別人のような大活躍を見せる……と言うのが、このドラマにおけるお決まりのパターンなのである。
だが、洗脳されている岡野は、怒りで顔を風船のように膨らませてジェット噴射のような鼻息を吐き出すと、あっさり落ち着きを取り戻してしまう。

で、銃を持った二人が至近距離で向かい合って、バンバン銃を撃ち合うという、ありそうでなかなかお目に掛かれない銃撃シーンとなる。
さいわい、どちらも絶望的に射撃が下手だったので、弾はお互いかすりもしない。
岡野「なかなかやるな」
松山「お前もな」
その後、銃を捨てて素手で殴り合う二人だが、あえなく同士討ちとなってぶっ倒れる。
雷と零は、いつまで経っても松山が戻ってこないので、思い切って建物内に潜入する。
二人が銃を構えて周囲を警戒しながら進むと、小百合と佐々木がゆっくりとこちらに近付いてくる。

小百合「お帰りなさいませ、お嬢様、銭形警視総監をお仕留めになられたのですか」
「魔界転生」の沢田研二みたいな衣装が可愛い小百合。

雷「やめて、本当のことを教えて」
小百合「ほんとうのこと?」
零「私たちは一体誰なの?」
小百合「おっほほっ、何を仰っているのですか、お嬢様たちは嘘偽りなく石川五右衛門様の血を引く石川家の当主、リンリン様とランラン様でいらっしゃいます」
雷「だったらどうして、銭形警視総監の部屋に私たちの写真があるの?」
雷、銃を下ろすと、高村と一緒に映っている写真をつきつける。

小百合「……」
それを見て、にこやかだった小百合の顔が急に無表情になる。
雷「敵の男たちが私たちのことを銭形だと言ったりするのよ?」
小百合「まやかしでございます。敵はお嬢様たちを欺こうと……信じていただけないのなら本人たちに聞くしかありませんね」
小百合が佐々木に指示すると、十字架を背負わされたトミーとマツが、部下たちに連れて来られる。

小百合「この方たちが誰か言いなさい」
岡野「銭形家の宿敵、石川リンリン!」
松山「銭形家の宿敵、石川ランラン!」
あれから二人とも記憶を消され、小百合たちに都合の良い記憶を植え込まれたのだろう、二人は狂ったような顔付きで、即座に二人の名前を叫ぶ。
小百合「これでお分かりになったと思います、さぁ、お手持ちの銃でこのものたちを始末してください」
雷は、戸惑いつつ銃を構え、一旦、岡野に銃口に向けるが、すぐ小百合に狙いを変える。

雷「教えなさい、私たちが誰なのか?」

小百合「……」
もはや口先で丸め込むことは不可能と見て、佐々木が何も言わずにいきなり銃を撃ってくる。
零「危ない!」
咄嗟に零が雷に飛びついて助けるが、代わりに自分の足を撃たれてしまう。

雷「だいじょうぶ?」
零「大丈夫、足に当たっただけだから、それより、零、早く逃げて」
雷「でも」
零「早く!」
雷「待ってて、必ず助けに戻ってくるから」
雷、やむなく零を置いて、その場から逃走する。

で、雷が勢い良く立ち上がった瞬間、パンツが見えそうな気がしたのだが、やはり見えなかった……
「ケータイ刑事」の欠点のひとつは、チラが全くないことであろう。

小百合「お転婆なお嬢様たちねえ……この子に処置を」
佐々木「かしこまりました」
他人事のようにつぶやくと、佐々木に冷酷に指図する小百合。
うーん、この劇場版に限っては、小百合のキャラのほうが、ヒロインたちより遥かに魅力的である。
その後、安っぽい祭壇の組まれた一室に、零がベッドに縛り付けられている。
ま、縛り付けられているといっても、足首と、へそのあたりの二箇所だけを縛ると言う、大変もどかしい縛り方であった。
女の子をベッドに縛る時は、おっぱいを挟むように鎖骨とみぞおちの二本のラインで縛るのが基本なのだが。
おまけに、彼らはろくに身体検査もしなかったようで、零のスカートのポケットには(雷の)ケータイが入ったままだった。零は不自由な状態でケータイを開き、建物のまわりにいた雷に電話する。
だが、少し話したところで小百合が入ってきたので、慌ててケータイをしまう零。

