第16話「逆襲アポロガイスト!Xライダー危うし!!」(1974年6月1日)
前回から引き続き、GODの日本支部基地「アポロンの宮殿」で死神クロノスと激闘を繰り広げているライダー。

ライダー「Xキィィィック!」
ライダー、宿題を片付けるような感じで簡単にクロノスを撃破……したかと思われたが、クロノスもキックを浴びながら手にした巨大な鎌をライダーの肩口に突き立て、意地を見せる。

ライダー「ああっ……」
怪人「俺が勝ったぞーっ!」
同時に着地して、先に膝を突いたのはライダーであったが、

怪人「しゅわーっ!」
ライダー(……え、なんで?) 高らかに勝鬨を上げたクロノス、何を思ったのか、変な叫び声を上げながら岩の上から飛び降り、首と胴が生き別れとなって地面に激突すると、

固体のようにくっきりした「角」を四方に拡散しながら、美しいセメント爆破で豪快に散るのだった。
無論、キックによって致命傷を受けていたのだろうが、どう見ても自分から飛び降りたようにしか見えないのがNGです。
爆死するのなら、それこそライダーに抱きついてから爆発すれば良かったのだ。
ライダー、なんとか鎌を引き抜いて立ち上がるが、休む間もなく戦闘員たちが襲ってくる。

だが、まともに戦える状態ではなく、目の前にあった洞窟の中に逃げ込むしかない。

戦闘員もライダーを追って洞窟内に入るが、最後尾の戦闘員は、入り口にあった通信機に向かって、
戦闘員「こちらGP、Xライダーが宮殿内を逃走中、全区、第一警備体制に入れ」
と、迅速に指示を出す。
GPと言うのは、GOD POLICEの略であろう。

それを受けて、宮殿内の通路には隔壁が次々と降り、マシンガンで武装した警備員が要所を固めると言う、いかにも物々しい雰囲気となる。
こういうレスポンスの良さと組織的な警備システムは、ショッカーやデストロンには見られなかったもので、GODの優秀さを的確に表現した好シーンである。
なお、管理人が、通信機の前に立った戦闘員が
「ダブルチーズバーガーセット1つ」とボケると言う寒いギャグを書いて即座に消したのは、俺とお前だけの秘密だ。

一方、総司令は構わず川上博士と宮本博士に再生手術を行わせようとするが、白いシーツの下からあらわれたのは、案の定、アポロガイストであった。
そのことは二人も知らなかったと見えて、一様に驚きの色を浮かべる。
総司令「Xライダーと戦い、敗れたのだ。GODとしてはこのまま殺すには忍びない、アポロガイストはGODにとってまだ必要だ、再生手術はそのためだ」
川上「わかりました、アポロガイストの肉体組織を強力な細胞に変えましょう」
宮本「私はアポロガイストのメカニックをチェンジします」
総司令「両博士の腕を信頼している」

敬介「一時間もすれば、肩の傷は治る。それまでなんとか隠れ通さなければ……ま、せっかく入ったGODのアジトだ。ゆっくり調べてみるか」
その頃、敬介は換気ダクトの中に入り込んで、戦闘員たちの目を逃れつつ、基地の中を探索していた。

戦闘員「総司令からのご命令だぞ」
戦闘員「ジーッ!」
戦闘員「Xライダーはこの宮殿に閉じ込めている。その間を利用して地獄の番犬ケルベロスにファイヤー作戦開始を伝えろとのことだ」
戦闘員「ファイヤー作戦テープだな?」
とある部屋には、カウンターの後ろにたくさんのロッカーがあり、そのひとつから戦闘員が例のメッセンジャー人形を取り出して、別の戦闘員に渡していた。
敬介「ファイヤー作戦? 一体何のことだ?」
ほどなくして、アポロガイストの再生手術は無事終わる。

終わるとすぐ、横たわっていたアポロガイストが上半身を起こすのだが、

その際、手術道具などを置いてあるテーブルから足を引き抜く動きが、めちゃくちゃ人間臭いのがちょっと笑える。

総司令「どうかね、蘇った気分は?」
アポロガイスト「爽やかな気分です、総司令、感謝します」
手術の結果、右手そのものが巨大な銃器アポロマグナムになり、左手のガイストカッターも、ガイストダブルカッターに強化され、額には金属製の矢印が入り、見た目もかなり変わった改造アポロガイスト。
総司令「礼なら、川上・宮本両博士に言いたまえ」

