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「人造人間キカイダー」 第30話「アカネイカ 美人女子大生を狙う」


 第30話「アカネイカ 美人女子大生を狙う」(1973年2月3日)

 冒頭、屋外で空手着をまとった大学生たちが実戦式の寒稽古をしている。

 
 その中には、キリッと引き締まった顔立ちの女子大生もいて、鋭い蹴りや手刀を放っていた。

 ぶっちゃけ、そんなに美人ではないのだが、割と好みのタイプであり、どうせなら彼女にヒロインを演じて欲しかったところだが、世の中はなかなか自分の思い通りには行かないものなのである。

 演じているのは中村万理さんと言う人だと思うが、良く分からない。

 
 で、彼女がひとり家路を歩いていると、後ろから下駄のような足音が急接近してくる。

 何事かと振り返ると、

 
 曲がり角から、いきなりイカの怪物が出てきちゃうのである!

 ドラマでは淡々とした演出で撮られているが、もし現実にこんなことが起きたと想像したら、めちゃくちゃ恐いシチュエーションである。

 イカ「俺の名はダーク破壊部隊アカネイカ!」

 
 万理「うっ!」

 だが、空手少女である万理ちゃん(仮名)は、恐れる色も見せずにファイティングポーズを取って対峙する。

 イカ「来てみろ、その脳味噌をもらう。アカネイカ・ドクロ飛行!」

 アカネイカ、頭部のヒレの部分を切り離して座布団のように飛ばすと、それを広げて万理ちゃんの体を覆い、その体を押し潰してしまう。

 ひでーことするなよ(真顔で)

 
 そして、どういう仕組みなのか、アカネイカがヒレをはぐると、その下に、彼女の頭脳をもとに作られた電子部品が落ちていた。

 いや、いくらなんでもダークの科学力、凄過ぎないか?

 こんなことが可能なら、とっくの昔にキカイダー以上のアンドロイドを作れていると思うのだが。

 
 イカ「この姿の方がずっと美しい。お前は俺の部品となって大いに役立つんだからな。ふーっはははっ」

 それがあのマスオさんの仕業とは信じたくはないが、アカネイカはその部品を自分の頭の四つのくぼみのひとつに嵌め込む。

 アカネイカが彼女の脳を欲しがったのは、彼女が格闘技の天才と言われている女子大生だったからで、それによって自分の格闘能力を高める為だったのである。

 ちなみに、SFコミック「銃夢LO」に、他人の脳チップをいくつも自分の頭に嵌め込んで自分の能力をブーストしているイカれたキャラが出てきたが、その元ネタがこれだったりして。

 
 続いて、これも天才的バイオリニストで絶対音感を持つ女子大が狙われ、アカネイカの餌食となる。

 彼女もなかなか綺麗だが、こちらはろくに顔も映してもらえないまま電子部品にされてしまう。

 これでは女優としても不憫なので、

 
 せめて、予告編に出てきた彼女の襲われている顔を貼っておくフェミニストの管理人でした。

 さらに、電子技術の天才女子大生、薬物学の天才女子大生が襲われ、アカネイカは戦闘に必要な様々な技能・知識を労せずして手に入れたことになる。

 
 ギル「ダーク破壊部隊がいつも決まってキカイダーに敗れてしまうのは、キカイダーの良心回路がその場その場の状況に応じて適切に判断する力を持っているからだ。お前たちにもしキカイダーと同等の、つまり人間の脳を組み込んだ判断能力を与えれば決してキカイダーに負けることはなくなる。アカネイカ、お前はそのテストケースなのだ」

 そして、ギルの狙いは、それによってキカイダー以上の判断能力を持ったアンドロイドを作り出すことにあった。

 しかし、良心回路はあくまで良心回路であって、判断能力とはあまり関係ないと思うんだけどね。

 もっとも、少なくともギルがそう考えているのは事実であり、だとすれば、前回、良心回路の設計図が失われたのをカイメングリーンが悔しがっていたことも納得できる……と言いたいところだが、ギルの部下のゴールドウルフには、最初から不完全ながら良心回路が組み込まれていたのだから、良心回路が欲しかったら、それを参考にして作れば良かったのである。

 イカ「私がキカイダーに勝つためには、格闘術、音感、電子技術、薬物学、ただそれだけでは十分とは言えないのです」

 だが、アカネイカは、イカの分際で、さらなる能力を欲しがり、ギルも仕方なく、城南大学の島村ちどりというロボット工学の天才女子大生を餌食にするよう命じる。

 ちなみに、なんで女子大生の頭脳じゃないとダメなの? などと言う野暮な質問はなしにしようぜっ!!

