第32話「ナナ!危険な再会」(1985年9月7日)
13話・14話に登場したリゲル星人ナナが再登場するエピソードである。

ギルーク「星王バズー様、リゲル星人ナナがリゲルオーラを発生させる時が参りました」
ゲーター「リゲルオーラってなんや?」
シーマ「テクノ惑星リゲル人の女の子が生涯に一度だけ発するリゲルオーラを浴びれば、スーパーパワーの持ち主になれるのよ」
ゲーターの問いに答える形で、シーマが視聴者にリゲルオーラについて説明してくれる。
しかし、「女の子が生涯に一度だけ発する」ものを浴びるって、なんかヒワイだな……
ギルークが、そのオーラを自分に浴びさせてくださいと正面切ってバズーにお願いすると、バズーはあっさり許可してくれる。
ただし、

バズー「そうだな、もはやおまえ自身の力ではチェンジマンを倒せそうにないからな」
ギルーク「はぁ……」
と、極上のイヤミを添えるのを忘れないいぢわるなバズー様でした。
でも、それこそバズー自身が浴びれば良いのではないかと思うが、既に人間であることをやめているバズーは、リゲルオーラを浴びても効き目がないのかもれない。
さらに、
バズー「これが最後の作戦と思え、失敗したらもう生かしてはおかんからな」
ギルーク「は、ははーっ」
今度こそ本当の本当に最後のチャンスだと釘を差され、戸惑ったような顔でひれ伏すギルーク司令官の姿からは、中間管理職の悲哀が色濃く滲み出ていた。
これを見ていたちびっ子たちの中には、後年、自分が同じような立場に立たされて、
「あの時のギルークの気持ちが、はじめて分かったような気がするよ……」と、周囲にしみじみと漏らした人もいたことであろう。
ついで、商店街の、賑やかな八百屋の店先と言う、およそ関係のなさそうなシーンとなる。
宿題を他のものにやらせて遊びに行こうとしていたその家の二人の息子が両親に見付かり、リビングに連れてこられるが、

父親「このバカタレが!」
お子様「いいじゃねえかよ、居候なんだからよ、宿題ぐらいやってくれたって」
お子様「そうだよ、ナナが来たお陰で、小遣いは減るし、おやつも減るし!」

ダイニングテーブルに座って、暢気に漫画を読みながらドーナツを食べていた女の子こそ、行方不明になっていたナナであった。
どうやらこの家に「居候」しているらしく、お子様の心無い言葉に、食べかけのドーナツを気兼ねしたように置く。
父親「なーんてこと言うんだ、てめえ?」
母親「ナナもねえ、お前たちと同じうちの子なんだよ」
だが、両親はなかなか出来た人たちで、ろくでなしの息子たちを一喝すると、

ゆり子「ナナ、あんた、なんでそんなに遠慮するの? 正一や裕太がなんと言おうと、宿題なんかやることないの、ね?」
そして、その肝っ玉母さんを演じているのが、アンヌことひし美ゆり子さんなのである!
ただ、田村夫婦とあるだけで、名前が分からないのが物足りない。
と言う訳で、管理人権限で、レビューの中ではゆり子と呼ばせていただくことにした。ご了承頂きたい。
ナナ「もうやっちゃいました」
ゆり子「ええっ?」

父親「6年生と4年生の算数だろ、どうして2年生のお前がそんなに簡単に出来るんだ?」
ゆり子「天才だね、お父さん」
二人はナナの秀才ぶりに目を丸くするが、天才ばかりが住むというリゲル星人のナナにとっては朝飯前の仕事であった。
だが、その時、何の前触れもなく、部屋の中にヒドラー兵たちが湧き、田村家の人たちを恐怖のどん底に叩き込む。

ナナ「助けてーっ!」
無論、彼らの狙いはナナであった。
……
熟女と幼女のお尻が同時に楽しめる画像だなぁ……って、知り合いの尻フェチが言ってました。
同じ頃、剣がナナに貰った不思議なペンダントが光りだしたことから、ナナの身に異変が起きたのかもしれないと、伊吹長官は5人にナナの捜索を命じる。
命じるほうは楽でいいよな……
何の手掛かりもなしにひとりの少女を探しにやらされる5人の身にもなっていただきたい。
それでも真面目な5人は喫茶店でサボることもせず、炎天下、ナナを探して走り回っていたが、何処からかあらわれた翼のある小さな竜のような生き物が、剣の持っていたペンダントを咥えて飛んでいく。