アポロガイストからの感謝の言葉を期待して居住まいを正す二人であったが、

アポロガイスト「GODは莫大な研究費を博士たちに使っている、やって当然でしょう」
川上「……」
生まれ変わって性格がより悪くなったのか、アポロガイストは礼を言うどころか、ほとんど喧嘩を売るような口調で言い放つ。
さすがに博士たちは憮然とした表情になり、不満そうな視線を総司令の声が聞こえてくるスピーカーに向けるが、
総司令「はっはっはっはっ、秘密警察第一室長らしいな」
どこが? よほどアポロガイストのことがお気に入りなのか、総司令は愉快そうに笑うだけであった。
総司令「生まれ変わり一層強力なメカニックを装備した。直ちにそのテストを行い、自由に使いこなすトレーニングをやるのだ。GOD総司令から君にプレゼントが用意してある」
アポロガイスト「プレゼント?」

一方、敬介はとうとう戦闘員に見付かるが、なんとか建物から脱出して、岩に彫られた巨大な仏像の前までやってくる。
これは、「V3」にも出てきた、鷹取山の弥勒菩薩尊像である。

その際、片手で仏像に向かって礼拝するのが、いかにも敬介の性格……と言うか、育ちの良さをあらわしているように思うのだ。
敬介、戦闘員に追われて細い道を抜けるが、その先は切り立った固い岩壁が聳え立ち、行き止まりとなっていた。

アポロガイスト「神敬介ぇっ!」
敬介「アポロガイスト?」
聞き覚えのある声に振り向けば、岩山の上に、倒したはずのアポロガイストが立っているではないか。

アポロガイスト「そうか、総司令からのプレゼントはお前だったのか?」
敬介「死んだはずのお前が……」
アポロガイスト「俺は貴様を殺すまでは何度でも生き返る、貴様にとっては迷惑な相手なのだ!」
よく通る声で、後のリメイク作品でも使われることになる「名台詞」を叫ぶアポちゃん。
アポロガイスト「アポロマグナム、この22口径、3連発の弾丸は巨大な家を一発で倒し、大型の戦車でもぶち抜くのだ!」
自慢げに新装備の性能を謳うアポロガイストであったが、あんまり銃で家を撃つ人っていませんよね。
つーか、なんだよ、「巨大な家」って……
アポロガイスト、立て続けにアポロマグナムを撃ってから、
アポロガイスト「Xライダーに変身しろぉ、人間としての貴様ではつまらんのだーっ!」

お望みとあらばと、敬介は変身ポーズを取ろうとするが、

敬介「セッタ……うっ、ああっ……セッタ……」
そのたびに左肩の傷が疼き、どうしても変身することができない。
敬介、無謀にもそのままの姿でアポロガイストに向かっていくが、ガイストダブルカッターを受けて、あえなく気絶する。
そのまま敬介を殺していれば、GODの大勝利だったのだが……
CM後、喫茶店コルで、敬介の身を案じているおやっさん。

チコ「立花さん、コーヒーが!」
立花「おおっ、あちちっ」
エプロンをつけたチコに注意されて、慌てて沸騰しているケトルを掴もうとして、火傷する。

マコ「ランララン、ララララ……」
チコ「お帰り、マコ、何、それは?」
マコ「そこで預かったのよ」
そこへ、青い包装紙の箱を持った、同じくエプロン姿のマコが入ってくる。
そう、大変喜ばしいことに、チコとマコが喫茶店コルで店員として働くことになったのだ。
別に大学を辞めたわけではなく、あくまでバイトである。
マコ「マスターに渡してくれって」
立花「何々、ワシになんだ?」
マコ「はい、これ」
立花「うん?」
初見のおやっさんが怪訝な顔をするのは分かるのだが、前回、全く同じ包装紙の箱のせいでひどい目に遭ったばかりの二人が、そのことを一瞬たりとも思い出しもしないと言うのは、めちゃくちゃ不自然である。
スタッフも、せめて包装紙の柄を変えるぐらいの工夫はしましょうよ。

