第38話「決戦・地獄の要塞-名古屋篇-」(1983年3月6日)
さ、やっとメインディッシュの38話に取り掛かれる。
今回のテーマは偽札である。
冒頭から、透明なパネルに張られた数枚の1万円札をためつすがめつしている大門。

六さん「精巧に出来ていますが、全て同じ原版から作られた偽札です」
鳩村「新宿と渋谷で二枚ずつ、あとは東京駅のみどりの窓口で一枚」
大門「みどりの窓口ってなんだ?」 鳩村「は?」
大門「それは、あれか、みどりのおばさんが応対する窓口なのか?」
鳩村「えーっとですね……」
大門、いつも角刈りとショットガンとグラサンのことで頭が一杯なので、他のことは何も知らないのである。
……嘘である。

大門「使ったものは?」
一兵「新宿と渋谷では銀行で発見されて使用者不明、ただ、みどりの窓口の係りが名古屋までの切符を買った男から受け取ったことを覚えてました」
そこへ、大門の角刈り仲間の沖田が、その男のモンタージュ写真を持ってやってくる。
しかし、大勢の客の相手をしている係員が、その場で偽札だと見破ったわけではあるまいに、良く相手の顔を覚えていたものである。
そもそも、みどりの窓口ではそんなに相手の顔をしげしげと見ないのでは?

ともあれ、そのモンタージュ写真を見た大門たちは、一様に黙りこくり、

佐川(ミニラだ……)

南(ミニラだ……)

大門(ミニラだ……)

北条(ミニラだ……)

沖田&鳩村(ミニラだ……)
心の中で同じ呟きを漏らすのだったが、嘘である。
と、愛知県警から愛知でも偽札が見つかったので捜査員を寄越してちょと要請が入る。
しかし、この段階で、愛知県警のほうから捜査員を派遣してくれなんて、まず言ってこないよね。
まだ偽札が何処で作られているのかも不明なのだから。
で、今までのように全員で乗り込むのかと思いきや、

大門「ポッポ、大至急行ってくれ」
何故か今回は、ストーリーの都合上、大門は鳩村を名指しして派遣する。
ちなみに「ポッポ」と言うのは鳩村の愛称のひとつである。

で、例によって鳩村は、必要以上にカッコよくバイクを飛ばして愛知県警までひとっ走り。

そのまま県警の前でバイクから降りるのだが、

ミニラ「ね、ちょっと、あ、あんた、警察の人でしょ?」
建物に入るより先に、植え込みの陰にいたミニラが声を掛けてくる。
……
いや、フツー、こんな格好をした男を見て、「警察の人」って思うかぁ?
それに、後でこの男は警察に保護を求めて出頭するつもりだったと分かるので、警察関係者なら誰でも良かったわけで、その男が最初に声をかけたのが東京から来た鳩村だったというのは、いくら「西部警察」だからって、都合が良過ぎると言うものだろう。
ここは、ミニラが鳩村のことを知っていたという設定の方がまだしも納得できただろう。
もっとも、ミニラは鳩村に何か言う前に、そこへ走りこんできた車から撃たれてあえなく殺されてしまう。
咄嗟のことで車を追いかける余裕はなかったが、それでもきっちりナンバーを見ておく鳩村であった。
ミニラは、市内で偽札を作っているとだけ言い残し、息絶えるが、その手に名古屋を中心にチェーン展開しているステーキハウス「あさくま」のマッチが握られていた。
鳩村(どうせ、タイアップなんだろうなぁ……)
そのとおりでした。 今回の撮影は、「あさくま」の全面的なパックアップの元に行われているのです。
鳩村、市内の「あさくま」を虱潰しにまわって聞き込みを行うが、その最中、例の車が同じ「あさくま」の藤ヶ丘店の駐車場で見付かったとの知らせを受け、そこへ急行する。
とりあえず店に入り、席に着くとウェイトレスが来て、

