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「ウルトラマンレオ」 第24話「美しいおとめ座の少女」(リテイク版)


 第24話「美しいおとめ座の少女」(1974年9月20日)

 冒頭、一隻の宇宙船が飛来し、山の中に不時着……と言うより、激突し、大爆発を起こして粉々になる。

 
 ドドル「ああ……」
 カロリン「おじいさま、大丈夫? おじいさま、しっかりして!」

 紅蓮の炎と黒煙が上がる中、老人とその孫娘らしい二人連れの姿が見えた。

 さりげなく、孫娘が巨大な宇宙船のパーツをひとりで持ち上げていることから、彼女がただの人間でないことが示唆されている。

 直ちにMACが現場に急行するが、既に二人は何処かへ逃げた後で、宇宙船の残骸が散乱しているだけであった。

 ゲン「隊長、地球のもんじゃないですね」
 ダン「ようし、この地区のパトロールを強化しよう」

 ゲンの拾ってきた鉱物を見たダンは、やる気なさそうにそう命じる。

 翌日、ゲンと佐藤隊員がロディーで周辺の町をパトロールしている頃、同地区のとある病院に、ひとりの奇妙な格好をした少女が訪れていた。

 
 看護婦「うちでは往診は全部お断りしてるんですよ」

 
 カロリン「お願いです!」

 その少女こそ、前夜、祖父と一緒にいたカロリンと言う宇宙人であった。

 演じるのは「仮面ライダーアマゾン」でお馴染み、松岡まり子さん。

 
 カロリン「お願いします!」
 看護婦「何度言われても往診は無理ですね」
 カロリン「お願いです、お願いします」

 カロリンは窓口で必死に頼むが、ちょっと綺麗な看護婦さんはマニュアルどおり応対するだけで、他の患者たちも何の力にもなってくれない。

 
 カロリン「お願いです!」
 看護婦「お薬です、一日三回食後に飲んでくださいね」
 カロリン「なんとかお願いします!」
 
 カロリンはなおも同じ言葉を繰り返していたが、

 看護婦「救急病院にでも行ってみてください」
 カロリン「……」

 持て余した看護婦さんはそう言って、逃げるように奥に引っ込んでしまう。

 まあ、看護婦さんは規則に従って判断しているだけで、別に悪人と言う訳ではないのだが、宇宙人の目には、日本、否、地球と言う星がいかにも心の冷たい社会のように映ったのは当然であった。