ナナ「助けてー、放してーっ!」
ヒドラー兵に抱きかかえられながら、ひっきりなしに叫んでいるナナ。

ギルーク「久しぶりだな、随分探したぞ、ナナ、お前のリゲルオーラが浴びたくてな」
ナナ「リゲルオーラですって?」
久しぶりって言ってるけど、ギルークとナナは初対面じゃなかったっけ?
あ、ナナがカプセルの中で寝ている間、ギルークはその姿を見てたんだな。
でも、ナナにとっては初対面であることは間違いない。

ギルーク「ふっ、お前はリゲルオーラを発生する年頃になったのだ。へっへっへっ」
シーマ(これ、傍から見たら、完全なド変態オヤジだよな……) 気付いてはいけないことに気付いてしまうシーマだったが、嘘である。
嘘であるが、ド変態オヤジにしか見えないのは事実である。
ギルーク「それを浴びれば俺はスーパーパワーの持ち主になれるのだ」
ナナ「嘘、嘘、いやぁっ、そんなのいやぁっ!」
と、そこへ飛んで来たのが、例の宇宙生物であった。

ナナ「クゥクー、このイヤリングは剣さんたちに上げたもの」
それを追って剣があらわれ、ドラゴンに変身してブーバ、シーマを相手に孤軍奮闘するが、やがて他の4人がチェンジクルーザーに乗って駆けつけ、ドラゴンとナナを乗せてその場から離脱する。
その後、野外音楽堂のようなところで話している剣たち。

ナナ「クゥク、はるばる地球まで会いに来てくれたのね。テクノ惑星リゲルで一緒に住んでたの」
剣「そう、クゥクはナナちゃんの危機を知って案内してくれたんだ……どうしてまた狙われんだい?」
剣はナナの前にしゃがんで改まった様子で尋ねるが、
ナナ「知りません……知りません」
剣「ほんとに?」
ナナ「知りません!」
剣が真剣な眼差しで念を押すと、ナナは後ろめたいことがあるように顔を背け、同じ言葉を繰り返す。
まあ、自分の体からド変態オヤジを喜ばせるエキス、いや、オーラが出るなんて、女児の口から言い出せなかったのは理解できる。
剣たちもナナの態度から、彼女が何か隠しているのは推察できたが、

ナナ「知りません!」
剣「……」
必死になって訴えるいたいけな女児の口を無理に割らせることなど、ロリコン戦士の剣には到底出来ない相談だった。
今回は、さやかの出番がほとんどなく、貼る価値のある画像はこれくらいしかない。
まあ、前回はたっぷり拝ませてもらったから、贅沢は言うまい。
と、ナナを探している田村家の人たちの声が聞こえてくるが、すぐに彼らのところへ戻ろうとするナナを、剣が主人公特権でお姫様抱っこして雑木林の中に連れて行く。

剣「ナナちゃんが戻ったら、また襲ってくるぞ」
ナナ「ええっ?」
勇馬「このまま俺たちと行こう」
ナナ「ダメ、そんなこと出来ないわ」
ナナの説明で、浮浪者のような生活をして体調を崩していたナナが、偶然出会った田村家の人たちに助けられ、実の子供同様に育てられてきたことが判明する。

ナナ「本当はずっと(一緒に)いたい……でも、分かってます。迷惑を掛けること」
ナナ、大人びた口調で、必死に彼女を探している田村家の人たちを見ながら語っていたが、

ナナ「でも、このまま黙っていくなんて出来ない!」
不意にそう叫ぶと、いきなり剣の体に抱きつく。
さやか(まっ!)
麻衣(やるわねえ……)
この年にして男(ロリコン)を篭絡するテクニックを身につけているナナに、末恐ろしいものを感じる女子たちであった。
さらに、