陽子「いらっしゃいませ……あの、御注文は? あら、鳩村のお兄ちゃん!」
メニューを差し出したウェイトレス、鳩村の顔を見た途端、素っ頓狂な声を上げる。

鳩村「……」
いきなり名前を呼ばれて戸惑ったように相手の顔を見返すと、

陽子「あたしよ、星崎小学校の前の文房具屋の清水陽子よーっ」
鳩村「陽子? おお、陽子かーっ!」
そう、偶然にも、それは鳩村の小学校時代の幼馴染だった(註1)のである。
演じるのは、一ノ瀬康子さん。
読者の中には、彼女がゲスト出演しているからこのエピソードをレビューする気になったと早合点される人もいるかもしれないが……
はい、その通りなんですぅっ! 管理人は一ノ瀬さんが大好きなんですぅうううっ!! ああ、すっきりした。
と言う訳で、以下、誰がなんと言おうと彼女の画像を貼ることを至上命題にしてレビューしていきたい所存である。
ちなみに、これを見ていて奇遇だなと思ったのは、一ノ瀬さん、この数年前の「気まぐれ本格派」にレギュラー出演しているのだが、そこでは
鳩子と言う名の女の子を演じていて、親しい人たちからは鳩村と同じく「ポッポ」と呼ばれていたのである。
そして、その時の父親役が、中条静夫さん!
どうせなら、「あぶない刑事」にゲスト出演して、「父親」や「お兄ちゃん」と共演して欲しかったところだが、残念ながら、彼女は80年代半ばまでに引退してしまったらしい。
註1……何の気なしに書いたが、良く考えたら、陽子の台詞だけでは、二人が同じ小学に通っていたと言うことにはならないことに気付いた。もっとも、幼馴染と言うことは、鳩村の実家はその文房具屋の近くだったことは間違いなく、だとすれば、鳩村も星崎小学校に通っていたと見るのが自然なのだが。

陽子「懐かしいわぁ、何年ぶりかしら? 今ナニやってんの~?」
舌の先で頬を押しながら、軽い感じで尋ねる陽子。
鳩村「……」
陽子「確かお兄ちゃん、歌手とか俳優になるんだって東京へ飛び出して行ったのよねえ」
鳩村「うん、それがな……」

陽子「売れてないのよねえ、全然テレビで見ないもんね」
鳩村「ぶほっ! ぐほっ、ぐほっ」
幼馴染からキツいことを言われ、思わずむせる鳩村。
陽子「ちょうど良かったわ、お兄ちゃんに私の歌聞いてもらえる」
鳩村「歌ぁ?」
陽子「これよ、これ、これに私も出るの。ねえ、是非来てよ、約束~」
鳩村「わかったよ」
陽子、背後の壁に張られていた「あさくま」主催のミュージックフェスティバルのポスターを指差して甘えるような声を出す。
いいよね、実の妹でもないのに、自分のことを「お兄ちゃん」って呼んでくれる子って……
陽子「あっ、ごめん、あのー、御注文は何にいたしましょうか?」
ここでやっと陽子が自分の仕事を思い出し、おしとやかな声で決まり文句を口にする。
鳩村「何が旨いんだ?」
陽子「うん、これなんか……当店では色々なステーキを取り揃えておりますけれど」
鳩村も暫時仕事を忘れて和やかな気分に浸っていたが、ふと、何処からか秒針の音が聞こえてくるのに気付いて、刑事の顔に戻る。
テーブルの下を覗いたり、立ち上がって何かを探すようにうろうろする鳩村に、陽子が怪訝な顔で、
陽子「お兄ちゃん!」
鳩村「……」
陽子「お兄ちゃん、何やってんのよぉ?」
鳩村「伏せろ、伏せろ、爆弾だっ! 伏せろっ」
陽子「きゃあああっ!」
鳩村、突然大声で叫ぶと、唖然としている陽子に飛びついて、床に押さえつける。
しかし、秒針の音だけで時限爆弾だって気付くのは、さすがに勘が良過ぎるのでは?
で、

彼らのいる店の内側から、

爆発音と共に、凄まじい炎が吹き出す。
これ、てっきり精巧なセットを組んで燃やしているのかと思ったが、実は、改装予定だった「あさくま」の藤ヶ丘店をほんとに爆破しちゃったらしい。
スタッフの、
「改装予定だから爆破しても良いだろう」という発想が、めちゃくちゃ怖い。
何故なら、それがエスカレートすれば、
「どうせいつかは死ぬんだから、今死んでもいいだろう」などと言いだして、俳優にめちゃくちゃなスタントをやらせることになりかねないからである。
しかし、「あさくま」の全面協力があるとはいえ、今では逆立ちしてもありえない撮影である。
さて、陽子は無事だったが、即死2名、重傷者2名、負傷者4名の惨事となる。
この段階では、さすがの鳩村にも、犯人が誰を狙ったのかまでは分からない。
一方、西部署では、例のミニラが2年前まで東京の印刷工場で働いていた北島と言う男だと言うことを突き止めていた。
沖田「おそらく北島は(偽札製造)組織を裏切ったんだ。東京に逃げたが、すぐに追っ手が掛かり、進退窮まって名古屋で自首しようとしたんじゃないでしょうか?」
その後、小暮っちからの情報で、偽札グループが、とある暴力団に額面の半値で偽札を売り渡していることが分かる。
大門「と言うことは既に数千万と言う偽札が暴力団を通じて外国に流れてるって事ですか」
小暮「そうだ、それと引き換えに国内に大量の武器とヘロインが流れ込んでいる。愛知県警からも共同捜査の要請があった。すぐ全員で出発してくれ」
と言う訳で、前回に引き続き、捜査員まるごと名古屋に出張することになる。
愛知県警本部の一室を占拠した大門たちのところへ、北島の住んでいたアパートを調べに行ったチョーさんたちが戻ってきて、そのアパートに住んでいたほかの住民も、全員印刷技術者だったと報告する。