チコ「マスターにプレゼント、ガールフレンドからよ」
うう、可愛い……
今見ても十分可愛いが、当時はそれこそ別次元のような可愛らしさだったことだろう。
ちなみに背後にぼんやり映っている客、新堀和男さんですね。
でも、何故か今回はクレジットに名前がない……

立花「年寄りをからかうもんじゃない!」
マコ「はははははっ」
上目遣いでチコをたしなめるおやっさんに、マコが若さそのものと言った感じの笑い声を立てる。
しかし、当時44才の小林さんが、自分のことを「年寄り」と言うのは、なかなか衝撃的な発言である。
まあ、小林さん、年齢より老けて見えるから、それほど違和感はないが、せめて「大人」と言って欲しかった。
それはともかく、おやっさんが箱を開けて掴み出したのが、さすがにこちらは見覚えのあるメッセンジャー人形だったので、二人は悲鳴を上げて壁際まで飛び退く。

マコ「あの人形よ」
立花「どうしたんだい?」
チコ「それなのよ」
立花「これがGOD人形?」
おやっさん、毒虫にでも触れたようにおぞけをふるって人形を放り投げる。
と、店の中が真っ暗になり、床に立っている人形の目が光って総司令の声が流れ出す。
総司令「地獄の番犬ケルベロスに総司令の命令を伝える……あ、総司令って俺のことか」
じゃなくて、
総司令「地獄の番犬ケルベロスに総司令の命令を伝える」
立花「お客さん、外へ逃げてください」
客「総司令の命令を聞くまでは出られない」
おやっさんが客のひとりに注意するが、客はそう応じると、地獄の番犬ケルベロスの姿に変わる。
三人は店から逃げ出そうとするが、他の客に化けていた戦闘員たちに捕らえられる。
総司令「GODの敵・Xライダーはアポロンの宮殿に閉じ込め、その生死はアポロガイストの手中にある。もはやGODの行動を邪魔するものは地上におらぬ。東京都の全家庭に高圧電流を流し、一瞬にして東京都を火の海にするファイヤー作戦の実行に移れ。その作戦支部を立花コーヒーショップに設けるのだ」
しかし、いくら高圧電流を流しても、各家庭のブレーカーが落ちるだけで、火事にはならないのでは?
ま、それはそれで、はた迷惑な作戦ではあるが。

怪人「聞いたとおり、たった今から立花コーヒーショップはGODの作戦支部になる」
神話のケルベロス同様、三つの頭を持ち、体には蛇が巻き付いている怪人ケルベロス。
念の為、地獄の番犬ケルベロスの尻尾は、三つの頭を持つ蛇になっているのである。

立花「ふざけるな、断る!」
おやっさん、威勢良く叫ぶと、戦闘員の手を振り解いてケルベロスに体当たりする。
それにしても、やっぱり人質は可愛い女の子に限りますね。
戦闘員たちも、俄然やる気が湧いたことだろう。

立花「う、あああああ……」
ケルベロスに跳ね飛ばされてカウンターにぶつかったおやっさん、全身から火花を散らして悶絶する。
マコ「マスター、しっかりして!」
怪人「このケルベロスは5万ボルトの電流を持っているんだ」

チコ「今に見てらっしゃい!」

マコ「今に神敬介(呼び捨て)が助けに来るんだから!」
おやっさんを左右から支えながら、負けずに言い返す気の強い二人。
いやー、両手に花のおやっさんが羨ましい。
……
つーか、5万ボルトの電流を浴びて、なんで生きてるの、おやっさん?
おやっさん、回を重ねるごとに、確実に超人への階段を上がっているように見える。
怪人「ふん、神敬介(呼び捨て)は二度とお前たちの前に姿を見せんのだ」
主役なのに、敵からも味方からも呼び捨てにされる敬介って一体……(ちびまる子風)