 アカネイカ、直ちに学校から帰宅中のちどりの前に現れるが、

 
 イカ「お前の脳味噌は貰った」
 ちどり「見たところ、グロテスクな体だけど、アンドロイドのようね」
 イカ「な、な、な、な、なにぃ?」

 その出現にちょっと驚いたものの、さすがロボット工学の天才だけあって、ちどりは恐れる色もなく分析すると、

 
 自分からイカに近付き、あまつさえ、その体を触ったりする。

 ちどり「なるほど、かなり精巧に出来ているわ」
 イカ「おおお……」
 ちどり「世界のロボット工学がここまで進んでいると思わなかったけど、あなた、国産品? それとも輸入品?」

 ちどりを演じるのは、次回作「01」でも、ちょっと変わった女の子を演じていた松木聖さん。

 美人ではあるが、あまり好みのタイプではない。

 え? 誰も管理人の好みのタイプなど聞いてないって? こりゃまた失礼いたしました。

 相手の予想外の反応にペースを乱され、まごつくイカであったが、なんとか気を取り直して、

 
 イカ「いい、俺の言ったことが聞こえなかったのか? お前の脳味噌は俺が貰うのだ!」

 改めて凄んで見せるが、

 ちどり「その言葉間違ってるわ」
 イカ「はぁ……」
 ちどり「脳味噌と言うのは俗語、脳髄って言うのが本当なの」
 イカ「はい」

 ちどりに指摘されて、思わず返事をしてしまうイカが可愛い。

 ちどり「それにね、あなたは勝手に貰うと決めてても、本人の私があげようと思ってないのに……」
 イカ「うう」
 ちどり「それは結局あなたの一人合点ってわけね。珍しいものを見せていただいてありがとう。さようなら」
 イカ「あ、さよう……」

 あろうことか、獲物に論破されるという、「悪の組織」始まって以来の醜態を晒しかけたイカであったが、

 イカ「待て、島村チドリ、待てぇーーーいっ!」

 ここで漸く我に返り、神社の境内を突っ切ろうとしたちどりを追いかけ、戦闘員たちと一緒に取り囲む。

 有無を言わさずちどりの脳味噌、いや、脳髄を奪おうとするが、その時、予定調和のごとくどこからかジローのギターが聞こえてくる。

 ジロー、タンカを切って神社の社の上から飛び降り、戦闘員を蹴散らしてちどりを守るが、

 
 ジロー「危ないから下がっていなさい」
 ちどり「危ないのはどっちです」
 ジロー「うん?」
 ちどり「あんな高いとこから飛び降りたりして。しかもこんな人たちを相手に」

 ちどりの恐るべきマイペースはジローに対しても同様で、母親のようにジローの無謀な行為を叱り、戦おうとするジローの腕を取って引っ張ると、

 
 ちどり「およしなさい、あなたは知らないでしょうけどね、この人たちはアンドロイドなんですよ」
 ジロー「いや、あの……」
 ちどり「怪我でもしたらどうするんです?」
 ジロー「いや、でも」

 生真面目なジローも、彼女を相手にしては調子が狂い、半平のような三枚目キャラになってしまう。

 伴さんがこんなコミカルな演技を見せるのは、「キカイダー」では唯一のケースではないだろうか。

 なお、今更だけど、クレジットにはスタントマンとして高橋健二、すなわち大葉健二さんの名前が出ているが、のちの「バトルフィーバーJ」では、この番組で主役を張った伴さんと、裏方の大葉さんが同じヒーロー役で共演することになる訳で、大葉さん、感慨深いものがあっただろうなぁ。

 などとやってると、ちどりは戦闘員に押されて鳥居に頭をぶつけてその場に気絶してしまう。

 ジローはキカイダーに変身すると、場所を変えてイカたちと戦うが、キカイダーが垂直に飛び上がろうとした瞬間、頭上に流されていた電磁波に引っ掛かって激しいショックを受ける。