沖田「組織が集めた偽札工場の従業員ってわけか」
北条「はい」
鳩村「それが全員姿を消したってことは……団長」
大門「監禁されてるな」
ちなみに静岡篇では、一応藤村刑事と言うお目付け役がいたが、名古屋篇ではそれすらおらず、まさに大門軍団のやりたい放題であった。
その後、「あさくま」の別の店で、女性従業員の渥美時枝と、客の山川夫婦の三人が、建物の外から狙撃されて殺されるという凶悪な事件が発生する。

南「敵の狙いはハトじゃなかったってことですね」
鳩村「いや、俺じゃないとしたら、一体なんのために?」
北条「あさくまの怨恨の線ですかね」
沖田「従業員ってことは考えられませんか」
大門「その可能性が強いな」 一兵「いやいや、どうして従業員が?」
一兵が、いきなりそう決め付けちゃう大門に聞くが、
大門「チョーさん、県警と協力して各支店の警備頼みします」
南「はい」
それには答えず、テキパキと行動を開始する大門。
何故なら、「考えるよりまず行動」と言うのが大門軍団のモットーだからなのである!
つまり、
「理由は、撃った後で考えろ」の精神である。
刑事たちが「あさくま」の各支店に潜り込み、密かに警戒をする一方、大門は「あさくま」の社長に会う。
社長「大門さん、いいですか、客や従業員はどのようになっても構いません、しかし、店の売り上げやイメージに被害が出る、これは耐えられないんです!」 大門(正直な人だ……) 社長のあけっぴろげな物言いに好感を持つ大門であったが、嘘である。
社長「大門さん、いいですか、店はどのようになっても構いません、しかし、お客様や従業員に被害が出る、これは耐えられないんです!」
と、たぶん、本物の「あさくま」の社長は、そう言って警察への全面的協力を申し出る。

大門たちは、亡くなった時枝の私物を改めさせてもらうが、その中に、一枚の写真があった。
女性秘書(これも本物かなぁ?)によると、先月、犬山に社員旅行に行った時のものだと言う。
大門はその写真を六さんに拡大してもらうよう、鳩村に命じる。
いや、それくらいのことでわざわざ東京から六さんを呼ばずとも、愛知県警の人に頼めば?
愛知県警の鑑識の人に失礼じゃないか。
ともあれ、その写真の背景に写っていたのは意外な人物だった。

鳩村「北島ですよ」
大門「北島?」
六さん「こっちはもっとはっきりしています。北島に間違いありません」
鳩村「ここで何があったかが分かればもうひとりの男の正体も分かりますね」
大門「この写真を撮った場所と人物、五郎と調べてくれ」
ここから愛知県観光協会の渉外担当・吉村部長(仮名)が待ちに待った、愛知県内の観光スポットを沖田と鳩村がハシゴするという、絵に描いたようなタイアップシーンとなるのです。
まず、明治村と言うテーマパークで名物おじさんの寒いギャグを聞いた後、太陽の塔がある日本モンキーパーク、名古屋城、名鉄犬山ホテルとまわり、最後に訪れたのが、まだ完成前のリトルワールドであった。

