第22話「ピエロの秘密指令」(1984年6月8日)
冒頭、子供たちの笑顔と歓声が溢れる遊園地「よみうりランド」。
それをアジトのモニターで忌々しそうに見ているオクトパスの首領レディーM。

オウム「やや、鼻の頭が赤くなった」
M「えっ? はぁーっ、まぁ……」
トンチンカン「なんというおいたわしいことを……鼻の頭さえ赤くなければレディーMは世界一の美女!」
M「子供よ、子供たちの明るい声が私にアレルギーを起こさせ、鼻の頭を赤くするのよ!」
トンチンカン「分かっております」
M「だったら子供を虐めるのよ、泣かせるのよ、喚かせるのよ、そうすれば私の鼻はもとに戻るわ」
トンチンカン「では、早速作戦に取り掛かります」
と言う訳で、例によって今回も首領のアレルギーを治すためと言う、きわめて個人的な動機に基づく作戦が開始されることになる。
……
だったら、なんでわざわざ遊園地の映像をモニターに流すの? マゾなの?
それはさておき、ちょうどその時、健と真紀はよみうりランドに二人だけで遊びに来ていた。

健「みんな楽しそうだなぁ、遊園地に来ると、みんな童心に返っちゃうんだね」
元来、地球のことを調べに来た大学生である健は、そんな分析をして見せるのだが、童心に返るも何も、目に付くのは大体みんな子供なんである!!

真紀「かもね」
健「えっ」
真紀「あ、仕事、仕事」
だが、真紀は素っ気無い返事をすると、急に思い出したように胸に下げているカメラを構え、健を置いて先へ行ってしまう。

健「ああーっ、真紀さーん! ……真紀さん、俺と一緒じゃ楽しくないのかな」
ひとり取り残されて、途方に暮れる健であったが、

ボールボーイ「ニック、そんなことないよ、真紀さんは二人だけの初めてのデートに照れてんだよ」
健「ようし、わかった」
ボールボーイに励まされて、メリーゴーランドの前で盛んにシャッターを切っている真紀のところへ行き、

健「真紀さーん、写真なんか後回しにしてさ、せっかく遊園地に来たんだから、なんか乗ろうよ」
真紀「うん、そうしよっ」
誘われると真紀はあっさりOKするのだが、その反応が、どう見ても「初めてのデートに照れて」いるようには見えないのであった。

ピエロ「はははーっ、集まった、集まったーっ!」
二人と入れ違うように、太目のピエロがたくさんの子供たちを引き連れ、メリーゴーランドの近くにやってくる。
せっかくの遊園地なのに、女の子たちのスカート着用率が低いのが残念だ……って、管理人の知り合いが言ってました。
ピエロは巻笛と言う昔懐かしいおもちゃを取り出して子供たちにプレゼントする。

なにしろ、ビンボーでビンボーで仕方のない子供たちは、新鮮な死体に群がるゾンビの集団のようにそのおもちゃに飛びつき、ピエロの音頭で一斉に吹いてみるが、巻笛の先端が伸びると爆竹のように破裂して、

ピエロ「おやぁ、鼻の頭がみんな赤くなったぞう、この色は一生取れないぞ」
仕込まれていた赤い粉末が飛び散り、子供たちの鼻を一様に赤く染める。
その様子は、さながら子供アレルギーに掛かったレディーMのようであった。
子供たちが集まって泣いているのを見て、健と真紀が駆けつける。
健「どうしたんだい」
真紀「鼻の頭が真っ赤……おっかしいわ、赤い色が取れないのよ」
健「ええっ?」
と、向こうで破裂音がして、二人がそちらに行って見ると、また別の子供が鼻を赤くして泣いていた。

真紀「健さん、これ見て」
子供「ピエロがーーーっ!」
二人は手分けして園内を走り回り、ピエロの行方を探すが、

真紀「何処に消えたのかしら?」
真紀が、ステージに上がって周囲を見回していると、壁に描いてある巨人の口からトンチンカンがあらわれる。
真紀、フリルのついた白いブラウスに肩紐付きの赤いショートオールと言う、パッと見、「花子さん」みたいな服装が実に可愛らしいが、これは同時にブラチラやパンチラの可能性が全くない絶望コーディとも呼ばれており、世界中のキャプ職人から忌み嫌われている組み合わせなのである。

トンチンカン「余計な真似をするな」
真紀、両手を広げて迫るトンチンカンに怯えてあとずさり、

真紀「ああーっ!」
ステージを踏み外して落下してしまう。

真紀「うっうっ、ううっ……」
健「真紀さん、どうしたんだい?」
健が悲鳴を聞いて駆けつけたときには、既にトンチンカンの姿はなく、真紀がステージに座り込んで呻いているだけだった。