 
 仕方なく病院を出たカロリンであったが、まだ怒りがおさまらないのか、悔しそうな目で病院のドアを見詰めていたが、やがてその場から走り出す。

 と、曲がり角の向こうから突っ込んで来たロディーと危うく衝突しそうになるが、なんとか急ブレーキが間に合い、事故にはならなかった。

 これが野郎だったら、ロディーからアホみたいに生えている銃器で蜂の巣にしてやるところだが(註・そんなことしませんっ!)、

 
 ゲン「君ぃ、怪我は?」
 佐藤「危ないじゃないか、いきなり飛び出して来たりして」

 相手が若くて可愛い女の子と言うことで、ゲンも佐藤も先を争うように車から降りて、カロリンを気遣う。

 カロリンが無言で立ち去ろうとするが、ゲンがすかさず呼び止める。

 
 ゲン「君、顔に泥が……」
 カロリン「……」
 ゲン「これで拭きなさい」

 ハンカチを差し出したゲンの顔を、ハッとしたような目で見返すカロリン。

 地球に来て初めて掛けられた親切な言葉に驚いたのか、それとも、一目見て相手がレオだと気付いたのか、はっきりしない。

 恐らく、その両方だったのだろう。

 しかし、遠い星からやってきたカロリンの服と、MAC隊員の制服とが同じ生地で作られていると言うのは、さすがにどうかと思う。

 
 ゲン「さ!」
 カロリン「……」

 ハンカチを無理矢理握らされたので、カロリンも機械的にそれで顔を拭き、ゲンに返す。

 ありがとうも言わずにさっさと立ち去るカロリンの後ろ姿を見送りながら、

 佐藤「おかしな子だなぁ」
 ゲン「……」
 佐藤「さ、行こうか」

 佐藤隊員はゲンを促してすぐ車に戻るが、ゲンは、地面に奇妙な材質のブローチのようなものが落ちているのに気付く。

 ゲン「宇宙金属……」

 それが昨夜発見した宇宙由来の金属と同じものだと知ったゲンは、慌てて少女を追いかけようとしたが、既にカロリンの姿は何処にも見えなかった。

 
 その日の夜、スポーツクラブの仕事を終えて建物から出てくるゲンと百子たち。

 しかし、ゲンと百子は分かるけど、なんでトオルとカオルまでこんな遅くまでスポーツセンターにいるんだ?

 まあ、二人は百子と一緒に暮らしている(ぐるる、羨ましい……)から、学校から帰ってスポーツセンターに来て汗を流し、百子の仕事が終わるまで待ってから、一緒に帰るようにしているのだろう。

 
 ゲン「じゃあみんな気をつけて」

 スポーツセンターに寝泊りしているゲンが別れ際にみんなに注意するが、

 
 トオル「だいじょうぶ、星人なんて僕の空手で一発さ」

 トオルは自信たっぷりに言って、キックをしてみせる。

 カオル「嘘ばっかし、お兄ちゃん、一番先に逃げるくせにーっ」
 トオル「言ったなぁ、もうカオルなんて助けてやらないから」

 憎まれ口を叩く妹に言い返して、肩で風を切って大股で歩き出すトオルであったが、

 
 カオル「あーっ、蛇!」

 カオルが大声で叫ぶと、

 
 トオル「きゃあっ、助けてえっ!  助けて!」

 たちまち腰を抜かしてその場にへたりこみ、犬のように地面を這って妹のところまで戻り、

 
 どさくさ紛れに妹の下半身に抱きつくのだった。

 カオルは勝ち誇ったような笑みを見せて、百子たちをかえりみる。

 カオル「ねーっ?」
 ゲン「ああ」

 
 ゲン「ぐっははははっ」
 百子「あっははははっ」

 顔を見合わせてから、弾けるように笑い出す二人。

 ああ、かわええ……

 百子さんの笑顔を見てるだけで、幸せな気分になれる。

 トオル、不機嫌な顔で立ち上がると、

 トオル「蛇と星人とは違うよ!」

 言い訳にもならない言い訳をして、妹の頭を小突くのだった。

 三人が帰った後、建物に戻りかけたゲンは、建物の影に、何者かが隠れているのに気付き、誰何する。

 それに応えておずおずと物陰からあらわれたのは、果たして、昼間見た少女であった。

 
 ゲン「君は……」
 カロリン「お願いです、助けてください、おじいさまが死にそうなんです」
 ゲン「君は、地球人じゃないね?」
 カロリン「お願いです、助けてください、お願いします!」

 状況は分からなかったが、相手の真剣な眼差しに打たれ、ゲンはカロリンに同行する。

 そう言えば、松岡さんの声って、丘野さんの声に似てる気がする。

 良く見たら、顔立ちもちょっと似てるような……

 カロリンがゲンを連れてきたのは、敷地内に白い土砂の山がいくつもある、高速道路の基礎工事が途中で中止になったような殺風景な場所だった。

 周囲に人家はなく、聞こえるのは虫の音だけだった。

 あの老人は、人目につかないコンクリートの通路(?)の奥に臥せっていた。

 
 カロリン「おじいさま、しっかりして」
 ゲン「ひどい熱だ。早く病院へ連れて行かないと」

 ゲンは老人の容態を見て、すぐに抱き起こそうとするが、

 
 カロリン「ダメ! 病院はダメ」
 ゲン「どうして?」
 カロリン「地球人は信用できないわ」
 ゲン「じゃあ、何故僕を?」
 カロリン「あなたは地球人じゃないわ」

 
 カロリン「それに……良い人だわ、お願い、助けて! 助けてください!」

 やっぱり松岡さんは美人である。

 同じ宇宙人からそこまでお願いされて断ったのでは宇宙人の名折れだとばかり、ゲンは快く引き受け、その場で必死の看病を行う。

 元々、大したことはなかったのだろう、ひたすら額に濡れたハンカチを置くだけと言う原始的な手当てしかしなかったにも関わらず、夜が明けないうちに、ドドルの熱は下がり、ゲンも太鼓判を押す。

