第23話「夢」(1975年3月16日)
「水もれ甲介」傑作選、いよいよ最後のエピソードとなりました。
冒頭、遂にチャミーの合格発表の日がやってきて、甲介も輝夫も、その結果が気になって仕事も手につかず、途中でおっぽりだして家に帰ってしまう。
そのチャミー、帰宅中、馴染みの魚屋の留吉に会い、尾頭付きの鯛を注文する。
そう、勿論、こんな終盤になってチャミーが落ちる筈がなく、無事に合格したのである。
試験の結果を我がことのように心配していた甲介たちが、やがて帰ってきたチャミーから朗報を聞かされ、大喜びしたのは言うまでもない。
OP後、チャミー自身が頼んだ鯛がメインの夕餉を囲んでいる三ッ森家。
ここで甲介たちは初めて、チャミーがスキー旅行に行くことを知らされる。

甲介「スキーに行く? 誰と?」
朝美「高校の友達とよ」
輝夫「銀子ちゃんたちとか?」
朝美「銀子は入院中よ、まだ」
甲介「何処のスキー場だ?」
朝美「鶏頂山高原スキー場……日光の鬼怒川温泉の奥よ」
甲介「お前、まさか泊まる訳じゃないだろうな?」
朝美「当たり前じゃない、日帰りでスキーが楽しめるとでも思ってんの?」
滝代「一週間の予定だってさ」
甲介「いっしゅ……そんな長く行ってんのか?」

輝夫「俺たちも行こうか、母さん連れてその温泉に?」
滝代「だって仕事があるじゃない」
甲介「いや、仕事なんか休んじゃお、なあ、テル」
チャミーのことが心配でたまらない輝夫は、親孝行にかこつけてチャミーと同じところに旅行しようと言い出し、甲介も乗り気になるが、
朝美「過保護もあんまりしつこいと、イヤミになるわよ」
当のチャミーにやんわりと却下される。
朝美が二階に行った後、

甲介「母さん、心配じゃない? 友達だけでスキーに行かせるの」
滝代「……」
甲介「母さん、女の子がね、一番大事なものを失うのはたいがい山か海と相場が決まってるんだよ。なぁ。テル、お前も心配だろ?」
輝夫「うん、修学旅行以外、行かせたことないもんなぁ」
二人が、口うるさい頑固オヤジのように余計なことにまで気を回しているのを見て、滝代は呆れたような顔をする。
滝代「あーあ、お前たちは古過ぎるよっ」
甲介「古い新しいの問題じゃないじゃないか」
滝代「だって、仲の良い友達だけで行くんだから心配ないわよ」
滝代は繰り返し甲介たちをなだめると、あまりガミガミ言うと逆効果になると警告する。
甲介「女ってのは難しいからな。しかりゃ膨れる、おだてりゃつけあがる。そこで殺せば化けて出るってな」 全然女に縁がないくせに、したり顔で箴言めいた文句を口にする甲介であった。

輝夫「俺たちもさ、その温泉旅行行こうよ、久しぶりのお袋孝行兼ねてさ」
その後、自分たちの部屋に戻った二人だが、輝夫はまだ諦め切れない様子で、さっきの話を蒸し返す。
甲介「仕事はどうすんだよ」
輝夫「仕事は兄貴、休むって言ったじゃないか、さっき」
甲介「あれはチャミーのために……お前なー、この不景気に一日だって休めるか、反省しろ、お前!」
だが、さっきは輝夫に調子を合わせただけで、本気でそんなことを考えていた訳ではないのだろう、甲介は輝夫を叱り飛ばす。
甲介が居間に下りると、滝代がコタツに入って繕い物をしていた。

滝代「甲介、良かったわねえ」
甲介「何が?」
滝代「朝美がさァ、お前たちとほんとの兄弟じゃないってことが分かっても大したことならなくて」
甲介「母さんねえ、チャミーはそんなにバカじゃないよ」
滝代「はぁーっ、随分心配したわねえ」
滝代、文字通り肩の荷が下りたように、大きく息をしながらしみじみとつぶやく。

