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「仮面ライダーX」 第7話「恐怖の天才人間計画!」


 第7話「恐怖の天才人間計画!」(1974年3月30日)

 最初にお断りしておくと、6話は、なんとか途中まで頑張ってキャプしていたのだが、あまりのつまらなさに挫折し、結局スルーさせていただくことにした。

 と言う訳で、第7話である。

 冒頭、背中に白いマントのような布を付けた少年少女が、鉄塔やビルの屋上から飛び降り自殺するというショッキングな映像。

 その新聞記事を憤懣やるかたないといった顔で読んでいるおやっさん。

 
 立花「これで23人目だ、23人もの小中学生が飛び降りをやった。それも何の理由もなくだ」
 敬介「俺はこれにGODが絡んでるような気がする」
 立花「目的はなんだ、どんな手ぇ使って飛び降りさせたんだ? えっ?」
 敬介「……」
 立花「しかもGODが絡んでるとなりゃこれからも事件は起こるぞ!」
 敬介「……」

 おやっさんが興奮気味にまくしたてるが、敬介は何か考え事でもしているように、腕を組んだまま悠然と構えている。

 
 立花「なにぼんやりしてんだ?」
 敬介「あ、いや、なんだか、死んだオヤジに叱られてるような気がして……」

 おやっさんがどやしつけると、敬介は懐かしそうな顔をしてつぶやく。

 立花「そんな暢気なこと言ってる場合か、次は誰が狙われるかっ!」

 血気盛んなおやっさん、「こんな仕事やってられるか」とばかりに、エプロンを脱いでカウンターに叩きつける。

 この連続自殺の謎こそ、今回の最大のキモかと思われたが、

 
 イカルス「飛べるのだ、飛べるのだ、あや子、その白い服さえ着れば、お前は自由に空を飛べるのだ」

 次のシーンでは、今回の怪人イカルスが空を飛びながら、

 
 今までの子犠牲者と同じ背中に白いマントをつけた、セーラー服姿の少女に高所から飛び降りるよう唆していて、あっという間にネタが割れてしまう。

 なんだかなぁ……長坂さんらしくないなぁ。

 
 あや子「飛べるんだわ、私、この服さえ着てれば空を飛べるんだわ」

 それはともかく、このあや子と言う女の子がなかなか美形なのです。

 蓮見里美さんと言うのだが、

 
 あや子「やっ!」

 最後にはやはり飛び降りてしまい、あえなく死んでしまうのが実に勿体無い。

 ちなみにあや子を見つけた作業服の男性が止めようとして、イカルスに毒液を吹きかけられて消滅すると言うシーンがあるのだが、はっきり言って要らない。

 イカルス「ふふふふ、これで24人だ」

 イカルスが成果を誇っていると、いつものようにGOD総司令からの愛のメッセージオブジェが目の前にあらわれ、

 
 総司令「イカルス、命令を伝える。お前の第一段階の少年少女自殺計画は既に見事な成功を収めた、ただちに第二段階へ入れ。大門寺博士をノイローゼと絶望のどん底に陥れ、天才人間の研究をめちゃくちゃにしろ。そして博士をGODの組織に引き摺り込むのだ」
 イカルス「了解」

 総司令の命令で、子供たちを自殺させたのが、大門寺博士なる人物を悲嘆の底に突き落とすためだと分かるが、このネタばらしも早過ぎるよなぁ。

 それに、「絶望のどん底に~」って言ってるけど、それを、あや子(大門寺の長女)を自殺させる前に言うのなら分かるけど、自殺させた後に言うのが、この次のシーンで現に博士があや子の遺体を前に悲嘆に暮れているのと相俟って、なんかちぐはぐな感じを受けるんだよね。

 一方、おやっさんと敬介は、そのあや子が飛び降りた現場に来てあれこれ調べていた。

 もっとも、一連の犠牲者はイカルスに催眠術をかけられ、自分が空を飛べるように思い込まされて飛び降りているので、特に手掛かりらしいものはなかった。

 
 立花「ところで大門寺博士と言えば、この10年、密かに天才人間の研究を続けてきた人だ」
 敬介「死んだオヤジから聞いてます。並の人間の10倍の頭脳と体力、そして正義の心を持つ少年少女の研究……」
 立花「うん、悪用されると大変なことになると思っていたが、この事件で死んだのが大門寺博士の娘さんのあや子さんだとなると……」
 敬介「おやじさん、俺が調べます」
 立花「うん」

 おやっさん、本格的な調査を敬介に一任すると、これっきりドラマからフェードアウトしてしまう。

 さっきの意気込みは一体なんだったんだ……?

