第6話「襲来! 生きた恐竜」(1988年4月2日)
この6話と7話の連続エピソード、実は一度スルーしたのだが、なんとなく、読者の方から
「やれや」と言われそうな気がしたので、言われる前にやっぱり書いておくことにしたのである。
なので、ブログ初の「コンパクト版」としてお送りさせて頂く。
冒頭、ヅノーベースの研究室で、ケンプたちが鎬を削って新しい頭脳核の開発に勤しんでいる。
頭脳核と言うのは、要するに、頭脳獣のコアとなる人造頭脳のことである。

ビアス「ドクターオブラー、君の頭脳核は?」
オブラー「家に忘れました」
ビアス「小学生かっ!!」 じゃなくて、
オブラー「既にタイムカオスカプセルにセットしてあります」

ビアス「タイムカオスカプセル?」
オブラー「今この内部は、相対性理論的不確定空間と化しております。いわば、時のカオス」
ビアス(意味が分からん……) 大丈夫ですよ、ビアス様、言ってる本人も分かってませんから!!
オブラー「このカオスの中から時間と空間を操る頭脳獣を作るのです」
ビアス「ガードノイドガッシュ」
ビアス、オブラーの作戦を採用すると決めたのか、指を鳴らすとガッシュを呼び寄せ、オブラーの作った頭脳核をもとに、

タイムヅノーと言う新たな頭脳獣を誕生させる。
ちなみに声は、怪人の声を演じるのは珍しい飯田道郎さん。
ケンプ「時間と空間を操ると言っていたが、ドクターオブラー、まさか君は?」
ケンプの問い掛けに、

オブラー「そのまさかだよ、タイムヅノーは、むかし見逃したどんなテレビ番組も好きなだけ見せてくれるのだよっ!!」
ビアス(それはちょっと良いかも……)
じゃなくて、
オブラー「そのまさかだよ、タイムヅノーは自らタイムスリップすることが出来る」
ケンプ「えっ」
マゼンダ「なんですって」
オブラー「7000万年昔に戻り、現代の東京に恐竜を蘇らせるのだ」 ビアス&ケンプ&マゼンダ「なんでだよっ!!!」 オブラー「え?」
……と言うのは嘘だけど、ほんと、なんでだろう?
たとえば、「マスクマン」でやっていたように、勇介たちの子供時代に行き、子供のうちにライブマンを殺すとか、もっとボルトにとって有益な使い道がいくらでもあると思うのだが。
と言うより、一番無意味なテクノロジーの使い道をわざわざ選んでるとしか思えない。
もっとも、別の時代に移動するなんていうシーンは、普通のドラマでも敬遠したくなる金のかかる撮影だから、より懐具合のシビアな特撮ドラマにおいては、とりあえず野山さえ映しとけばどうにかなる、先史時代限定となってしまうのもやむを得ない措置なのだろう。
それこそ「マスクマン」のように、10~20年前くらいなら、そのまま撮影しても問題ないが、さすがに同じ話を繰り返す訳にも行かなかったと見える。
ともあれ、早速タイムヅノーは自らの体を7000万年前にタイムスリップさせるが、

スタッフも、意味もなく泡立っている湖のほとりに、毒々しい熱帯性の花や、シダ・ソテツ類を生やすことで、それなりに頑張って恐竜時代であることを表現している。
で、たぶん、アレが来るんだろうと思っていたら、
はい、やっぱり来ましたよ、「恐竜・怪鳥の伝説」!! 映画自体はコケたけど、こうやって後世のテレビ番組の役に立っているのだから、まったく無意味ではなかった訳である。
でも、10年以上前の映画のフィルムを使い回すのは、さすがにどうかと思うけど……
とにかく、微妙な感じの恐竜たちに脅かされつつ、タイムヅノーは与えられた任務を果たそうとするが、その結果は少し後に判明する。
舞台変わって、現代の三日月山。
ここに恐竜が出現するとの噂を聞きつけ、ライブマンの三人が調査に訪れる。

丈「いる訳ねえじゃないか、何千万年も大昔に滅びちまったんだぜ」
勇介「イギリスのネス湖にはネッシーと言う恐竜がいるといわれている。いたって不思議じゃない……いや、生きてもらいたいと言う気がする」
現実的な丈は最初から気乗り薄のようだったが、自称ロマンティストの勇介はうっとりとした目で熱っぽく語る。
にしても、ヒーロー俳優が二人とも北極の氷の壁みたいに高いリーゼント頭なんて、今ではありえない設定である。
これでヒロインまでリーゼントだったら、最初からレビューなんかしなかっただろう。
などとやってると、めぐみが、いかにも恐竜っぽい足跡を発見し、勇介たちを呼ぶ。
しかし、それがたったひとつ、しかも片足だけ残ってると言うのも変なんだけどね。