チコ「えいっ!」
チコは、勇敢にもハリケーンアッパーのような攻撃を戦闘員に対して繰り出すが、

チコ「ああっ」
怪人「縛り上げろ!」
逆にその腕をとらえられ、初の「縛り」を体験することになる。
しかし、既に敬介が死んだも同然なのなら、わざわざ彼らを生かしておく必要もないと思うんだけどね。
アポロガイストはアポロガイストで、確実に敬介を殺せる機会をみすみす放棄し、敬介を牢にぶち込んでその傷が癒えるのを待っていた。
アポロガイスト「神敬介、傷が治るまで俺は待つ。だがその時がお前の最期の時だ!」
完全な体のXライダーと正々堂々戦って倒そうと言う、秘密警察らしからぬ公明正大さを発揮してしまうアポロガイストだったが、前記したように、GODにとっては取り返しのつかないミステイクだったと言えるだろう。
総司令が、アポロガイストの「趣味」をたしなめることなく好きにやらせているのも解せないが、それだけ改造アポロガイストの戦闘能力に全幅の信頼を寄せていたのだろう。
アポロガイストと入れ替わりに、川上博士がやってきて、「アポロガイストに敬介の傷を診るよう言われてきた」と、いかにも嘘っぽい説明をして牢の中に入る。
てっきり、川上博士が(アポロガイストにありがとうって言って貰えなかったので)GODを裏切り、敬介を助けに来たのかと思ったが、この後の展開から、嘘でもなんでもなく、実際にアポロガイストに言われて来たことが分かる。
うーん、さすがにここまで来ると、アポロガイストが、敬介に敵味方を超えた禁断の愛を抱いていると言う説が真実味を帯びてくるなぁ。
ともあれ、敬介は、バッタのように勢い良く跳ね起きると、川上博士の首に腕を回す。
川上「お前、傷は?」
敬介「俺の傷は1時間もすれば回復する。アポロガイストも気が付かなかったようだな」
敬介、せっかく手当てをしに来てくれた川上博士を殴り倒す。
アポロガイストに続き、敬介にまで恩を仇で返される川上博士って一体……(ちびまる子風)
あと、目の前でそれを見ているのに、戦闘員が牢の扉を閉めようともせず、代わりに警報ボタンを押すのもかなり間抜けである。
すぐにアポロガイストが駆けつけ、
アポロガイスト「GODに失敗は許されん。お前たちは死刑だーっ!」
即座に川上博士と戦闘員に死刑を宣告する。

川上「待て、お前を再生させたんだぞ!」
これにはさすがに温厚な川上博士も色を成して抗議するが、

川上「……」
そのお腹を、右手から生えている剣でチョンと突付かれ、吐きそうな顔をしながらあえなく絶命する。
生き返らせてやった相手に殺された川上博士の人生って一体……(ちびまる子風)
ほんと、どういう経緯でGODの一味になったかのは不明だが、あまりに空しい生涯であった。
でも、博士は別に戦闘員ではないんだから、敬介に逃げられたからって、その責任を取らされるというのは納得が行かないし、その優れた再生医療の手腕はこれからもGODにとって重要な戦力になったであろうに、アポロガイストの性急な処分は愚かとしか言いようがない。
まあ、この後のシーンからも推察できるが、アポロガイストは再生強化手術の副作用で、以前より怒りっぽくなり、感情を抑制することが難しくなっているらしく、川上博士がその最初の「犠牲者」になったことは、ある意味自業自得と言えなくもないが……
あと、総司令がそんなアポロガイストの行動を一切咎めようとしないのも、あからさまに依怙贔屓しているように見えて、あまり良い気持ちはしない。
話を戻して、倒れた二人が一撃で消え去ったのを見た別の戦闘員は、

戦闘員「凄い!」
思わず感嘆の声を上げるが、
アポロガイスト「感心している場合かぁっ?」 アポロガイスト、即座にアポロマグナムでその戦闘員を殴りつけ、叱り飛ばす。
この件に関しては、100パーセント同意である。
アポロガイスト「非常警備だ。アポロンの宮殿から全員足止めをさせろ!」

