第23話「恐るべき死の爆弾人形!!」(1985年10月17日)
先週、「スケバン刑事」に出演していた某女優さんからコメントを頂き、ちょっと舞い上がってる管理人なのです。
だからと言うわけではありませんが、久しぶりの「スケバン刑事」のお時間です。
冒頭、学校から帰宅中の木村和美と言う鷹の羽学園の女生徒が、ガード下のトンネルで暴走族のバイクに轢かれ、重傷を負う。
それはただの轢き逃げ事故ではなく、彼らは最初から和美を狙っていたようであった。

和美を演じるのは、「セーラー服反逆同盟」や「時空戦士スピルバン」にも出ていた大津美智子さん。

サキ「和美が?」
その知らせを聞いて驚くサキの、半円形に開いた口が可愛過ぎるぅぅっ!

三平「そうなんだ、学校の帰り道にバイクに撥ねられたんだって、意識不明の重体だって言うんだよ」
サキ「行こう、三平!」
サキは迷うことなく三平と一緒に病院へ向かう。
今まで一度も会ったことはないが、和美はサキの大切なクラスメイトの一人なのだった。
ちなみにサキがお馴染みの制服を着ていることから、前回の最後に三平が言っていたサキの退学処分は既に取り消され、もう普通に通学していると思われる。
病院には、沼先生や美也子たちも集まっていた。

サキ「沼先生」
三平「どうなんですか、木村君?」
沼「今、手術が始まった」
サキ「うちの人は?」
沼「それがな……」
沼先生が暗い声で語ることによれば、和美の母親は二年前に他界し、和美はそれ以来一家の主婦役を務めてきたのだが、現在、父親が海外に長期出張中と言うことで、今は和美と幼い妹の二人だけで暮らしているらしい。
落ち着かない気持ちで、病院の廊下で手術が終わるのを待っている美也子たち。

美也子「よりによって和美が事故に遭うなんて」
女生徒「事故に遭えば良い奴、他にいくらでもいるのにさぁ」
この事件を引き起こしたのが、かつて自分が「お姉さま」と慕っていた女性だとは、夢にも思わぬ美也子であった。
その麗巳、和美を襲った若者たちを前に、プンスカしていた。
麗巳「サキとクラスメイトを間違えるなんてあんたたちのしそうなことよ」
若者「……」
麗巳「サキとあの子は今日の昼休みにカバンのマスコット人形を交換した。そんなことも調べずに襲うなんて所詮暴走族は暴走族でしかないということね」
若者「で、でも」
麗巳「おだまり!」
さすがの暴走族も、麗巳の迫力の前では借りてきた猫のように大人しかった。

ちなみにリーダー格の若者、どっかで見たことあるなぁと思ったら、「少女コマンドーIZUMI」の第1話で、いづみにナイフをちらつかせていた山田良隆さんだった。
「3」のSPで、結花か由真のどっちかをトラックに乗せてた人ね。
それにしても、マスコットを交換したことが、学校の外にいる彼らに分かる筈もないのに、麗巳の言い草はいくらなんでも手厳し過ぎる。
麗巳は、たぶん学校に盗聴器でも仕掛けているのだろうが、だったらコイツらに教えてやれよ……
なお、和美を襲う前に彼らがレーダーみたいなものを見ていたことから、そのマスコットに発信機でも取り付けられていたのだろうか?
しかし、そもそも、マスコットなんて交換するもんかね?
もっと言えば、暴走族に襲わせたぐらいで、サキが怪我をするとも思えないのだが……
それでも痩せても枯れても海槌財閥の生き残りである麗巳は、散々彼らを罵倒した上で、きちんと150万円の小切手を書いてくれる。

麗巳「あなたたちがあなたたちなりの仕事をしたことには変わりはない。ネズミにふさわしい仕事を……」
それは良いのだが、小切手を手渡さず、彼らの顔を見ようともせずに肩越しに捨てると言う、完全に喧嘩売ってるとしか思えない態度を示すデンジャラスな麗巳様。
若者「……」
麗巳「何してるの、ネズミはネズミらしくエサを貰ったらさっさと帰るものよ」
これには温厚な(笑)彼らもムカッとするが、結局大人しく小切手を拾って出て行くのだった。
でも、相手は仮にも暴走族なのだから、この状況で彼らを激怒させたら、よってたかって落花狼藉を働かれてお嫁に行けない体にされていた可能性もあったのだから、なんだかんだで、麗巳の肝っ玉は大したものである。
さすが、子供の頃から日本を支配することだけを考えて生きてきただけのことはある。
あと、何気に彼らがエグザイルみたいな並び方をしているのがツボである。
ところで麗巳、現在はホテルを転々として生活しているらしいが、剛三亡き後の海槌財閥がどうなったのか、逮捕された亜悠巳や久巳たちがどうなったのか、まったく事後の情報が与えられないのが、見ていて実に歯痒く、もどかしい。
前回も書いたが、亜悠巳たちを助け出せばかなりの戦力になると思うので、個人的にもそっちの方向に話を進めて頂きたかった。

