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「スケバン刑事」 第21話「父さんを殺したのはお前だ!!」


 第21話「父さんを殺したのはお前だ!!」(1985年9月26日)

 前回、剛三の口から、母ナツが剛三の愛人だったこと、さらに、自分がその剛三とナツの間に生まれた子供だと言う衝撃の事実を知らされたサキ。

 サキ(そんなバカなことがあってたまるものか……)

 自宅マンションに閉じ篭り、暗い眼差しで剛三の言葉を頭の中でリフレインさせるサキ。

 無論、あくまで剛三が言っただけで、まだはっきりそうと決まった訳ではないのだが、あまたの修羅場をくぐってきたスケバン刑事といえど所詮は十代の女の子、いくら心の中で繰り返し否定しても、その胸が嵐の中を漂う小船のように激しく揺れ動くのは当然であった。

 その後、三平がのほほんとマンションを訪れるが、サキは部屋から出てくると、「三平、お別れだよ」と、突然の別れの言葉を告げ、三平を置いて何処かへ行こうとする。

 三平は慌てて追いかけ、

 三平「まさか海槌家に乗り込む気じゃないだろうな」
 サキ「……」
 三平「やめてくれ、あいつらは君を殺そうと待ち構えてるじゃないか」
 サキ「私なんか死んだって良いんだ、生きてたって何の価値もあるもんかっ」

 サキ、彼女らしくもない捨て鉢な台詞を吐く。

 
 三平「どうしたんだ、一体、俺にわけを話してくれ」

 三平がその肩に両手を置いて真っ正面から尋ねると、

 
 サキ「剛三が私に言ったよ、母さんは私の愛人だったって……私は剛三の子供かもしれないんだ」

 サキも、素直にその理由を打ち明ける。

 三平「なんだって」

 
 サキ「殺人犯の娘だけどさ、私のたった一つのよりどころは、私が父さんと母さんの愛の結晶として生まれたきたってことなんだ、それが海槌剛三の娘かもしれないなんて……私は自分が許せないんだよ」
 三平「サキ!」
 サキ「呪われた子供なんだ、私は」
 三平「バカッ!」

 ズボンのポケットに手を突っ込んで歩き出したサキの自虐的な発言に、三平が思わず大声を出す。

 三平「呪われてこの世に生まれてくる子供なんて一人もいるもんかっ」

 そして、いかにも三平らしい、前向きで温良な価値観を口にする。

 三平「君はとても素敵な女の子じゃないか、君に死んで欲しくなんかない。好きなんだ、君が好きなんだよぉっ!

 さらに、ここで一気に愛の告白までしてしまう三平。

 もっとも、三平の言動を見てりゃそんなことは一発で分かることなので、サキも別に驚きはしなかっただろうが、

 
 サキ「……」

 それでも女の子にとって、男子から「好きだ」と言われることは特別の意味を持っているので、サキも立ち止まり、少し潤んだ瞳で三平の真剣な顔を熱っぽく見詰め返すのだった。

 だが、今のサキは、剛三の言葉の真偽を確かめない限りは一歩も前に進めない心境であり、三平の真摯な気持ちに向き合うことなく、無言で歩き出すのだった。

 もっとも、最初からそのつもりだったのか、三平に言われて気が変わったのか不明だが、サキが向かったのは海槌家ではなく、ナツの収容されている刑務所であった。

 
 で、何故か面会室の外の廊下には、そわそわと落ち着かない様子の三平と、そして何処から湧いたのか神までいて、長い足を組んで静かに瞑目しているのだった。

 余談だが、撮影時の空き時間とか、中康次さんと増田さんがどんな話をしていたのか、気になるなぁ。

 あと、三平がしきりにサキに見ようと誘っていた「チェッカーズ in TANTANたぬき」と言う映画、こないだやっと見ることが出来たのだが、こちらの予想を1ミリも裏切らない、クソみたいな映画だったことをご報告しておく。

 あくまでチェッカーズファンが見て喜ぶための映画と割り切っても、あれはないよな……

 
 やがて、緊張して待つサキの前に、女性刑務官に連れられて母ナツが入ってくる。

 過去に、何度か登場しているナツだが、こうやってサキと顔を合わせるのは、これが初めてのことであった。

 ただ、今まで頑なに娘との面会を断り続けてきたのに、ここへ来て急に面会に応じる気になったのは、何故だろう? 死刑囚として刑務所の中にいるナツの身辺に、心変わりを促すようなイベントが起きるとも考えにくく、そろそろ最終回も近いんで、いい加減サキに会ってくれませんかねお母さんとスタッフに拝み倒されて、やむなく方針を変えたとしか思えないのだった。