真紀「足が、足が……」
健「ええっ?」
子供のように顔を歪め、わななく声で激痛を訴える真紀。
かわええ……

健「真紀さん、しっかりするんだ」
真紀「うう……」
唇を噛み、必死に痛みに耐える真紀。
かわええ……
普段はどちらかと言うと男勝りで強気のキャラだけに、泣きべそ掻いてる様子が余計萌えるのである!
次のシーンでは、背中にスポーツバッグをリュックのように背負った勝が、「てーへんだー、てーへんだー、事件だ事件だ」と叫びながら、ローラースケートで真紀の入院している病院へ急いでいる。
真紀のそばには健が付き添っていた。

勝「お姉ちゃん大怪我したって聞いたから、俺、びっくりしちゃってさあ、はい着替え」
真紀「ありがと」
健「ごめんよ、電話でオーバーに言っちゃって」
勝「怪我の具合はどうなの?」
真紀「うん、だいじょぶ、ごめんね、心配かけて」
健「足首を捻挫したんだ。大事をとって二、三日入院したほうがいいって」
勝「お姉ちゃんを怪我させたの、誰なの?」
真紀「テカテカ頭の男よ、私、あの顔二度と忘れない、ほんっとあたま来ちゃう!」
勝に聞かれてトンチンカンの顔を思い出したのか、生理的嫌悪感もあらわに叫ぶ真紀。
後に、そのテカテカ頭と結婚させられそうになるとは、夢にも知らないのであった。
しかし、せっかく入院したのに、衣装がそのまんまというのはつまらないなぁ。
健、ふと思い出したように、
健「子供に悪戯をしていたあのピエロだけどね、遊園地とは全く関係ないそうなんだ」
真紀「何者かしら?」
健、決然と立ち上がると、
健「俺、ピエロの行方を探ってみるよ」

真紀「えっ? 出掛けるのぉ? 私、一人ぼっち……」

真紀「ううんっ、つまんないっ」
健が帰ると聞くや、たちまちむくれて駄々をこねる真紀が、甘えん坊の彼女みたいで可愛いのである!!
健「勝君、お姉さんを頼んだよ」
勝「うん」
健が建物の外へ出たところで懐の中のボールボーイが話しかける。

ボールボーイ「ニックぅ、真紀さんもやっぱり女だね、一人で淋しがってるよ」
健「うん、じゃあ、少しは俺を頼りにしてるのかな」
ボールボーイ「当たり前さ、看病してやんなよ」
健「だけど、今度の事件はどうやらオクトパスの仕業らしい、これ以上やつらに悪いことさせちゃいけないんだ」
生真面目な健は、あくまでヒーローとしての責務を優先させ、ボールボーイにピエロの探索を頼む。

勝「ぶん、ぶん、ぶん……お姉ちゃん、悪ぃけど、俺、用事が……」
一方、勝、たった今健に頼まれたばかりだと言うのに、ローラースケートをもてあそびながら、そんなことを言い出す。

真紀「とかなんとか言ってぇ」
真紀は名探偵のようなポーズで勝を見透かすように見て、

真紀「ローラースケートで遊びたいんでしょう?」
勝「そ、そ、そんなぁ」
真紀「うっふ、いいわよ、遊びに行ってらっしゃい」
勝「やっぱり俺のお姉ちゃんだ。話せるぜっ」
物分りのいい真紀は、快く勝の願いを聞き入れてやる。
ああ、こんなに優しくて綺麗なお姉ちゃんが現実にいたら、ほんと、それだけでバラ色の少年時代が送れそうである。
ちなみに1978年~79年放送の大映ドラマ「人はそれをスキャンダルという」をこないだ見たが、勝の大原和彦氏はまだ6才くらいなのに、山口百恵さんの息子役として、加藤治子や三国連太郎などという錚々たる面々を相手に堂々たる演技を見せていて、感心させられたものである。
「マシンマン」の撮影時、主役の佐久田さんに「演技指導」までしていたらしいが、さもありなんという輝かしい経歴である。
一方、例のピエロは他の場所でも子供たちに景気良く巻笛を配り、次々と赤い鼻を増やしていた。
偵察中のボールボーイから知らせを受けた健は、すぐにマシンマンになって駆けつけ、ピエロを捕まえようとするが、ピエロだけあってその身軽さは常人離れしており、トンチンカンにも邪魔されて、結局取り逃がしてしまう。
だが、その際、ピエロは未使用の巻笛を二本落として行った。
健はすぐに湖底のスペースコロニーに帰り、巻笛を調べる。
試しに笛を吹いてみると、やはり先端が破裂し、赤い塗料が飛散する。