小百合「大人しくしてた?」
零「私をどうするつもり?」
小百合「記憶のリセットをしてあげる」

零「……」
小百合の恐ろしい言葉に、愕然とする零。
二人の会話はケータイを通じて雷にも聞こえていた。
小百合「今まで起こったことはぜーんぶ忘れて、新しいあなたになるの。あなたの未来は私が決めてあげる」
零「そうやって、岡野さんや松山さんの記憶を消したのね」
小百合「そうよ」

零「私の記憶も消すんだったら、最後に本当のことを教えて」
小百合「いいわよー、どうせ忘れちゃうもんね」
零「私は誰なの?」
小百合「あなたは銭形零、銭形警視総監の孫よ」
零「銭形、零……」
小百合「そしてもう一人の子が銭形雷、同じ銭形警視総監の孫」
零の要求に、すらすらと本当のことを教えてくれる小百合。「悪の組織」の首領にありがちな、余計なお喋りだったと言えるだろう。

小百合「あなたたちはいとこ同士なのよ、そうとも知らず、二人で自分たちのおじいちゃまを殺しにいったってわけ……笑っちゃうわよねえ、ふっははははっ」
零「ふざけないで、どうしてこういうことするの? あなたは誰なの?」
零の問いにスッと真顔になると、

振り向きざま、刀を抜いて零の顔の前にかざし、
小百合「28代目石川五右衛門小百合! 私が石川五右衛門様の血を引く正真正銘、石川家の当主よ!」
零「……」
小百合「石川家を復興させる為には、どうしても銭形家が邪魔なの。特に銭形警視総監はね。だから消えてもらおうと思ったの」
刀を納めてニッコリ微笑むと、
小百合「おしゃべりの時間はおしまい、アンプルであなたの記憶を消してあげるわ」
だが、その一言が、彼らの命取りとなる。
ケータイで聞いていた雷が、薬品を取りに行く途中の佐々木たちを見掛け、その後をつけて、薬品の保管庫を突き止めてしまったからである。
ちなみにメイキングによると、実はこのシーンが星野さんの撮影上のファーストシーンだったそうな。
最初のシーンでこんなドスの利いたキャラを悠々と演じてしまうあたり、さすが星野さんである。
それはともかく、佐々木が、記憶を消す薬を小百合のところへ持ってくる。

緑色の液体の入った注射器を手に、うっとりとした表情になる小百合。
小百合「さぁ、新しいあなたに生まれ変わりなさい」
優しく語りかけながら、白い腕に刺そうとするが、縛り方がゆるゆるだったので、腕を振り払われて注射器が床に落ちて割れてしまう。
小百合「こぉの、じゃじゃ馬娘!」
怒りに任せて零の顔を引っ叩く小百合。
自分も星野真理さんに、口汚く罵られながらビンタされたいと思った人、手を上げて!
……あれ? 俺だけ?
その後、色々あって、零が注射をされる前に、雷が敵に見付かって騒ぎとなり、結局再び彼らに捕まってしまう。
雷が目覚めると、地下のボイラー室のようなところにいて、手錠で車椅子に縛り付けられていた。

小百合「最後まで頑張ったのに残念ね、でも、世の中にはいくら頑張ってもどーにもならないことだってあるのよ」
雷「頑張ればなんだって出来るわ、私はそう信じてる!」
小百合「いつまで強がりが続くかしら?」
そこへ、同じように車椅子に乗せられた零が運ばれてくる。
雷「私はどんなことをされても、もう絶対に忘れないわ!」
零「私だって忘れない!」
小百合「ふふ、忘れないって……あなたたち一体何を思い出したって言うの? たかだか自分の名前だけじゃない。あなたたち、自分が何人姉妹だったか覚えてる?」
零「姉妹?」
雷「それは……」
力強く決意表明する二人だったが、小百合に問われると、たちまち自信をなくして口篭る。