 黙って座っている懐かしい母に向かって、おもむろにサキが口を開く。

 サキ「母さん、サキです……サキは17才になりました。母さん、何度今まで何度面会を申し込んでも、母さんは私に会ってくれようとはしなかった」

 
 サキ「何故なの? 何故私に会ってくれなかったの?」
 ナツ「……」

 どうでもいいけど、時代劇で、突然笑い出したかと思えば、急にべらんめえ口調になって刺青を見せてギャアギャア騒いでる金さんを見ても、「お奉行乱心!」などと騒ぎ立てることもせず、その後ろで淡々と何か書き付けている人たちと同様、この刑務官の女性が一体何を書いているのかとても気になる管理人であった。

 いや、ドラマの内容とは別に、実際にエキストラさんが何を書いているのか、と言う疑問である。

 まあ、監督から「とにかくなんか書け」って言われているのかもしれないが、人って、ただ意味もなく文字を書くことは難しいから、「都道府県名」とか「宝くじが当たったら買うものリスト」とか、あらかじめ何かテーマを決めて書いているのではないだろうか。

 もっとも、この刑務官について言えば、最初から二行近く文章が書かれていて、それに続けて少しだけ書いてるだけなので、意味のない文字の羅列でも特に問題はなかっただろう。

 ただ、今言った時代劇の書き役なんかだと、かなりの長丁場になるから、管理人が密かに思うに、あらかじめ薄い字で「般若心経」が書いてあって、それをただなぞるだけと言うのがあるでしょ、あれをやってるんじゃないかと……

 ……って、いつまでどうでもいい話をしとんじゃっ!

 
 サキ「そんなのってひどいよ、冷た過ぎるじゃないか! ちっちゃい頃私が、どぉんなに母さんに会いたかったか……考えたことがあるのかよっ」
 ナツ「……」

 どれだけ罵声を浴びせても、ナツはただ罪を悔いている罪人のようにつらそうな表情で俯いているだけであった。サキ、少し語調をやわらげると、

 サキ「私がスケバンになったのはね、母さんに捨てられたと思ったからなんだ。けど、忘れよう、そう思っていくら暴れてみても、思い出すのは……母さん、あなたのことだけだった」
 ナツ「……」
 サキ「母さんは父さんを殺した……恨もう、そう思ったよ。だけど、憎めなかった。母さんに会いたい! 会いたいってその気持ちで一杯だったんだ」

 涙声になって自分のありのままの思いをさらけ出すサキに、ナツもこぼれる涙を指先でそっと払う。

 うーむ、今更だけど、斉藤さんは上手い!

 演技力にかけては、歴代スケバンの中で比肩するものはいないだろう。

 サキ、努力して気息を整えると、やや改まった口調になり、

 サキ「私はあなたにどうしても尋ねたいことがあるの……」

 
 サキ「母さんが海槌剛三の愛人だったって言うのは、ほんとなの?」
 ナツ「……」
 サキ「私は父さんの子なの? 海槌剛三の子なの? 答えて母さん!」
 ナツ「……」

 サキの愚直なまでにストレートな問い掛けに、顎に手を当てて考え込むような顔つきになるナツだったが、サキが重ねて答えを欲しがると、その口から驚くべき言葉が搾り出される。

 ナツ「うーん、どっちかだとは思うんだけどねー」
 サキ「……」

 この後、ヤケクソになったサキは、神でも三平でもなく、沼先生と結婚してスケバン刑事を引退したそうです。

 じゃなくて、

 ナツ「サキ、お前は私の娘ではないのよ。私もお前を娘だと思ってないわ」
 サキ「母さん……」
 ナツ「忘れて頂戴……もう二度とお前に会わないわ」

 それだけ言うと、最後にサキの顔に険しい一瞥を向けると、逃げるように部屋から出て行くのだった。

 サキ「母さん、答えて、ほんとのことを知らないでどうやってこれから生きて行くんだ?」

 サキ、立ち上がると、母親の背中に向かって縋るような声で叫ぶ。

 
 ナツはナツで、面会室を出るなり廊下に座り込むと、体を丸めるようにして悲痛な嗚咽を漏らすのだった。

 なお、突然ですがここで、管理人が以前から温めていたネタを披露したいと思います。

 題して、「今明かされる衝撃の真実! 麻宮ナツが犯した本当の罪とは?」です。

 
 今から10年以上前のナツは、それはそれは美しく、垢抜けた感じの美熟女で、剛三が年甲斐もなく惚れたのも頷ける可愛らしさであった。

 
 だが、そんなある日、PTAの仲間たちと一緒に、石立某と言う貸衣装屋のおやじと知り合い、そそのかされて、普段とまるで違う、はっきり言ってキチガイとしか思えない服装とメイクで大胆にイメチェンしたのが転落の第一歩であった。