甲介「なにがあっても、チャミーは俺たちの可愛い可愛い妹だからね」
滝代「ありがとう……ふっ、私はね、ほんとにいい息子たちを持って幸せだよ」
甲介「そりゃね、母さんの日頃の心がけがいいからだよ」
滝代「いいえ、お前たちの心がけがいいからよ」
甲介「そうじゃないよ、子供ってのは小さい時の教育の問題……」
滝代「いいえ、違います!」
甲介「ま、そんなことどうでもいいけどさ」
互いに手柄を押し付けあった後、顔を見合わせて笑う仲の良い親子であった。
翌朝、チャミーは張り切って出発するが、スキー用のゴーグルを持って行くのを忘れてしまい、甲介が駅まで届けに行くことになる。

銀子「はっはっはっはっはっ……」
一方、前回から引き続き入院中の銀子、ベッドの上で漫画を読みながら大笑いしていると、ノックの音がする。
銀子「どーぞー」
銀子は気のない返事をするが、入って来たのが愛しい輝夫だったので、

銀子「あらぁっ! テルお兄様! うふふっ」
たちまちよそいきの声を出して、幸せそうに笑み崩れる。
ああ、かわええ……
輝夫「どうだい、具合は」
銀子「まあまあってとこなんです」
輝夫「これね、チャミーから」
輝夫は前夜、朝美から銀子に返すよう頼まれていたツルゲーネフの「初恋」を差し出す。

銀子「わざわざ届けてくださったのーっ? カンゲキ!」
銀子、文庫本を抱き締めて歓声を上げると、
銀子「チャミー、スキーに行きました?」
輝夫「ああ、11時の特急に乗るとか行ってたな」
銀子「しゃくだなぁ」
輝夫「気の毒にねえ」
銀子「おまけに受験も出来なくなっちゃうし、ツイてないなぁ、私って」
輝夫「ま、来年があるじゃないか」
銀子「でも、私みたいな女は大学なんか受けたって、おっこっちゃったかもしれないな、平凡な主婦になることを神様が仕向けてくださったのね」
輝夫「情けないこと言うなよ。それじゃね」
そこで輝夫が帰ろうとするのを呼び止めると、銀子は口調を改め、
銀子「ちょっと聞きたいことがあるんですけど……」
輝夫「う、なんだい?」
銀子「輝夫さんとチャミー、本当の兄弟じゃなかったんですって?」
いきなり家庭の秘事を指摘されて、さすがに輝夫は憮然とした顔になるが、いさまら隠してもしょうがないと思ったのか、
輝夫「……喋っちゃったのか、あいつ」
銀子「チャミーが白状しちゃったの、これで私とチャミーは同じスタート台に立たされたって訳か」
輝夫「どういう意味だい?」

銀子「あっ、いえ……あのう、リンゴ剥いてくださらない?」
輝夫「俺が?」
銀子「あたし、こんな手じゃ剥けないし。輝夫兄様、とっても器用なんですって」
ああ、かわええ……
何度も言ってるように、表情豊かで元気な女の子って、めっちゃ可愛い。
考えたら、クールビューティーの朝美と元気娘の銀子の組み合わせって、最強のコンビだよね。
少しでも輝夫にそばにいて欲しい銀子は、輝夫をおだててリンゴを剥いて貰う。
銀子、ベッドの上に起き上がると、