サキ「こんばんは」
ゆかり「こんばんは」
一方、夜、サキはひとりで和美の自宅を訪ねる。
いや、それこそ沼先生や暇を持て余してる美也子たちも顔を出すべきだと思うのだが……
それはともかく、和美の妹ゆかりを演じている子役が、なかなか可愛いのだった。
島名美里さんと言うのだが、なんとなく、特撮系ロリコン戦士たちの女神・片岡みえさんに似ている。

サキ「ゆかりちゃんね? あのね、私、お姉ちゃんのお友達で麻宮サキって言うの……お姉ちゃんね、ちょっと怪我しちゃって、今病院にいるの」
ゆかり「病院?」
サキ「でも、何にも心配することないのよ。お医者さんが一生懸命治療してるし、お友達もついてるの。でも、それよりも、ゆかりちゃんがお腹空かしてたり淋しがってたりするとお姉ちゃん心配して治る怪我も治らなくなっちゃうでしょ? だから私が……えー、サキお姉ちゃんがゆかりちゃんのご飯つくりに来たの」

と言う訳で、やや唐突だが、サキが和美の家に上がりこんで、ゆかりのために料理をすることになる。
まあ、考えたらサキもつい最近まで一人暮らしをしていたのだから、自炊にも慣れているのだろう、その手際はなかなかのものだった。

それにしても、エプロンの両脇からはみ出している割とおっきな胸がなかなかのエロさなのです!
ちなみにメインディッシュはなかなかお美味しそうなハンバーグであった。

ゆかり「いただきます……美味しい!」
サキ「ほんと?」
ゆかり「あのぉ、そう言う返しやめてもらえますか?」 サキ「……」
……嘘である。
嘘であるが、サキの「ほんと?」に、管理人がちょっとイラッとしたのは事実である。
そんなことで嘘言う奴はいないっての。
つまり、管理人が言いたいのは、
ゆかり「美味しい」
サキ「ほんと?」
ゆかり「うん」
サキ「良かった」
よりも、
ゆかり「美味しい!」
サキ「良かった」
だけで良いんじゃないかと言うことなのである。
なお、ここでゆかりちゃんが黒いハンバーグを口いっぱいに頬張ると言うシーンが出て来ますが、青少年の健全な育成を手助けすると言う当ブログの運営方針により、画像は削除させて頂きました。ご了承下さい。

ベッドの上に寝転がって絵本を読んでいるゆかりの背後で、サキが自宅の母親に電話している。
サキ「私は和美が戻るまでここにいるから……ちょっとしたママの気分よ。そうなの……じゃあお休みなさい」
なお、サキは母親と会話しているが、ナツの声は一切聞こえず、あくまでそう言う「てい」で話しているだけである。
要するに、清水さんは今回参加していないのだ。
最終回にはちょこっと出てるけど。
さて、そんなある日、麗巳に力を貸すために、はるばるアメリカからやってきて、間違えて
鳥取砂丘コナン空港に降り掛けたが、途中で気付いてなんとか成田空港に降り立った人物がいた。
その助っ人は、真っ直ぐ麗巳のいるホテルへ向かうが、

溝口「ハワユー?」
それが、脂ぎったおっさんだったので、ワクワクしていた全国の視聴者が
「ふざけんな、金返せ!!」と、テレビに向かって怒号したのは言うまでもない。
こういう時に駆けつけるのは、美女か美青年に決まってるでしょぉおおおっ、なんとかしてよぉ、川崎ぃ?
麗巳「ファイン」
溝口「グーッ」
あと、最初に交わされる挨拶が、英語の教科書に載ってる会話みたいなのもトホホである。
ちなみにこの人、かわいそうに役名すら不明のまま死んでしまうので、便宜上、俳優の名前で呼ぶことにする。