 
 鉄男におだてられたナツたちは街へ繰り出し、手当たり次第に男に声を掛けていたが、

 
 こともあろうに国家権力の手先にまで手を出してしまったのが痛恨のミステイク。

 その結果、

 
 当然こうなる。

 サキ「おかあさーんっ!」
 ナツ(マジかよ……)

 ……

 以上、1978年放送の「気まぐれ本格派」の某エピソードとコラージュしてみたのだが、うーん、実際にやってみるとあんまり面白くなかったな、と。

 話を戻して、刑務所をあとにして、河原で三平と話しているサキ。

 
 サキ「母さんは何も答えてはくれなかったんだよ。海槌の愛人だったことを認めるようなもんじゃないか」
 三平「サキ、だけどさ……」

 三平が何か言おうとするのも聞かず、

 サキ「いやだ、いやだっ、私が剛三の娘かもしれないなんて考えただけでも身の毛がよだつよ!

 いや、さすがにちょっと言い過ぎでは?

 特に剛三パパは、普段から年頃の娘たちに「私たちの服と、お父様の下着とを一緒に洗濯しないでよね」などと言われて落ち込んでるだから、もうちょっと優しくしてあげないと……

 サキ「もう生きてはいけないよ!」

 身を震わせて絶望するサキの両肩に手を置き、正面からその目を見据えながら、

 
 三平「サキ、落ち着くんだ、誰の子だって関係ない、サキはサキだよ、俺は今ここにいるサキが好きなんだ、それでいいじゃないか!」
 サキ「……」

 さっきと同じような前向きな発言で、何とかサキを励まそうとする三平。

 三平「この世に許せない大人は一杯いるよ、だけど俺たちはそんな大人には絶対にならないんだ。それが俺たちの誓いだよ。俺、サキと一緒ならそれが出来ると思ってるんだ」
 サキ「三平……ありがと」
 
 サキ、ほとんどプロポーズに等しいことを言ってくれる三平に、心から礼を言う。

 
 サキ「でも、私はもう本当のことを知らなければ、もう一歩も先へは進めないんだよ……」

 だからと言って、その言葉だけで過去を全てチャラにできるほど大人ではないサキであったが、三平の優しさに慰めを求めるように、腰に手を回し、その胸に控え目に顔を押し付けるのだった。

 初めて二人が体を密着させた瞬間であったが、どうせならここはもっとガバッと行って欲しかった。

 と、ここで銃声がして、「あっはっはっはっ!」と言う、一度聞いたら忘れられないあのお方の笑い声がこだまする。

 二人が思わずその場にしゃがむと、それぞれバイクに乗って武装した亜悠巳と久巳があらわれる。

 
 亜悠巳「サキ、ラブシーンはもう終わりだ!」

 
 久巳「お前が私たちと同じ血を持っているなんて我慢できないんだっ! 殺してやる!」

 相変わらず、ゾクゾクするほどのヒールぶり!