 
 イカ「はははは、お前がエアクラフトで飛び上がることはお前の体から発する音で分かった。それを計算に入れて、上空に目に見えぬ電磁波長を張っておいたのだ」

 天才音楽家の女子大生の頭脳を使った巧妙な戦い方であったが、劇中ではっきり女子大生の頭脳が使われるのはこのシーンだけであり、他の三人はひたすら殺され損であった。

 あるいは、電磁波長は、電子技術の天才女子大生の脳が作り出したものかもしれないが。

 一方、あの神社の前に半平が愛車でやってきて、

 
 半平「我輩、愛が欲しい。素敵な女の子が現れますように」

 などととぼけたことを言いながら、一枚の紙幣を広げて目の前に放り投げ、拍手を打って拝むと言う、珍しい方法で参詣する。

 もっとも、その紙幣はすぐ回収しているので、お賽銭にもなんにもなってないのだが。

 半平「むっ、早速現れた。もしもし、こんなところで昼寝をしてると風邪を引きますよ」

 半平、ふと、境内の隅に若い女性が倒れているのを発見して、猫撫で声を出しながらその体を抱き起こそうとするが、寸前でちどりがパッと目を覚まし、恐い目で半平を睨む。

 半平「お布団持ってきましょうか」
 ちどり「何がお布団よ、座布団みたいな顔しちゃって」
 半平「座布団? それにしても好みのタイプ!」

 ちどりが服の砂を払ってさっさと歩き出すのを、半平が彼女の忘れて行った本などを抱えて追いかける。

 と、ちどりの前方で、キカイダーとアカネイカが激しく戦っていた。

 ちどり「また別のアンドロイド……」

 ちどりは、ジローが変身するところを見ていないので、それがジローと同一人物だとは知らないのだ。

 キカイダー、なんとかイカを撃退する。

 
 ちどり「素晴らしいわ」
 半平「素晴らしい? いやいや、我輩それほどでもござらんが」

 毛足の長い、真っ赤なセーターと言う、相変わらず頭のおかしいファッションセンスの半平、ちどりの言葉を自分への褒め言葉だと受け取って謙遜するが、いくら半平が図々しくても、このタイミングで自分のことだと思うのは、あまりに不自然である。

 ちどり「馬鹿ね、あたしが言ってんのはね、あのツートンカラーの人造人間のこと」
 半平「えっ?」

 だが、ちどりが半平の方を向いていた僅かの間に、キカイダーは忽然と姿を消していた。

 ちどり「いないわ、いないわ、あなたのお陰で研究論文に逃げられちゃったじゃないの」
 半平「え、研究論文、ですか?」
 ちどり「あたしねえ、あのツートンカラーにとっても興味を持ったの……今度の論文、アレで行くつもり」

 などと言ってると、変身を解いたジローがさりげなくあらわれる。

 
 ジロー「君は奴らに狙われてるようだ、これからは十分気をつけないと」
 ちどり「えらそうなこと言わないで、私を助けてくれたのはね、あのツートンカラーの人造人間よ、あなたなんか格好だけつけて、肝心なときに逃げ出しちゃったくせに」

 いつもの癖でヒーローっぽいアドバイスを送るが、ちどりは鼻で笑い飛ばすと、あからさまな軽蔑の視線を向けてくる。

 半平「いやいやいや、それは違い申すぞ。何を隠そう、このミスター・ジローこそが……」
 ジロー「服部君、余計なことは言わなくていい」
 半平「はぁ? それもそうでござるな」

 半平が横からジローの正体を話そうとするが、珍しくジローがそれを止める。

 キカイダー、別に仮面ライダーのように徹底した秘密主義ではないので、このお嬢さんには自分が人造人間であることを知られたくないと言う、ジローの個人的な感情によるものだったのだろう。

 CM後、漸くここでマサルとミツ子が登場する。

 
 父親を探しくたびれて野外ステージのベンチに腰をかける。

 この、パンツが見えそうで見えない絶妙のアングルが素晴らしいのです!