銀子「チャミー、イトコに誘惑されちゃわないかな?」
輝夫「えっ?」
銀子「それとも遭難なんかしちゃうとか」
輝夫「おいおい、何を言い出すんだ、君は」
銀子「恋のライバルは憎んでも余りあるものがあるって言うじゃない? うふふっ」
チャミーが以前から輝夫に妹として以上の愛情を抱いていることを知っている銀子は、二人に血の繋がりがないと分かった今、チャミーのことを強力な恋のライバルとして認定しているのだ。
実際、輝夫がチャミーと結婚するのは(法律的に)可能だからね。
ただ、銀子の、一途な恋に燃える姿はとてもいじらしいのだが、気の毒なことに、次回であっさり輝夫は別の女性と結婚(婚約)してしまうのである。
幸か不幸か、銀子の出番は今回までなので、「失恋」の痛手は味わわずに済むのだが。
ちなみにこのシーン、ちょっとおかしいのは、銀子の台詞から、チャミーの連れに男性がいることが分かるのに、輝夫がそのことをスルーしていることである。
ま、リンゴを剥くのに夢中で、耳に入らなかったのかもしれないが。
一方、車を飛ばして駅に駆けつけ、なんとか発車前の鬼怒川行き東武特急の車両に乗り込んだ甲介。

甲介「チャミー」
朝美「甲兄ちゃん!」
名前を呼ばれて振り向いて、驚きにどんぐり眼を見開くチャミー。
なんだかんだで、村地さんは奇麗だ。

甲介「間に合って良かった、忘れもんだ、忘れもん」
朝美「忘れ物?」
甲介「ほら、サングラス」
朝美「あらー」
甲介「あらーじゃないよ、タラみたいな顔してバカだなぁ」
甲介が笑っていると、発車を告げるブザーが鳴り始め、慌てて降りようとしたものの間に合わず、甲介を乗せたまま電車が走り出してしまう。
実にベタな展開である。

朝美「バカね、甲兄ちゃんたら」
甲介「だって、走ると思わなかったんだもん、チャミー、この電車、鬼怒川まで直行じゃないだろうな」
吉田「いやぁ、どっかで、途中停車する筈ですよ」
甲介の問いに、窓際に座っていた若い男が答えるが、

甲介「あれ、君は?」

吉田「いつか、新宿の喫茶店でお会いしましたね」
甲介「君、チャミーと一緒なのか」
吉田「ええ、僕は受験にどっぺっちゃった心を癒しに行くんですよ」
それは、以前、甲介が、チャミーと付き合っているのだと誤解してひと悶着あった吉田と言う高校生であった。
ここでは何事もなかったように接しているが、確かその時は、甲介にチャミーとの仲を邪魔されたことを恨んだ吉田が、仲間に助っ人を頼んで夜道で甲介を襲って警察沙汰になりかねないほどボコボコにしていたので、そんな朗らかに挨拶できる立場じゃない筈なんだけどね。
追記 管理人、最近になって知ったのだが、この人、前回の有吉ひとみさん同様、シリーズ第三弾「パパと呼ばないで」にレギュラー出演していた小林文彦さんなのである。
甲介「チャミー、女の友達だけで行くんじゃなかったのか」
朝美「そぉんなことまでいちいち言わなくちゃいけなかったのぉ?」
甲介「しかしねえ……」
吉田「あのね、みんな、紹介しよう、これがチャミーのお兄さん」
吉田は二人の間に割って入ると、明るい声で甲介を他のメンバーに紹介する。

吉田「こちら美智子、通称ミッチー」
美智子「……」
前回もちょこっと出ていたが、色白でぽっちゃりした、なかなか可愛らしい女の子である。
演じるのは、仙波恵美子さん。
「赤い疑惑」で百恵さんの友人を演じていた女の子である。こっちのほうが先だけどね。

吉田「この人が、杉本さん」
杉本「よろしく」
甲介「なにぃ、君も一緒か?」
そして、美智子の隣にいたのが、こちらも以前ゲスト出演したことのある、銀子のイトコで、秀才の誉れも高い大学生の杉本であった。
そう言えば、この人、こないだ見た「続・人間革命」に出てたなぁ。
杉本「銀子の代わりに連れ出されちゃったんです、スキーのコーチ役として」
甲介「コーチって……」
朝美「甲兄ちゃん、そんなところに突っ立ってないで、どっかへ座ったら?」
吉田「そうだ、そうだ、この電車の中にはサロンがあるんですよ、ご案内します」
要領のいい吉田は、そう言って半ば無理やり甲介をサロンカーへ連れて行く。

