第22話「恐怖の大巨人!キングダーク出現!!」(1974年7月13日)
冒頭、何処かの海岸沿いの岩場を見下ろす崖の上を歩いているカップル。

早苗「わあ、綺麗な花ねえ」
静夫「ああ、とってきてあげよう」
いかにも「割れ鍋に綴じ蓋」風のカップル……と失礼なことを思ったが、カップルではなく、二人は兄妹なのである。
しかし、いくら優しい兄でも、妹に「とってきてあげよう」なんて言い方するかなぁ?
静夫は突端に生えているオレンジ色の花を取ろうとして足を滑らせ、斜面を滑り落ちる。
さいわい怪我はなかったが、静夫が落ちたところにちょうどぽっかりと洞窟の入り口が開いていたのが、彼らの不運であった。
静夫は妹を呼び、二人一緒に真っ暗な洞窟の中を覗き込む。

早苗「ただの洞窟じゃないの」
静夫「いいから黙って耳を澄ませてみな」
早苗「……」
早苗が言われたとおりにすると、洞窟の奥から獣の唸り声のような音が微かに聞こえてきた。
早苗「怪獣がいるんじゃないの?」
静夫「子供みたいなこと言うなよ、この洞窟の奥がどっかに通じていてそっから流れ込む風の音がああいう音を立てるんだ」
その穴が富士山まで通じているかもしれないとバカなことを考えた二人は、何故か持っていた懐中電灯の灯りを頼りにその中に入り込み、結果的に「好奇心は身を滅ぼす」と言う格言を身を以て経験する羽目となる。
洞窟は大して深くなく、すぐどん詰まりに出るが、

そこにいたのは、頬杖をついて「今日の昼飯何食うかなぁ」と考えているような巨大な金属製の彫像であった。
GODの新たな司令官キングダークである。
いやぁ、何度見てもこのビジュアルは強烈だ。
本物と言うか、実物大でしか出せない圧倒的な存在感が画面から滲み出ている。

早苗「兄さん!」
静夫「落ち着いて良くご覧、ただの石像だ」
早苗「本当だわ」
早苗を演じるのは、割と色んな作品に出ている清水めぐみさん。
二人は無謀にもキングダークに近付くが、

不意に、その瞼が開いて真っ赤な目が剥き出しになり、
キングダーク「来るんだ」
静夫「逃げるんだ、早苗、早く逃げろ! ああっ、体が引き込まれる! あああーっ!」
地の底から響くような声に、静夫の体は磁石に引き寄せられるようにその巨大な右手の中に吸い込まれ、凄まじい力で握り潰される。

早苗「兄さーん!」
清水さん、なかなか立派なモノをお持ちなのだが、衣装といい、照明といい、それが劇中で有効活用されていないのが実に遺憾である。
早苗、ともかくその場から逃げ出そうとするが、自分たちの来たほうから、たくさんの異形の影が向かってくるのを見て、あえなく失神してしまう。
影の正体は、戦闘員たちと、新たな怪人4体であった。
4人はキングダークの前に整列する。
キングダーク「全員揃っているか、ジンギスカンコンドルよ、ガマゴエモン、サソリジェロニモ、カブト虫ルパン……」
キングダークの台詞に合わせて、恐ろしげな怪人たちの姿が映し出される。
オイルショックで台所が厳しい筈なのに、キングダークの実物大モデルに加え、一度に4体もの怪人を登場させるとは、なかなか豪気である。
と言っても、1話あたりの怪人数が増えてるわけじゃないけどね。
キングダーク「その昔、蒙古のジンギスカンは数百万の人間を殺した、その悪魔の心にコンドルの凶暴性をプラスした……お前の持つ力で、日本中を震い上がらせるのだ」
怪人「この女を最初の犠牲に吸血鬼作戦を開始いたします」
キングダーク「そしてこの地上からXライダーを消すのだ」
それこそ、4体同時に出撃させれば良いのにと思うのだが、予算の都合もあるので、キングダークは戦力の逐次投入と言う、教科書どおりの愚策を選ぶのだった。
栄えあるトップバッターに指名されたジンギスカンコンドル、

仲間に早苗の体を抱き起こさせる。
怪人たちもその胸を見て「なかなかでかい」と思ったことであろう。

その無防備な早苗の胸に、ジンギスカンコンドルの手がするすると伸びたので、ハゲワシだけに、てっきり鷲掴みにでもするのかと思ったが、

残念ながら、デリケートゾーンに触れないように留意しながら、その首筋にキバを突き立てるだけであった。

続いて、敬介がバイクで喫茶店の前まで来ると、珍しく、チコとマコが店から出てくる。
マコ「あら……」

敬介「よっ、今日はアルバイト休みか? おん、花なんか持って、さては恋人とおデートか」
夏場に入り、そろそろ長髪が鬱陶しくなってきた敬介がからかうように尋ねるが、

チコ「おデートに花なんか持って行くわけないでしょう?」
マコ「敬介さんはその点、駄目な若者ね」
女の子たちから手厳しい反撃を食らう。
敬介「あいにくと、若い女の子とのお付き合いがないモンでな」
婚約者である涼子との凄絶な過去を踏まえれば、平気で口に出来るような台詞じゃないと思うのだが、既に涼子や霧子のことは
「なかったこと」になっているのか、敬介は他意なく答えている。

