第10話「GOD秘密警察!アポロガイスト!!」(1974年4月20日)
前回の続きから、強敵アキレス打倒のために、おやっさんと「はじめてのおつかい」ならぬ「はじめての特訓」に励んでいるXライダー。
ライダーが高いところから飛び降りては、それをおやっさんがペイント弾で撃つと言う、一目クソみたいなアクティビティーにしか映らない実りのない訓練を何度も続けた後、

立花「冷静になって相手の弱点を考えてみろ、その、何と言った、相手の名前は?」
不意に、そんなアドバイスをするおやっさん。
一瞬、
「そゆことは、特訓を始める前に言ってね、うふっ」と、笑いながらキレそうになったライダーであったが、
ライダー「アキレス! ……奴がその名の通りの能力を持っていれば弱点はアキレスのカカトだな」
ここでナレーションとイラストによって、ちびっ子に向けて、ギリシア神話の英雄アキレスについての簡単なレクチャーが行われる。
しばし考え込んでいたライダーは、ハッとあることに気付く。
ライダー「今までの特訓意味ねえじゃん!」 じゃなくて、
ライダー「アキレス腱だ。弱点は足につけるジェットローラーだ。地上では奴のスピードに負ける、だが空中で戦えば……」
空を仰いでいたライダー、おやっさんに向かって「おやじさん、手を借ります」と叫び、空中におやっさんの体を浮かせてから空中でその顔面にキックする。
もちろん、寸止めである。

ライダー「おやじさん!」
立花「今の呼吸だ、忘れるなよ!」
ライダー「はいっ」
さすがに百戦錬磨のおやっさんも年には勝てず、いかにもしんどそうに肩で息をしながら注意する。
ただねえ、アキレスの弱点がジェットローラーだと言うのは、単に敬介がそう思ってるだけなので、それで勝った気になると言うのは、なんか危うい気もするんだよね。
確かにジェットローラーを潰せばアキレスの足の速さを封じられるかもしれないが、正直、前回の戦いを振り返っても、別にアキレスの足の速さに敗れたようには見えないんだよね。
それはさておき、その特訓の様子は、前回からアポロガイストの人間態にしっかり見られていた。
だが、アポロガイストは見物するだけで一切邪魔はせず、

アポロガイスト「敵ながら良い根性をしている。さすがだ、Xライダー」
それどころか、ひたむきに努力するXライダーの姿勢に惜しみない賛辞を送るのだった。
うーん、これは紳士的なアポロガイスト的には正解かもしれないが、GODの秘密警察室長としては、Xライダーが新しい技を会得するのを手を拱いて見ていたのは決して褒められたことではないと思う。
ま、この時点では、本気出せばライダーぐらい簡単に倒せると余裕ぶっこいていたのかもしれないが。
一方、支配下に置いた村に戻ったアキレスに、総司令は引き続きXライダーの監視を命じる。
アキレス「人間ロボット作戦はもう成功も同じだ。Xライダーは片付けたし、今頃総司令は何であんな命令を……」
だが、呆れたことに、Xライダーが生きていることすら知らないアキレスは、総司令の命令に首を捻る始末。
そこへアポロガイストがあらわれ、その疑問に答えてやる。

アポロガイスト「アキレス、Xライダーが無事だからだ」
アキレス「なにっ?」
アポロガイスト「Xライダーは二度と立てんどころか、お前を破ろうと必死のトレーニングをしているぞ」
アキレス「なんだと」
アポロガイスト「お前も少しは見習ったらどうだ?」
アキレス「やかましい、この俺が、不死身のアキレスが負けるもんか」
アポロガイストも一応忠告するが、アポロガイストが「パロマの瞬間湯沸かし器」と形容したとおり、アキレスはすぐに頭に血を昇らせ、直ちにXライダーを倒しに出撃してしまう。
と、アポロガイストの持っていた小型ビデオレシーバーが鳴り、総司令がその態度を咎める。