小百合「ほら見なさい。あなたたちは一度記憶消去アンプルを打たれているの、前の記憶を完全に取り戻すには、記憶回復アンプルを打たなきゃいけない」

小百合の台詞に合わせて、保管庫の冷蔵庫の中の二つの薬のアンプルが映し出されるが、これで、ほとんどの人にはオチが分かってしまったと思う。
つーか、ショッカーじゃあるまいし、なんでわざわざ記憶回復アンプルなんてものを用意しとるんだ?
だいたい、そんな凄いアイテムを持ってるなら、普通にそれで特許取って製薬会社に売り込めば、途方もない巨利を得ることができるだろう。
それなのに、こんな一銭の得にもならない仕事に血道を上げる彼らの気持ちが分からない。
このシナリオの最大の疑問点は、何故石川家がそうまでして銭形家を憎み、潰そうとしているのか、その理由がまったく説明されていない点であろう。
恨むなら、普通は石川五右衛門を処刑した秀吉、つまり豊臣家を恨むのが筋と言うものだろう。
たとえば、秀吉の命令で石川五右衛門を捕まえたのが銭形家の先祖だったとか、台詞だけで良いから説明が欲しかったところだ。

小百合「でも、あなたがこれから打たれるのは今度も薬を消しちゃう方……もう一度記憶のリセットをしてあげるわ」
雷「また私たちにおじいちゃまを狙わせる気?」
小百合「暗殺は飽きたわ、今度はもっと素敵なこと、あなたたちを殺し合わせるの」
雷「なんですって?」
小百合「私は銭形の名前を聞いただけで虫唾が走るのよ! 銭形の血筋が大嫌いなの!」 初めて感情を爆発させて、その本音を吐き出す小百合。
考えれば、彼女も幼い頃から両親や一族の大人たちから、銭形家に対する得に理由のない憎悪を刷り込まれて、こんな性格になってしまったのだろう。
思えば、彼女も石川一族の犠牲者のひとりと言えるかもしれない。
小百合「だから、あなたはこの子を、そしてあなたはこの子を殺すように洗脳してあげる」
零「そんなこと! 私たちは絶対にしないわ!」
小百合「絶対にするの、おあいにくさま……血を分けたいとこ同士が殺し合うなんて、なんてファンタスティックなのかしら!」
凛然と叫ぶ零を一蹴したかと思えば、両手を合わせてうっとりした眼差しで微笑む小百合。
この映画、はっきり言って、星野さんの独壇場である。
その分、肝心の雷と零の存在感が希薄になっている憾みがある。
なにしろ、多くのシーンで、二人とも本来のキャラクターをロストしている状態だから、それも当然か。
零はまだしも、雷などは9割方洗脳された状態なので、その魅力をほとんど発揮できておらず、その点、小出さんは貧乏籤を引かされていると言えなくもない。
ま、その埋め合わせのように、次のチャンパラシーンでは雷のクールなカットがたくさん出て来るけどね。
ともかく、二人は記憶消去アンプルを打たれ、再び記憶を失う。
その上で、佐々木が催眠術によって、互いが互いを殺し合うよう、新たな記憶を植え付ける。
森の中へ移動し、それぞれに日本刀を持たせて向かい合わせると、二人はプログラムどおり、互いに殺し合いを始める。

零「ここで会ったが百年目」
雷「お命頂戴!」

刀を抜いて間合いを取りつつ向かい合う二人。
ここも、ちゃんと専門の殺陣師を入れて本格的なチャンパラシーンにすれば、それなりに盛り上がるし、中盤のレーザー網突破シーンのトホホさも幾分かは薄められていたのではないかと思うが、志の低いこの映画にそんな甲斐性がある筈もなく、立ったまま、せいぜい4、5回ほど剣を交える程度である(註・メイキングを見ると、ちゃんと殺陣師が指導してるけどね)。
スタッフ的には、制服美少女が日本刀を構えてカッコ良くポーズを決めているビジュアルがあれば、それで十分なのであろう。

ちなみにこのシーンに限っては、前述のように小出さんのほうが圧倒的に「絵」になっている。

夏帆も頑張っているが、この、刀を頭上に構えた時に、胸が少し張り出るのが目を引く程度だ。
おまけに、決着が付かないと見て、途中で戦いをやめさせ、銃を持たせて撃ち合いをさせると言うぐだぐだな展開。
背中に合わせになって数歩進み、振り向きざまに撃ち合うのだが、
零「謎は解けたよ」
雷「ワトソン君!」
その際、二人は奇妙なタイミングで、事件の謎を解いたときの決め台詞を放つ。
銃声の後、二人はその場にばたりと倒れる。
小百合「バカねえ、ワトソンだって、ふふっ」
佐々木「三つ子の魂百までってことでしょう」
てっきり二人が死んだものと思い、小百合たちが笑いながら引き揚げようとしていると(死体の確認をしないのは相当変だが)、何処からか鐘の音が聞こえてくる。

