第27話「ゲーター親子の夢」(1985年8月3日)
冒頭から、チェンジマン5人が熱海後楽園ホテルへ来ている。
夏休みを貰って遊びに来ていたのなら、さやかタンのビキニ見放題と言う素晴らしいエピソードになったと思われるが、残念ながらそうではなく、正体不明の相手にそのホテルに招待されて来たのである。
5人は緊張しながら指定されたロイヤルルームに足を踏み入れるが、

ゾーリー「おいでやす、こんにちはー」
彼らを出迎えたのは、ゲーターの色違いのような、不気味な宇宙人であった。

剣「レッツチェンジ! 問答無用でパワーバズーカだ!」
疾風「合点承知!」
ゾーリー「うぎゃあああああああーっ!」 こうしてゲーターの妻ゾーリーは、異郷の星でチェンジマンにぶっ殺されたのであった。合掌。
第27話「ゲーター親子の夢」 ―完― ……としたいのは山々だが、話を続けよう。
剣たちはバカなのか、どう見てもゲーターじゃないのにゲーターだと思い込んでゾーリーに掴み掛かり、輪姦でもしかねない剣幕であったが、

ゾーリー「ゲーターやおまへん、ゲーターの家内のゾーリーでんがなぁ」
疾風「ああーっ、ほんとだ、レディーだよ!」
ゾーリーが必死に人違いだと訴え、うっかりゾーリーの胸を触ってしまった疾風が、なんとも情けない顔で叫んだので、漸く剣たちも落ち着きを取り戻す。
ちなみにこんな不気味な姿だが、声は「ライブマン」のコロンの高坂真琴さんが当てているので、実に可愛らしい。
なお、誰にも異論はないと思うが、今回の最大の謎は、こんなけったいな姿をした宇宙人が、どうやって地球のホテルの部屋を取り、普通にその中でくつろげていたか、と言う点であろう。
その疑念を払拭するためにも、ゾーリーには人間の姿に化けて登場して欲しかった。
無論、20代後半の美熟女がそれを演じるのである。
麻衣「ゲーターにこんな奥さんがいたなんて」
剣「一体俺たちを呼んで何の真似だ?」
剣たちは、ともかく彼女の話を聞くことにする。
ゾーリーは、大きなロケットペンダントを取り出して、その中の写真をみんなに見せる。
それにはゲーターとゾーリー、そして彼らに良く似た同種族の子供が映っていた。

ゾーリー「わてらの一人息子のワラジーだす」
さやか(それにしても気持ち悪い顔してるわね……) ちなみに管理人、たった今気付いたのだが、彼らの名前、みんな履物をもじっていたんだね。
ゲーターが下駄、ゾーリーが草履、ワラジーが草鞋と言うように。
この年まで気付かなかった自分を褒めてやりたい。
ゾーリー「この子が、この子が……」
ゾーリーの言葉に合わせてちょっとした回想シーンとなり、

何処とも知れぬ惑星の上を、ゾーリーとワラジーが手をつないで歩いている。
ワラジー「父ちゃーん!」
ゾーリー「……」
ワラジー「父ちゃん、いつ帰ってくんねん? 母ちゃん、父ちゃんに会いたいよーっ!」
まんまガチャピンみたいなワラジーが、父親を恋しがって泣くのだと言う。
ええ、読者の皆さんが「知るかっ」と吐き捨てたい気持ちは分かりますが、大人になりましょう。
ゾーリー「あの人が単身赴任で出掛けてからもう三年になりますねん」
ゾーリーは絨毯の上に両膝、両手をつき、細長い尻尾を猫のようにピンと立てつつ、5人に頭を下げる。
ゾーリー「お願いだす、チェンジマンさん、皆さんのお力でゴズマに気付かれんようゲーターをナビ星へ戻してもらえまへんやろか? お願いだす、お願いだす、どうかお願いだす」
何度も頭を下げて嘆願するゾーリーを見兼ねた疾風は、しゃがんでその体を起こしてやる。

疾風「いいんだよ、そんなことしなくたって……戦争で犠牲になるのはいつも女と子供って訳か……」
疾風がペンダントを手の平に載せて、真面目くさった顔で大仰につぶやくのを、