ボールボーイ「あーっ、ひどいひどい、助けてくれよーっ」
健「あれ」
ボールボーイ「なんとかしてよ、これじゃ恥ずかしくて街を飛べやしない」
健「うん? これは特殊な塗料だ、その特殊な塗料がこの巻笛の中に仕掛けてあったんだ」
運悪く塗料を浴びたのはボールボーイであったが、健は子供たちと同じことをしたのだから、塗料は健の鼻につかないとおかしいんだけどね。

ボールボーイ「僕の顔を元に戻してよー」
健「それより、巻笛の製造元を探そう。今時こんなおもちゃは珍しい、製造元はすぐ分かるはずだよ」
病室にひとりになった真紀は、退屈しのぎに窓から望遠カメラであちこち覗いていたが、そのファインダーの中に、偶然、何処かへ移動中のトンチンカンを捉える。

真紀「ハッ、あの男だわ! ようし……」
真紀、テカテカ頭の正体を突き止めてやろうとするが、トンチンカンはスッと倉庫の中に消える。
倉庫には、あのピエロのねぐらがあった。

トンチンカン「ひっひひひひ、作戦は大成功、我がレディーMも、ことのほか喜んでおられる」
ピエロ「サーカスにいたお陰であらゆる軽業をマスターした、その軽業を使ってどんどん悪いことをやっちゃうんだぁ~っ、あはーはぁっ」
トンチンカン「オクトパスはお前のその腕を買ったのだ、これは約束の報酬だ」
トンチンカンはそう言うと、札束の詰まったアタッシェケースをピエロに渡す。
そう、ピエロはオクトパスに雇われてあんなことをしていたのである。
すべてのケースにおいてではないが、テンタクルやオクトパスが、悪事を人間の下請けにやらせているのは、謹厳な死神博士などが聞いたら激怒しそうだが、そうすれば細々した作業をする手間が省けるし、仮にその人間がヒーローに倒されても、被害が組織本体に及ぶことはなく、リスク管理に長けたなかなか賢明な経営方針だといえるだろう。
まあそれも、テンタクルやオクトパスが、普通の人間でもやれそうなスケールの小さい悪事を働くことが多いからこそ可能なんだけどね。

ピエロ「はっはっはっはっ、悪くねえ商売だ」
札束の感触を味わい、ご満悦のピエロを演じるのは、うえずみのるさん。
トンチンカン「金がもっと欲しけりゃ、巻笛作戦をどんどんエスカレートさせろ」
ピエロ「しかしマシンマンに嗅ぎ付けられた」
トンチンカン「心配するな、このアジトはマシンマンはもとより、誰にも気付かれちゃいない」
自信たっぷりに請合うトンチンカンであったが、既に真紀のカメラに狙われていることに気付いていなかった。

真紀(あの建物の中に私に怪我をさせた男がいる。ようし動かぬ証拠をばっちり)
真紀、獲物を狙うハンターの顔になってカメラを構えていたが、そこへどやどやと編集長とルミ子が花束を手に押し掛けて来る。
真紀「編集長、ルミちゃん」
ルミ子「どう、怪我の具合?」
編集長「スクープを逃がしたんだってなぁ」
真紀「そのスクープ写真を今狙ってるんですよ」
編集長、スクープと聞くや目の色を変え、

編集長「そんなネタ、何処にあるんだ? どーこだー、どーこだー?」
獲物を探すタコのように、カメラの前に出て辺りを見回す。

真紀「ちょっ、編集長……」
真紀「邪魔ですよぉ!」 その編集長のテカテカ頭を、思いっきり払い除ける真紀。
この「邪魔」と言う言い方が、あえて表記すれば「じゃあま」となるのだが、大変可愛らしいので、是非実際に真紀の台詞を聞いて頂きたい。
編集長「いてえっ!」
真紀「ごめんなさい!」
編集長「なにするんだ、せっかくお見舞いに来てやったのに失敬だぞ」
壁にしたたか叩きつけられた編集長は、子供のように怒り狂い、真紀の話も聞かずにルミ子を連れてさっさと帰ってしまう。
真紀、思い出したようにカメラを向けると、ちょうどトンチンカンが倉庫から出てきたところだった。真紀、すかさずシャッターを切るが、カメラのレンズが太陽を反射して、撮られていることをトンチンカンに気付かれてしまう。
トンチンカン「まさか俺の写真を……まずい」
CM後、病室のドアの隙間から真紀の様子を窺っているトンチンカン。
トンチンカン(遊園地にいた、あの女カメラマンだ。俺の写真を撮りやがって……始末してやる)
だが、トンチンカンが入ろうとした瞬間、後ろから来た亀太に押し退けられる。