チコ「まあ、私たち二人がいるじゃないの」
マコ「失礼しちゃうわ、もう」
敬介「分かった分かった、さ、早くお見舞いに行った行った」
チコ「もう、ちゃんと行き先知ってるくせに」
マコ「チコ、カモン!」
チコ「ふんっ」
二人は敬介のあしらいにすっかり腹を立て、侮蔑の眼差しを向けつつ出掛ける。
二人を見送って敬介が店の中に入ると、おやっさんが渋い顔でパイプを吹かしていた。

立花「おい、あんまりからかうなよ、怒ってアルバイトやめられでもしたら大変じゃないか」
敬介「……」
反射的に
「ぜんぜん客来ないのに?」と言いかけた敬介だったが、なんとか堪え、
敬介「あの二人、誰をお見舞いに?」
立花「ああ、親友が海岸でなんかあったらしい。一緒に行ってた兄さん亡くなったとか」
それを聞いて厳しい顔つきになる敬介だったが、さすがにそれだけでGODの仕業だとは分からない。
で、その親友と言うのが、言うまでもなく早苗なのだった。

早苗「綺麗なお花ね、ありがとう」
パジャマ姿の早苗、一見何の異常も見られないが、カメラは意味ありげに、その手首に巻いてある包帯をクローズアップする。

チコ「思ったより元気なんで安心したわ」
持参した花を花瓶に生けている二人。
ここまでは良かったが、
マコ「亡くなったお兄様のことは早く忘れるのね」 続けてマコが、満面に笑みを湛えながら、とんでもない暴言を放つ。
台詞自体も最悪だし、それをとびきりの笑顔で言ってるのが、ほとんどサイコパスの域に達するほどのヤバさであった。
当然、早苗は「無理よ、兄さんは私のために死んだのと同じなのよ」と、即座に反発する。
チコ「ごめん、思い出させるようなこと言って……」 マコ「私、そんなつもりじゃ……」
二人もすぐ謝るが、チコの台詞が重ね重ね変である。
早苗は「忘れることは出来ない」と言ってるのに、「思い出させてごめん」と謝るのは、明らかに噛み合ってない。
それに、兄は死んだばかりなのだから、思い出させるもへったくれもなく、むしろは今は兄との思い出に浸るべき時間であろう。
チコ「怪我はひどいの?」
マコ「大丈夫、動かして?」
早苗「さわらないで!」
マコが早苗の腕に触ろうとすると、早苗はそれを鋭く振り払う。
早苗の異様な態度に思わず顔を見合わせる二人だったが、そこでノックの音がして、主治医らしき男性が入ってくる。

医者「病人はまだ精神的ショックが大きいようですから、今日は二人とお帰りなさい」
チコ&マコ「はい」
医者に促されて、二人は蕩けるような笑みを浮かべて大人しく退室する。
だが、二人が出て行くなり、医者は我慢できなくなったように早苗の包帯を剥がし、その下からあらわれた二つの傷口に口をつけ、その血を啜る。

口から生える長い牙に鮮血をしたたらせている医者の不気味な顔。
照明のせいで目が真っ黒になっている辺りが、死ぬほど怖い。
医者はジンギスカンコンドルの姿になると、
怪人「早苗、私の忠実なる血の奴隷よ」
早苗「はい、ご主人様」
呼びかけられると、ぐったりしていた早苗も、同じく青白い顔に長い牙を生やして顔を上げる。
そう、予想されてしかるべきだが、早苗はジンギスカンコンドルに血を吸われ、その奴隷となって人間社会に送り返されたのだ。
怪人「今の二人の友達の身元は?」
早苗「マコとチコ、立花コーヒーショップでアルバイトをしています」
怪人「あの二人がXライダーに関係のある二人か」
チコとマコの顔すら知らなかったというのは、アポロガイストの後を受けた軍団としてはあまりにお粗末な情報力であったが、組織がまるごと入れ替わったため、データの引継ぎもあまりされていないと言うことなのかもしれない。
それはさておき、二人は病院を辞した後、公園のベンチに座って話していた。

チコ「早苗、元気がなかったわね」
マコ「そりゃそうよ、あんな良い兄さんを亡くしたんだもの」
しかし、早苗がどういう状況で保護されたのか、静夫の死体が何処で発見され、警察がその死因を特定したのかどうか、肝心なことがまったくデータとして出て来ないのがもどかしい。