 
 安堵の笑みを浮かべ、ゲンに熱っぽい眼差しを向けるカロリンちゃん。

 やっぱり松岡さんは可愛い。

 二人は穴蔵から出て、土砂山の裾で一休みする。

 
 ゲンの真似をして、両手を伸ばして胸をそらしてみせるカロリン。

 並んで腰掛けると、ゲンはあのブローチのようなものを取り出し、

 
 ゲン「はい、落し物」
 カロリン「あっ、あなたが持ってたの? これね、おじいさまがお誕生日にくださったの」
 ゲン「あ、ちょっと貸して」

 ゲン、調子に乗って、カロリンの胸にブローチをつけてやる。

 ゲン「良く似合う」
 カロリン「えへっ」

 たぶん、若い男性にそんなことをされたのは初めてだったのだろう、カロリンは照れ臭そうな笑みを浮かべて俯く。

 しかし、ゲンがこんなに軽い男だったとは意外である。

 百子さんと言うものがありながら……

 
 ゲン「ああ、綺麗な星空だ」
 カロリン「綺麗ねえ」
 ゲン「……」

 「君の横顔の方がもっと綺麗だよ!」と言ってやりたい衝動に駆られるゲンだったが、なんとか自重する。

 
 カロリン「あなたの星はどれ?」
 ゲン「もうないんだ、悪い星人に滅ぼされてしまった」
 カロリン「……」

 ゲンの言葉に振り返り、いたわるような目でその悲しげな顔を見詰めるカロリン。

 
 ゲン「君の星は?」
 カロリン「私の星はね、あれ……私の故郷、サーリン星は乙女座で一番美しい星でした」

 なんで宇宙人が、乙女座なんてものを知ってるんだという野暮な突っ込みはなしにしようぜ!

 カロリン「でも、ある日、おじいさまの作ったロボットが反乱を起こしたんです」

 

 
 カロリンの説明にあわせて、ガメロットと言うずんぐりした巨大ロボットが勝手に暴れ出し、都市を破壊し、美しい大地を蹂躙する様子が描かれる。

 なんとなく、「レッドバロン」に出てきそうなロボットである。

 カロリン「人々は皆殺され、サーリン星は乙女座で一番醜い星になってしまいました……」

 しかし、カロリンはあっさり言ってるけど、よくよく考えたらドドルの作ったロボットが暴走した結果なのだから、ドドルがサーリン星を壊滅させたも同然ではあるまいか?

 その点についてドドルもカロリンもまるで責任を感じてない様子なのが、ちょっと引っ掛かる。

 
 ゲン「それで君たちは逃げてきたの?」
 カロリン「ええ、でもきっと追いかけてくるわ、ロボットにはまだおじいさまが必要なの」
 ゲン「だいじょぶ、その時はMACが、いや、僕が守る、守って見せるよ」
 カロリン「ほんと?」
 ゲン「うん」
 カロリン「いつかまた、美しいサーリン星にきっと帰れるわよね」
 ゲン「ああ、帰れるさ」

 互いに故郷の星を滅ぼされた身の上だと知って、二人の心がますます近付いたのは言うまでもない。

 状況的には15話の人間関係を引っ繰り返したような感じで、百子さんがもし二人の関係を知っていれば、15話のゲンのように嫉妬の炎を燃やしたであろうが、さいわい、百子さんは何も知らないまま事件は終わるのである。