 あと、「密かに~続けてきた」と言うのに、なんでそれをおやっさんが知ってるんだ?

 ついでに、頭脳と体力の強化はともかく、「正義の心を持つ」人間に人格改造までしたらあかんのとちゃう?

 それはともかく、敬介はただちに大門寺博士を訪ねるが、博士がまず見せてくれたのは、少年少女の写真が貼られたアルバムであった。

 奇異なことに、それらはすべて自殺した少年少女たちであった。 

 
 敬介「どうしてこの写真がここに? あなたもロリコンなんですか?
 大門寺「私は天才人間計画をある程度完成させた。そして特に優れた小学生中学生を募ったうえ、本人の了解を得て、私の作ったこの薬を飲んでもらった。それがここにある写真の子供たちだ」
 敬介「それじゃ、まさか?」

 明敏な博士は、すぐに敬介の言いたいことを察して、

 
 大門寺「私もそれを心配している。子供たちの謎の死が私の薬の副作用によるものではないかと……」

 ……

 いや、あんた、えっらい落ち着き払ってるけど、自分が実験に使っていた子供たちがほぼ全員自殺したと言うのに、そんなにのほほんと構えてる場合じゃないでしょう?

 普通考えたら、子供たちの親が集団で怒鳴り込んできて博士をボコボコにしている筈である。

 そうでなくとも、まともな神経の持ち主なら、原因が何であれ子供たちの大量死に責任を感じてそれこそノイローゼになってて当然だと思うが、こんなに泰然としていられると言うのは、サイコパスか、既に発狂しているかのどちらかだろう。

 それはともかく、ファイルの中にはあや子の写真もあった。

 そう、博士は自分の娘まで実験台にしてやがったのである!

 敬介「あや子さんまで……」
 大門寺「あや子まで謎の死に方をした。これで私の薬を飲んだ子供たちは一人を残して全部……」

 大門寺、まるで実験用のモルモットが死んだように、自分の娘の死を淡々と語ると、意味ありげな視線を庭のほうへ向ける。

 
 瀬山「さあ、冬子さん」

 見れば、博士の次女であや子の妹である冬子が、姉の死を悼んでしくしく泣いており、それをひとりの若者が慰めていた。

 
 大門寺「あれは瀬山と言ってね、私の優秀な助手だ。冬子は瀬山に好意を持ってるんだよ。ふふ、大きくなったら結婚するんだなんて言ってね……だが、こうなると冬子は成人するまで生きていてくれるかどうか」

 大門寺のさりげない一言に、敬介は再び目を剥く。

 敬介「それじゃ、博士?」
 大門寺「そのリストの続きを見てみたまえ」
 敬介「……」

 敬介が慌ててページをめくると、アルバムの最後にその冬子の写真が貼ってあった。

 大門寺「私が薬を与えたもので、まだ生きてるのは今はあの冬子だけだ。だからもしかすると、冬子も……」
 敬介「……」

 いけしゃあしゃあと、まるで他人事のように言ってのける博士を、(一体何を考えるとるんだ、このおっさんは?)とでも言いたげな目で睨む敬介。

 ほんと、GODより大門寺博士のほうがよっぽど怖い。色んな意味で。

 敬介、大門寺博士にツッコミを入れるのは後にして、決然とした顔で進み出ると、

 
 敬介「大門寺博士、そんなことはさせやしません。幼稚園の頃から目をつけていた、あの冬子さんが死ぬなんて……絶対俺がさせやしません! ロリコンの名に懸けて!