勇馬「ああっ、女だと宇宙人でも甘いんだからなぁ」
また悪い病気が出たといわんばかりに評する勇馬。
……
そうじゃ、さやかタンの画像が貼りたかっただけなんじゃ。
普段はこの手の話には猫まっしぐらとばかりに真っ先に飛びつく剣であったが、
剣「簡単に信用はできない、ゴズマの卑劣なやり方は嫌と言うほど見てきたからな」
数々の戦いを経て、戦士orリーダーとして成長したことをうかがわせる、慎重な意見を吐く。
ゾーリー「そんなきついことを」
疾風「剣、そりゃひどいよ」
と、5人のチェンジブレスが同時に鳴り出し、伊吹長官から、エネルギー研究所がゴズマに襲われているからはよ行けと指令が下る。
ゴズマの狙いは新開発のプラズマエネルギー発生装置で、彼らがそれを運び出しているところに変身済みの5人が駆けつける。
とりあえず尺を稼ぐためとタイアップ業務遂行のため、ホテルの敷地内のあちこちでヒドラー兵と戦うチェンジマン。
その中には、涼しそうなプールの映像も混じっていたので、ちょっとだけ期待したのだが……
考えたら、スタッフ、この絶好の季節に、さやかタンやアハメス様の魅惑のビキニ姿じゃなく、おぞましいゾーリーなどと言うキャラクターを出そうというのだから、変態と呼ばれても仕方あるまい。
さて、雑魚を蹴散らしてからいよいよギロムと言う宇宙獣士との戦いになるが、

ギロムはギロムホールと言う小型のブラックホールを作り出すと、グリフォンが構えていたグリフォンズーカをその中に吸い込み、

ブーバ「あっ、グリフォンズーカ、貰ったぜ!」
それを再び吐き出させて、ブーバの手に渡す。
それに対しグリフォンは、
グリフォン「ブーバ、グリフォンズーカを返せ!」 ブーバ(子供か、お前は?) 敵にバカにされても仕方のない、無意味な台詞を放つのだった。
続いて、ギロムファイヤーと言うエネルギーの渦を叩きつけられ、あえなく空の彼方へ吹っ飛ばされる5人。
彼らを助けたのは、意外にもゾーリーであった。
さらに、
ゾーリー「グリフォンズーカのあるところにご案内します」
疾風「なにっ、本当か?」
疾風はすぐその言葉に飛びつこうとするが、
剣「待て、どうも信じられない」
ここでも剣がブレーキ役を買って出る。

ゾーリー「そぉんなー、はよせんと、ゴズマはプラズマエネルギーをグリフォンズーカに利用してもっと恐ろしい武器にしようとしてますねんでー」
疾風「なんだってーっ?」
冷静に考えたら、なんで一般人であるゾーリーが、そんなゴズマの機密を知っているのかと言うことを怪しむべきであったが、剣も直感的に疑うだけでその根拠を一切口にしないのがちょっと物足りない。
それとは別に、グリフォンズーカが手に入ったのはどう見ても偶然の結果なのに、あらかじめそのことが分かっていたかのように、ゾーリーが(ブーバたちと打ち合わせをして)それをエサに5人を罠に誘い込もうとしているのは、いささか変である。
グリフォンズーカを奪った後、ブーバが急いでゾーリーに連絡したとも思えないし……
第一、ゾーリーは戦いの場所からかなり離れたところにいたのに、なんでグリフォンズーカが奪われたことを知っているのかと言う問題もあるが、まあ、きりがないのでこの辺にしておく。
さっきと同じく、その場に土下座せんばかりに剣たちにペコペコ頭を下げ、自分を信じてくれと泣いて頼むゾーリーの姿を、
さやか(ふっ、私の恥毛の枝毛ほどの価値もない醜い下等生物めがっ!) 氷のように冷ややかな目で見下ろすさやかタンであったが、嘘である。

代わりに、聖母マリアのような優しい眼差しを挙げて、訴えかけるような目で剣を見遣る。
……
そうじゃ、貼りたいだけなんじゃ。
極端な話、管理人が「チェンジマン」のレビューを書いてる動機もそれなんだけどね。
疾風「どうして信じてやらないんだ? 宇宙人だって家族と一緒に暮らしたいと願う気持ちは俺たち人間と変わらないだろう? それはいつも剣が言ってることじゃないか!」 剣「……」
疾風に痛いところを突かれ、剣も黙り込むが、ゾーリーが赤い目からぼろぼろと涙をこぼしているのを見て、遂に折れる。