 ま、ここは、若くて美人で超金持ちだと言うのに、何故かぜんっぜん男にモテないことへの恨みをいっしょくたにしてサキにぶつけている感じもする。

 それにしても何故モテないのか? お二人は、自分たちの胸に手を当てて良く考えて見ましょう。

 
 サキ「ふざけけるんじゃないよ、何が同じ血だいっ! 私の血は海槌一族のようにどす黒い色をしてるものか」

 サキも負けずに言い返すが、亜悠巳たちは構わず撃ってくる。

 こんな開けた場所で飛び道具を持った相手とやりあうのは割が合わないので、二人は急いでその場から走り出し、近くの土管置き場に逃げ込む。

 土管の間をちょっと楽しそうに逃げ回ると二人と、執拗に彼らを追いかける亜悠巳たちの姿が描かれる。

 なんとか敵の手を逃れて土管の陰になっている空間に出て、やっと一息つく二人だったが、「あっはっはっはっはっ」と、またしても亜悠巳の笑い声が聞こえてくる。

 見れば、前方に聳える機械の上に、亜悠巳が立ってこちらを見下ろしているではないか。

 
 亜悠巳「あーっはっはっはっはっ、サキ、逃げ場がなくなったようだね。ドブネズミのお前にはお誂え向きの死に場所さ」

 このシーンの残念なのは、天気が曇り空で、全体的に画面が薄暗く、亜悠巳たちの顔がはっきり見えないことである。

 
 久巳「サキ、私たちは優しいからね、恋人と一緒にあの世に送ってあげるよ!」

 張りがあって弾むような声にそぐわない、物騒なことを口にしてアーチェリーを構える久巳。

 彼女たちの凄いところは(一応)法治国家である日本で、白昼堂々、本気で人を殺しに掛かって来ることである。

 
 サキ「死んでたまるものか、真実を知らないで死ねるものか!」

 さすがにこの状況ではサキにもどうすることも出来ず、自分を奮い立たせるのが精一杯であったが、

 三平「サキ、俺が盾になる。君はなんとしてでも生き延びろ」
 サキ「三平!」

 ここで千載一遇のチャンスとばかり、三平が身を以てサキを守ろうとする。

 亜悠巳「お遊びはここまでね!」

 亜悠巳、容赦なく引き金を引こうとするが、そこへ颯爽と飛び込んで来たのが神のポルシェであった。

 
 神、すかさず銃を撃ち、一発で亜悠巳のライフルを弾き飛ばす。

 
 そして、敵のほうを睨みながらサキのところへ駆け寄る神サマの勇姿がめっちゃカッコイイと思いました。

 だから画像を貼りました。

 とても良かったです(小学生の作文か!)

 それにしても、ほんと、これだけ頼りになるサポートキャラってなかなかいないよね。

 考えたら、主役のサキより遥かに戦闘能力が高いのだから、頼りになって当然なのだが。

 ただ、海槌三姉妹との戦いに突入してから、サキが毎回のように危ないところを神に助けられているのは、ちょっと情けない感じもする。

 
 久巳が慌てて神に矢を向けたところを逃さず、サキがヨーヨーを飛ばしてアーチェリーに鎖をからめ、久巳の手から奪い取る。

 次の場面では、神に連れられて、いつかの暗闇指令のオフィスに来ているサキと三平。

 
 暗闇指令「お母さんに会ったそうだな」
 サキ「あんな奴、母さんなんかじゃない、父さんを殺した血も涙もない女さっ」
 暗闇指令「サキ、死刑を宣告された麻宮ナツが何故今日まで死刑の執行を停止されているか、分かるか?」

 暗闇指令は、母親をあしざまに罵るサキをたしなめる代わりに、ひとつの質問をする。

 サキ「それは……私があんたたちの言うなりに、スケバン刑事をやってきた……」
 暗闇指令「それは違う!」

 女子高生(の台詞)を食うのが趣味の暗闇指令、おぼつかなげに答えるサキに、待ってましたとばかりに吠える。

 
 暗闇指令「それはな、サキ、12年前、まだいたいけな6歳だった少女のお前が目撃者として法廷で重大な証言をしたからだ」
 サキ「あたしが?」

 寝耳に水の新事実に、目を真ん丸にして驚くサキ。

 どうやら自分で証言しておきながら、まったく、これっぽっちも記憶していなかったらしい。

 しかし、6歳なら、それくらいのことは覚えていても良さそうなものだが、あまりにつらい記憶だったので、自分で自分の記憶を封印していたのかもしれない。

 
 サキ「そうしたらそこに、大きな男の人がいたの。大きな人がストーブを蹴飛ばしたのを見たもの」

 ここで、幼い日のサキが証言台で、どんぐり眼を開いて一生懸命証言している姿が回想される。

 暗闇指令「サキ、お前は父と母が倒れた後、大きな男を見たと証言した。そしてその男は胸が燃えて炎になったと言った」
 サキ「私がそんなことを?」

 暗闇指令の言葉が呼び水になったのか、サキはその時の情景をありありと思い描く。

 
 それは、台所で、自らの喉に包丁を突き立てようとしたナツを、サキの父親が必死に止めようとしているところであった。

 隣室の障子の隙間から覗いていたサキは、怖さのあまり手で顔を覆うが、続いて、父と母が並んで倒れているのが見え、そして、いつの間にかあらわれたのか、こちらに背中を向けて二人を見下ろしている男の姿を目撃する。

 男はそれから、わざとストーブを倒して台所を火の海にしたのである。

 
 サキ「……」

 さらに、男がその火でたくさんの書類を焼いていたが、うっかりその火が自分のネクタイに燃え移るところまで、サキは鮮明に思い出す。

 しかし、その書類を処分する必要があるにしても、そんな状況下で燃やそうとするだろうか?