 じゃなくて、

 敬介「大門寺博士、そんなことはさせやしません。あの冬子さんが死ぬなんて……絶対俺がさせやしません!」

 と、雄々しく約束して見せるのだった。

 大門寺家は苗字の割りにキリスト教を信仰しているので、あや子の葬儀・埋葬も教会で行われる。

 ちなみに、なんとなく、昔の特撮ではキリスト教の家が多い気がするが、たぶん、深い意味はなくて、キリスト教式のほうが仏式と比べて、儀式などの面で予算や手間を省けるからだろう。

 キリスト教式なら、セレモニーも、本作のように富士乃幸夫さんに神父の格好させて墓の前で聖書の一節も読ませれば済むが、これが仏式なら、お経が読めるお坊さんひとりこしらえるだけでも大変だからね。

 どうでもいいが、富士乃さん、スルーした6話では、事故死したバス運転手を演じてました。こういう雑なキャスティングが、いかにも昔の特撮である。

 
 それ以上にどうでも良いのだが、あや子の十字形の墓標だが、「マリアエリザベート」って、「イナズマンF」22話に出てきた白鳥ジュンの墓標にも同じ名前が書いてあったような気がするが……まさか、これも使いまわし?

 ま、順番で言うとこっちが先だから、「F」が使い回したことになるのかな?

 それはともかく、みんなが神妙な顔で俯いていると、いつの間にか冬子の姿が消えている。

 瀬山「先生、まさか冬子さん、ショックで変な気を起こして……」
 大門寺「探せ、探してくれ」

 やがて、遠くから「助けてー」と言う冬子の声が聞こえてくる。

 無論、GODの仕業であった。

 敬介と瀬山が彼女を助けようと追いかけるが、途中でイカルスがあらわれ、敬介の行く手を阻む。

 敬介、Xライダーに変身してしばしイカルスと戦い、なんとか撃退する。

 だが、冬子は、何度か敬介を助けてくれた謎の女性・霧子に手を引かれて無事に戻ってくる。

 
 敬介「冬子さん!」
 霧子「危ないので冬子さんは私が……」
 敬介「霧子さん、あなたはいつも涼子さんの後を追ってあらわれる。教えてくれ、君の正体はなんだ?」
 霧子「……」
 敬介「涼子さんがどうして俺とオヤジを裏切ったのか、教えてくれ!」

 今日こそ聞かずには済まさないと言う敬介の気迫に押されたのか、霧子は漸く自分と涼子との関係を打ち明ける。

 
 霧子「涼子は、私の姉です」
 敬介「姉?」
 霧子「双子の姉妹なんです。私たちは長い間離れ離れで育ちました。敬介さん、これだけは分かってやってください、姉は今でもあなたの婚約者なんです」

 敬介、顔を背けると、

 敬介「とても信じられない、だったら何故涼子さんは俺を?」
 霧子「敬介さん、私はあなたの味方です。冬子さんをお願いします」

 だが霧子はそれ以上詳しいことは言わず、さっさと走り去る。

 冬子「瀬山さんは?」
 敬介「……」

 冬子に言われて慌てて周囲を調べると、瀬山は頭から血を流して昏倒していた。

 冬子「瀬山さん、死んじゃいや! 私のために……」

 次のシーンでは、頭に包帯を巻かれた瀬山が自分の部屋のベッドで寝ており、そばに冬子が付き添っている。

 大門寺「もう瀬山君は大丈夫だ、部屋へ行って休みなさい」
 冬子「でも、私のために戦ってこんな目に遭ったんですもの」

 大門寺のそばに控えていた敬介が、部屋のあちこちに貼られている、翼の生えた空想上の生き物や飛行船、鳥人間コンテストの参加者など、とにかく空を飛んでいるモノを描いたイラストを見ていると、

 
 冬子「瀬山さんはねえ、空を飛ぶということに物凄い夢を持っているの。お父さんの仕事を手伝う時以外は、いつもそんな話……私たちね、人間が本当に鳥のように空を飛べたらっていつもそんなことばかり話してるの」

 敬介の無言の問い掛けに答えるように、冬子が幸せそうな笑みを浮かべて説明してくれる。

 あ、言い忘れていたが、冬子役は「キカイダー」などで、全国のロリコン戦士たちの注目を集めていた遠藤薫さんです。

 なお、実際に空を飛べるイカルス(瀬山)が、そんな夢を抱く訳がないので、これは冬子(他の子供たちにも?)に、人間が空を飛べると言う夢、あるいはイメージをあらかじめ刷り込んでおくためだったのだろう。