ゾーリー「ここです」
勇馬「こんなところにこんな建物が?」
で、ゾーリーの案内で5人がやってきたのは、霧けぶる中に佇む、古代アステカ、マヤ文明を思わせるような意匠の、テーマパークのような施設であった。
まあ、入り口にはモアイ像が立っていて、統一感ゼロだけど。
ついでにそこに大ちゃんがいて、鹿爪らしい顔でそのモアイを調べていたら、結構笑えたんじゃないかと思う。

果たして、洞窟のような通路を進むと、その奥で、ゾーリーの言っていた通り、ブーバたちがプラズマエネルギー発生装置を使って、グリフォンズーカを改造しているところだった。
直情径行の……と言うより、このシーンを見る限り何も考えてないと言った方が当たってると思うが、それを物陰から見ていた疾風、いきなり変身もせずに敵の中に突っ込み、ギロムに飛び蹴りを食らわせる。
疾風はグリフォンズーカを奪取するものの、次の瞬間、ゾーリーがさやかたちの手を振り払って逃げ出す。

剣「疾風!」
咄嗟に罠だと気付くチェンジマンであったが、

素早く入り口のシャッターが降りて、剣たちを締め出す。
ブーバたちも隣接する小空間に退避し、爆弾を放り込んでからシャッターを下ろす。

疾風「うわーっ!」
完全にその部屋に閉じ込められた疾風、どうすることもできず爆発に巻き込まれて吹っ飛ぶ。
一方、ゴズマードでは、

ギルーク「遂にチェンジマンを罠に掛け、倒しました。ゲーターの女房を呼び寄せ、ひと芝居打たせた私の作戦がまんまと図に当たったのです!」
作戦の成功をバズーに報告し、自画自賛しまくっていた。
そう、ゾーリーは最初からギルークの小汚い謀略の道具に過ぎなかったのである。
だが、ギルークの興奮とは裏腹に、星王バズーはいつもと同じ醒めた声で、
バズー「そう願いたいものだ」
ギルーク「はぁ?」
バズー「果たしてあのチェンジマンがそう簡単に倒せるものかどうか」

ゲーター&ゾーリー「乾杯!」
ゲーター「うまかー、ゾーリー、ようやった、会いたかったでー」
その頃、ホテルのロイヤルルームでは、ゲーターとゾーリーが祝杯を挙げ、久しぶりの再会を喜んでいた。
しかし、この二人がまぐわって、あのワラジーとか言う子供が出来たのかと思うと、思わず吐きそうになる管理人であった。
くどいようだが、ホテルの人たちは、なんでこんな不気味な連中を泊めてやってるのだ?
そんなに経営が苦しいのだろうか?
だが、そこへ飛び込んで来たのが疾風以外の4人であった。

ゾーリー「あ、あんたら、生きとったんかーっ?」
剣「こんなところで乾杯なんかして!」
ゾーリーはびっくり仰天しているが、さっきのシーン、視聴者だって疾風はともかく、剣たちまで死んだとはまず思わないだろうから、いささか違和感がある。
ま、一応、建物が爆破する様子は描かれているが……
それはそれとして、細い腕でファイティングポーズを取るさやかタンが可愛いのである!
ゲーターとゾーリーは慌てて逃げ出すが、ホテルの遊園地で剣が追いつき、ゾーリーの上に馬乗りになる。

ゾーリー「く、苦しい~」
剣「よくも騙したな、疾風はな、家族一緒に暮らしたいというお前の言葉を信じていたんだぞ!」

パッと見、宇宙人をレ○プしようとしているかに見える剣のところに、他の三人も駆け寄る。
はい、ここで、今回唯一のさやかタンのチラが発生するんですね~。
小さいので、ようく目を凝らして鑑賞して下さい。
ゲーター「あ、あ、ちょっと待ってえな、ゾーリーはギルーク司令官に命令されたんや、チェンジマンをうまいこと騙したら、わいをナビ星へ帰したる言われたんや」
剣「……」
ゾーリー「あんたーっ」
剣が力を緩めると、ゾーリーは立ち上がって夫に縋りつく。
ゲーターはゲーターで、妻を背中に庇うようにして、
ゲーター「ゾーリーが家族一緒に暮らしたいという気持ちは嘘やない。ワラジーがわいに会いたい言うて、泣いとるのも嘘やないんやで!」
必死で剣たちの心に訴える。