 でも、最近は全然ミツ子さんのパンチラがないのでちょっと淋しい。

 マサル「僕、腹減ったよ」
 ミツ子「そうね」

 だが、彼らは夢にも気付いていなかったが、すでに彼らは光明寺博士と同じフレームに入っていたのである。

 カメラが彼らの後方にいるホットドッグの移動販売車にズームすると、

 
 母親「いつもいつもすみませんね」
 光明寺「いーえ、こちらこそ」

 そのホットドッグ売りのおやじこそ、彼らの探している光明寺博士ではないか。

 にしても、コロコロコロコロ、よくまあこれだけ色んな職業を転々と出来るものだと感心する。

 しかし、仮にも博士ともあろうものが、生活力あり過ぎじゃないか? 次回なんて、漁師たちと一緒にカニか何かを獲ってたけど、さすがに無理がある。

 また、これは迂闊にもレビューしているときに気付かなかったのだが、28話や29話ではタクシーの運転手をやっていたが、白タクならともかく、タクシー会社に雇ってもらうには少なくとも運転免許が必要になると思うので、どう考えても不可能だろう。

 もし免許を持っていたのなら、その時点で自分が誰か分かる筈だし。

 まあ、その点は、この移動販売車の仕事でも同じことが言えるんだけどね。

 ちなみに光明寺博士と話している女性こそ、ちどりの母親であった。

 ちどりは光明寺の店のお得意であると同時に、光明寺から、ロボット工学技術を学んでいるらしい。

 また、ちどりの父親も科学者だったのだが、5年前に蒸発したきり行方不明らしいが、別にその父親がダークに攫われている、などと言うことはないようだ。

 ミツ子たちも店に気付いてホットドッグを買いに行こうとするが、間の悪いことに、そこにちどりと半平がやっている。

 
 ミツ子「ハンペン、何してるの?」
 半平「いや、我輩、それがその……」
 ちどり「あなたたち、このチカンとお知り合い?」

 初対面の人間に、剛速球の暴言を投げ付けるちどり。

 考えたら、このちどりという傍若無人なキャラクターこそ、「01」のミサオの原型ではないのだろうか?

 ミツ子「ちかぁん?」
 半平「ちがう、ちがう、ちがう! ちどりさん、そりゃあんまりに殺生なお言葉」

 汚物を見るような視線を向けるミツ子に、必死に弁解する半平。

 ちどり、ちょうど光明寺の車が家の前から発進するのを見て、

 ちどり「あなたのせいでおじさま帰っちゃったじゃないの」
 半平「あいたぁっ」

 手にした本で半平の頭を殴る。

 半平「だが我輩、あなたに打たれるなら本望……もっと打って……」

 意外にもドMであったことを表明する半平の頭を望みどおり誰かがまた叩き、夢心地になる半平であったが、

 
 叩いたのはちどりではなく、イカであった。

 イカ「もっとぶってやろうかー?」
 半平「いやぁ、嫌いなタイプなのあなたは……」

 半平の体を突き飛ばすと、ミツ子とちどりをまとめてドクロ飛行の餌食にしようとヒレを飛ばすイカ。

 三人は慌てて反対方向へ走り出す。

 ミニスカの美女が二人も全力疾走しているので、かなり有望なシーンと思われたが、コケた際にちどりのスカートの下から白いものが微かに見えるだけで、パンチラと呼べるほどの現象は起きず。

 ちくしょう。

 危ないところで彼らを救ったのは、無論、ジローであった。

 だが、イカがジローのことをキカイダーと呼んだので、その正体があっさりちどりにバレてしまう。

 
 ジロー「すいません、ちどりさん、また余計なことをしてしまいました」
 ちどり「いいえ、あなたがあのツートンカラーさんだったんですね。私、失礼なこと言っちゃって」

 ジローがキカイダーだと知った途端、しおらしい態度になるちどり。

 でも、ジローが自分の正体を隠すと言うプロットが出てきた直後に、何の劇的な展開もなく正体が知られてしまうのは、自分で積み上げた積み木を自分でぶち壊しているような感じもして、若干もったいない。