 しかし、考えたら、この家には冬子の姉のあや子も住んでいたのだから、年齢から言って、瀬山と恋に落ちるのはあや子のほうが自然だったのではないかと言う気がするが……

 冬子たちがいなくなった後、机の上に置いてあった大黒天か何かの木彫りの人形の目が光り、

 
 総司令「命令を伝える。Xライダーを殺せ。さらにGODの一員になることを拒否した大門寺博士にもう用はない。すぐ殺してしまえ」

 イカルスこと瀬山に新たな命令を伝える。

 でも、劇中、大門寺がGODの要求を拒絶したなんてシーンはなかったし、大門寺の態度を見る限り、GODのことは今まで全然知らなかったみたいなんだけどね。

 そもそも最初のプランでは、

 1 あや子や子供たちを自殺させる

 2 博士をノイローゼにする

 3 天才人間計画を阻止する

 4 その上で、博士をGODの仲間に引き込む

 と言う流れだったのに、まだ博士がノイローゼになってもない段階で、4を諦めてしまうというのは、どう考えても理屈に合わない。

 だいたい、こんな七面倒臭いことをせずとも、最初からあや子か冬子を人質にして、大門寺を脅迫してGODに引き入れれば済む話ではないか。

 管理人が思うに、今回のストーリーがいまひとつ弾けないのは、GODの目的があやふやなことである。

 博士の天才人間計画を邪魔したいのか、それとも自分たちのために利用したいのか、それが定まっていないように見えるのである。

 だから、今回の少年少女の自殺に必然性を持たせようと思ったら、

 1 博士が天才人間計画を推し進めている

 2 GODが、実験台の少年少女に自殺させる(未遂でも可)

 3 それによって社会的非難を浴びた大門寺が、人生に絶望し、社会に復讐しようと考える

 4 大門寺に、GODのために働く「悪の天才人間」を作るよう(瀬山が)唆す

 これは一例だが、こんな感じにしなければいけなかったと思う。

 いや、長坂さん自身ももっとドラマ性の強い話にしたかったが、上からちびっ子にも分かりやすい話にしろと言われて、やむなくこんな風にストーリーを簡略化してしまったのではあるまいか。

 閑話休題、命令を受けたイカルスは、バイクで走っていた敬介に空から爆弾を投げつけて葬り去る。

 CM後、

 
 冬子「瀬山さんの話、いつもとっても素晴らしいわ。飛行機なんかに乗らなくても人間が空を飛べるなんて、ロマンチックだなぁ」
 瀬山「天女も天使も、どうして白い服を着て空を飛ぶか知ってるかい? 白は心の綺麗な人の色だからさ」
 冬子「だから空を飛べるのね」
 瀬山「そうさ、白は醜いものを忘れさせる、だから僕は、君の履いてる白いパンティーが大好きなんだ」
 冬子「えっ?」
 瀬山「えっ?」

 じゃなくて、

 瀬山「そうさ、白は醜いものを忘れさせる、だから僕は、この白い花が大好きなんだ」
 冬子「私もよ」

 あと、瀬山すなわちイカルスが、任務のために近付いた冬子のことが本当に好きになってしまい、任務と恋の板ばさみになって苦しむ……みたいな展開・描写も、長坂さんがやりたかったことではないかと思うが、考え過ぎかな?

 その後、瀬山は山の中の寂れた神社に行き、鈴を鳴らして手を合わせると、

 
 お堂の扉がひとりでに開き、

 
 その向こうから、全裸の女性のマネキン人形があらわれる。

 ……

 油断していると、こういう強烈なギャグに不意討ちされるのが、70年代の特撮のトレビアンなところなのである!

 総司令は直立不動の瀬山に対し、

 
 総司令「イカルス……」
 瀬山「総司令!」
 総司令「お前なー、今週だけで三パターンだぞ!! 少しは考える方の身にもなれよ!!」
 瀬山(知らんがな……)

 じゃなくて、

 総司令「イカルス……」
 瀬山「GOD総司令、ご命令どおり神敬介は始末しました」
 総司令「よし、次は大門寺博士を殺し、冬子も死に追い込め」
 瀬山「了解」

 ちなみにGODが天才人間計画を潰そうとしているのは、博士によって作り出される正義の心を持つ天才人間たちが将来GODの強敵になることを防ぐためなのは明白だが、肝心の天才人間たちのスペックが、おやっさんの台詞以外、まったく表現されていないのが今回のシナリオの遺憾なところである。