勇介「現存する動物のどんな足跡とも違うぞ」
めぐみ「と言うことは……」

めぐみ「この足跡は?」
勇介「あ゛あ゛あ゛っ!!」
この、めぐみの口の形がめっちゃ可愛いのである!!
と、どこからか、それこそ恐竜の唸り声のような声が聞こえてくる。

ハッとした振り向いためぐみの顔が綺麗だったので、意味もなく貼ってしまった管理人であった。
ま、実際、恐竜と子供の友情物語なんかレビューしてもなぁ……と、一度はスルーしたほどなのだから、ストーリーよりめぐみタンのお顔のほうが気になっても、それは仕方のないことであろう。
さて、三人が急いで声のするほうへ走ると、切り出した石を積んでおく広場のようなところで、小学生男子が、正真正銘の恐竜……と言っても人間サイズのティラノサウルスみたいな子供の恐竜に追い掛け回されているところであった。
しっかし、噂を聞いて勇介たちが来たというのに、同じく噂を聞いて恐竜探しにやって来た、小次郎さんみたいな物好きの暇人がいても良さそうなものなのに、最初から最後までそう言う人種が一切出て来ないと言うのは、予算・尺の都合があるとは言え、寂しい。

当然、子供が襲われているものと、勇介たちは恐竜をふん捕まえて子供を助けようとするが、実は子供と恐竜は仲良く追いかけっこをしていただけであることが後に分かる。
恐竜に吹っ飛ばされた丈、怖さのあまり石の隙間に潜り込もうとしてお尻をこちらに向けた状態でジタバタしていたが、

美味しそうなエサに見えたのか、恐竜がそのお尻に思いっきり噛み付く。

丈「ぎぃやああああーっ!!」
この役は、是非めぐみに演じて欲しかったと言うのが、全世界の男子共通の願いなのです!!
と、その男の子が恐竜に駆け寄り、「やめるんだゴン!!」と、恐竜をなだめようとしているのを見て、

めぐみ「ゴン?」
ポカンとするめぐみの綺麗なお顔、頂きました!!
健一「やめるんだ、ゴン、ダメじゃないかそんなことをしちゃあ」
その後、健一少年とその祖父・庄三郎が住んでいるロッジのような建物の中で、丈がお尻の治療を受けている。
建物の中にはゴンと名付けられた恐竜もいて、健一がペットのように可愛がっていた。

勇介「あの、この恐竜は一体どうしたんですか?」
床三郎「ああ、あれは十日前の雪の降った日のことだった」
庄三郎によると、孫と二人で散歩中、突然稲光が走り、見れば、茂みの中にゴンが倒れていたと言うのである。
だが、健一の亡き両親が、恐竜がまだ地球上に生きていると言う説を信じている気の毒な恐竜学者だった影響もあり、健一は恐れることなく、たちまちゴンと仲良くなってしまったのだと言う。
無論、ゴンは、タイムヅノーによって太古の世界からタイムスリップさせられた個体なのだが、健一たちはネッシーのように現在まで生き延びた「生きた化石」だと思い込んでいた。

庄三郎「健一の両親が言っていたことが本当だったと証明されたんです、だから健一にとっては特別に嬉しいんです」
健一「ゴン」
勇介は、実の兄弟のようにじゃれあう二人の姿になんとなく感動して、

勇介「分かります、その気持ち……僕も恐竜が生きてい欲しいと願っていました」
あれ、勇介、今回、ちょっとお化粧が濃くない?
などとやってると、ゴン出現の前にも見られたと言う不思議な光が山小屋のすぐ外で発生し、空間の歪みの中から、タイムヅノーがあらわれる。
何事かと山小屋から出て来た勇介たちと一緒にいるゴンの姿を目にすると、
タイムヅノー「おお、こんなところにいたのか、その恐竜は俺のもんだ!!」
勇介「なに?」
タイムヅノー「7000万年昔からこの俺がタイムスリップさせたんだ、だが戻ってくる途中で離れ離れになってしまったのよ」

