第28話「殺しにやって来る 魔女メドーサ!!」(1972年10月13日)
なんつーか、東映ヤクザ映画でもそうそうお目にかかれない剛速球のサブタイトルである。
殺しに来られてもなぁ……
なお、予告ナレでは、
「魔女メドーサ、その液を浴びたものはたちどころに石となってしまう」 「水晶玉の中に閉じ込められてしまったツムジ!」 と、中江さんが言い切っているのだが、どちらのシーンも本編にはありませんでしたぁっ!
続いて、アバンOPで、

メドーサ「ふふふふふふふ」
不気味な笑い声を立てながら、カメラに向かって魔女メドーサが走ってくるイメージシーンが出てくるのだが、これがあーた、白いレオタード越しに、真理アンヌさんの胸がぶるんぶるん揺れているのがはっきり見えて、なかなかのお宝ショットとなっているのであります!
ま、キャプではぜんっぜん分からんけどね。
それにしても、まがりなりにも時代劇なのに、やっぱりブラが見えるのはどうかと思う。
よって、ここは是非、真理アンヌさんには、ノーブラで演じていただきたかったところである。
さて、冒頭、堺の宿場町の旅籠の2階に泊まっている二人の姉妹。
深夜、どこからともなく聞こえてきた蹄の音で目を覚ました妹のゆずき、何事かと障子を開いて往来を見ると、

ゆずき「はうっ!」
そこに不気味なものを発見して固まる。

それは、往来に立って、じっとこちらを見上げている、蛇の髪を持った白塗りの美女であった。
25話で嵐に倒された魔女ゴルゴンの妹メドーサである。
演じるのは、毎度お馴染み、真理アンヌさん。
ゆずきは、慌てて姉のところへ駆け寄り、

ゆすぎ「小夜姉さん!」
小夜「どうしたの、ゆずき?」
ゆずき「表に、痛いレイヤーが……」
メドーサ「誰がじゃ!」 じゃなくて、
ゆずき「表に、気味の悪い女の人が……旅籠の前に立って見てるのよ」
妹に言われて姉の小夜が外を見るが、例によって既にメドーサの姿は忽然と消えていた。
だが、メドーサは逃げたのではなく、いつの間にか彼女たちの部屋に入り込んでいたのだ。

メドーサ「探してるのは、この私かい?」
小夜「あ、あなたは誰?」
メドーサ「私の名はメドーサ、魔女メドーサ、今の私には慰め励ましあう優しい姉もいない。私はゴルゴンの仇を必ず取る。お前たち姉妹はその道具!」
全然身に覚えのないことで勝手に「道具」に指名されて、良い迷惑の小夜&ゆずき姉妹であったが、メドーサの額の蛇の目が光ると、

小爆発と共に、生まれてきたことを後悔したくなるような、恥ずかしいカッコウをさせられるのだった。
ほんと、ツイてないっ日ってあるんですよね~!

メドーサ「ふふふふ、悪魔道人様、必ずハヤテを討ちます!」
こんな被り物とメイクをして、これだけの美しさを保てる女優さんって、現代にもなかなかいないよね。
翌日、何も知らずに堺の町を歩いているハヤテたち。

いかにもやる気のない外人エキストラと擦れ違うのが、いつもの町と大きく異なる点である。

ハヤテ「昔から外国船が着く堺の町だなぁ。歩く人の姿も変わってる」
ツムジ「きっと悪魔道人の西洋怪人はこの街に上陸したんだね」
タツマキ「それに、伊賀の百地先生からの便りによりますと、大魔神像を見た者もあるそうでござるぞ」
ハヤテ「一日も早く忍者大秘巻・天の巻を取り戻さないとな」
と、前方に大きな人だかりが出来ているのに気付いて、好奇心旺盛なツムジは「きっと喧嘩だぜぇ」と、ひとりでトコトコ走り出してしまう。
だが、それは喧嘩などではなく、

姉の小夜が、壁を背にして立っている妹のゆずきの体すれすれに手裏剣を投げるという、大道芸が行われているのだった。
続いて、目隠しをしたまま同じことをやって見せて、拍手喝采を浴びる二人であった。