 ちどりが最後までジローの正体を知らないままのほうが、ドラマとしては面白かったのではないかと思う。

 その後、ちどりの自宅に招かれ、誕生パーティーのご相伴に預かるジローたち。

 しかし、天才女子大生と言われてるちどりなのに、大学の友人が誕生パーティーにひとりも招かれていないと言うのは、いくらなんでも手抜きである。

 ジローが半平をつれて別室に行った後、

 
 ちどり「素晴らしいわ、ジローさんが人造人間なんてとても信じられない」
 ミツ子「ジローは人造人間なんかじゃないわ」
 ちどり「えっ」

 うっとりした表情でジローのことを褒めるちどりに、ミツ子が拗ねたような口調でつぶやく。

 あくまでジローのアンドロイドとしての優秀さに惹かれているちどりと、ジローの中に男を感じているミツ子の立場の違いを闡明にした、見事なダイアローグである。

 ミツ子は、ちどりたちの言うホットドッグ売りのおじさんの特徴を聞いて、

 
 ミツ子「もしかしたら……」

 それが自分たちの探している父親ではないかと期待に目を輝かせる。

 同じ頃、ちどりの部屋で、ジローと半平が何か密談を交わしていた。

 
 半平「えーっ? そりゃ我輩、ちどりさんのナイトになるとは申しましたよ。しかし、ナイトが何故そんなことしなきゃいけないんです」
 ジロー「ぶつぶつ言わない、ナイトは無駄口は利かないもの」

 半平、ジローの提案に難色を示すが、ジローにおだてられてやむなく承服する。

 そこへ、花束を手にした光明寺が、ちどりの誕生日を祝うべく島村家にやってくるが、家の周りに戦闘員がウヨウヨしているのを見て、思わず物陰に隠れる。

 さらに、イカがちどりらしき女性を抱きかかえて出てくるのを目撃するが、「ちどりさん!」と叫ぶだけで、彼女を助けようとしないのはいささかカッコ悪い。

 住宅地を離れたところで、ジローがサイドカーで駆けつけるが、

 
 ちどりのひょろりとした足を見ただけで、イカが捕まえているのが誰であるか分かってしまった管理人であった。

 ジロー「よく見るが良い、アカネイカ、お前が抱いているのはちどりさんではない」

 だが、イカの方は、ジローに言われて初めてそれが女装した半平だったと気付く。

 
 イカ「なにっ?」
 半平「うふっ」

 管理人、半平のこの笑顔で撃沈され、腹筋が痛くなるほど笑わせてもらった。

 つーか、イカも、もっと早い段階で気付けよ。

 ジローがさっき半平に頼んでいたのがこのことだったのは言うまでもないが、事前にしっかりあの会話を入れておいたからこそ、この身代わりが唐突に感じられずに済むのである。

 まあ、ドラマとしては当然のことかもしれないが、昔の特撮ではそういうところがいい加減なシナリオも多いから、長坂さんのシナリオの完成度の高さが余計引き立って見えることは確かである。

 半平「すみませんねえ、アカネイカさん、人間違いだと分かったんだから、許してくださる?」
 イカ「うるさい、そうはイカん」
 半平「イカんだなんてシャレのお上手な、我輩頭は良くありませんぞ、知能指数はたったの18、年の数と同じなんだから」
 イカ「それでもお前の脳味噌は貰う!」

 イカに抱かれたまま、暢気にお願いする半平だったが、イカり狂ったイカは、腹いせに半平の脳味噌も電子部品に換えようとする。

 それにしても、半平、18才だったの? 知能指数の低さより、そっちの方に驚いてしまった。

 ちなみにうえださん、当時29才なので、いくらなんでもサバ読み過ぎである。

 まあ、どっちかと言えば童顔だけどね。

 ただ、3年後の「気まぐれ天使」で演じたマザコンの御曹司役は、さすがに無理があったのではないかと今でも思う。

 イカ「俺はイカもの食いだ」
 半平「ぎゃあっ」

 こういうのは、増岡さんのアドリブとかなのかなぁ?

 さて、ここで恒例のギルの「悪魔の笛」のコーナーとなるが、

 
 イカ、何をトチ狂ったのか、善と悪の心の間で引き裂かれそうになっていたジローの両耳に、自分の巨大な吸盤を貼り付け、わざわざ笛の音を遮断して、キカイダーに変身されてしまう。

 毎回、「悪魔の笛」に苦しめられていると言うのに何の手立ても打たないジローも大概だが、このアカネイカの行為はそれを上回るバカっぷりであった。

 こうしてラス殺陣となるが、ここでもアカネイカは、折角天才女子大生を殺して得た能力を全くイカすことなく倒され、こんなことのために殺された彼女たちがますます哀れに思えてくるのだった。

 結局、ミツ子たちは光明寺とは会えずじまいのまま、ちどりたちに別れを告げる。

 ちどり「ミツ子さん、お幸せになってね、ジローさんと」
 ミツ子「ありがとう」

 去り際に、ミツ子の恋心を見抜いたような台詞でちどりが激励するのだが、なんとなく取ってつけたような感じは否めない。

 それに、ミツ子たちはホットドッグ売りが光明寺ではないかと考えたのだから、彼がやってくるまで待っていると言うのが普通ではないか?