 冬子だって薬を飲んでいる筈なんだから、劇中、彼女が超人的な頭の良さを示すシーンがあっても良かったと思う……と言うより、ないと駄目だと思うんだけどね。

 この後、瀬山は大学構内で博士を殺そうとするが、やはり生きていた敬介に阻止される。

 瀬山は戦闘員に敬介と戦わせる一方、博士の家に戻って冬子と会い、彼女からプレゼントされたばかりの天使の形をしたペンダントを使って催眠術をかけ、線路上の陸橋の上から飛び降り自殺をさせようとする。

 いや、普通に殺せばいいやん……

 自分がイカルスであることはもう博士にバレてしまった後なのだから、いまさら自殺を装って彼女を殺す必要はあるまい。

 ま、それを言うなら冬子を殺す必要自体ないし、さらに言えば、大門寺を殺す必要もないんじゃないかと思う。

 いくら厚顔無恥の博士でも、被験者がほぼ全員自殺してしまったと言うのに、なおも計画を続行しようとする筈がないからである。

 つーか、被験者23人が自殺した時点で、博士、警察から取調べを受けてないとおかしいよね。

 下手すりゃ薬の副作用が原因と言うことで、業務上過失致死de刑務所へゴー! である。

 それはさておき、飛び降り自殺しようとした冬子を寸前で救ったのは、またも霧子であった。

 
 霧子「冬子さん、危ない! ……お姉さん?」
 涼子「……」

 と、少し遅れて反対側から涼子が駆けつけるが、敬介がバイクで向かっているのを見て、すぐに逃げ出す。

 敬介「霧子さん、冬子さんのことは頼む、俺はイカルスを倒してくる」

 敬介、冬子の無事を見届けると再び走り出すが、

 冬子「瀬山さんがイカルスに狙われるかもしれない」

 まだ瀬山の正体を知らない冬子、そう言って駆け出す。

 瀬山ことイカルスは、整地された空き地のうえで敬介を待ち受けていた。

 
 敬介「イカルス、俺はお前を許せない。お前は23人もの罪もない子供とあや子さんを殺した。その上冬子さんまで殺そうとした」
 瀬山「それでは冬子は死ななかったのか?」
 敬介「構えろ、イカルス」
 瀬山「来い、神敬介」

 と、その時、冬子が白いマントをはばたかせながら、「瀬山さーん、何処なのー?」と大声で呼びながら斜面を下って走ってくるのが見えた。

 敬介「姿を変えろ、イカルス」
 瀬山「……」
 敬介「早くしろ、イカルス」
 冬子「瀬山さーん」
 敬介「イカルス、その姿を冬子さんに見せるな!」

 敬介、せめて冬子には瀬山の正体を知らせまいと、必死に叫ぶが、

 
 瀬山「ふっ、どんな姿で戦おうと俺の勝手だ!」

 瀬山は敬介の気持ちを見透かしたように、なかなか変身しようとしない。

 あ、言い忘れてましたが、瀬山を演じるのは同時期の「ウルトラマンレオ」に出ていた手塚しげおさんです。

 敬介、やむなく瀬山に殴りかかり、無理にでも怪人の姿にさせようとする。

 瀬山も、別に冬子を悲しませるのが目的ではないので、あっさりイカルスに変身する。

 うーん、ここは、殴られても瀬山が変身せず、逆に敬介が冬子から白い目で見られると言う、「人造人間キカイダー」っぽい展開が見たかったところだが、中盤ならともかく、もう終盤だからね。

 ともあれ敬介もXライダーに変身してラス殺陣となり、卑劣なイカルスを倒して事件は解決する。

 そこへやっとあらわれた冬子は、あの天使のペンダントを拾い上げ、

 
 冬子「瀬山さんがイカルス……」
 敬介「イカルスは倒したよ。瀬山君は君によろしくって遠いところへ出かけた」

 なんか微妙に噛み合ってない会話。

 冬子は明らかに瀬山の正体を知ったのに、敬介がすぐバレるような嘘で誤魔化そうとしているように聞こえるのである。

 

 
 形見のペンダントを握り締め、天国から聞こえてくるような鐘の音を聞きながら、目に涙を浮かべて瀬山の好きだった空を見上げる冬子。

 この冬子の態度も、単に瀬山が去ってしまったことを悲しんでいるのか、その正体がイカルスだったことを知って悲しんでいるのか、どっちにも取れるんだよね。

 まあ、普通に考えれば、瀬山の正体には気付いていると思うのだが……

 ラスト、去って行く敬介に、大門寺が感謝の言葉を述べた後、

 大門寺「私はあの天才人間計画を中止することにした。やはり人間は自然にしておくべきだ」

 と、計画の中止を告げる。

 ……

 じゃあ、さっきまでは続ける気だったんかいっ!