チコ「そう言う原因とはなんだか感じが違うようなんだけど……」
マコ「そう言われると、私もちょっと変な気がしたわ」
カメラが彼らの頭上に移動すると、

格子状の屋根の上に、ジンギスカンコンドルがうつ伏せに乗っていて、

ミニスカから伸びる二人のなまめかしい生脚を、食い入るように見詰めていた。
その気持ち、痛いほど分かる。
チコ「なんだか、何処からか見られてるみたい」
マコ「薄気味悪い公園ね」
二人が肩を寄せ合うようにして話していると、見ているだけでは我慢できなくなったのか、いきなりジンギスカンコンドルが二人の前に飛び降りる。
と、そこへ敬介がバイクで突っ込んできて、両者の間に割って入り、ともかく二人を逃がす。

敬介「貴様、なにもんだ? 見たところ、GODの怪人ではなさそうだが」
怪人「俺の名はジンギスカンコンドル! 命は貰った、神敬介!」
敬介、しばらく生身のまま、ジンギスカンコンドルと戦う。

ジンギスカンファイヤーと言う攻撃を、ベンチを飛び越えてかわす敬介。
だが、ジンギスカンコンドルは何故か敬介を放置して空を飛び、逃走中のチコとマコのところへ行く。

怪人「二人とも奴隷となれ!」
マコ「ああっ」
ほんとは奴隷の前に「肉」とか「性」をつけたかったんじゃないかと思うが、そこはそれ、教育的配慮と言う奴だろう。
ここ、マコのミニスカがひらひらして、いかにもチラが発生しそうなのだが、きわどいところで見えなかった。
ちくしょう。

と、ライダーに変身した敬介が飛び込んできて飛び蹴りを食らわし、二人を助けるが、

ここでも、もうちょっとで見えそうなのに、紙一重の差で見えずじまい。
ちくしょう。
怪人「うーん、今の一歩のところを……」 だから、ジンギスカンコンドルの気持ちが痛いほど分かる管理人であった。
え? そう言う意味ぢゃないって?
ライダーはなんとかジンギスカンコンドルを撃退するが、
怪人「Xライダー、貴様の命は必ず貰う!」
二人の血を吸いたいのか、ライダーを倒したいのか、最後まで一貫性に欠けるジンギスカンコンドルであった。
二人は喫茶店に戻るが、

立花「かわいそうに、まだ震えてる。さ、飲みなさい」
チコ「はい」
いつになく怯えているチコの腕を、さりげなくタッチしてコーヒーをすすめるおやっさん。
でも、二人がGODに狙われたのはこれが初めてじゃなく、つい先週も、怪人に襲われて拉致されてるんだから、今更この程度の経験で怯えまくると言うのは、理屈に合わない気がする。
敬介は、しばらく二人を安全な場所に移そうと提案する。
敬介「都心のホテルだったら、まぁ安心できるでしょう。俺としても、ジンギスカンコンドルの目的を掴まなきゃならないし、二人だけを守ってる訳には行きません」
立花「よし、ホテルに隠れさせよう」

立花「いいな、二人とも」
チコ&マコ「はい」
そう聞いて、やっと愁眉を開く二人であった。
次のシーンでは、早くも都心の高層ホテルの一室に移動しているチコ、マコ、敬介。
敬介「いいね、俺か、おやっさん以外の人間は絶対入れないこと」
マコ「32階だから外からは安心ね」
チコ「あんな怪物の顔、二度と見たくはないわ」 ジンギスカンコンドルが聞いたら、二度と立ち直れなくなりそうなキツい台詞を口にするチコ。
敬介は、くれぐれも用心するよう念を押して引き揚げる。

マコ「わーっ、素敵なベッド!」
二人きりになった途端、子供のようにベッドにお尻を落とし、そのふかふかの感触を楽しむマコ。
ここ、ほんの少しだが、マコのお尻のあたりに白いものが見えているのだが、パンツなのか、スカートなのか、はっきりしない。

マコ「こんなチャンスでもなければ私たちにとても泊まれないわね」
まるっきり観光気分のマコに、
チコ「お前さんは暢気でいいよ……」
呆れたようにつぶやくチコであった。
だが、彼らの動きはGODに筒抜けで、敬介がホテルから立ち去るのと入れ違いに、早苗がホテルの中に入って行く。