零の声「大泥棒・石川五右衛門が生まれたのは永禄11年、亡くなったのが文禄3年、さて、五右衛門の生涯は何年だったのでしょう?」
テレビ版でお馴染みの、お仕置き前の零からの出題である。

小百合「え、永禄? 文禄? 西暦何年?」
佐々木「存じ上げません!」
小百合「あうっ……」
悪役なのに、思わず真面目に質問に答えようとする小百合が可愛いのである!
しかし、仮にも石川五右衛門の末裔を名乗るなら、それくらいのことは知ってるべきなのでは?
ここで死んだ筈の雷と零が元気に登場し、互いのケータイを交換すると、
雷「雷鳴轟く積乱雲」
零「諸行無常の響きあり」
雷「何枚腹巻重ねても」
零「零をかければ0なりき」

雷「その名も人呼んで、ケータイ刑事・銭形雷」

零「その名も人呼びて、ケータイ刑事・銭形零」

雷&零「私たちのお仕置き、受けてみな!」
雷と零、それぞれの決め台詞と、舞の決め台詞をミックスした台詞を放ち、二人一緒に巨大な光球を作り出す。
で、それをそのまま投げれば良いのにと思ったのだが、

ここで、やらずもがなの、早い、安い、へぼいの三拍子揃ったCGで作られた情けない龍となり、小百合たちに襲い掛かる。

小百合たち、零の輪っかを嵌められた上、雷の電撃を落とされる。
小百合「ああーっ、五右衛門様ぁああああああーっ!」

そしていつものように倒れながら白い煙を口から吐くのだが、

量が多過ぎたのか、星野さんがその後で思いっきり粉を吐いているのがちょっと笑える。
あと、上の画像では、佐々木がエクトプラズムか、「明日のジョー」の綺麗なゲロを吐いているようにも見える。
小百合「一体どうなってんの? あの子たち記憶消したんじゃなかったの?」
小百合、地面をバンバン叩いて佐々木を叱り付けるが、佐々木にもさっぱり理由がわからない。
ここで雷による、謎解き……というほどでもないが……がされる。
それこそ言うまでもないことだが、雷が、隙を見て、保管庫に忍び込み、冷蔵庫の記憶消去アンプルと、記憶回復アンプルとを入れ替えておいたのだ。
どちらも色は同じで、アンプル自体も同じだったので、ラベルを取り替えるだけで良かったのだ。
だから、小百合は二人の記憶を消すどころか、元来の記憶を回復させてしまったのだ。
小百合「さっきの撃ち合いは全部御芝居だったって言うの?」
零「もちろん」
雷「あなたたちを一網打尽にする為の時間稼ぎだったんです」
小百合「時間稼ぎ?」
小百合が鸚鵡返しにつぶやくと、上空から、無数のヘリの群れが飛んでくる。
もっとも、実際に画面に映るのは、1機だけである。あとはみんなSE。
そのヘリも、確か警視庁か何かのヘリがたまたま飛んでいたのを撮ったものである。
ううっ、もうビンボーはいやだぁあああっ!! 零「ちなみに永禄11年を西暦に直すと1568年、文禄3年は1594年、だから答えは26年です。以上、証明終了。QED」
零、最後にクイズの答えを教えてやるが、没年はともかく、生年ははっきりしないので、こちらは映画独自の説であろう。
でも、たくさんの子分を連れて暴れ回ったという大盗賊にしては、没年が26歳と言うのはいささか若過ぎないか?
ともあれ、そこへ柴田や他の刑事たちも駆けつけ、小百合たちを取り囲み、さすがの女賊もななすべもなく逮捕される。
魂が抜けたような顔で茫然と歩いていた小百合だったが、ふと立ち止まり、
小百合「石川や、浜の真砂は尽きるとも、世の盗人の種は尽きまじ」

小百合「五右衛門様、辞世の句よ、石川家は滅びない、絶対に……ふっふふっ、ふっははははっ」
狂ったように笑いながら、連れて行かれる小百合。
最後まで圧倒的な星野さんの存在感&演技力であった。
ま、この役がきっかけになったのかどうかは知らないが、前述したように星野さんはこの後、「銭形海」などに、恋愛泥棒マリンという、不思議な泥棒として出演することになる。
ラスト、今回の活躍(?)によって、松山は巡査長、岡野は念願の警部に、それぞれ昇進する。
さらに色々やりとりがあるのだが、特にどうでも良いのでカット。