 もっとも、その光明寺、ミツ子たちが去っていくのをさっきと同じ場所から見ていたが、「私は不幸せを運ぶ男なんだ」と、花束をちどりに渡すことなく、踵を返して立ち去ってしまうのだった。

 花束ぐらい渡してから行けよ……

 以上、面白いと言えば面白いのだが、女子大生の脳を電子部品にしてアンドロイドの強化につなげるというプロットが、結局ストーリーにほとんど関係しないまま、尻切れトンボで終わってしまったような物足りなさが残る。

 ちょっとエピソードやキャラクターを詰め込み過ぎた感じで、前後編でやれば、かなりの秀作になっていたのではないかと思わせる惜しい作品であった。
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コメント

イカとちどり嬢と半平

今回はイカとちどり嬢と半平のやりとりが面白いですね😅何故イカは問答無用でちどり嬢を襲わなかったのでしょうか?幾らでも機会はあったと思うのですが。半平の女装も爆笑ですね🤣

素敵なタイトル!(笑)

まだ「女子大生」という単語が今と比較にならない程に市場価値が有った頃ですよねぇ…ロリコンなんて概念すら一般化されて無い頃。(^∇^)

関心あります

ギルは良心回路が適切な判断を下せるように言っていますが、悪魔の笛への対策を取らないジローが適切な判断力を持っているようには思えませんけどねぇ。

管理人さんの好みのタイプですが、私は関心ありますね。割と美人なのにタイプじゃないということも結構見られますし。

成程コウいうハナしの流れとはヤリますなあ

人間の頭脳を部品に使うテストケース・・・成程そう繋がるんですね、長坂さん上手く伏線張ってます

それはそうと半平が年の数が18と言っていたのはこの時点では女子大生になりきってるからではないでしょうか

Re: イカとちどり嬢と半平

やっぱり長坂さんのシナリオは面白いです。

Re: 素敵なタイトル!(笑)

しかも「美人」ですからねえ。

Re: 関心あります

> ギルは良心回路が適切な判断を下せるように言っていますが、悪魔の笛への対策を取らないジローが適切な判断力を持っているようには思えませんけどねぇ。

どう考えても関係ないですよね。

> 管理人さんの好みのタイプですが、私は関心ありますね。割と美人なのにタイプじゃないということも結構見られますし。

ありがとうございます……が、たぶん、宇宙一無駄な知識だと思います。

Re: 成程コウいうハナしの流れとはヤリますなあ

> 人間の頭脳を部品に使うテストケース・・・成程そう繋がるんですね、長坂さん上手く伏線張ってます

それは気付きませんでした。でも、生身の脳を移植するより、脳を一瞬で電子部品にしてしまう技術のほうが難しそうですが。

> それはそうと半平が年の数が18と言っていたのはこの時点では女子大生になりきってるからではないでしょうか

多分、そうでしょうね。

初めて知りました

今日、DVDでこの回を見ました。

これを機にネット検索をして初めて知ったこと。

1.松木聖さんが、松木路子さんの妹であること

2.松木路子さんが、この回の監督、永野靖忠夫人であること

3.冒頭で殺される空手の達人の女子大生を演じた中村万理さんが、
現役で女優をされていること。

以上

※まあ私が無知なだけですが

Re: 初めて知りました

いや、私も初めて知りました。まあ、中村万理さんの名前は知ってましたが。

そう言われれば松木路子さんに似てますね。

今回のヒロイン

怪人を全く恐れないヒロインは今回が初めてなのではないのでしょうか?しかも実験(或いは研究)対象にするつもりとはちどり姉様は何処か変わった思考の持ち主のようですね😅

Re: 今回のヒロイン

ユニークなキャラでしたね。

ダークの技術力裏事情?