 とりあえず書類を盗み、家に火をつけてから逃げるのが普通ではないか。

 それが、家に火をつけてからその火で書類を燃やそうって、はっきり言ってバカのすることだと思う。

 現に、そんなことしてるからネクタイに火が燃え移って「うおっちっちっ!」となり、胸に火傷を負ってしまい、それが動かぬ証拠になってしまったのだから……

 
 それはそれとして、何かを思い出したらしいサキの顔をまじまじと見る神と、その後ろからヒョコッと顔を出す三平のツーショットが、何気にツボである。

 良く見たら、神と三平って、どちらも顔の形が逆三角形で似てるよね。

 
 暗闇指令「思い出したようだな、サキ」
 サキ「あの時確かに男が……あ、でも、肝心なことが思い出せない。男の顔、炎に燃えた男の胸……そこに何かが、何かがあった!」
 暗闇指令「だが、お前の証言は肉親でもあり、あまりにも幼過ぎる者の証言として却下された」

 
 で、ナツは結局死刑を言い渡されたのであるが、その時の副裁判官(?)の一人が、ほかならぬ暗闇指令だったのだ!

 
 暗闇指令「しかしな、サキ、たったひとり、お前の証言を信じたものがいたんだ」
 サキ「……」
 暗闇指令「その判事は、この事件に重大な疑惑ありとして法務大臣に直訴状を呈し、死刑執行の停止を頼み、職を辞した」

 神、暗闇指令の机の上に座ると言う無作法なことをしつつ、

 神「お前の母の死刑を求告(求刑?)した岩崎検事は、今、チェッカーズのリーダーになっている!」
 サキ「うそっ、マジで?」

 じゃなくて、

 神「岩崎検事は、今、海槌剛三の顧問弁護士になっている!」

 と、補足説明を加える。

 ところで、第1話にもナツが判決を言い渡されるシーンが出てくるのだが、

 
 どう見ても暗闇指令とは別人なんですが……

 それはさておき、暗闇指令はずばり、そのうっかり屋さんの放火犯こそ、海槌剛三だと断言する。

 暗闇指令「海槌は当時、金や宝石の不正取引で莫大な富を得ていたんだ。そのからくりを、なんでか知らんが転売ヤーであるお前のお父さんに突き止められてしまった」
 サキ「えっ、私の父さん、転売ヤーだったのぉ?」

 だったら、まだ剛三が父親の方がマシだと思うサキであったが、嘘である。

 暗闇指令「海槌は当時、金や宝石の不正取引で莫大な富を得ていたんだ。そのからくりを、ジャーナリストであるお前のお父さんに突き止められてしまった」
 サキ「それじゃ奴が父さんを?」

 しかし、「スケバン刑事」のシナリオの残念なところは、この手の説明の際、とかく具体性に乏しい曖昧な表現になってしまうことだと思う。

 「金や宝石の不正取引」って言われても、ピンと来ないでしょ?

 ここは普通に麻薬や武器の密輸とかで良かったんじゃない?

 
 暗闇指令「サキ、海槌一族は、その悪徳商法で得た莫大な富で、日本の政治・経済・文化までも支配しようとしてるんだ! (ドンッ!) 奴らに日本を支配されたら日本に真実はなくなる。悪徳だけが栄えることになる、冗談じゃねえ! そんなことは許されないッ!」

 自分で自分の言葉に酔ってどんどんボルテージを上げて行き、最後は思わずべらんめえ口調になってしまう暗闇指令。

 サキにしても、こんなに感情をあらわにした暗闇指令を見るのは初めてのことだった。

 「早くお尻どけてくれないかなぁ」と思いつつ、

 
 暗闇指令「サキ、私が何故お前をスケバン刑事に任命したのか、その本当のわけを今話そう。それはな、サキ、なんとなくだっ!!
 サキ「な、なんとなく……?」

 じゃなくて、

 暗闇指令「サキ、私が何故お前をスケバン刑事に任命したのか、その本当のわけを今話そう。それはな、サキ、おまえ自身が12年前の殺人事件の真相を明らかにすることが海槌一族にとって致命的なダメージになると考えたからだ……サキ、スケバン刑事として海槌一族の野望を打ち砕け!」

 机を神に乗っ取られたままの暗闇指令、サキにそう命令すると、泣きそうになりながら自分の部屋から出て行くのだった。

 サキ、グローブを嵌めて戦闘モードに入ると、直ちに出撃する。

 
 女生徒「沼先生、こんなことやったって何の意味もねえよ」
 女生徒「殴り込みかけてパッと散った方がスカッとするじゃねえかよう」
 タロウ「沼先生らしくねえよ、なぁ」

 一方、鷹の羽学園では、沼先生がなおも学園内にとどまって、校舎の中庭のようなところで少数の生徒を相手に青空授業を行っていた。

 沼先生も、いい加減ウンザリしていたのか、生徒たちにアジられると、それをたしなめるどころか、チョークを床に叩きつけ、

 沼先生「くそぉ、許せん、ええい、もう許さんぞ!」

 自分たちを見下ろしている警備員たちを憎々しげに睨み付けると、スーツを脱ぎ捨て、

 
 沼「海槌一族を倒せーっ!」
 生徒たち「……」
 沼「あれ?」

 てっきりみんな付いてきてくれると思ったのに、世の中そんなに甘くないことを思い知らされる沼先生であったが、嘘である。

 実際は、沼先生の雄叫びに続けて、生徒たちも拳を突き上げ、口々に海槌家の支配に対する不満をぶちまける。

 まあ、それこそ、「何の意味もない」ことだと思うのだが……

 つーか、沼先生はとっくの昔に解雇されて、生徒たちも退学にされたんじゃなかったっけ?