戦闘員「エレベーターは運転中止だ」
敬介「これを見ろ! 総司令のご命令をケルベロスに伝えに行くのだ」
戦闘員「ごくろうです」
だが、抜け目のない敬介は、戦闘員に成り済ました上で、見張りの戦闘員に例のメッセンジャー人形を見せて、まんまとエレベーターに乗り込むことに成功する。
まあ、そこまでは仕方ないとは言え、
戦闘員「今度こそGODの大勝利ですなぁ、立花コーヒーショップは完全に占領しましたから」
敬介「立花コーヒーショップ?」
戦闘員が聞かれもしないのにベラベラと余計なことを喋って、敬介に貴重な情報を与えているのが、バカの佃煮に見えてしょうがないのである。
この手のドラマで、悪人があまりにバカばっかりだと、なんか萎えるんだよね……
まあ、それ以前に、この前近代的なメッセージシステム自体がすべての元凶なのだと、いい加減総司令に気付いて欲しいところである。

怪人「あと10分で、東京都全部の配線が完了する。それがお前たち最期の時だ」
一方、そのコーヒーショップでは、高圧電流の流れる導線を数珠繋ぎに巻かれたおやっさんたちを前に、ケルベロスがいよいよファイヤー作戦を開始しようとしていた。
しかし、簡単に「東京都全部」って言ってるけど、そんなの一日や二日で出来ることじゃないよね。
あと、なんでよりによっておやっさんの店を作戦本部にしなきゃいけないのか?
理由はただひとつ、スタッフが、別にセットを組んで撮影するのが面倒だったとしか考えられない。

マコ「ひどいわーっ!」
マコは抗議の声を上げるが、

チコ「諦めよう、マコ」
意外と悲観的なチコは、観念したように目を閉じてうなだれる。
立花「バカなこと言うんじゃない、最後に正義は必ず勝つ!」
怪人「甘い、甘い、この世に悪ほど強いものはない」
立花「Xライダーは必ず来る!」
再び、アポロン宮殿。
宮殿内を隈なく監視している指揮所にアポロガイストが来て、

アポロガイスト「神敬介の居所は?」
戦闘員「警備は万全です。捕まるのは時間の問題です」
アポロガイスト「地上への連絡口は封鎖してあるな?」
戦闘員「はっ、総司令のご命令の通信連絡員が出た以外は……」
アポロガイスト「バカモノ!」
皆まで聞かず、アポロガイストはその戦闘員を殴り飛ばす。

アポロガイスト「それが神敬介だ、すぐに追え!」
本来ならその戦闘員も処刑されないといけないのだが、場合が場合だけに、アポロガイストはそれ以上は追及せず、宮殿から脱出した敬介を追いかける。
しばらく走ったところで追いつき、互いに変身して戦うが、ライダーは適当に切り上げてクルーザーで空を飛んでコーヒーショップに急ぐ。
コーヒーショップでは、いよいよカウントダウンが開始され、
立花「ああ……はっは、今度ばかりはほんとにダメか……」 さっきまでの威勢は何処へやら、おやっさんもすっかり諦めて絶望の呻き声を放つ。
と、そこへ例の人形が何処からともなく降ってきて、敬介の声で作戦の中止を勧告する。
怪人「違う、総司令の声ではない……何処だ、誰だ、出て来い!」
ライダー「ここだっ」
物陰からライダーが出てきて、戦闘員を蹴散らす。
それを見たおやっさんは、
立花「見ろ、二人とも、言ったとおりだろ?」 さっきと言うてることが違う!! チコ「早く助けてーっ!」
だが、ケルベロスの体には5万ボルトの電流が流れているので、ライダーも迂闊に近付けない。
ケルベロス、その間にメインレバーを引き、東京中を火の海にしようとするが、いつまで経っても何も起きず、東京はあくまで平和であった。
怪人「どうしたことだ?」

ライダー「配線回路は切っておいたのだ!」
動揺するケルベロスの問い掛けを、一言で片付けるライダー。
まあ、具体的にどんな配線になっていたのか不明だが、GODの皆さんが頑張って東京全域に張り巡らせた配線を、ライダーひとりであっさり切っちゃうと言うのは、さすがにお手軽過ぎるよね。
こんな場合、予備の配線で電流を流せるような「プランB」を考えておくのが巨大プロジェクトの鉄則だと思うのだが、「悪の組織」にそんなことを期待するのは無理か……
この後、ライダーがケルベロスを倒して事件はひとまず解決する。
以上、前週から引き続き、敵のアジト内でのシーンがその大半を占める、シリーズでも珍しい構成のエピソードであった。
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