総司令「アポロガイスト、何故止めんのだ? お前はGOD秘密警察の第一室長だ。その特権を与えてある」
アポロガイスト「お言葉ですが、総司令、私の見たところアキレスには、
物事を冷静に見る判断力が欠けています。今度の人間ロボット作戦には向いていません」
総司令「よろしい、お前の言葉を信じよう。改めて第二作戦の準備にかかれ」
だが、さすがアポロガイスト、総司令の叱責にも怯むことなく理路整然と抗弁し、遠回しにアキレスを粛清すべきだと進言し、総司令もその意見を尊重して作戦を変更させる。
でも、アポロガイストがいみじくも指摘したアキレスの性格的欠陥だが、これって、ライダーシリーズに出てくる怪人ほとんどすべてに当て嵌まることだよね。
なお、アポロガイストが持っている通信機の画面だが、これ、合成なんてものじゃなく、ただの鏡に、カメラの外にあるアルミ箔か何かを反射させているだけなのである。
この発想はなかったわ。 にしても、これより7、8年前なのに、バリバリ合成ショットを入れていた「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」って凄いよね。
あるいは、その7、8年後なのに、鏡で代用してる「仮面ライダー」シリーズのしょぼさに突っ込むべきなのか……
さて、開店以来客がひとりも来たことがない喫茶店コルに二人が戻ってくると、なんと、GODに攫われた筈のミキがカウンターの向こうからひょこっと顔を出すではないか。

敬介「ミキちゃん、無事だったのか?」
立花「良かった、良かった」
ミキ「神敬介、聞け!」
敬介「ミキちゃん!」
だが、ホッとしてカウンターに座った二人に、ミキは子供とは思えぬ口調で叫び、
ミキ「ミキを正気に戻したかったら、解毒液を大井埠頭まで取りに来い。アキレスが神敬介を待っている」
無論、アキレスのドリームビールスに冒されているのだろう、アキレスからのメッセージを伝えると、気を失ってその場に倒れてしまう。
敬介「おそらく、あの含み針のせいでしょう。大井埠頭か、アキレスめ」
立花「敬介、行く気か?」
敬介「勿論です」
立花「しかしあの必殺技は未完成だ。ほんとに自分のものにするには二日は掛かるぞ」
おやっさんがアキレスと決戦するには時期尚早だと危ぶむが、
敬介「おやっさんらしくもない、こんな時、先輩の仮面ライダーは必殺技が完成するまで待ってましたか?」 敬介はニヤリと笑うと、その弱気を叱咤するように反問する。
立花「ふふふ、一本取られたな、よし、行って来い」
敬介「ミキちゃんをお願いします」
そう言われて、おやっさんも過去のライダーたちが同じような修羅場を何度も潜り抜けてきたことを思い出したのか、不敵な笑みを浮かべて敬介を送り出す。
だが、よくよく考えれば、いくら短気とは言え(たぶん)バカではないアキレスが、ただのメッセンジャーとして大事な人質を送って寄越す筈がなく、案の定、ミキの服の中には巨大なロボット蜂が潜んでおり、敬介が出掛けた後、おやっさんに襲い掛かってドリームビールスを注入する。
敬介が大井埠頭にやってくると、アキレスが既に彼らのロボット人間になったおやっさんとミキを連れてコンテナの影から現われる。

アキレス「待っていたぞ、神敬介」
敬介「おやじさん、ミキちゃん!」
アキレス「人間ロボットになった二人に、お前の声は聞こえない」
敬介「人間ロボット? あのビールスの働きか?」
どうでもいいけど、敬介がバイクで出掛けた後にGODの人質になった二人が、敬介とほぼ同時にこの場所にあらわれるって、なんか変じゃないか?
ま、ジェットローラーを持つアキレスなら、敬介の先回りは可能かもしれないが、おやっさんとミキを連れてでは、さすがに無理だろう。

アキレス「解毒液を打たない限り、人間には戻らない」
敬介「卑怯な、解毒液を渡せ!」
わざわざ解毒液を用意している悪も悪だが、それを悪に向かって「寄越せ」って言う善も善である。
ところで、二人はロボット人間になっているのだから、別に縛る必要ないのでは?
あと、悪人メイクになったおやっさんが、いつものようにちょっと男前になっているのがツボである。
アキレス「Xライダーの命と交換だ」
敬介「俺の命?」
アキレス「どうなんだ? 返事は?」
敬介「おやじさんとミキちゃんをそのままにしておけない……アキレス、俺の負けだ」
冷静に考えれば、アキレスがそんな約束を守る筈がないし、今ここで敬介が死ねばGODの天下となってしまうので、敬介の取るべき道は、二人を見捨てて戦うこと一択であったが、正義のヒーローは、たとえそれが理屈に合わなくても、罪のない人を見捨てる訳には行かないのであった。
アキレス「覚悟はいいな、じわじわと嬲り殺しにしてやる」
だが、無抵抗の敬介のためにアキレスが用意したのは、