亀太「真紀さん、ごめんね、お見舞い来るの遅くなっちゃって……はいお花」
真紀「あ、ありがとう」
真紀に惚れている亀太、豪華な薔薇の花束を渡すと、
亀太「俺、今夜は泊り込みで看病するからね」
真紀「えーっ?」 亀太の言葉に思わず奇声を発し、
「冗談は顔だけにしてよね」とでも言いたげな顔になる真紀であったが、何しろ相手は原作者・石森章太郎先生の長男である。

真紀「えっ、ええ、ええ……」
すぐに愛想笑いを浮かべて誤魔化したとしても、彼女を責めることは出来ないだろう。
と、真紀、急に何か思い出したように、
真紀「あっ、そうだ! 亀太さんにお願いがあるんだけどなぁ……このフィルムを社に届けていっそいで現像してもらってくれない?」
亀太「ええーっ?」
真紀「スクープ写真なのよ」
亀太「OK、おまかせ」
フィルムを手にいそいそとエレベーターに乗り込む亀太であったが、中に潜んでいたトンチンカンに頭突きを食らって、あえなくダウンする。
トンチンカンは結局、真紀殺しもピエロにやらせることにする。

真紀「あの建物の中には一体誰がいるのかしら? あっ、もしかしたら泥棒のアジト?」

真紀「よっし!」
その中で自分を殺す相談がされているとも知らず、指を鳴らして微笑む真紀。
無謀にも、単身倉庫に乗り込もうと、車椅子で勇ましく病院から出て行こうとするが、ちょうどそこへ通り掛かったのが、担架で運ばれている亀太であった。

真紀「亀ちゃん! ちょ、ちょっと待ってください」
看護婦「お知り合いですか」
真紀「いいえ、全然」 亀太「……」
じゃなくて、
看護婦「お知り合いですか」
真紀「はい、この人どうしたんですか」
看護婦「この人、地下の駐車場に倒れてたんですよ、そばにこんなものが」

真紀「あ、あっ、ああーっ! せっかくのスクープ写真がパー」
看護婦さんから渡されたフィルムを見て、がっかりする真紀。
と、同時に、
「亀太、つかえねーなーっ!」と言う叫び声が喉元までせり上がって来たのを、なんとか飲み込むのだった。
何しろ相手は原作者の長男である。
誰が真紀の態度を責められるだろうか?
真紀「やっぱりあの建物が怪しい、調べてみるわ」
だが、行動力と根性のある真紀は、ぼろくずのようになった亀太を見ても怯まず、むしろますますファイトを掻き立てられたように、まっすぐ倉庫へ向かう。

それにしても、真紀のこの姿を見て、「車椅子女子」って良いなぁと思う管理人であった。
足を怪我しているので、生足なのもポイント高し。
さいわい、倉庫のシャッターは開いたままになっていたので、真紀は簡単に中に入ることができた。

内部には、手品に使う万国旗や、ピエロの着るような派手な衣装が所狭しとぶらさがっていて、まるで楳図かずおの家のクローゼットの中に迷い込んだようであった。

真紀「はぁっ、巻笛だ」
真紀、テーブルの上にあの巻笛が何本も置いてあるのに気付き、手にとって眺めるが、

部屋にはちゃんとピエロ本人がいて、他の衣装に紛れて自分のことを見詰めていることにはまるで気付かない。
と、ロープに掛けられていた衣装が一斉に落ち、真紀の前にピエロがあらわれる。

ピエロ「ふっふっはっはっはっ」
真紀「遊園地にいたピエロ!」
ピエロ「オクトパスの秘密を知った以上、生きては帰さん!」
ピエロ、不気味な笑いを浮かべると、いきなり飛び上がって真紀に襲い掛かる。
真紀「キャーッ、そばに来ないで! キャッー、向こう行って! いやっ、いやっ」
手当たり次第に物を投げつけ、女の子らしく全力で抵抗する真紀の姿は実に胸キュンであったが、

真紀「いやっ!」
ピエロ「おおっ、いったぁ」
一転、逞しい生足から繰り出されるメガトンキックで、ピエロを豪快に蹴飛ばす。
あ、今、自分も真紀に蹴られたいなぁと思ったそこのあなた、僕と義兄弟の盃を交わしましょう!!
真紀、車道に出てピエロから夢中で逃げていたが、急な下りに差し掛かったので慌てて方向転換するが、