 しかし、所属しているゲンからも当てにされないMACって……

 CM後、

 
 ゲン「ピュピュピュ~」
 
 スポーツセンターで、口笛を吹きながらシャワーを浴びているゲン。

 カロリンとの「恋」で浮かれていることを表現したかったのだろうが、冷静に考えたら、口笛吹きながらシャワー浴びる奴ぁいないよね。

 トオル「オオトリさん、オオトリさん!」
 ゲン「え?」

 トオルに何度も呼ばれて、やっと気付く。

 トオル「あのねー、僕たち百子姉ちゃんと映画見に行くんだ、オオトリさんも行かない?」
 オオトリ「わりぃ、今日行けないんだ」
 トオル「ちぇっ、つまんないの」

 
 トオル「オオトリさん、行けないんだってさ」
 百子「そう」

 余所行きの格好をしてゲンのベッドにちょこんと腰掛けている百子とカオルが可愛いのである!

 そこへ口笛を吹きながらゲンが入ってくる。

 
 百子「ねえ、MACのお仕事?」
 ゲン「え? あはっ、ちょっとね……」
 カオル「つまんないの!」

 ほっぺを膨らませて横を向くカオルが可愛いのである!

 ゲン「カオルちゃん、ごめん、今度一緒に行こうね」
 百子「お仕事じゃ仕方ないわ、さ、三人で行きましょう」

 百子さん、実はゲンが「彼女」に会いに行くと知ったら、怒り狂ってただろうなぁ。

 既に地球にそのガメロットが侵入しているとも知らず、ゲンは口笛を吹きながらカロリンたちの隠れ家に向かっていた。

 
 ゲン「うっ、うん」

 恋人との待ち合わせ場所に来たように、どぎまぎと、整える必要のない髪に手をやるゲン。

 ドドル「どうぞ」

 だが、ゲンが声を掛けるより先に、中から聞こえてきたのは老人のしわがれた声だった。

 
 ドドル「オオトリ君じゃな? 話はあの子から聞いています」

 言い忘れていたが、ドドル役は天本英世さん。

 つまり仮面ライダーのヒロインと死神博士の共演だった訳である。

 ゲン「お体、如何ですか」
 ドドル「ああ、この分なら、あと10日もすれば起きれるじゃろ、これもみな、あなたのお陰だ」
 ゲン「いやぁ、僕なんか……きっと彼女の祈りが通じたんですよ」

 などとやってると、カロリンが手に黄色い花を持ってあらわれ、

 
 ゲン「やあっ!」

 
 カロリン「えへっ」

 はにかんだ笑みを浮かべて頭を少し傾ける。

 ……

 クッソ可愛いんですけど……

 カロリン「この花、奇麗でしょう? 河原に咲いてたのよ」
 ゲン「ああ、良い匂いだ」
 カロリン「この花の名前、なんて言うの?」
 ゲン「これはね、野菊って言うの」
 カロリン「まあ、可愛い名前ね、サーリン星にもね、このお花にそっくりのお花があったのよ」
 ゲン「ふーん」

 逃亡生活を続けてきたドドルとカロリンは、久しぶりに心の安らぎを覚えるが、それも束の間の安息に過ぎなかった。

 三人が談笑している最中、本部から別の宇宙船が出現したとの知らせが入ったのだ。

 カロリン「ロボット警備隊だわ」
 ドドル「とうとうここまで追ってきたか……」

 ゲンは、二人にこの場所から動かないよう強く念押ししてから、MAC本部に戻る。

 やがてMACの戦闘機が出撃し、空中に浮遊している楕円形の宇宙船に接近する。

 ダンは命令するまで攻撃するなと部下に命じてから、宇宙船に向かって呼びかける。

 
 ダン「宇宙船に告ぐ、こちら宇宙パトロール隊、至急応答したまえ」
 声「我々はサーリン星・ロボット警備隊だ、逃亡者を追ってやってきた。地球に危害を加えるつもりはない。逃亡者ドドルとカロリンを引き渡しなさい」