どうでもいいけど、このゆずき役の女の子がちょっと可愛いと思いました。

ツムジ「驚いたなぁ、おいらよりもよっぽどうまいぜ」
ツムジは、忍者顔負けの巧みな手裏剣投げを見て、他意なく感心していた。
しかし、男の俺から見ても、ツムジ役の松葉さん、めっちゃ可愛い。
松葉さんのお母さん、息子のことが可愛くて可愛くてしょうがなかったんじゃないかなぁ。
その後、向学心も旺盛なツムジは、姉妹を追いかけて人気のない辻で呼び止めると、

ツムジ「あのー、さっきの手裏剣術、俺に教えてくれないか?」
いかにも子供らしく、単刀直入にお願いする。
たとえ相手が誰だろうとその技量を認め、敬意を払い、必要とあらば見得も衒いもなく教えを乞う。
ドラマの中のキャラクターとは言え、ツムジの態度は立派であり、自分も見習いたいものである。
姉妹もその心意気に打たれのか、二つ返事でOKしてくれるが、一緒に町外れのキリスト教式の墓まで建っている奇妙な墓地に来たところで、二人は掻き消すようにいなくなってしまう。

ツムジ「あれえ、お姉ちゃんたち、手裏剣も忍者以上なら、消えるのも上手いやー」
が、根が素直なツムジは、笑顔を絶やさずそう言うと、墓地の中をうろうろ探し回る。

小夜「へっへっへっへっ」
だが、何の前触れもなく墓の後ろからあらわれたのは、赤いレオタードとマントを付けた、真理アンヌさんほどではないが、かなり恥ずかしい格好をした小夜であった。
それでも、さっきのブサイクな岩の塊のまま公開処刑されるよりは100倍マシであったろう。

小夜「ツムジ、良く来たね」
ツムジ「俺の名を知ってる……まさか、西洋怪人の」
距離を取ろうとしたツムジだったが、今度は背後から同じ格好をしたゆずきがあらわれてとおせんぼする。
ゆずき「ヒヒヒ、お前も魔女メドーサ様の道具におなり!」
二人がツムジの体を押さえたところで、真打のメドーサが煙と共に出現する。

メドーサ「ふふふふふふ」
ツムジ「出たーっ!」
メドーサ「ご覧、この水晶玉を……お前の運命が玉の中に出る」
「ウルトラセブン」にゲスト出演した時と同じく、水晶玉を持っている真理アンヌさん。
ツムジはあえなくメドーサの催眠術にかかり、唯々諾々と命令に従う。
そうとも知らぬハヤテたちは、宿に落ち着いていたが、タツマキがおもむろに床の間に置いてあった袱紗包みの中から巻物を取り出し、ハヤテに渡しながら、
タツマキ「この、忍者大秘巻の秘密は天の巻・地の巻二つが揃わねば解けんのござる」
と言うのだが、ハヤテは、その紐をほどいて巻物を広げながら、
ハヤテ「何百人もの伊賀忍者が日本中の城の抜け道、攻撃方法を調べただけでなく、金山銀山のありかも記してあるのか」 ……
って、秘密解けとるやないかいっ! この、腰が砕けそうなほどの強烈なトホホ感、昔の特撮ならではの味わいである。
まあ、タツマキの言いたいことは分かるのだが、
ハヤテ「
この上に天の巻を重ねれば全て分かるんだな」
タツマキ「はっ、もし
この上に、地の巻が悪魔道人の手に渡れば、日本の危機」
続く二人の会話で、天の巻・地の巻が二つ揃って初めて意味があるということが分かるので、最初のタツマキの台詞は、
タツマキ「この、忍者大秘巻は天の巻・地の巻二つが揃わねば役に立たぬのでござる」
などと言う方がより良かったであろう。
あと、実に細かいことなんだけど、物理的な上下関係を意味する
「この上に」と、状況の悪化を示す抽象的な意味の
「この上に」と言う、同じ単語だが違う意味の言葉が続けて発せられるのも、いささか無神経なダイアローグだなぁと、身の程知らずにもかつて小説家志望だった管理人などは思ってしまうのだ。
閑話休題、その時、部屋の外で人の気配がするので思わず身構える二人であったが、