GODのローラースケート部隊が、その体をロープで引き摺り回すと言う、ほとんどただのアクティビティーにしか見えない、ぬる~い処刑方法であった。
しかも、石の多いでこぼこしたところならともかく、こんなすべすべしたコンクリートの上でやっても、カイゾーグである敬介には何のダメージも与えられまい。
アキレス「一周して来い」 お前は部活の顧問か? だが、彼らがコンテナの周りを一周している間に、敬介はどんな技を使ったのか不明だが、戦闘員たちをすべて倒し、ロープを解いてXライダーに変身していた。
ライダー「アキレス、一対一の勝負になったな」
アキレス「くそう」
……
よく考えたら、アキレス、悔しがる必要なくね?
だって、状況はさっきとは全く変わってないのだから。
ともあれ、ライダーはアキレスと戦い、上手く空中戦に持ち込むと、

ライダー「X二段キィッッック!」
特訓で開発した新必殺技を放ち、強敵を撃破……したかに見えたが、驚くべきことに、アキレスはなおも健在であった。

ライダー「必殺技は未完成、通じないのか?」
内心焦りまくるライダーであったが、
アキレス「貴様はよくも俺の急所を……Xライダー、おお」
やはりカカトへの一撃が効いていたのか(註1)、アキレスは苦しそうに呻いてその場に膝を突き、その拍子に小さなカプセルを落とす。
註1……映像では分かりにくいが、二度目の蹴りがちゃんとアキレスのカカトに入っている。
ライダー「これが解毒液」
素早くそれを拾うライダー。
……
だから、なんでそんなもん持ち歩いてんだよ、お前はっ! もう、ほんと、「仮面ライダー」から延々と繰り返されてきたこのお間抜けパターン、いい加減やめませんか、伊上さん?

アキレス「むっ、まだ負けんぞ」
それでも不屈の闘志で立ち上がり、不死身の異名が伊達ではないことを示すアキレスだったが、彼らの後方から何者かが銃を撃ってくる。
振り向けば、アポロガイストが銃を構えて立っていた。

アキレス「た、助けてくれ、アポロガイスト」
アポロガイスト「……」
アキレス「仲間を殺す気か?」
アキレス、恥も外聞もなく命乞いをするが、

アポロガイスト「聞けえっ、俺の身分はGOD秘密警察・第一室長なのだ」
アキレス「お前があの恐ろしい秘密警察……」
意外にも、アキレス、アポロガイストの身分を知らなかったらしい。
アポロガイスト「総司令の名の下に役に立たなくなったお前を処刑する」

アキレス「やめてくれ、助けてくれ!」
慌てて後ろを向き、四つん這いになって逃げ出すアキレスの、大変珍しい怪人パンチラが炸裂!
うーむ、日本ドラマ史上、これほど楽しくないパンチラが果たしてあっただろうか、いや、ない!
アポロガイスト、容赦なくアキレスのカカトを撃ち抜き、アキレスを処刑する。
しかし、はっきり言って愚行だよね。
単にライダーに弱点を見抜かれて劣勢になっただけで、命令に背いたりGODを裏切ったりした訳ではないのだから、どう考えても厳し過ぎる処分だし、しかも、よりによってライダーとの決戦中に処刑するなど、それこそライダーを手助けするようなものではないか。
むしろ、ライダーが弱点を見抜いていることをアキレスに前もって教えてやらなかったアポロガイストの怠慢こそ、罪に問われるべきだと思うんだけどね。
それに、アキレスの戦闘能力が極めて高いことがライダーとの戦いで立証されたのだから、一旦退却させて弱点のカカトを補強してやれば、引き続きGODの有力な戦力となっていただろうに、あっさり破壊してしまったのはあまりに性急で軽率な判断だったといわざるを得ない。
とにかく、アポロガイストの行動には納得いかないことだらけなのだが、きりがないのでこの辺にして話を進めよう。
ライダーがその場から去った後、新たな怪人・火焔プロメテスがあらわれる。

プロメテス「あれがXライダーか」
人間に火を与えたと言われる神プロメテウスがモチーフの怪人だが、常に舌を出しているワンちゃんみたいな風貌は、地獄の番犬ケルベロスも混じっているような感じである。