 相手は意外にも穏やかに要求を伝えてくる。

 
 ゲンの言いつけに背いて、近くの物陰から宇宙船を見上げているカロリン。

 ゲン「ちきしょう、勝手なことを言いやがって……よし見てろ」

 事情を知っているゲンは、カッと頭に血が昇り、命令を待たずにいきなり宇宙船に攻撃を仕掛ける。

 無論、MACの武装など通用せず、逆にビームを撃たれて撃ち落とされてしまう。

 
 声「我々の力が分かっただろう、1時間だけ時間を与える。それまでに逃亡者ドドルとカロリンを連れてきなさい。さもなくば地球を破壊する」

 ロボットは、それ以上の反撃はせず、あくまで冷静にMACに呼びかける。

 
 その声を、祖父と抱き合って聞いているカロリン。

 しかし、天本さんも、劇中でこんな若い娘と体を密着させるなんて、70年代以降では滅多にない機会だったろうなぁ。

 それはともかく、地上に降りたダンは命令違反を犯したゲンに対し、

 
 ダン「命令を無視する奴があるか!」
 ゲン「すいません」

 ……

 え、そんだけ?

 初期のダンだったら、問答無用で射殺されてもおかしくないレベルのヘマだったと思うが。

 ダン「サーリン星人を見付け出すんだ」
 隊員「彼らを探し出してどうするんですか?」
 佐藤「決まってんじゃないか、ロボット警備隊に引き渡すのさ」

 宇宙にもその腰抜けぶりが轟き渡っているMAC隊員は、こともあろうにロボットの要求に応じて、人間の逃亡者を引き渡そうなどと、ふざけたことを言い出す。

 ダン「うーん」
 ゲン「隊長!」
 ダン「地球の安全を守るためだ。仕方あるまい」

 だが、正義のヒーローだったダンですら、そんな没義道を受け入れようとする。

 でも、その言い草から見ても相手は明らかにワルモノなのに、仮にも正義の味方であるMACが、一も二もなくその脅しに屈してしまうのは、いくらなんでも情けなさ過ぎるし、納得できない態度である。

 
 ゲン「でも、そんなひどい」
 佐藤「ひどい? なにがだ? 逃亡者を捕まえて引き渡す、何処がひどいんだ?」
 ゲン「……」

 ゲンの抗議に対し、平然と言ってのける佐藤隊員を、思わず撃ち殺したくなったゲンだったが、なんとか堪える。

 代わりに、レオになってる間に、佐藤隊員の実家を丹念に踏み潰しやろうと誓うのだった。

 でも、実際、「当局」が必ずしも善ではなく、「逃亡者」が必ずしも悪ではないことくらい、世の中のことを少しは知ってる人間だったら分かりそうなものなのに、佐藤隊員の台詞が防衛軍の隊員にしては、あまりにおバカ過ぎるのは事実である。

 ダン「お前、サーリン星人の居場所を知っているな?」
 ゲン「……」
 ダン「知っているんだな?」
 ゲン「……」
 ダン「言うんだ」
 ゲン「いやです!」
 ダン「なにぃ?」
 ゲン「……」

 ……

 え、それだけ?

 従来のダンだったら、口答えするゲンを杖で50回ほどシバいているところだけどね。

 極端な鬼軍曹もいやだけど、こんなに優しい上官と言うのも、なんかイメージが狂うなぁ。

 矛盾したことを言ってるようだが、そもそも、森次さんって司令官キャラに向いてないと思うんだよね。

 それはともかく、ゲンは何も言わずにその場から走り出し、二人のところへ戻って彼らを安全な場所へ連れて行こうとする。

 と、その前にダンがあらわれたので、ゲンは自分の体で二人を守ろうとするが、

 
 ダン「私はMACの隊長モロボシ・ダンです。さ、急いでください、脱出用のロケットが用意してあります」
 ゲン「……」
 ダン「ゲン、何をしてるんだ、早く二人をロディーに」
 ゲン「はいっ」

 そう、花も実もあるダンは、最初から二人を引き渡すつもりなどなかったのである。

 じゃあ、さっきの「地球の安全を守るためだ。仕方あるまい」は、なんだったのだろう?