 繰り返しになるが、普通の人間なら被験者が23人死んだ時点できっぱり断念してると思うんだけどね。

 おっそろしいオヤジだ。

 
 敬介「そうしてください。改造人間は俺を最後にしたいもんだ」

 博士の言葉に笑顔で応じた後、さりげなくも重々しい言葉をつぶやく敬介。

 以上、導入部は期待できるのだが、それ以降がいまひとつの惜しい作品であった。

 あと、サブタイトルに「恐怖の天才人間計画」ってあるのも、内容と合ってなかった気がする。

 内容をそちらに合わせて、大門寺が名実共にマッドなサイエンティストで、薬物で天才人間を作ろうとして、副作用で自分の娘まで自殺させてしまう話にしたほうが、数倍面白くなっていたと思う。
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コメント

東映では悪役

手塚しげおさんは東映特撮では基本的に悪役ですね。
レオ出演はこの年の8月からです。
佐藤隊員は人間には優しいが怪獣や宇宙人には非情だったりします。優しさと怖さの両面を見せるアクション俳優それが、この頃の手塚さんでしょう。

GODの目的

管理人様の仰るとおりどうもGODの目的が今一つ分かりにくいようですね😅何故、最初からシンプルに娘のあやこか冬子を誘拐して“娘を返して欲しくばGODに協力しろ”と言わなかったのでしょうか?大門寺博士の発明も如何にも悪の組織が飛びつく(或いは欲しがる)ような物騒な案件のようですね😅

粗が見所?

どうしようもないエピではなくて惜しい所が沢山あるのが
レビュアーとしては腕の見せ所な話だったでしょうか。

大門寺博士は他の作品にも出演していそうですが、さて…?

より恐ろしい

仰るように大門寺博士はGODよりも恐ろしいですね。小中学生を人体実験するだけでも恐ろしいですが、彼らが自殺してもしれってしているのがある意味マッドサイエンティストより恐ろしいです。
GODも実験を餌に大門寺博士を勧誘すればよかったのに。

G(ゴタゴタが)O(多くて)D(どうにもならない)

GODの目的があやふやなのは正直この回に限らず作品通してそんな感じなので・・・
どうも『X』自体が相当ごたごたした状況下で作られたためか設定が錯綜している感じがします
例えばGODの設定も対立している大国(明らかにアメリカとソ連の暗示)が手を組んだ組織というものですが、怪人がギリシャ神話系だったり漫画版の第1話で首領がデーモン=ゼウスと呼ばれていたりでどうもギリシャ神話系の組織にする案があったっぽいんですよね

もしかすると今回のエピソードはギリシャ神話系の時点で書いた原案を設定変更に合わせて書き直したものなのかもしれません
それこそ原案では管理人さんの指摘通りイカルスが冬子を愛してしまい、任務との板挟みになる展開だったのかも

天才人間

ガンダムの強化人間みたいでヤダなぁ・・・
そんなシーンはないけど、フォウやロザミアが今話のような変な薬を飲まされてる・・・
と思うと、百年の恋も醒めちゃうよ!

リテイク希望

冒頭の二人目の少女と四人目の少女のシーンを入れてほしかったです。特に四人目の少女がお気に入りだったので、二人目の少女のシーンですが、本編では表情がわかりづらかったですが予告編では顔がアップになってたり落下位置も本編と微妙にズレいたりしてますのでその比較シーンも入れてほしいです。

人工の天才少年

「ソルブレイン」29話「子供帝国の反乱」での人工の天才少年は
ソルブレインの兵器;ギガストリーマーの複製品を造る大活躍。少年版ドクターマンみたいで健闘賞!

Re: 東映では悪役

なかなか味のある俳優さんですよね。

Re: GODの目的

何もかもあやふやなお話でしたね。

Re: 粗が見所?