雷&零「でも、地上最強のコンビは私たちよ、イェーイ!」
最後は、二人がノリノリでハイタッチをしたり、はしゃいだりした後、両手を高々と差し上げたところで「幕」となる。
なお、小出さんはこの後も「海」の舞台にゲスト出演したりして、雷を演じているのだが、夏帆さんは、これが正真正銘、最後の零になった……と思う。
以上、劇場版第2弾のレビューだったが、思った以上に星野さんの存在感が大きかったことに驚いている。
主役の二人が霞んでしまうほどだが、劇場版1作目には欠けていたものがなんだったか、鮮烈に教えてくれているような気がする。
それはヒロイン以外の美少女……じゃなくて、強くて賢くて魅力的な悪役の存在なのである。
ま、1作目の場合、それ以前の問題だったような気もするが……
とにかく、超低予算映画ながら、最後まで飽きずに見れるのは大きいし、雷と零の出番の比率も適性で、全体的に満足度の高い作品であった。
これで、レーダー網突破シーンが、もうちょっとどうにかなってたらなぁ。
ほかに不満を挙げれば、ギャグがいまいちだったことだろうか。
特に松山が何度も何度も穴に落ちたり、カラスの糞を落とされたりするギャグは、ほとんど無声映画時代のセンスで、とても寒かった。
それにしても、これで雷とお別れになってしまうかと思うと、とても寂しい管理人であった。
ま、「銭形海」の舞台版のDVDには雷が出ているらしいが、舞台をレビューする気にはなれないし、レビューとしてはこれが最後となりそうである。
関係ないが、この前、「過激派オペラ」と言う小出さん主演の変な映画を見たのだが、のっけから、ヌードの女性が出てきて、しかも同じくまっぱだかの小出さんと抱き合うと言う、物凄い掴みだった。
雷のイメージが強い管理人にとっては、かなりショックだったが、幸か不幸か、最後まで乳首やお尻は見せてくれないままだったような気がする。
気がすると言うのは、クソつまんなかったのでほとんど早送りしちゃったからである。
(気を取り直して)最後までお読み頂きありがとうございました!
編集後記&おまけ 予定を変えて「海」のレビューを先に公開したので、結果的に、この劇場版が「ケータイ刑事」シリーズの最後のレビューとなってしまいました。
と言う訳で、心残りのないよう、最後にメイキングやオフィシャルブックの付属DVDの画像をいくつか貼っておきたいと思います。

まず、婦警に扮した二人が美脚を披露しつつ、空き時間に駄弁っているという、荒みきった心が洗われるようなシーン。

二人のやりとりから、実は二人が幼馴染み、それも隣同士の家に住んでいたことが判明するのだが、

それはその場で作った嘘なのだった。
まるでワシのレビューみたいである。
もっとも、二人が以前同じアイドルグループに属していて、この撮影の前から仲良しだったのは紛れもない事実である。

続いて、本文でも触れたが、制服の下で暴れる隠れ巨乳を躍動させながら、自転車を走らせる零。
現場の男性スタッフの目が、その胸に吸い寄せられるように集まっていたのは言うまでもあるまいっ。

これも映画から、刀を構えて決めポーズを取っている雷。
本編でも貼ったが、実に凛々しい姿である。

今度は、テレビ版のとあるエピソードの撮影後、メイキングのカメラに向かってダブルピースサインを可愛く決める雷。
この落差がたまらんのです。

別の現場で、カメラに向かってパンチを繰り出す雷。

ここでさりげなくワキをサービスしてくれるところが良いですねっ!
ま、こんなのをいちいち貼っていたらきりがないので、

最後は、小出さんが作詞もした劇場版主題歌のPVから、いつも以上に可愛く撮れている雷の激カワスリーショットで締めましょう。
ああ、かわええ……
でも、キャプすると、ビデオ撮りということもあるんだろうが、映像で感じられる可愛さがそのまま伝わらないのが憾みである。
ともあれ、これにて、ほんとのほんとに今度こそ「ケータイ刑事」シリーズのレビュー、終わりです!
長い間のお付き合い、ありがとうございました!
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