勇介「なに寝惚けたこと言ってんだ?」
と、横からオブラーとジンマーたちも出て来て、
オブラー「嘘ではない、タイムヅノーは俺が作った。現代に恐竜を甦らせて暴れさせるためにな」
勇介(もっと他にすることないんかいっ!!) 頭が良いのか悪いのかさっぱり分からない、オブラーの意味不明な計画に心の中でツッコミを入れる勇介であったが、嘘である。
いや、いくら恐竜って言っても、所詮ただのでかいトカゲなんだから、近代兵器の前では何の意味もあるまい。
逆に、地球の歴史を塗り替えるような貴重な発見として、全世界の科学者から付け狙われるのがオチである。
勇介たち、タイムヅノーの時間操作系怪人の定番能力(動きを逆回転させられたりするアレ)に苦しめられるが、なんとか撃退する。
CM後、二人きりでいたゴンと健一の前に勇介たちがやってきて、

勇介「ゴンも悲しいんだよ、まだ子供だ、遠い世界のことを思ってるに違いない、なあ健一君、ゴンにも親や兄弟がいるんじゃないかな……昔に帰してやるのがゴンにとって一番幸せなことじゃないだろうか」
健一「えーっ?」
丈「正気かよ、勇介、一体どうやって戻すんだよ?」
勇介「タイムヅノーにやらせる」
丈「相手は敵だぞ」
勇介「それしかないだろ!!」
色々あって、再びゴンの争奪戦が繰り広げられるが、そこへコロンの乗ったライブクーガーが突っ込んできて、オブラーたちをひっくり返す。

オブラー「何者だ?」
ファルコン「コロン、俺たちの仲間だ!!」
コロン「私、コロン、よろしくね」
コロンが敵の前に姿を見せるのは、これが初めてなのである。
ファルコン、ライブクーガーとコロンの力を借りて、首尾よくタイムヅノーを捕えてオブラーたちから引き離すことに成功する。

ファルコン「恐竜を7000万年前の太古に戻すんだ」
そして、特撮ヒーローとしては異例のことだが、怪人に銃を突きつけて要求を飲ませようとする。
タイムヅノー「分かった、戻せばいいんだな」
だが、勇介は、相手が時間を操れる頭脳獣だと言うことを忘れていた。タイムヅノーは素直に従うと見せて、ゴンと健一がライブマンに奪還される前まで時間を戻してしまう。

タイムヅノー「タイムスリップはここまでだ、邪魔するな」
ファルコン「どうなってんだ?」
この後、ゴンの献身的な活躍で形勢は逆転、ライブマンはやむなくタイムヅノーを撃破し、巨大ロボットバトルも恙無く終了させる。

オブラー「何処へ隠れても無駄だ、せっかくタイムスリップさせた貴重な恐竜、必ず取り戻す!!」
ゴンを連れて逃げる健一であったが、崖の上からオブラーとガッシュがその様子を見詰めていた。
第7話「恐竜VSライブロボ」(1988年4月9日)
一旦ヅノーベースに戻ったオブラー、ケンプたちに作戦の失敗を小気味良さそうに笑われていたが、現代に連れて来た恐竜を巨大化させると言い出して、彼らを驚かせる。
ケンプ「再生巨大化は我らが作った頭脳獣だからこそ可能な筈だ」
マゼンダ「頭脳獣以外の生命体でも巨大化できるというの?」

オブラー「今その実験計画書をビアス様にお読み頂いているのだ」
ビアス(いや、これ、ゼクシィなんだけどね……) じゃなくて、
ビアス「子供とは言え、巨大化することが出来れば凄まじい恐竜となるであろう。ドクターオブラー、直ちに実行したまえ」
と言う訳で、今回もオブラーが指揮を取ることになる。

健一「お前はこの世で一人ぼっち、俺もな、じいちゃんはいるけど父さんも母さんもいないんだ……だから、ずっとずっと一緒にいような」
一方、健一は、洞窟の中に身を潜め、暖を取るために焚き火をしながらゴンに寄り添っていた。
健一、ゴンの大きな体にもたれているうちに、何時の間にか眠ってしまう。
翌朝、満腹して眠っているゴンの隣に子供の白骨死体が落ちていたら、結構笑えたんじゃないかと思うが、実際は、健一の姿だけで、ゴンはいつの間にか消えていた。

もっとも、別に健一の元から去ったと言うのではなく、単に腹が減ったので、近くの養豚場に入り込んで豚さんたちを食いまくっていたのだ。
豚さんたち、ガチでビビッただろうなぁ。
やがて勇介たちが駆けつけ、丈のお尻を餌にしてなんとかゴンを捕獲することに成功する。

健一「ゴン!!」
庄三郎「他人様にお怪我させてしまった上に、豚を6頭も食っちまったんだ、もう野放しにはできん」
やむなく勇介たちは、森の中にありあわせの檻を作り、その中にゴンを閉じ込めることにする。
勇介「ゴンが悪いんじゃない、ゴンは肉食の恐竜なんです、肉を食わなきゃ生きていけないんだ」
めぐみ「かわいそうなのはゴンのほうよ。こんな世界に連れてこられたゴンのほうこそ被害者だわ」
丈「もう過去に戻してやることもできねえしな……かと言っていつまでこうやって飼うんだよ?」
丈が現実的な問題を指摘すると、不意に健一が「殺すよ」とひとりごとのようにつぶやく。

丈「えっ?」
はい、その言葉に振り向いためぐみの綺麗なお顔、頂きました!!