総司令「プロメテス、GOD総司令だ」
そこへなんの前フリなしでリカちゃん人形(?)が出て来て、渋いおじさんの声で重々しく語りかけるのが、真似しようとしても真似できない、昭和ライダー名物「狙ってないのに死ぬほど笑えるギャグ」となっております。
総司令「アキレスの死によって人間ロボット作戦は中止する。第二作戦として既にある人間ロボットをただちに破壊工作員として訓練するのだ。そして日本各地に派遣して低賃金で扱き使うのだ!」
間違えました。
総司令「日本各地に派遣して破壊行動をさせるのだ!」
可愛らしい外見とは裏腹に、物騒な命令を下すリカちゃん。
でも、「アキレスの死によって」って、他人事みたいに言ってるけど、
それ、命令したのお前だからな。 しかし、まあ、状況の変化に合わせて柔軟に作戦を変更するあたりは、「悪の組織」の首領としては悪くない資質ではある。
CM後、アポロガイストが白いスーツ姿でその村にやってくると、いきなり村人たちがマシンガンをぶっ放してくると言う、アバンギャルドなシーン。

無論、アポロガイストにそんなものは通用せず、平然とバイクにまたがっていた。
でも、アポロガイスト本人は平気でも、スーツには穴が開きそうなもんだけどね。
プロメテス「撃ち方やめい! アポロガイスト!」
アポロガイスト「お前の隠れ家へ案内しろ」
プロメテス「ようし」
余計なことは一切言わず用件だけ述べるアポロガイストが実にクールである。
プロメテスはとある農家のひとつにアポロガイストを連れて行くと、

プロメテス「どうだ、アポロガイスト、俺の教育は大したものだろう」
背後に貼ってある、日本風のカレンダーが、なんか微笑ましい。
まあ、最初から貼ってあったのだろうが、プロメテスが貼ってるところを想像すると笑える。
あけっぴろげに自慢するプロメテスであったが、

アポロガイスト「GODの戦闘工作員養成所長をしていたお前だ。その程度は当然だっ!」
アポロガイストはしびれるくらいに厳格で、褒めるどころか叱り飛ばすように突き放す。
しかし、敵(Xライダー)に甘く、身内(怪人)に厳しい悪の幹部ってのも、珍しいよね。
プロメテス「当然とはなんだ? いいか、こいつらは生まれはじめて銃を握ったんだ。それがたった半日でだ」
が、あまり厳格すぎるのも考えもので、直情径行型の怪人たちとの相性が宿命的に悪いのが、アポロガイストの大きな欠点と言えよう。
アポロガイスト、Xライダーが来る前にここを引き払うよう命じて立ち去るが、プロメテスはそれに従わず、村でXライダーを待ち受けて抹殺しようと企む。
ところで、プロメテスの隠れ家って、これなの?
自分はてっきり、カレンダーの貼ってある壁が隠し扉になっていて、その向こうに最新設備のアジトが作ってあるのかと思ったのだが……
なんか、「Xライダー」って過去作品と比べても、お金がない印象を受ける。
やっぱり、田崎潤さんのギャラが予想以上に高額で、それが2話以降の制作費を圧迫してるのか。
まあ、勿論、オイルショックの影響もあるだろうが……
何しろこの年は、戦後初めてマイナス成長を記録した年らしいからねえ。
閑話休題、アポロガイストの予想通り、ほどなく敬介が「早い、安い、うまい」で有名な城東大学で作ってもらったドリームビールスの解毒液を持って村にやってくる。

プロメテスは、ロボット人間になった大野剣友会の皆さん、いや、純朴な村人たちを盾にしながら、マシンガンを持った戦闘員を敬介に向かわせる。
文字通り「人間の盾」と言う奴で、やることがえげつない。

プロメテス「さあ、戦ってみろ、神敬介」
敬介「村の人たちが邪魔だ。もし怪我でもされたら……汚いぞプロメテス」
プロメテス「ふっふっ、驚くのはこれからだ。さあ行くぞ、ぶるるんっ!」
プロメテスは、戦闘員のマシンガンを村人に持たせると、村人たちに敬介を撃たせると言う、もっとえげつないことを仕掛けてくる。
ただ、人間の盾は三人いるのに、左右の二人(中屋敷さんと岡田さん)だけがマシンガンを撃ち、真ん中の人は何も持っていないと言うのが、なんかビンボー臭くて悲しい。
たぶん、撮影用のマシンガンがそれだけしかなかったのだろう。
それが証拠に、
プロメテス「竹槍隊、突撃!」