ナナ「さよならだけは言わせてください!」
剣「……」
上目遣いで頼まれれば、剣に抗う術はない。
剣(嗚呼、生きてて良かった!) 疾風(ぢぐしょおおおおーっ!) そんないじらしいナナの体をぎゅっと抱き締めて至福の時間を味わう剣と、対照的に心の中で悔しさを爆発させる疾風であったが、全部嘘じゃい。
剣たちはナナの気持ちを汲んで、危険を承知でナナをあの八百屋に行かせてやるが、離れたところから見守っていた5人に、早速シーマたちが襲い掛かる。

ゆり子「ああーっ!」
父親「また出たよーっ」
ついで、店にもヒドラー兵がうじゃうじゃ湧いて、またしても受難の田村一家であった。
だが、管理人の目は見逃さなかった。
お子様の一人が、どさくさに紛れて、ゆり子の豊満なバストに顔を埋めていることに……
実際、こんな服を着てても、ひし美さんが走ると、エプロン越しにも巨乳が服の中でゆさゆさ暴れまくっているのがはっきり見えるのである。

ナナ「助けてーっ! 助けてーっ!」
で、いささか芸がないが、ナナは最初と全く同じように、ヒドラー兵たちに美味しくテイクアウトされてしまうのだった。
CM後、ナナは改めて、人気のない場所で待っていたギルークの前に連れて来られる。

ギルーク「ナナ、今度こそ逃がさんぞ」
ナナ「やだ! やだ!」 ヒドラー兵(やべえ、勃ってきた……)
その可憐な叫び声が、ロリコンのヒドラー兵の股間を熱くさせたのは言うまでもないが、嘘である。
と、時を移さず、チェンジマンもあらわれる。
ギルーク「おのれ、また邪魔か、リゲルオーラを早く浴びたいものだ、はははっ」
ドラゴン「リゲルオーラだと?」
両者が戦いの火蓋を切ろうとしたその時、上空を何か巨大なものが駆け抜ける。

それは、二つの頭を持つ、恐ろしげな怪物であった。
怪鳥ジャンゲランである。
ギルーク「なんだ、あの鳥は?」
ドラゴン「なんだ?」
敵味方双方が混乱する中、

アハメス「あっはっはっはっはっ、あっはははは……」
高笑いを響かせながら、その背中に悠々と立ったのは、やはり、アハメス様であった。
アハメス「宇宙の怪鳥ジャンゲラン!」

ギルーク「アハメス、その恐ろしい鳥をいつの間に手なずけたのだ?」
分かりにくいが、これはアハメス目線での映像である。
アハメスはジャンゲランを丘の上に降下させる。

ギルーク「アハメス、一体何の真似だ?」
アハメス「ギルーク、お前にリゲルオーラは勿体無いわ」
アハメスが両手を胸の前でクロスさせると、その体が金色の光に包まれ、

コスチュームが一瞬で変わる。
そう、これがアハメス様の後期のコスチュームなのである。
銀色の装甲を重ね合わせた、なんとなく「聖闘士星矢」の聖衣っぽい鎧である。
これはこれでカッコイイのだが、個人的には最初の猫耳(狐耳?)スタイルの方が好きだけどね。
ギルーク「貴様、遂に本性をあらわしたな」
アハメス「リゲルオーラを浴びるのはこの私!」
旧知のギルークの台詞から、このコスチュームは元々アハメスが戦闘時に着用していたものだったのだろう。
一方、二人の話題に入っていけないチェンジマンたちはちょっぴり淋しかった。
じゃなくて、戸惑いを隠せないでいた。

ドラゴン「リゲルオーラ? 両方で奪い合おうとしているリゲルオーラとは一体何なんだ?」
ペガサス&フェニックス(ワシらに聞かれても……) 困っちゃうのである。
アハメス「怪鳥ジャンゲラン、やれ!」
アハメスの命令で、ジャンゲランの一方の口から炎が、もう一方の口から冷凍ガスが噴射される。

その威力は凄まじく、冷凍ガスを浴びたヒドラー兵たちは、カチカチに凍らされてしまう。
アハメス「あっはっはっはっ!」 いやぁ、爆笑する熟女って、可愛いなぁ。
まあ、黒田さん、まだ熟女と言うほどの年ではなかったのだが。
あと、笑い顔が伊藤かずえさんに似てる気がする。
ギルークはブーバとシーマにアハメスを攻撃させようとするが、二人の背後から何者かがビームを放って邪魔する。
てっきり、アハメス贔屓のバズーの仕業かと思いきや、