吉田「コーヒーでも飲みますか?」
甲介「いらねえよ、そんなもん、それより、お前、あの男は一体なんだ」
吉田「彼はご存知、銀子のイトコですよ。なかなかの秀才でね、クラシック音楽についちゃ、ちょっとうるさいんです。チャミーなんかすっかり尊敬しちゃって……」
依然として機嫌の悪い甲介、吉田を相手にタバコを吹かしていると、その杉本がやってくる。

杉本「今聞きましたが、次は下今市まで止まらないそうです」
甲介「ふんっ!」
杉本「朝美さん、良かったですね、大学に受かって」
甲介「どうも」
杉本「僕は彼女が悩んでる時、色々と相談されましてね」
甲介「ごくろうさん」
杉本が愛想良くあれこれ話しかけるが、甲介は木で鼻をくくったように応対する。
吉田「チャーミーはね、杉本さんと同じ大学なんですよ」
甲介「なんだってえ? ほんと?」
杉本「ええ」
などとやってると、チャミーも来て、
朝美「甲兄ちゃん、必ず降りてよ、次の駅で」
甲介「降りるよ、降りるに決まってるだろ」

朝美「ほんとはサングラスを口実に私の後つけてきたんじゃないの?」
甲介「バカ言うなよ、俺は母さんに言われたから……第一ねえ、こんな格好で行くわけないだろう?」
悪戯っぽい顔で見透かすように言われ、甲介は必死に弁解する。
実際、もしこれが輝夫だったら、ほんとにそうしていたかもしれない。

朝美「杉本さん、兄はいつも私につきまとうんです、まるで幼稚園児みたいに」
杉本「考え過ぎなんですよ」
甲介「バカヤロウ、俺の欠点をずばりと言うな!」
やがて電車は下今市に着き、甲介は後ろ髪を引かれる思いでチャミーたちと別れるのだった。
その晩、甲介と輝夫がいつもの飲み屋で飲んでいると、魚屋の留吉が入ってきて一緒に飲むことになる。
甲介はここで初めて、チャミーが男と一緒にスキーに行ったことを輝夫に教えてやる。
輝夫「男と?」
甲介「ざまーみろ、びっくりしたろう」
輝夫「……」
思わず腰を浮かせた輝夫は、言葉もなく茫然と座り込む。
さきほど指摘したように、既に輝夫は銀子からイトコが同伴していると聞いている筈なので、この驚きようはちと不自然である。

留吉「そりゃ危ないですよ、とにかく、最近の男と女は想像以上に乱れているという話」
横で聞いていた留吉が、週刊誌で仕入れてきたような下世話な情報を持ち出して、いたずらに二人の不安を煽る。
輝夫「それにしちゃ俺たちモテないな……」
甲介「ヤバい」
輝夫「何が?」
甲介「チャミーといた大学生だよ。あの甘い目付きが気にいらねえんだよ。もしかすると……」
ここで今回の目玉である、「夢」のシーンになる。
夢と言うより、この場合は甲介の想像である。
鬼怒川温泉駅からバスでグリーンパレスと言うリッチなホテルの前に立つ4人。
美智子「わー、素敵なホテルだわー」
吉田「最高だぜ」
朝美「なんだか贅沢みたい」
杉本「僕の親友のお父さんがやってるんで、安くしてもらってあるから安心してください」
朝美「さっすが杉本さんね」
尊敬の眼差しを朝美に対し、プレイボーイのようにウィンクしてみせる杉本。
ただし、あくまでそれは、甲介の想像の中の杉本である。

甲介「チャミー、ダメだ、誘惑に乗るな!」
4人はとりあえずチェックインするが、想像の中の朝美はすっかり杉本にぞっこんで、杉本の字の上手さにまでいちいち感心する始末。