タツマキが障子を開けると、そこにいたのは敵ではなく自分の子供たちであった。
ハヤテ「どうした?」
カスミ「この前でツムジに会ったの。私の顔を見て姉上様だなんて」
さっきは全く姿を見せなかったカスミが、何の説明もなく同じ宿にいるというのは相当変だが、これは言うまでもなく、カスミの林さんのスケジュールの都合で、セット撮影にしか参加できなかったことから生じた現象であろう。
それはともかく、ツムジはタツマキの前に行儀よく正座すると、

ツムジ「父上、ただ今戻りました」
今まで一度も使ったことのない呼び方でタツマキを呼ぶと、深々と頭を下げて挨拶する。
タツマキ「父上? おっほっほっほっ、父上、尻がむず痒くなるわい」
ハヤテ「どうした、何かあったのか、ツムジ?」

ツムジ「いいえ、ハヤテ殿、ご安心ください、異常ありません」
タツマキ「はっ、気取るんじゃないわい」
ツムジ「気取ってません! 少し態度を改めるのです。親には孝行、年上は敬う」
ハヤテ「うん、良い心がけだ」
タツマキ「はっはっはっはっ、いつまで続くことやら」
ツムジの突然の変わりように驚くハヤテたちであったが、ツムジのことだから、どうせまた誰かに感化されて一時的に「改心」しているのだろうと、大して気にも留めない。
無論、ツムジの性格が変わったのは、メドーサに術を掛けられているからなのである。
ツムジ、さっさと布団を敷くと、「お先に休ませていただきます」と言ってその中に潜り込み、即座にくーくー寝息を立て始める。
その後、タツマキが警戒のために宿の外に移動すると、早くもメドーサがその前に現れる。
ちなみにその説明によると、彼女が乗っている馬車は、音はすれども人間の目には見えない特別な馬車らしい。
……
要するに、本物の馬車を使って撮影するのがイヤだったんだね、スタッフ。

にしても、仮にも時代劇だと言うのに、ハイレグレオタードって……
サイコーです!!(言うと思った)
タツマキがメドーサに斬りつけると、メドーサはパッと姿を消し、代わりに小夜とゆずきが出て来て、タツマキを挑発してその場から走り出す。タツマキを宿から引き離す為である。
その後、色々あって、ツムジはメドーサに操られるまま、巻物を奪って部屋を抜け出し、旅籠の前で待っていたメドーサに差し出す。
ちなみに部屋の中にはカスミもいたのだが、ツムジを追いかけて外に出てきたのは何故かハヤテだけである。
前述したように林さんのスケジュールの都合なのだが、物凄く不自然である。

ハヤテ「貴様、ツムジに魔力を掛け、地の巻を取らせたな」
メドーサ「ふっふっふっふっ、私の欲しいものはまだある」
ハヤテ「なんだと」
メドーサ「それはお前の命。姉ゴルゴンを殺した憎い仇」
ハヤテ「そうか、貴様、魔女ゴルゴンの妹なのか!」
ハヤテ、即座に剣を抜こうとするが、
メドーサ「動くでない、この子供がどんなことになるか」
ハヤテ「やめろ、子供に罪はないっ」
メドーサ「メドーサ、化石の術、はっ!」
ツムジ「うわっ」
メドーサが両手をクロスさせると閃光が起き、

ツムジも、「こんな格好するくらいなら死んだほうがマシ」の究極の羞恥刑に処せられる。
ちなみに、ハヤテの「子供に罪はない」と言う台詞、一般論では確かにその通りなのだが、ツムジに関して言えば、子供ながらに今まで何人もの下忍を斬り殺しているのだから、血車党から見ればとても罪がないとは言えないんだけどね。

メドーサ「月ノ輪!」
メドーサ、続いてハヤテにも恥ずかしい格好をさせてやろうとキツネさんポーズで迫るが、そこへ割って入ったのが正体不明の剣士・月ノ輪だった。
それにしても、レオタード越しにブラの線がくっきり見え、おまけに乳首の位置もだいたい特定できると言う、メドーサのコスチュームが、繰り返しますが最高なのです!