プロメテスの号令を受けて、他の村人たちが、先を尖らせた竹槍を持って突っ込んでくるという、まさに戦争末期、物資不足に悩んだ日本軍がやらせていたのと全く同じ、ビンボー臭さ全開の攻撃を仕掛けてくるのだった。
でも、実際の竹槍隊と同じく、これじゃあ敬介を殺すのは無理だよなぁ。
つーか、こんなことせずに、単に人質として利用すれば良いのでは?
敬介、ひとまず村から退散するが、

敬介「うわっ」
あらかじめ仕掛けられていた地雷によって、吹っ飛ばされる。
これ、三発目はほんとにバイクの真下で爆発しているように見えて、一瞬事故ったのかと、ヒヤッとしてしまう。
と言っても、さすがにこれはスタントかなぁ?
プロメテスは、気絶している敬介の体をアジトに運び入れ、ロープで縛って天井から吊るし、部下に見張りを命じてアポロガイストを呼びに行く。
いや、それこそ通信機使えよ……

プロメテス「アポロガイスト!」
んで、部下の運転するバイクの、子供用のソリみたいなサイドカーにちょこんと乗ってるプロメテスがめっちゃ可愛いのである。
アポロガイスト「どうした、プロメテス、そんなに可愛くなってどうするつもりだっ?」 それを見たアポロガイストが思わず萌え死にしたくらいであるが、嘘である。
アポロガイストは眉ひとつ動かさず、
アポロガイスト「どうした、プロメテス、移動に時間が掛かりすぎる」
プロメテス「あんたの言葉だが、もうあの村を移動する必要はない」
アポロガイスト「なにぃ?」
プロメテス「村にのこのこ入って来た神敬介を捕らえたんだ」
アポロガイスト「バカーッ!」 それを聞いたアポロガイスト、プロメテスを褒めるどころか怒声を爆発させる。

アポロガイスト「相手は神敬介、いや、Xライダーだ」
プロメテス「嘘だと思うなら村へ来い」
アポロガイスト「その必要はない。今頃村の人間たちはXライダーに救出されている頃だ」
アポロガイスト、結果を見ようともせず、バイクをUターンさせてさっさと走り去る。
この見切りの早さは鮮やかだが、いささか淡白な印象も受けるんだよね。
せめて、ことの真偽を確かめにプロメテスに同行して村に戻るのが最低限の務めであろう。
つーか、プロメテスが移動命令を遂行するのを見届けず、一体お前はどこほっつき歩いてたんだってことなんだけどね。
ともあれ、プロメテスは急いで村に引き返すが、みたところ、何の異常も見られない。

プロメテス「この俺をハラハラさせやがってぇ」
どうでもいいが、怪人が「ハラハラしてる」ところって、滅多に見られない光景だよね。
だが、案の定、既に事は破れていたのである。
敬介、吊るされたままニヤリと笑うと、

敬介「俺ははじめから気絶などしていない。自己催眠で少し寝たのだ」
プロメテス「何のために?」
敬介「貴様を油断させ、村の人々を無事に救い出すためだ」
プロメテス「な、なにを、破壊工作員、集合しろ」
プロメテス、元教官らしく伸縮式の指示棒を手に、何故か建物の外へ出て行ってしまう。
立花「敬介」
敬介「うまくやりましたね、おやじさん」
それと同時に敬介はロープをほどき、戦闘員に化けていたおやっさんも素顔を見せる。
立花「ミキちゃんのお母さん、ミキちゃん無事ですよ」
母親「はい」
そう、村人たちも、既に解毒薬で正気に返り、ロボット人間のふりをしていただけだったのだ。
と言うことは、他の戦闘員も、村人が化けていたのだろう。
どうでもいいが、前回そのニセモノが登場したミキの本当の父親は、一体何処行っちゃったんだろう?
さて、ここからラス殺陣となるが、アキレスと違って特に強くもないプロメテス、何の工夫もなくXライダーに蹴り殺される。
以上、終わってみれば、「GODは一体何がやりたかったんだろう?」と首を傾げしてしまうような事件であった。
ま、仮に総司令の言う第二作戦が実行されていたとしても、マシンガン二丁に竹槍と言うお粗末な装備では、あっという間に情け無用の機動隊に鎮圧されて終わっていただろう。合掌。
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