 海槌家の人たちは、なんで自分たちの管理している施設の一角を不法占拠している人たちを放置しているのだろう?

 別にサキと海槌剛三との対決シーンに、沼先生たちはいなくてもいいのだから、一部の生徒が学園内部に留まっているという描写は要らなかったように思う。

 さて、サキにとって大変都合のいいことに、鷹の羽学園には、剛三と海槌三姉妹に加え、あの岩崎と言う顧問弁護士まで勢揃いしていた。

 うーん、それこそ番組の都合とはいえ、さすがにリアリティーがない。

 一応、三姉妹がマスコミ関係者を集めてこれから何か発表する予定なのだが、何も鷹の羽学園で行わなくても良さそうなものだが……

 それに、以前も書いたけど、海槌三姉妹が全国の高校を支配する戦略拠点として、なんで名門校でもなく、有名校でもない鷹の羽学園を選んだのかと言う根本的な疑惑があるんだよね。

 
 久巳「飽きもせずに負け犬の遠吠え……お笑い種もいいところだわ」

 校長室から、沼先生たちのあがきを見ていた久巳、世にも嬉しそうに嘲り笑う。

 亜悠巳「風が吹けば吹き飛ばされる連中よ、問題はサキよ」

 
 麗巳「サキは私が倒すわ。お父様、それで良いわね」
 剛三「麗巳、サキは私の娘だ。お前の妹でもあるんだぞ。殺すよりもお前の手足として役立てたらどうだ」
 麗巳「サキが私の奴隷となるならそれも良いわ。でもサキは絶対に奴隷になるような女ではないの。殺すしかないわ」
 剛三「麗巳!」
 麗巳「お父様、海槌一族が日本を支配するため、情けは無用よ」

 正直、見ていてイライラしてしまうのだが、剛三はこの期に及んでも、娘だと思い込んでいるサキを自分たちの仲間に加えようと画策していた。

 三姉妹にしてみれば、せっかく一度は完全に掌中に収めたサキを、父親の気まぐれで自由にさせてしまったことについてイヤミのひとつも言ってやりたいところだったろうが、さすがに面と向かっては何も言わない。

 だが麗巳も強硬で、あくまでサキの息の根を止めることに固執する。

 結果論から言えば、サキの処遇については麗巳たちの判断のほうが正しかったと言えるだろう。

 剛三の(一方的に)惚れた女への未練が、その目を曇らせてしまった訳で、それが剛三を破滅に導くことになる。

 麗巳「私は今日記者会見をします。その席で21世紀の日本を支えるエリートを私たちが作り上げると宣言するつもりよ。鷹の羽学園を足場として日本中の高校を支配して見せるわ。その時こそ、海槌一族が日本を支配する日よ
 剛三(……えっ、なんで?)

 なんで、「日本の高校制覇」=「日本の支配」になるのか、さっぱり分からない剛三パパであったが、これ以上なんか文句言うと、麗巳に思いっきり頭を叩かれそうな気がしたので黙っていた。

 それに、文部省を差し置いて、勝手にそんな宣言をすることに、一体何の意味があるのか。

 単に、真面目な教育者や父兄、さらには庶民の反発を招くだけじゃないかと……

 だいたい、現時点では鷹の羽学園一校しか支配してないのだから、麗巳がいくらエリート教育とやらのビジョンを力説したところで説得力がないし、だいたい、普通そう言う会見は、全国の高校を傘下に収めてからするものじゃないのかなぁ。

 そして剛三たちにとって不運なのは、よりによってサキのホームグラウンドである鷹の羽学園に雁首揃えてしまったことである。これが、せめて剛三の邸宅なら、まだ地の利は彼らの側にあるのだから、そう易々とサキの計画通りには運ばなかっただろう。