 
 と、ドドルたちに気付いたのか、宇宙船……ガメロットが、何の警告もなしに地上にビームを撃ち始める。

 ダンは二人をロディーに乗せて走り出すが、激しい砲撃を受けて土砂山に突っ込む。

 
 斜面から転がり落ちてきたゲン、

 
 変身ポーズを取ろうとするが、

 
 至近距離で爆発が起き、吹っ飛ばされる。

 それでもなんとかレオに変身してガメロットとのバトルになるが、

 
 見かけどおり頑丈な体を持つガメロットには、レオのパンチもキックも効き目はなく、

 
 逆に強烈なカウンターパンチを食らってひっくり返る。

 それを見ていたカロリンは、

 
 カロリン(弱っ!)

 じゃなくて、

 カロリン「……」

 悲愴な顔で、ゲンの優しさや一緒に過ごした楽しい時間を脳裏に思い描いていた。

 でも、相手の体を見れば普通の打撃が通用しないことぐらい分かりそうなものなのに、なんでビーム技を使おうとしないのか、レオが戦士としていつまで経っても成長しないように見えるのは確かである。

 やがて、カロリンは決然と走り出す。

 ドドル「カロリン、やめろ、カロリン!」

 
 カロリン「レオッ、レオッ!」

 ガメロットに向かって銃を撃ちながら、レオに大声で呼びかけるカロリン。

 ガメロットの反撃を受け、地面に叩きつけられるカロリンだが、それを見てもレオは一向に奮起しようとせず、寝転がったままなのが、実に情けない。

 
 と、ここでカロリンの体が不思議な光に包まれ、

 
 その体が人間ロケット弾のようなものに変わる。

 そう、カロリンは人間ではなく、ドドルの作ったロボットだったのだ。

 
 ドドル「あ、ああっ……」

 
 離れたところにいながら、その心を通わせて、最後の別れを交わすドドルとカロリン。

 
 カロリン「……」

 松岡さんにとって、おそらく最初で最後となったであろう、被り物。

 やや魂の抜けた顔で、ジェット噴射を行ってミサイルのようにガメロットに向かって飛んでいき、腹部の剥き出しのメカ部分に激突して果てる。

 その一瞬の隙を見逃さず、レオは立ち上がると猛然と反撃に出る。

 それでも結局ビーム技を使わないのが歯痒いが、最後は飛び蹴りでにっくきガメロットの頭部を削ぎ落とし、勝利を収めるのだった。

 ラスト、いつもの河原の松林にカロリンの墓を立て、手を合わせているゲンたち。

 ゲンの中のカロリンは、あくまで無邪気に、幸せそうに笑っていた。

 
 ドドル「たとえアンドロイドでも、この子は私の孫です。これからずっと一緒にいるつもりです」
 ゲン「じゃあ、ずっとこの地球で暮らすんですか?」
 ドドル「この子がここに眠っている以上、ここが私の故郷です。なあ、カロリン」
 ゲン(それは違うと思う……)
 
 図々しく地球に居座り宣言をするドドルだったが、こんな年寄りが異郷の星でどうやって生きていくのか、どうにも心細い話である。

 普通にゲンが、ウルトラの星にでも連れて行ってやれよ、と思う。

 あと、ロボット警備隊はあれで全滅した訳じゃなく、サーリン星のロボットはなおもドドルを捕まえようとやって来るだろうから、ドドルが地球にいる限り、今後も同じような事件が起きるのではないかと心配になる。

 以上、ゲンと、健気でひたむきなアンドロイド少女との交流や、その悲劇的(かつ英雄的)な死を描いたリリカルでハードなエピソードであったが、結局、カロリンがドドルにとってどんな存在だったのか、何の説明もないのがいささか物足りない気がする。

 本当の孫が死んで、その代わりに作ったのか、単に護衛用として作ったロボットに情が移ったのか?