沖田「ここだな、ここに間違いないよ」
そして、ダメモトで訪れたリトルワールドこそ、彼らの探し求めていた場所だったのである。
ちなみに昔のドラマに出てくるこの手の施設って、だいたい今では廃業してることが多いのだが、さすが人口4位の愛知県だけあって、上記の施設は今もしっかり営業しているのだった。
さらに鳩村たちは、その写真を撮ったのが、ほかならぬ陽子であることを突き止める。
大門はすぐに鳩村たちに彼女が働いている支店に向かわせるが、それより早く、食肉業者に化けた二人の男がピストルを手に店に侵入し、いきなり陽子目掛けて撃ってくる。
しかし、たったひとりの人間を殺すのに、真っ昼間、大勢の客や従業員がいるときに、そんな方法を選ぶだろうか?
最初の時限爆弾による殺害方法も、コストに比べて確実性に乏しく、とても頭の良い人間のやることとは思えず、結論として、今回の犯人たちが
バカである可能性が極めて高いと言えるだろう。
陽子は駆けつけた沖田たちに守られつつ、店の裏手に飛び出すのだが、そこで待ち構えていた別の男が車で突っ込んで来て、陽子を撥ねる。
鳩村はバイクでその車を追いかけるが、そいつが何発も手榴弾を投げてくる物騒な奴で、さすがの鳩村もバイクごと転倒してしまう。
だが、怪我の功名と言う奴で、鳩村が倒れたところのすぐ近くにあったのが、(レビューでは省略したが)北島の幼い息子が描いていた「お化け煙突」であった。
もっとも、よくよく考えたら、息子がその絵を描いていただけで、そこに北島たち印刷工が監禁されていたと鳩村が睨むのはおかしいんだけどね。
ともあれ、案の定、お化け煙突に隣接する廃工場が偽札工場となっており、他の印刷工たちは、その一室になおも監禁されていた。
だが、鳩村は偽札グループに見付かって、あえなく捕まってしまう。
しかし、ここで彼らが鳩村をあっさり殺さないのが、変といえば相当に変である。逃げ出した北島でさえ問答無用で撃ち殺しているのだから、刑事である鳩村も即座に射殺してしかるべきではないか。
一方、管理人も心の底から安堵したことに、陽子は重傷を負いながら一命を取り留める。
チョーさん、例の写真を見せ、

南「この写真は君がリトルワールドで撮ったものだね」
陽子「……」
南「その時の話をしてくれんかね?」
写真を見て頷いた陽子は、チョーさんに言われてその時の状況を思い出す。

陽子「犬山ホテルで自由行動になったとき……」

陽子「私たち、タクシーで……」
ここから回想シーンとなり、

にっこり笑って、例の場所で時枝をカメラに収めた陽子だったが、

その背後で、二人の男が何か争っているのに気付き、何事かと目をそばだてるが、

振り向いたトレンチコートの男の顔を見た瞬間、

陽子&時枝「マスター!」
二人は異口同音に叫んでいた。
そう、男は二人の顔見知りだったのだ。
陽子「錦町のバー・エルモのマスターだったんです」
南「マスター? すぐあたります」
チョーさんがすぐに確かめに行った後、大門は陽子の枕元に腰掛ける。

陽子「刑事さん、鳩村のお兄ちゃんに伝えてください」
大門「いいよ」
陽子「歌を聴いてもらえなくて、ごめんなさいって……ううっ」
それだけ言うと、耐え切れなくなったように顔を背け、声を殺して泣きじゃくる陽子の姿が哀れであった。
ま、もっと哀れなのは、巻き添えを食って殺された人たちなんだけどね!
つまり、時枝と一緒に撃ち殺された夫婦は、動機を悟られないためのカモフラージュの為に殺されただけだったのだ。
しかし、時枝については不明だが、陽子本人も言われるまで忘れていたのに、そこまでして口封じしようとするかなぁ? 二人は北島の顔はろくに見ていないのだし。
むしろこの場合は、彼女たちの持っている写真を奪おうとするのが筋ではないか?
それはともかく、皆さんもお察しの通り、一ノ瀬さんの画像をただ貼りたいだけのコーナーでしたーっ!! ああ、満腹、満腹。
その後、小暮っちが、まるで脚本家がシナリオの説明をするかのように淡々と、「これが今回の事件の黒幕だ」と、その男の写真持参で大門の前にあらわれる。
小暮「みんなの留守中にな、本庁の4課とちょっと嗅ぎ回ってみたんだ。相沢義一、東京の暴力団相手に闇商売で太ったブローカーだ」
大門「相沢義一?」
小暮「ああ、武装した部下を連れて、名古屋に向かったと言う情報が入った。こら面倒なことになるぞ」
大門「はい」
緊張した面持ちで短く答える大門であったが、その目は、
「やったーっ、銃が撃てるぞぉおおっ!」と言う抑え切れない欲望でギラギラ輝いていた。
色々あって、警察は遂に敵のアジトを発見して、何台ものパトカーなどで包囲網を築くが、