 で、サキは、神と三平と共に、非常階段を登って簡単に校内に侵入を果たす。

 
 その際、神の二連打を浴びた警備員が吹っ飛ばされて、手摺から落ちそうになる。

 軽く殴っているようにしか見えないが、凄まじいハードパンチである。

 神と三平が放送室を乗っ取る一方、サキは、剛三のいる校長室へ。

 そして、サキにとっては天佑とも言うべきことには、ちょうどそのタイミングで、麗巳たちが校長室を出て、会見場へ降りていったのだった。

 うーむ、繰り返しになるが、このシチュエーション、あまりにサキにとって都合よく話が展開するので、いまひとつ盛り上がらないんだよねえ。

 やはり、因縁のある亜悠巳や久巳と、まともに戦って勝利を掴んで欲しかった。

 麗巳たちがマスコミを前にして記者会見を始めようとしていた頃、

  
 サキも校長室の前に辿り着き、ノブに手を掛けるが、ここで何者かがその手を掴み、ついで、サキの頭を大きな手で鷲掴みにする。

 そう、剛三も、サキの来襲に備えてボディーガードを用意していたのだ。

 
 その大男にネックハンギングツリーで宙に持ち上げられているところで、次回へ続くのだった。
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コメント

不可解な発言

何故剛三はこの期に及んでサキを味方に付けようしたのでしょうか?実の三姉妹(特に麗巳姉さん)がいるのにも関わらずどうも不可解な発言ですね😅

男組

>彼女たちの凄いところは(一応)法治国家である日本で、白昼堂々、本気で人を殺しに掛かって来ることである。
ロボット長官「ぬるい!白昼堂々、学生服で日本刀を振り回す神竜剛次(「男組」)に比べれば!」

なお、「男組」「野望の王国」などの印税をすべて「美味しんぼ」の食材に注ぎ込んだ
雁屋哲先生!そろそろ「メガロマン」を解禁してください!

くみたんo(^^o)(o^^)o

見応え、読み応えがある回でしたね(^^)

>三平「君はとても素敵な女の子じゃないか、君に死んで欲しくなんかない。好きなんだ、君が好きなんだよぉっ!」

ワァオ、ついに三平の告白、神サマと三平、どっちを選ぶんですかね、ドキドキですね、えっ、沼先生\(゜ロ\)(/ロ゜)/

>そして何処から湧いたのか神までいて、長い足を組んで静かに瞑目しているのだった。

確かに、ちゃっかり神サマがいますね。ははぁーん、さては、サキを三平に取られまいとして参上したのだろう。

>「チェッカーズ in TANTANたぬき」と言う映画、こないだやっと見ることが出来たのだが

管理人様はとことん追求されてますねぇ。感服します。これまた偶然、他のドラマでもチェッカーズの話題がでてましたが、私は曲を聴いたことがあるだけで詳しくは知らないのです。情報ありがとうございます。

>そろそろ最終回も近いんで、いい加減サキに会ってくれませんかねお母さんとスタッフに拝み倒されて、やむなく方針を変えたとしか思えないのだった。

これは笑ってしまいました(笑)スタッフのお願いで、お母さんはサキに会ってくれたのか。鋭い切り口です。

>三平の優しさに慰めを求めるように、腰に手を回し、その胸に控え目に顔を押し付けるのだった。

ワァオ、この後どうなるのだろうか、期待がふくらみますねぇ。
この回は三平が精神的な支えになってますねぇ。神サマ出遅れてますぜ。

>「あっはっはっはっ!」

おいおい、盛り上がってるのに邪魔しちゃいかんだろう。

>そこへ颯爽と飛び込んで来たのが神のポルシェであった。

おーっと、ここで神サマ登場、巻き返しを図る(何を競っとるのだ(笑))
それにしても、この画像素晴らしい、銃口からの発射部分を見事キャプされましたね。絵になりますなぁ。

>そして、敵のほうを睨みながらサキのところへ駆け寄る神サマの勇姿がめっちゃカッコイイと思いました

ただ走りだけなのにカッコイイ!!

>どうやら自分で証言しておきながら、まったく、これっぽっちも記憶していなかったらしい。

確かに(笑)6歳とはいえ、普段の生活とはあまり縁のなり特殊な場所は覚えてますよね(笑)

>幼い日のサキが証言台で、どんぐり眼を開いて一生懸命証言している姿が回想される。

おおぉー、翔ちゃん、しっかり受け答えしている。「見たもの」「嘘じゃないもの」と今でも記憶に残っている。でもこの子が翔ちゃんであったことを知ったのはずいぶん先のことである。

>隣室の障子の隙間から覗いていたサキ

そしてのぞき見してる翔ちゃん。

>(ドンッ!)