 でも、このドラマが訴えているのは、相手が人間だろうとロボットだろうと、心が通い合えばそれは紛れもなく家族なのだと言う、SF的ヒューマニズムなのだろうから、その出自など、まさに些事に過ぎないことなのかもしれない。

 それにしても松岡さんの可愛らしさは絶品で、特撮ドラマにおけるヒロインのキャスティングがいかに大事か、良く分かる作品であった。
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コメント

逆に言えば

>このドラマが訴えているのは、相手が人間だろうとロボットだろうと、心が通い合えばそれは紛れもなく家族なのだと言う、SF的ヒューマニズムなのだろう
逆に言えば、「話し合える」はずの人間同士の対立が虚しく思えますね。

重要なのは正しいかじゃない、理由が存在することだ

MAC及びダンにとっては心底厄介な案件でしたね
MAC視点からするとロボット警備隊側の主張は一応筋は通っているのに対し、逃亡者のサーリン星人については情報無し、ロボット警備隊の信用度は50%以下かもしれませんがドドルの信用度は算出不可なわけですから
引き渡しを拒む理由を「ロボット警備隊は悪い奴!根拠?私のカンだ!」で済ますわけにもいきませんし

ゲンが(もちろん正体がバレない様に一部ぼかしてですが)事情を話してくれればドドルとカロリンを助けようという話にはなったかもしれませんし、せめて先制攻撃をかけなければ「捜索はこちらで行うからしばらく時間をくれ」とか時間稼ぎができたのですが

なんか『怪獣使いと少年』とかもそうなんですが、個人的にこの手の宇宙人との交流エピソードは宇宙人がウルトラマンにしか事情を話そうとしないorウルトラマンの所で情報が止まってるせいで最終的に悲劇になってるパターンが結構あってあんまりノれなかったりします

松岡さんと丘野さん

出来れば松岡さんと丘野さんの絡みもやって欲しかったですね😅ゲンとの三角関係になったら、もう少し違った展開になったと思うだけに少々残念な結末でしたね

Re: 逆に言えば

まあ、人類が滅ぶまで続くでしょうねえ。

Re: 重要なのは正しいかじゃない、理由が存在することだ

> なんか『怪獣使いと少年』とかもそうなんですが、個人的にこの手の宇宙人との交流エピソードは宇宙人がウルトラマンにしか事情を話そうとしないorウルトラマンの所で情報が止まってるせいで最終的に悲劇になってるパターンが結構あってあんまりノれなかったりします

そうですね。冷静に考えたら、ウルトラマンだって得体の知れない宇宙人と言う点では同じなんですけどね。

Re: 松岡さんと丘野さん

二人のツーショットは鼻血ものだったでしょうね。

No title

>演じるのは「仮面ライダーアマゾン」でお馴染み、松岡まり子さん。

この作品の松岡さんなかなか美人ですが、昨今の彼女は、だいぶぽっちゃりしているようですね。どっちみち目立った芸能活動はしていないと思いますが。

http://timely-office.com/matsuoka-mariko/

>しかし、遠い星からやってきたカロリンの服と、MAC隊員の制服とが同じ生地で作られていると言うのは、さすがにどうかと思う。

・・・・・(苦笑)。まあカオルの服はバリエーションがないとか、この回でもはいている百子さんの赤いミニもしょっちゅうだなとかそんなことも考えますよね。

>まあ、二人は百子と一緒に暮らしている(ぐるる、羨ましい……)から

時代が違うってことですが、この番組では、百子さんに引き取られる前の鈴木隊員といい、40話以降の春川ますみさんといい、引き取るとか居候とか下宿というのが、きわめて気楽にされていますよね。40話もネットとかでは「居候」なんて書いてありますけど、いや、さすがにゲンは家賃払っているでしょ(スポーツクラブで働いているんだし)とかつまらんことをいつも考えます。