勇馬「……」
泣きながら抱き合う夫婦の姿を前にしては、勇馬も握った拳を下ろすしかなかったが、
さやか「抹殺!」 勇馬「えっ?」
……嘘である。
心優しいさやかタンがそんなことを言う筈があるまい(じゃあ書くなよ)
剣(駄目だ、出来ない……)
と、彼らの周囲に爆発が起き、見上げればギロムが観覧車の軸の上に立っていた。
ギロムが剣たちを攻撃している隙に、ゲーターはゾーリーを連れてその場から逃げ出す。
CM後、ゲーターたちはヒドラー兵に囲まれ、追いかけてきた剣たちの前には、ブーバがあらわれる。

ブーバ「剣飛竜、戦いとは非情なものだ、疾風翔しかり、お前たちのその優しさが命取りになるのだ」
剣「なにぃ……レッツチェンジ!」
剣の掛け声に合わせて、さやかタンがあっさりマーメイドに変身してしまったので、管理人の興味も一瞬で蒸発する。
ひとり欠けたチェンジマン、ブーバとギロムの前に苦戦を強いられるが、

そこに颯爽とあらわれて4人を助けたのが、死んだと思われていた疾風であった。
まさにグリフォンのごとく、船の舷側から華麗に飛び降りる。
ブーバ「貴様、生きていたのか? 何故だ?」

疾風「爆発の瞬間、俺はチェンジグリフォンに変身した。お陰で何とか命だけは助かったんだ」
ブーバ「おのれいっ!」
言っちゃあなんだけど、今回のエピソードを見る限り、どう見ても剣より疾風の方がリーダーっぽいよね。
まあ、「ゴーグルファイブ」「ダイナマン」の春田さんのように、一番強くてカッコイイひとは、あえて二番手に配置した方が、ドラマとしては面白いのかもしれないが。
ゲーリー「ほなら、わいらはどないなるんやろか?」
使命を果たせなかったことを知り、不安に駆られるゲーターであったが、それに答えるように、一機のゴズマ戦闘機が飛来したかと思うと、ゾーリーだけを回収して飛び去って行く。
ゲーター「ゾーリー!」
ブーバ「ゴズマの掟は甘くないぞ、失敗したものは許されん」
ゲーター「ゾーリー!」
絶望のあまり、その場に膝から崩れ落ちるゲーター。
ま、ブーバの言うとおりなら、お前らだってとっくの昔に処刑されてないとおかしいんだけどね!

疾風「ゲーターもゾーリーもほんとに哀れな立場なんだな」
ドラゴン「許せないのはそう言う宇宙人を戦いに仕向ける星王バズーと大星団ゴズマだ!」
ゲーターの悲惨な姿に、改めて真に戦うべき相手を見据えるドラゴンであった。
ただ、厳密に言えばゲーターだってゴズマの一員なんだから、ここはバズーだけにしておいたほうが良かったかも。
この後、ラス殺陣&巨大ロボットバトルをつつがなく終え、ひとまず事件は解決する。
白い波が打ち寄せる岩場の上に、金色のペンダントが落ちているのを剣が見付け、拾い上げる。

さやか「ゲーター一家の写真だわ」
麻衣「ゾーリーが落として行ったのね」
疾風「幸せそうじゃないか」
自分たちを騙すために使われた写真を、穏やかな目で見詰めるさやかたち。

剣「奥さんや子供、家族を大切にする生物はみんな人間と同じさ。いけないのは星王バズーだ。宇宙で平和な暮らしをしているものたちを戦争に駆り立てている。許せない、絶対に許せないぞ」
岩場の上に並んで海を見ながら、いささかくどいほどにバズーへの怒りを滾らせる剣たちの姿を映しつつ、終わりです。
まあ、その闘志に水を差すようだが、バズーさえいなければ宇宙から戦争がなくなる訳でもないし、現に、彼らが住む地球の上でも、この瞬間、いたるところで侵略と紛争と圧政が行われてるんだけどね。
あ、そう言えば、結局さやかタンの水着は見られなかった。
ちくしょう。
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