ここは大爆笑、しっかり机を叩く音を表現してる。ヒートアップしている暗闇指令。べらんめえ口調がよく伝わります(笑)

>サキにとって大変都合のいいことに、鷹の羽学園には、剛三と海槌三姉妹に加え、あの岩崎と言う顧問弁護士まで勢揃いしていた。

どうぞ、一網打尽にしてください。
突如、記者会見開いたりと、考えてみると都合がいいですね。

>久巳「飽きもせずに負け犬の遠吠え……お笑い種もいいところだわ」

くみたん、黒服もよく似合う。あゆみたんも赤の夏用ドレスもよく似合う。レミはモノトーン色で地味ですねぇ。
やはり、さやかタンよりくみたん派だなぁ~、そして勿論、女王アハネス様より影の姫翔様ぁ~(何が勿論だ(汗))
あ~、そういえば、タクシードライバーでの最終話でレミと翔様共演されてましたなぁ。きっとレミは、この子がこんなに大きくなって~と感慨深い思いをされたに違いない。アハネス様もどこかで見たことがあると思ってたら他の回で出演されてましたなぁ。ちょっと話がずれましたが。
あ~、さらに、気づくと今年も終わりに近づいてますねぇ、早い(汗)、アハネス様は美女10にノミネートされてるのでしょう。今年も楽しみにしてます。

>その大男にネックハンギングツリーで宙に持ち上げられているところで、次回へ続くのだった。

サキを軽々持ち上げるなんてどんな怪力や。次回が気になる終わり方をしてますね。BGMも合ってましたねぇ。

登場人物の多さと見応えが充実している反面、少し強引な幕引きを図ろうとする都合のいいストーリーを管理人様のレビューで読み解くことがでしましたね。

この回でいよいよ終盤入りで、力の入ったレビューが伝わりました。それと、管理人様の好きなナツの露出が増えて盛り上がってますね~。次回も見どころ満載、楽しみです。更新お疲れさまでした(^O^)

海槌一族

もーちと景気良い日本征服作戦してくれませんかね?
プルトニウム強奪して原爆製造するとか
自衛隊の将校をそそのかせてクーデターとか
電化製品に洗脳装置を仕込むとか(石ノ森先生版「仮面ライダー」)
気合いが足りんぞ!

見逃した

自宅にビデオがなくてこの回は見逃しました。

Re: 不可解な発言

自分ではサキを自分の娘だと信じてますからね。

Re: 男組

メガロマン、私も見たいです。

Re: くみたんo(^^o)(o^^)o

お待たせしてすいませんでした。

> 確かに、ちゃっかり神サマがいますね。ははぁーん、さては、サキを三平に取られまいとして参上したのだろう。

正直、いなくていいですよね。

> 管理人様はとことん追求されてますねぇ。感服します。これまた偶然、他のドラマでもチェッカーズの話題がでてましたが、私は曲を聴いたことがあるだけで詳しくは知らないのです。情報ありがとうございます。

お役に立ててなによりです。チェッカーズのメンバーが人間に化けられるタヌキで、それをCIAか何かが狙うと言う、これほどしょうもない映画があっただろうか、いや、ない!! 的な映画でした。

> これは笑ってしまいました(笑)スタッフのお願いで、お母さんはサキに会ってくれたのか。鋭い切り口です。

ありがとうございます。でも、実際、それ以外に理由なさそうです。

> それにしても、この画像素晴らしい、銃口からの発射部分を見事キャプされましたね。絵になりますなぁ。

これがなかなか大変なのです。

> ただ走りだけなのにカッコイイ!!

いくらなんでも決まり過ぎですよね。

> ここは大爆笑、しっかり机を叩く音を表現してる。ヒートアップしている暗闇指令。べらんめえ口調がよく伝わります(笑)

なんだかんだで、長門さんもハマリ役ですよね。

> 突如、記者会見開いたりと、考えてみると都合がいいですね。

弁護士関係ないだろって感じですし。

> あ~、そういえば、タクシードライバーでの最終話でレミと翔様共演されてましたなぁ。きっとレミは、この子がこんなに大きくなって~と感慨深い思いをされたに違いない。

成長されてからの翔って、全然見た記憶がないですね。まあ、気付かないだけかも。

> あ~、さらに、気づくと今年も終わりに近づいてますねぇ、早い(汗)、アハネス様は美女10にノミネートされてるのでしょう。今年も楽しみにしてます。

ありがとうございます……って、また考えなきゃならないのか。

あ、念のため、アハメス様です。

> この回でいよいよ終盤入りで、力の入ったレビューが伝わりました。それと、管理人様の好きなナツの露出が増えて盛り上がってますね~。次回も見どころ満載、楽しみです。更新お疲れさまでした(^O^)

こちらこそ、いつもながらのボリュームのあるコメント、堪能させていただきました。

あと少しかと思うとやっぱり寂しいですね。

Re: 海槌一族

でも、話がでかくなると予算もそれだけかかるし、女子高生が戦う相手としては、これくらいが限界だと思いますけどね。

Re: 見逃した

残念でしたね。

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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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