>どさくさ紛れに妹の下半身に抱きつくのだった。

これもまじめに考えれば、おおらかな時代のなせるわざですね(苦笑)。

> 状況的には15話の人間関係を引っ繰り返したような感じで、百子さんがもし二人の関係を知っていれば、15話のゲンのように嫉妬の炎を燃やしたであろうが、さいわい、百子さんは何も知らないまま事件は終わるのである。

いつも思うんですが、百子さんは「ゲンさん」でなくて「おおとりさん」ですよね。ゲンは「百子さん」。やっぱり想いの差を脚本も表しているんでしょうね。

>そもそも、森次さんって司令官キャラに向いてないと思うんだよね。

彼はどちらかというと一匹狼的キャラですかね。

> それにしても松岡さんの可愛らしさは絶品で、特撮ドラマにおけるヒロインのキャスティングがいかに大事か、良く分かる作品であった。

「レオ」も、丘野さんと富永美子のおかげでどれだけ助かっているかわかりませんよね。ゲストでいえば、阿川泰子さんもそうですね。「タロウ」の松谷さん、朝加さん、小野さんらも、彼女らの有無で全然作品が違いますよね。

>図々しく地球に居座り宣言をするドドルだったが

ロボット警備隊の再度の襲来に備え、科学力を磨くも、襲来がなく
10年後、マンションの一室からその科学力を「子供を虐める」ことだけに使ってしまう・・・
「宇宙の大学生」と渡り合えているのは実は・・・

Re: No title

いつもご丁寧なコメントありがとうございます。

> この作品の松岡さんなかなか美人ですが、昨今の彼女は、だいぶぽっちゃりしているようですね。

リンクありがとうございます。

うーん、自分は女優さんの現在のお姿はなるべく見ないようにしてるんですが、イメージが壊れるなぁ。

> ・・・・・(苦笑)。まあカオルの服はバリエーションがないとか、この回でもはいている百子さんの赤いミニもしょっちゅうだなとかそんなことも考えますよね。

厳しい製作体制の中でやってるんだから、余計な突っ込みでしたね。

> 時代が違うってことですが、この番組では、百子さんに引き取られる前の鈴木隊員といい、40話以降の春川ますみさんといい、引き取るとか居候とか下宿というのが、きわめて気楽にされていますよね。

石立鉄男のホームドラマとかも、それがないと成り立ちませんよね。

> 彼はどちらかというと一匹狼的キャラですかね。

それ以前に、そもそも隊長としては若過ぎるような……

> 「レオ」も、丘野さんと富永美子のおかげでどれだけ助かっているかわかりませんよね。

ま、お二人がいなかったら、最初からレビューしようとは思わなかったでしょう。

ところでレオのリテイクですが、もしやって欲しい回とかあったらリクエストしてくださると助かります。

Re: >図々しく地球に居座り宣言をするドドルだったが

確かにあの科学力は凄いですよね。

あれで普通に金儲けしたらいいのに。

残酷な結末

この手の話は最後にハッピーエンドになるケースもあるようですが、今回は残酷な結末でしたね😅

Re: 残酷な結末

感動的ですけどね。

No title

(1)話自体ではレオの中でも面白くて演出もノッてる話だけど、主人公であるゲンの行動についてはツッコミどころ満載のエピソードでしたね。

(2)ガメロットの着ぐるみは硬質なものにしてほしかったです。軟質な着ぐるみだったせいで柔らかそうでしわができていてロボット感がありませんでしたから。

Re: No title

> (1)話自体ではレオの中でも面白くて演出もノッてる話だけど、主人公であるゲンの行動についてはツッコミどころ満載のエピソードでしたね。

ま、いつものことですけどね。

> (2)ガメロットの着ぐるみは硬質なものにしてほしかったです。軟質な着ぐるみだったせいで柔らかそうでしわができていてロボット感がありませんでしたから。

そうですね。

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Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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