杉本「君、三ッ森君って実に素晴らしい、あの長い髪がなんとも言えないな」
吉田「ええっ?」
杉本は杉本で、朝美への賛美をあけすけに連れに語る。
4人は部屋に案内されるが、
朝美「みんな一緒?」
吉田「勿論さ!」
朝美「やっと家と受験から解放されて最高の幸せだわ!」
清々したように叫ぶ朝美をねっとりした目付きで見詰めながら、

杉本「今夜が楽しみだ……」
意味ありげにつぶやく。

甲介「まさか……ちくしょう、あの大学生と落第生め、もしチャミーに指一本でも触れてみろ、この俺がただじゃすまさねえぞーっ!」
おかみ「ああっ」
留吉「苦しいーっ!」
現実と妄想の区別がつかなくなった甲介、ちょうど目の前にあった手頃な首を絞めるのだった。
ちなみに留吉を演じているのは、以前レビューした「大江戸捜査網」の「切腹はご免だ!」で、菊容子さんと共演していた小沢直平さんですね。
そう言えば、この放送から一ヶ月ちょっとで、菊さんが不慮の死を遂げられるんだよなぁ。
さて、ここでやっと現実のチャミーたちの様子が映し出される。
甲介の妄想では4人一緒の部屋だったが、実際は女性と男性に分かれての部屋割りになっていた。
チャミーと美智子がスキー道具の手入れをしていると、吉田が、アラビアンショーを見に行かないかと誘いに来る。

美智子「イキたぁいっ、ちょっと待っててぇ」
吉田「ああ、女の子の部屋ってさ、なかなか良い匂いがするね」
朝美「いやらしいっ!」
美智子「夜中忍び込んだらぶっ殺すわよ」
吉田「凄いことを仰るお姉さまがただな」
その後、4人仲良く大ステージで行われるアラビアンショーをかぶりつきで見物する朝美たちだったが、

肌も露わなアラビアンナイト風の女性が頭にでかい燭台を乗せて踊っているのを見て、
4人(なんで、鬼怒川でアラビアンショー?) 当然の疑問に突き当たるのだった。
でも、当時は誰もそのことに疑問を抱かず、日本中の観光地で夜な夜な「世界のショー」が行われていたのだから、時勢と言うか、習慣と言うものは恐ろしいものである。
友達思いの朝美は、ショーの途中、席を外して銀子の病室に電話する。

朝美「体の具合、どう? そう、良かった、大事にしてよ。ね、聞こえる? 今アラビアンショーやってるの。日本のお囃子みたいに素朴なリズムでしょう。あんたに聞かせてあげたいと思ってさ」
無論、今回は地方ロケであり、抜かりなくタイアップ大作戦も盛り込まれているのである。
ただ、特撮ドラマなどのそれと比べると、だいぶ緩い感じがする。
銀子「聞こえる、聞こえる。昼間、輝夫お兄様が届けてくれたわ、例の本、チャミーも彼に届けさせるなんて憎いわね」
銀子、ガバッと上半身を起こすと、
銀子「ねっ、奪っちゃっても良い、彼?」 唐突に、大胆な発言をぶちかます。
にしても、この口の形が可愛過ぎる……

銀子「私、ライバルが出来るとカーッと燃えちゃうの」
朝美「うふっ、私たちは今までどおりの兄弟なのよ、たとえ血が繋がってなくてもね」
銀子「そんなにやせ我慢することないわよ、はぁーっ、愛すべきか、愛さざるべきか、そこが問題なのだ。友情と恋の板挟みに悩むわが純粋な乙女心よ!」
小さな拳を握り締めて、シェークスピアめいた詠嘆調の台詞を吐くと、

銀子「はぁーっ、なんだか、本当に熱が出てきちゃったみたい。あーっ、体がもう、なんだかカッカッしちゃって、はぁ」
ひとりでコーフンして荒い息をつき、頭に手をやる銀子であった。
……
いや、もう、永野裕紀子さんの魅力爆発と言う感じで、完全に村地さんを食っちゃってるね。

朝美「うふっ、バカみたい……」
笑い飛ばした後、なんとなく淋しそうな目になる朝美だった。
後編に続く。
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