溝口「超小型ナパームのエサにしてやりたい相手と言うのは誰かね? 米国スーパーウェポン研究所の主任研究員がわざわざ乗り出すほどの相手かね」
麗巳「相手は小娘ひとり、だけどこの小娘は本物の牙の持ち主よ」
溝口「ふふふふ、だいぶお気に入りのようだな、その小娘が」
麗巳「そう、気に入ってるの。だからこそ、苦しみのたうち、屈辱に塗れて血を吐いて倒れるところが見たい」
説明台詞乙! の溝口さんのお陰で、彼が麗巳のアメリカ留学時代の知り合いだと言うことが分かる。

溝口「いいだろう、私はその小娘の最期を見て恍惚に震えるあなたを、見たい」
溝口さん、
ド変態だった。
あと、意外と目が可愛かった。
二人のアメリカ時代の関係についてははっきりとは分からないのだが、この後の溝口の態度からして、かなり親密な間柄だったことが推測される。
実際、そうでなければ、既に海槌財閥と言う後ろ盾をなくした麗巳のために、わざわざ溝口が来日したりはしなかっただろう。
もっとも、向こうは本気でも、麗巳の方はその気もないのに気があるふりをしていただけの可能性が高い。
ともあれ、麗巳は早速サキの様子を隠し撮りしたビデオを溝口に見せながら説明を始める。
麗巳「サキは今6才の子供と暮らしてる」

麗巳「あの用心深い麻宮サキがあの子といる時だけは緊張を解くように見える」
しかし、さすがにこんなところから撮ってたら、いくらサキが油断してても気付くのでは?
と言うか、このビデオは一体誰が撮ってるのだろう?
麗巳本人がやる筈がないから、まだ他にも部下がいるのだろうか?
麗巳「子供が警戒心の殻に閉じこもったサキへの侵入口になる。そう、子供に爆弾を仕掛けてサキもろとも吹き飛ばすのよ!」
相変わらず過激な発想の麗巳お姉たま。
ただ、サキがスケバン刑事を解任された後もピリピリしているのは、前回、麗巳がわざわざサキに自分が生きていることを教えてやったからじゃないかと思うんですが……
それはさておき、溝口は直ちに仕事に取り掛かる。
コンクリートブロックを積み上げた、防空壕のような部屋に移動し、
溝口「このありふれた人形に超小型ナパームと声紋を判断する音声センサーをプラスしてみた」
麗巳「声紋判断?」
溝口「そう、まあ見ていてくれ」
溝口は自信たっぷりに言うと、アタッシェケースの中のメカを操作して、どうやって手に入れたのか不明だが、「鷹の羽学園2年B組、麻宮サキ!」と言う、サキが犯人を逮捕する時の決め台詞の入ったテープを再生させる。
溝口「麻宮サキの声に間違いないな」
麗巳「……」
麗巳が頷くのを確かめてから、金髪のおしゃべり人形の背中の蓋を開け、何やら複雑なメカを組み込んでスイッチを入れる。
安全のため、その人形に透明なアクリルケースを被せてから、

さっきのサキの台詞を人形に聞かせると、その目が青白く光りだしたかと思うと、

約10秒後、その人形が激しい爆発を起こす。

溝口「麻宮サキの声紋とサキと言う音にだけ反応するセンサーだ。つまり、彼女自身がこの人形に名乗ったときにのみ、この起爆装置が作動する訳だ。どうだい、確実に、絶対にあやまたずに敵を暗殺できるシステムだと思わないか?」
思いません。管理人、全然思いません。 これをサキの身近においていても、サキが自分で名前を名乗らない限り、絶対に爆発しないのだから、これほど不完全な方法はあるまい。
また、起爆装置が作動すると目が光る仕様も、わざわざ相手に異変を知らせているようなものであり、10秒と言う無駄に長過ぎる爆発までの時間も、作戦が失敗することを予感させているではないか。
そんな七面倒臭いことをするより、普通にリモートコントロールで起爆できるようにしておけば、確実&簡単だったのでは?
あるいは、どんな言葉でもいいからサキの声を聞いただけで作動するようにするとか。
それと、こんな方法でサキを殺したのでは、麗巳が自分で言っていた、
「苦しみのたうち、屈辱に塗れて血を吐いて倒れるところが見たい」と言う欲張りなリクエストを満たすことが出来ないではないか。
だが、麗巳は、思っちゃったようで、
麗巳「サキと言う音にだけ?」
溝口「うん、これはサンプルだが、実際の人形には高性能の盗聴器を搭載する。その盗聴器が爆破されて連中の声が聞こえなくなった時が麻宮サキの最期と言う訳だ」
管理人さえ感じた数々の疑問を抱くことなく、むしろ勝利を確信して溝口おじさんの作戦を採用する。
後編に続く。
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