月ノ輪「月の光に包まれる俺の体は残念だが石にならんぞ!」
ハヤテ(なんでだよ……) 助けてもらったハヤテだが、月ノ輪の謎理論には、ツッコミを入れずにはいられなかったという。

メドーサ「覚えているが良い、私は何度でもハヤテの命を狙ってやる」
メドーサ、捨て台詞を吐いてその場から走り去る。
それにしても、特に意味もなく貼ってしまう、真理アンヌさんの美しさ。

月ノ輪「ハヤテ、地の巻を取り戻すんだっ」
ハヤテ「ツムジを頼む」
月ノ輪「よしっ!」
いや、この場合、メドーサの魔力が効かない月ノ輪が追いかけるべきだと思うんだけどね。
もっとも、ハヤテは何も考えずにメドーサの後を追って駆け出す。
CM後、それこそ見えない馬車でとっとと地の巻を悪魔道人に届ければ良いものを、

メドーサ「ふふふふふふ」
メドーサは、小夜とゆずきを従えて、引き続き堺の夜を走り回っていた。
……
ひょっとして、羞恥系の露出プレイがお好きなのかな?
で、そうやって遊んでいるものだから、いつの間にか先回りした嵐に屋根の上で待ち伏せされてしまう。

嵐「ははははははは、嵐見参!」
メドーサ「嵐! ハヤテめ、変身したのか」
嵐「魔女メドーサ、ニセモノの地の巻を取って悪魔道人に渡すつもりか」
メドーサ「嵐、これがニセモノだと?」
嵐「本物の地の巻は私の懐中だ」
そう言って、自分の胸に手をやって見せる嵐。
メドーサ「その手には乗らん」
嵐「信じられなければ確かめてみることだ」
それが詐術だと見抜いたメドーサだったが、嵐にそそのかされて、うっかりその場で確認しようと思ったのが大きな手抜かりであった。

嵐「ふんっ」
メドーサ「はうっ」
何故ならメドーサが嵐から目を離した僅かな隙に、嵐の投げた鎖分胴によって地の巻を掠め取られてしまったからである。
27話でも見られたが、仮にもヒーローを名乗る男のやるこっちゃないよね。
そう言えば「仮面ライダーX」の32話でも、Xライダーが似たようなことしてたな。
……あ、ぜんぶ伊上さんの脚本だ。
やっぱり作家の癖ってあるんだね。
その後、嵐は血車下忍たちと派手に斬り合うが、周辺住民が誰一人として騒ぎに気付いて起きてこないのも、相当に不自然である。
結局メドーサには逃げられ、ハヤテは一旦宿に引き揚げる。

カスミ「うっうう……」
弟の変わり果てた姿に、必死で笑いを、いや、涙を堪えているカスミ。
タツマキ「ハヤテ殿、それがしは、何を? 親として、何もしてやれんのでしょうか?」
ハヤテ「タツマキ、嘆く親の気持ちは分かる。しかし、
俺は他人だから平気だっ!!」
タツマキ「……」
じゃなくて、
ハヤテ「タツマキ、嘆く親の気持ちは分かる。しかし、焦るな、魔女さえ倒せばきっとツムジは元の姿になれる」
タツマキ「なんとしてでも魔女メドーサを探し出さねばっ」
翌日、例によってカスミはどっかに消えるが、タツマキはひとり手掛かりを求めて街を歩き回っていた。
そんなタツマキに親切ごかしに話しかけてきたのが、あの大道芸の姉妹であった。
だが、タツマキはそれが昨夜出会った連中とは気付かず、言われるがままに占い師のいるという寺院に案内される。

で、その寺院が、まるっきりロシア正教っぽい教会なのだが、当時は既にキリスト教禁教令が出されていて、その手の建物も全部取り壊されてる筈なんだけどね。
まあ、メドーサたちが臨時に建てたものか、あるいはただの幻なのか。
が、ツムジならともかく、徳川家に仕えるタツマキが、それを知らない筈がないのに、それを全然怪しむ様子がないというのは明らかに変である。
もっとも、このドラマの年代設定については不明な点が多く、まだ禁教令が出される前の話なのかもしれないが……