稲妻と共に、三人の異形の戦士たちが降下する。
三人「アハメス様の三銃士!」
そう、アハメスの部下が一気に三人も登場するのである!
こちらの予想を軽々と超える怒涛の展開に、管理人も思わず引き込まれてしまった。

ギザン「宇宙獣士ギザン!」
ギザンは、オーソドックスな(?)宇宙獣士タイプ。

ジェラー「ニィヤーッハッハッ、ケッケッ、ジェラー!」
甲高い女性の声を持つジェラーは、伊藤潤二の漫画に出てきそうなタイプ。
声は、モモイロアルマジロの坂井すみ江さんである。

ダブン「ダブン!」
ダブンは、見ての通りのパワータイプ。
ソーセージのような髪型が、シュガロンを髣髴とさせる。
ギルーク「あんな奴らまで呼び寄せていたとは……」
アハメスの底知れぬ恐ろしさに、慄然とするギルーク。
一見、一度に三体もの怪人が出てくるのは豪華に感じられるが、この32話から三人が倒される36話まで、新たな怪人は一切登場しない。つまり、5話に3体の割合なので、実際は通常より少ないのである。
色々あって、ナナは、採石のために表面をこそげ取られてデコレーション前のウェディングケーキのように無残な姿を晒している山の麓まで逃げるが、そこで三銃士に取り囲まれる。
だが、ここでまた何処からともなくクゥクが飛んできて、三銃士を撹乱してナナを助ける。

ナナ「浮上走行!」
ナナはすかさず右手を突き出して叫ぶと、

ピョン、ピョン、ピョンと、短いテレポーテーションを繰り返して三銃士を一気に引き離す。
まあ、「浮上走行」と言うからには、空の上を走っているイメージなのだろうが、その場で子役をジャンプさせて、それをコマ送りのようにつなげるという昔懐かしい特撮で表現しているので、瞬間移動を繰り返しているようにしか見えないのだ。
いずれにしても、天才であるナナが開発したなんらかのハイテクメカによるものだろう。
一方、チェンジマンは、引き続きジャンゲランに乗るアハメス様と戦っていた。

アハメス「おのれっ!」

アハメス「チェンジマン、邪魔はさせぬ!」
……
いやぁ、溜息が出るほど美しいお姿。
天空から降臨した戦いの女神、あるいは、闇堕ちしたジャンヌ・ダルクと言った雰囲気である。
ジャンゲランが激しく翼を羽ばたかせると、凄まじい嵐が起き、チェンジマンを丘の向こうまで吹っ飛ばす。
その際、ギルークたちも巻き添えになって飛んでいくのが、かなりのツボである。

アハメス「ジャンゲランの翼嵐に耐えられると思っているのか?」
満面の笑みを浮かべて勝ち誇るアハメス様。
ああ、かわええ……
ジャンゲランの猛威に手も足も出ないドラゴンは、やむなくシャトルベースを呼び出して攻撃させると言う、反則スレスレの大人気ない挙に出る。

アハメス「はっ!」
雲を割ってあらわれたシャトルベースを見て驚くアハメス様。
ああ、美しい……
チェンジマンはさらに大人気ないことに、チェンジロボまで出動させてアハメス様をいぢめる。
さすがのアハメスもチェンジロボにはかなわず、一旦引き揚げざるを得なかった。
一方、ナナは三銃士に追いつかれそうになっていたが、

そこへ駆けつけたチェンジロボが、等身大の敵を相手にガチで戦うと言う、これまた大人気ないにもほどがあることをして助ける。
まあ、これは、登場したばかりの三銃士のひとりをいきなり死なせ(て巨大ロボットバトルをさせ)る訳にはいかないが、とにかくチェンジロボを出してくれというスポンサーの要求に屈した結果であろう。
ラスト、洞窟の中に逃げ込んだナナと、ナナの行方を必死で探している剣たちの姿を映しつつ、33話へ続くのであった。
今回、愛しのさやかタンは出番どころか台詞すらほとんどなかったが、アハメス様の美貌を堪能できたから良しとすべきか。
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