うーん、正直、突っ込んでもあまり楽しくないアラが多かった気がします。

Re: より恐ろしい

> 仰るように大門寺博士はGODよりも恐ろしいですね。小中学生を人体実験するだけでも恐ろしいですが、彼らが自殺してもしれってしているのがある意味マッドサイエンティストより恐ろしいです。

どっちも悪人みたいな感じで、なんかすっきりしないんです。

Re: G(ゴタゴタが)O(多くて)D(どうにもならない)

> どうも『X』自体が相当ごたごたした状況下で作られたためか設定が錯綜している感じがします

確かに、全体的にちぐはぐな作品ではありますね。

> それこそ原案では管理人さんの指摘通りイカルスが冬子を愛してしまい、任務との板挟みになる展開だったのかも

いかにも長坂さん好みの話ですもんね。

Re: 天才人間

> ガンダムの強化人間みたいでヤダなぁ・・・

強化人間という設定自体、なんかウツになります。

Re: リテイク希望

そのうちやります。

Re: 人工の天才少年

「ソルブレイン」は惰性で録画してましたが、内容は全く覚えてないですね。

蓮見里美さんを探してたらここにw

過去記事への書き込みご容赦を
秘密戦隊ゴレンジャー 第71話[公式]が公開されていまして、敵のピアノ仮面の使う「まぼろしのバレエ少女」があまりにも美しかったので名前を調べたら蓮見里美さんでした。ググったらいつもの管理人様のブログにたどり着き、その記事のすそ野の広さに感銘した次第です。 今回セリフは一言もなく、山中をバレエ姿駆け回って登山客を誘い込み崖下に落とすという恐ろしい役でした。ここでは自殺する少女とか なんという美少女の無駄使いと思いました。 

Re: 蓮見里美さんを探してたらここにw

> 秘密戦隊ゴレンジャー 第71話[公式]が公開されていまして、敵のピアノ仮面の使う「まぼろしのバレエ少女」があまりにも美しかったので名前を調べたら蓮見里美さんでした。ググったらいつもの管理人様のブログにたどり着き、その記事のすそ野の広さに感銘した次第です。

ありがとうございます……と言って良いのかどうか分かりませんが。

ゴレンジャーはほとんど見たことないですね。

6話について

>6話は、なんとか途中まで頑張ってキャプしていたのだが、あまりのつまらなさに挫折し、結局スルーさせていただくことにした

私の基準では、スカイライダーでも使用された名曲「Xライダーアクション」が歌入りで使用され、怪人の人間態と声優のキャスティングも良い当たり回でした。ストーリーがむちゃくちゃで粗も多いことは否定しませんが。
ミノタウロス人間態の滝波さんはズバットの怪人でした。
音楽的なコメントは歌入りの使用が多いXライダーはV3以上にコメントが書きやすいことが分かりました。
MXはV3終了後にXが来そうなので放送に合わせてレビューしようと思います。

Re: 6話について

> 私の基準では、スカイライダーでも使用された名曲「Xライダーアクション」が歌入りで使用され、怪人の人間態と声優のキャスティングも良い当たり回でした。ストーリーがむちゃくちゃで粗も多いことは否定しませんが。

レビューでは音楽が流せませんからねえ。

まぁ、今だったら書いて書けないことはない気もします。

何がしたい?

どうもGODの作戦の意図というか戦略がイマイチ分からず仕舞いでしたね😅あやこまで結局は自殺してしまうし大道寺博士のやってる事もどうもあれですね(何がだよ😡)

Re: 何がしたい?

意味不明の作戦でしたね。

啓介

啓介は柔な感じの速水さんのイメージとはだいぶかけ離れているようですね😅

Xのベストエピソード

本話は、ゲストのキャスティングと選曲が自分好みだったのでXのベストエピソードという位置付けです。
BGMは流用曲が多めです。
イカルスがあや子に催眠術をかけるシーンの曲はV3のライダーマン初登場シーンの曲、飛び降りを止めようとした男性がイカルスに襲われるシーンの曲は初代とV3で頻繁に使用された曲です。初代の本郷とゲルショッカー戦闘員の初戦闘シーン、V3では第1話のにせ救急車による風見志郎襲撃シーンの曲としてファンにおなじみです。

ラス殺陣はXライダーしりとり歌がメインのバトルミュージックとして使用されました。初見ではXのアルバムを持っていなかったので何かの挿入歌メロディーであるということしか推測できませんでした。
今日はお気に入りのエピソード放送ということで寿司を食べてリアルタイムで見ました。

Re: 啓介

序盤はハードボイルドですね。

Re: Xのベストエピソード

いつもながら事細かなBGM解説、ありがとうございます。

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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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