ステンドグラスに描かれた、中指がクソでかいイエス様(どおくまん作)
で、そこに出て来たのが、シスターならぬ、

まんまインド人っぽい衣装を来た真理アンヌさんと言うのが、尋常ではないミスマッチ感。
ちなみに彼女は日本人とインド人のハーフなのだが、劇中でこんな衣装を着るのは、割と珍しいケースではないかと思う。
メドーサ「何をお尋ねです?」
タツマキ「はあ、実はメドーサと申す怪しい女を……」
メドーサ、ツムジと同じようにタツマキにも術をかけようとするが、それを邪魔したのがハヤテであった。
メドーサが外へ出ると、木のまたの上に嵐に変身したハヤテがあらわれる。
メドーサ「嵐、そうか、ハヤテが変身して変身忍者嵐におなりだね」 何故か今更の説明台詞を口にするメドーサ。しかも今回二回目やで。
まあ、今回も、ハヤテが嵐に変身するシーンが出て来ないので、一応説明しておく必要を感じたのかもしれない。
ともあれ、メドーサも本来の姿に変わり、ラス殺陣となる。
もっとも、真理さんにはアクションは無理なので、ここでも戦う(斬られる)のは、江戸時代のエクスペンダブルズこと、血車忍者たちである。
嵐、ザコを片付けてメドーサの肩口に件を剣を振り下ろすが、メドーサは涼しい顔で受ける。

メドーサ「私
も不死身!」
いや、「も」って、ゴルゴン姉さんにはそんな特技はなかったと思うんですが……
ピンチに立たされる嵐であったが、そこに助っ人にあらわれたのが、またしても月ノ輪であった。

月ノ輪、十字形の鎌のような武器をメドーサのそばの木の幹に突き刺すと、
月ノ輪「
うわああーっ! 嵐、メドーサを斬るには鎌(カマ)のみが通じる!」
嵐(今叫んだのはなんだったんだろう?)
月ノ輪の助言、ちょっと聞いただけでは意味不明で、一瞬おすぎとピーコを連れて来いと言う意味なのかと思った嵐であったが、そうではなかった(当たり前だ)
つまり、これは、ギリシア神話でメドゥーサの首を掻き落とした、不死身殺しのハルパーと言う湾曲した剣のことを指しているのだろう。

メドーサ「くそう、覚えておいで」
そろそろ時間切れなのに、再登場を仄めかせつつ退却するメドーサ。
てっきり、次回も真理さんが出演するのかと喜んだのもつかの間、

嵐「とぉりゃああっ!」
メドーサ「あっ、うっ……」
なんと嵐、鎌を抜くと、メドーサの背中目掛けてぶん投げて、あっさり殺してしまうのだった。
ひでー。
さっきの騙し討ちもそうだけど、捨て台詞を残して逃げようとしている敵、それも若い女の子を背中から刺すなんて、ヒーローの道義と作法に悖ること甚だしい不埒な行為である。
もっとも、特撮ドラマにおいては、正義のヒーローの方が悪よりも卑劣なことをしがちだという私の持論にのっとれば、むしろヒーローらしい振る舞いとも言えるのだが。

メドーサ「私は死ぬ。3000年の命の火が消えていく……うう」
こうして卑劣なヒーローの手に掛かったメドーサは、自分で自分の死を実況しながら青い炎に包まれて消滅するのだった。
メドーサの死と共に、大道芸姉妹も正気に返り、石にされたツムジも元に戻ったことは言うまでもない。

ラスト、すっかり元気になったツムジとともに、宿を後にするハヤテとタツマキであった。
相変わらずカスミの姿はない。
あと、どっかで見たような人が通ってますが……
以上、ストーリーは正直、平凡なのだが、真理アンヌさんのエキゾチックな美しさで、なかなか楽しめる内容になっており、シナリオもだが、特撮ドラマには美しいゲストヒロインの存在が不可欠であると言うことを実証しているような作品であった。
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