健一「僕が殺すよ、ゴンはもうこの世界じゃ生きていけないんだ。でもゴンが誰かに殺されるぐらいなら僕が殺すよ、悪い奴に苦しめられるなら、僕が殺すよ」
子供らしからぬ悲壮な覚悟を決めると、健一は祖父の猟銃を奪い取り、その場でゴンを射殺しようとする。
だが、銃口を向けられたゴンが涙を流しているのを見ては、どうしても引き金を引けず、自身もぼろぼろ泣きながらその場から走り去る。

ま、そんなのはどうでも良くて、それを悲しそうな目で見ているめぐたタンのお顔、頂きました!!
でも、まあ、同じ殺すにしても、もうちょっと穏やかな殺し方がある筈で、いくらなんでも猟銃で頭を吹っ飛ばすと言うのは、とても親友同士のやり方とは思えない。
勇介が健一を慰めていると、どこからか、ゴンと同じような唸り声が聞こえてくる。
三人は、てっきりゴンの他にもタイムスリップさせられた恐竜がいたのだと、声のするほうへ向かうが、案の定、それはケンプたちが三人をおびき出すために発した偽の鳴き声だった。
三人はライブマンに変身すると、ケンプ、マゼンダたちと戦う。
一方、健一はその声を勝手にゴンの母親のものだと決め付け、ゴンを檻から出して声のするほうへ連れて行こうとする。
CM後、健一とゴンは声を頼りにさっき隠れていた洞窟の入り口までやってくるが、

そこにいたのはゴンの母親ではなく、恐竜の鳴き声を出せるよう改造されたジンマーだった。
健一「母さんじゃない、ゴンは騙されたんだ!!」
だが、ゴンはそれが機械の出している声とは判別できず、健一が止めるのも聞かずにジンマーに近付こうとする。
と、背後に聳える崖の上に立っていたオブラーとガッシュが、格好の標的となったゴン目掛けて、それぞれ特殊なエネルギー波を放ち、

見事、ゴンを巨大化させることに成功する。
オブラー「見たか、ドクターオブラーの科学!!」

危機感をあらわに頭上を見上げるめぐみタンの横顔、頂きました!!
巨大化すると共に凶暴になったゴンは、オブラーの策略で都市部まで誘導させられ、暴れまくる。ライブマンもやむなくライブロボで対抗するが、

ライブマンも、オブラーに操られているだけのゴンと本気で戦うことを躊躇し、ゴンを街から引き離すのが精一杯で、一方的に攻撃される。

ファルコン「そうか、あれで操ってたんだ!! ライブロボビーム!!」
だが、戦場の近くで奇怪な形の銃を向けていたオブラーに気付くと、オブラーに直接ライブロボビームを浴びせると言う大人気ない攻撃を仕掛け、その銃を破壊する。
それと同時にゴンは倒れ、元のサイズに戻るが、

健一「ゴン!!」
巨大化した副作用か、ゴンはそのまま健一に看取られながら絶命する。

勇介「死んだ……生きたまま巨大化した無理が、きっと命を縮めたに違いない」
無念の思いで悲劇的な結末を見守る勇介たち。
つーか、オブラーの銃をお前らが壊したからじゃねえの? と言う気がしなくもないが……
ラスト、ゴンのお墓の前で、ゴンと暮らした、短いけれど夢のように楽しかった日々を思い浮かべていた健一、新たな悲しみが突き上げてきて、お墓にしがみつくようにして慟哭するのだった。

ナレ「ライブマンは、決してこの悲運の恐竜の子供を忘れはしない。かつての友の悪魔の科学に怒りを滾らせ、ボルトを倒すまで戦い抜くことを誓うのであった」
ボルトの非情さに改めて怒りと闘志を燃やしている勇介たちの姿に重々しいナレーションが被さり、幕となる。
以上、戦隊シリーズでは珍しい、救いのない結末が待っていた二週連続エピソードであった。
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