こんばんは。

>また、ちどりの父親も科学者だったのだが、5年前に蒸発したきり行方不明らしいが、別にその父親がダークに攫われている、などと言うことはないようだ。

案外、その能力を買われてダークに利用されていたものの、用済みと判断されたor真相を知って逃げようとしたので口封じに始末された可能性も否めません。

>こうしてラス殺陣となるが、ここでもアカネイカは、折角天才女子大生を殺して得た能力を全くイカすことなく倒され、こんなことのために殺された彼女たちがますます哀れに思えてくるのだった。

せめてちどりを狙う際、ギルの「殺して脳髄を奪い取れ」を単に「そいつを捕らえろ」ぐらいにし、それなりに女子大生たちの能力で善戦したアカネイカをキカイダーが撃破後、残ったカプセル状電子部品から女子大生たちが生きて元の姿に戻る(電子部品が分解していき、女子大生たちが内側からムクムクと膨張して元に戻っていくイメージ)顛末にした方が良かった気もします。

Re: ダークの技術力裏事情?

こんばんは。

> 案外、その能力を買われてダークに利用されていたものの、用済みと判断されたor真相を知って逃げようとしたので口封じに始末された可能性も否めません。

いかにもありそうですね。

> せめてちどりを狙う際、ギルの「殺して脳髄を奪い取れ」を単に「そいつを捕らえろ」ぐらいにし、それなりに女子大生たちの能力で善戦したアカネイカをキカイダーが撃破後、残ったカプセル状電子部品から女子大生たちが生きて元の姿に戻る(電子部品が分解していき、女子大生たちが内側からムクムクと膨張して元に戻っていくイメージ)顛末にした方が良かった気もします。

フィクションでも、若い女の子が殺されるのはイヤですよね。

Re:Re: ダークの技術力裏事情?

こんばんは。

>以上、面白いと言えば面白いのだが、女子大生の脳を電子部品にしてアンドロイドの強化につなげるというプロットが、結局ストーリーにほとんど関係しないまま、尻切れトンボで終わってしまったような物足りなさが残る。

>ちょっとエピソードやキャラクターを詰め込み過ぎた感じで、前後編でやれば、かなりの秀作になっていたのではないかと思わせる惜しい作品であった。

加えて、以前のコメントにて話したように女子大生たちが助かる流れでしたら、半平の助けでアカネイカを出し抜いたかに見えた直後にちどりたちの下へ半平が逃げた後、「ミツ子がちどりをアカネイカから庇って電子部品にされ、それをセットしたアカネイカがキカイダーをミツ子&女子大生たちの能力で苦しめるも、ミツ子とその意思を受けて意識が戻った女子大生たちが精神力で抵抗してアカネイカの動きが鈍り、そこをキカイダーが撃破して被害者たちは全員元に戻る」という展開も面白かったかもしれません。

Re: Re:Re: ダークの技術力裏事情?

こんばんは。

> 加えて、以前のコメントにて話したように女子大生たちが助かる流れでしたら、半平の助けでアカネイカを出し抜いたかに見えた直後にちどりたちの下へ半平が逃げた後、「ミツ子がちどりをアカネイカから庇って電子部品にされ、それをセットしたアカネイカがキカイダーをミツ子&女子大生たちの能力で苦しめるも、ミツ子とその意思を受けて意識が戻った女子大生たちが精神力で抵抗してアカネイカの動きが鈍り、そこをキカイダーが撃破して被害者たちは全員元に戻る」という展開も面白かったかもしれません。

そうですね。後味悪いですもんね。

気付かない

何故アカネイカ🦑はちどり姉さんと半平が入れ替わった事に気付かなかったのでしょうか?どうにも間抜けですね😅

Re: 気付かない

半平の女装が見事だったんでしょう。

フェイク

>せめて、予告編に出てきた彼女の襲われている顔を貼っておくフェミニストの管理人でした。
前回の予告で、この人が今回のゲストヒロインと遂、期待しちゃった訳です。

次週予告はロリロリ感を出していますね。
サイドマシンへの空爆シーンとかなかなか力が入った映像ですが、さて。

Re: フェイク

女優の使い方が贅沢……と言うより、勿体無いですね。

いま「アマゾン」を書いてますが、意外と女優陣が充実してることに驚いてます。

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zura1980

Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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