相沢「よし、撃て!」
頭のネジの外れた相沢は怯むどころか、煙突の下部に爆弾をセットした上で、部下たちに総攻撃を命じる。
しかし、そもそもこの人、一体何がしたかったのだろう?
偽札を作って金儲けがしたいだけなら、こんな軍隊みたいな連中を率いる必要はないし……
ま、ぶっちゃけ、折角の地方ロケだというのに相手がただの偽札グループでは、大門軍団が戦うにはあまりに迫力不足だということで、特に意味もなくこんな物騒な連中に設定されてしまったのだろう。
警察側も即反撃に出て激しい銃撃戦となるが、

バズーカ砲で、パトカーが次々と爆発炎上していく。
ただ、必ず人のいない、それも静止している車にしか命中しないので、「西部警察」にしては躍動感がなく、いまひとつ盛り上がらない。

それでも、ヘリから銃を撃ちまくっている大門目線からの映像は、かなりの臨場感である。
ただ、こういうシーンはやっぱり映画のスクリーンで見ないとその凄さは伝わってこないよね。
それでも、

敵に向かって突っ込んでいったパトカーが、

撃たれて炎に包まれるが、

そのまま進んで、

壁に激突するアクションなどは、なかなか見応えがある。
アクションドラマのパターンとして、敵のほうはバタバタ撃たれて倒れていくが、味方(大門軍団)は、車両が派手に炎上するだけで、人間には全く当たらない。
一番笑えるのが、建物の中に突入した北条が、普通の拳銃で、三人のライフル銃を持った兵士を同時に撃ち殺しちゃうシーンである。
大門も地上に降りて、敵を排除しながら相沢たちを探していたが、

建物の裏手から逃げようとしていた相沢とマスターを発見するや否や、いきなりショットガンで撃ち殺す。

二人は折り重なるように倒れて、爆発する。
怪人じゃあるまいし、爆発するのはおかしいのだが、これは、彼らが投げようとした手榴弾が爆発した為である。
で、チョーさんたちが監禁されていた印刷工たちを発見して助け出すが、鳩村の姿だけ見当たらない。

そうこうしているうちに、時限爆弾によって煙突の根元が吹っ飛び、土台の建物と、なんでそんなところにあるのか不明の警察車両をサブレのように軽々と押し潰しながら、巨大な煙突が真横に倒壊するという、バラエティー番組で「西部警察」のことが取り上げられるときには必ずといって良いほど紹介される有名なスペクタクルシーンとなる。
ここも、画面が小さいのと、黒煙で視界が悪いせいで、言うほど迫力はないのだが、それでも巨獣の咆哮のような凄まじい轟音を響かせながら煙突が倒れて爆発するさまは、やはり強烈である。
逃げ遅れた大門と鳩村がその下敷きになったのではないかと見守る刑事たちは青褪めるが、無論、それくらいで死ぬような二人ではなく、すぐに炎と煙の向こうから、元気な姿をあらわすのだった。
ま、それは良いのだが、

相変わらず、ドンパチが済んだらとっとと帰っちゃう大門軍団でした。
勿論、面倒な後片付けや書類作成は、全部愛知県警に押し付けるのある。

鳩村「じゃあな、おっさん、後よろしく」
一兵「ごくろうさんですっ」
愛知県警の人「……」
これが、その証拠写真である。
ラスト、陽子が出たがっていた野外フェスティバル(あさくま20周年記念)が開かれるのだが、

一兵「アキちゃん、どうしたのよ」
明子「大盛況ね、陽子さん」
車椅子に乗った陽子は勿論、何故か大門の妹・明子も来ており、さらに、いつも「セブン」で同じ歌を歌っている謎の歌手(名前知らん)が、ステージで歌っているという、訳の分からない状況となっている。
どうやら、各方面に顔が利き過ぎる小暮っちの計らいで、彼女に桧舞台が用意されたらしい。
さらに、調子乗った鳩村が、陽子の代わりにステージに立ってなんかしょうもない歌を披露するという、かなり恥ずかしいお遊び的シーンとなるが、どうでもいいのでカット。
このシーンでは陽子の台詞がひとつもなく、おまけに、鳩村のステージを見ている時も、手摺がちょうど彼女の顔の上を横切っている最悪のアングルなので、見ていてイライラさせられたが、

最後の最後にこんな素敵な笑顔が出てきて、管理人の機嫌もたちまち直るのでした。
以上、前篇と比べると、ドラマ部分が充実していて、なかなか楽しめる一本であった。
と言う訳で、久しぶりの「西部警察」でしたー。
いやー、普段のレビューと比べると簡素とはいえ、さすがに1時間番組を4本ぶっ通して紹介するのは大変だった。
なんだかんだで、足掛け4日ほどかかってしまった。
それでも、一ノ瀬さんの画像をたくさん貼れて、管理人は満足である。
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