ちょうどその目の前に、再びピエロが舞い降りる。

ピエロ「どうだ? どうだ?」
真紀「キャッ、助けて、健さん助けて! 助けてえええっ!」
背後に回ったピエロに車椅子をめちゃくちゃに動かされ、必死に助けを求める真紀。
くぅ~~~、萌えるなぁ。
散々真紀を怖がらせた挙句、ピエロは真紀の首筋に手刀を叩き込んで気絶させると、坂の上から車椅子を発進させる。

ピエロ「ははーっ!」
真紀を乗せたまま、ぐんぐん加速度をつけて坂道を駆け下りる車椅子。
ガチで真紀の命を奪おうとしているのだから、「マシンマン」の悪役の中でもかなりの凶悪犯といえるだろう。
真紀「あっ、ああーっ!」 途中で真紀が目を覚まし、前方にトラックが停まっているのを見てありったけの大声で絶叫し、車椅子のブレーキレバーを引くが、もう手遅れ。
だが、そこへ颯爽とあらわれたのがドルフィンに乗ったマシンマンで、

軽やかにトラックと真紀の間に飛び降りると、間一髪で車椅子を受け止める。
いやぁ、太くて逞しくて、実に美味しそうなフトモモである。

真紀「あっ、マシンマン!」
マシンマンの姿を見て、パッと笑顔になる真紀が可愛いのである!!
この後、再びよみうりランドに場所を移してラス殺陣となる。
ピエロはただの人間でありながら、分身の人形を本物の人間のように動かして攻撃させたり、バズーカ砲の先が拳骨のようになった特殊な武器を操ったり、マシンマンをかなり苦しめる。
しかし、人形を人間の姿に変えて動かすなんてことが普通の人間に出来る筈がないので、その分身人形も拳骨バズーカも、あらかじめオクトパスから貸与されていたギミックだったと考えるのが自然だろう。

そこそこ善戦したピエロであったが、所詮マシンマンの敵ではなく、最後はレーザーサーベルで胸にMマークを刻まれ、勝負あり。
その上で人間の悪い心を善に変えるカタルシスウェーブを浴びせられると、ピエロのメイクも落ちて素顔に戻る。

マシンマン「ピエロは子供たちを笑わせ楽しませ、アイドルとなるのが役目の筈じゃないか。それなのに子供たちを困らせ、苦しめるとは何と言うことだ」
ピエロ「ああ、俺はとんでもないことをしてしまった。許してください、これからは心を入れ替えて子供たちの楽しい仲間になります」
マシンマンに諭されると、ピエロは谷啓のようなつぶらな目を潤ませて、更生することを誓うのだった。
しかし、以前のレビューで何度も言ってきたことだが、ヒーローが悪人を武力(だけ)で滅ぼすのではなく、説教して改心させると言うのは、実に教育的な番組と言えるだろう。
まあ、あくまで人間に対してであって、戦闘アンドロイドは普通にぶっ壊すんだけどね。
こうしてピエロ事件は解決し、

数日後、真紀が無事に退院する。

いやぁ、まさに照り輝くばかりの美貌!
今見ても十分綺麗なのだから、当時はまさに別次元の美しさであったろう。
勝「お姉ちゃん、退院おめでとう」
美佐「おめでとう」
真紀「ありがとう」
病院の前で出迎えてくれた勝たちが、手に手に花束を差し出して真紀の全快を祝う。
真紀「ねえ、健さん、子供たちの赤い鼻どうなったの?」
健「あの塗料を落とす特殊な薬があってね、全員元に戻ったよ」

真紀「良かったぁ~っ!」
健の言葉に、我がことのように喜ぶ真紀タン。
真紀「ねえ、健さん、これから遊園地に行かない?」
健「いいねえ、よし、みんなと一緒に行こう」
真紀の提案を健は快諾するが、その場にいた子供たちも誘って走り出す。

健「真紀さん、早く早く!」
健、真紀がついてこないのを見て手招きするが、

真紀「全く女心がわかんないんだからぁ、ふんっ!」
二人きりでデートがしたかった真紀、健の不粋な反応に不満そうにそっぽを向く。
もっとも、真紀はそれくらいでヘソを曲げるような分からず屋ではなく、次のシーンでは子供たちと一緒に楽しく遊園地に来ている姿が映し出される。
と言う訳で、あとは、真紀タンの可愛い画像をお楽しみ下さい。

……
惚れてまうやろっ! 以上、ストーリーはどうってことはないのだが、真紀の魅力が存分に堪能できる、レビューを書くのがとても楽しい作品であった。
追記 皆様もご承知のとおり、高瀬健役の佐久田脩さんが、先日、62歳の若さで他界されました。
謹んでご冥福をお祈り致します。
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