チコとマコは、そのままベッドの上に横になっていたが、ノックの音に弾かれたように起き上がる。
いや、ツインの部屋なんだから、何も同じベッドに寝る必要はないし、それにお嬢さんたち、その部屋には他に誰もいないんだし、女同士なんだから、もっとこう、遠慮せずに、ガバッとお股を開けっぴろげにされて全然構わないんですのよ、オホホホ……
マコ「どなた?」
早苗「早苗よ」
チコ「早苗?」
早苗の声に、チコはあっさりドアを開けて早苗を部屋に入れてしまう。
……
敬介「俺、さっき、『俺か、おやっさん以外の人間は絶対入れないこと』って言ったよねーっ!?」 ったく、近頃の娘と来たら……と、ブツブツ言ってる敬介の顔が目に浮かぶようである。
チコ「良くここが分かったわね」
早苗「立花さんに電話をしたら教えてくれたの。大変だったんですってね」
マコ「ええ、そりゃあもう」

早苗、まっすぐ窓のところに行くと、いきなり窓を開け放つ。
早苗「わあ、良い風ぇ」
チコ「駄目よ、開けちゃ!」
慌ててチコが叫ぶが、早苗は平然として、
早苗「だって開けろと命令されたんですものー」

マコ「命令? だ、誰に?」
早苗「私のご主人様」
チコ「あんたのご主人様?」
早苗は二人の前に来ると、両手を広げながらしゃがみ、

牙を生やした恐ろしげな顔になって立ち上がる。

マコ「早苗ーっ!」
早苗「さあ、私のようにおなり」
チコ&マコ(全力でなりたくないっ!) 若い女優としては、とても受け入れられないメイクだもんね。
部屋には、やがてジンギスカンコンドルもあらわれる。

チコ「ジンギスカン……」
マコ「コンドル!」
怪人「そうだー、吸血鬼となり、俺の血の奴隷となれ、そして夜な夜な街をさ迷い歩き、人間どもをどんどん吸血鬼にするのだ」
二人はあっさりジンギスカンコンドルに血を吸われ、早苗と同じく血の奴隷と成り果てる。
しかし、ジンギスカンにしても、コンドルにしても、どっちも吸血の要素はほとんどないのに、何の説明もなく吸血鬼タイプの怪人のように振舞っているのは、なんか釈然としない。
さて、敬介たちは、チコたちがひどい目に遭っているとは夢にも知らず、喫茶店で、人間が吸血鬼のようになる病気の蔓延を伝えるラジオニュースを聞いていた。
敬介「奴だ、あのジンギスカンコンドルの仕業に違いない」
立花「一日も早く発見して消さないと大変なことになるぞ」

続いて、買い物かごを提げて元気良く歩いている、エプロンにミニスカ、白い靴下が可愛過ぎる主婦が登場。

しかも、演じているのは若き日の竹井みどりさんだったりする!
クレジットでは武井みどりとなっている。

それを、物陰から待ち構えている吸血鬼人間となったマコ。
内心では、
「なんで私だけこのメイクでロケしなきゃいけないのよっ!」と思っていたことだろう。
マコ「ギギーッ!」
みどり「ああん、誰か来てえ、あ、あ、助けてーっ!」
さすがにまだ演技はぎこちないが、その喘ぎ声がなかなか色っぽいのである!
敬介「何をしている?」
と、そこへ敬介がバイクで駆けつけるが、何故かマコは顔を隠すようにして、さっさと逃げてしまう。
吸血鬼になっても人間の時の記憶が残っているようなので、ひとりでは敬介に勝てないと考えたのだろうか?
それとも、その恥ずかしいメイクを敬介に見られたくなかったのだろうか。

敬介「おい、しっかりしろ、もう大丈夫だ」
みどり「怖い、私の手を噛んだんです!」
主婦の言葉にその手首を見る敬介だったが、傷はあったものの、出血は見られなかった。
敬介「危ないところだった、もう少しで吸血鬼にされるところだった」
一方、おやっさんは、この機会を利用して自分の好感度を上げようと、お盆にコーヒーの入ったポットを載せて、チコたちの部屋に差し入れに行く。
だが、二人ともコーヒーは要らないと贅沢なことを抜かす。
チコ「もっと欲しいものがあるの」
立花「いい加減にしろ、何が欲しいんだ?
俺のスーパーマグナムか?」

マコ「マスターの血を飲ませて!」

チコ「……」
マコの異様な言葉とチコの獲物を見るような目付きに、一瞬ドキッとするおやっさんだったが、

立花「こいつぅ、悪い冗談やめろ」
すぐに自分をからかっているのだと受け取り、笑い飛ばす。
マコ「私、今日は邪魔が入って、血を飲み損なったのよ」
立花「お、お前たち、まさか……」
マコがにこりともしないで続けるのを見て、漸くおやっさんも真剣になる。

次の瞬間、マコもチコも、女優の仕事って大変だわぁ~的メイクに切り替わる。
立花「お前たちまでも!」
慌てて逃げようとするおやっさんだったが、あえなくベッドの上に組み伏せられ、

マコに手首を噛まれて血を吸われてしまう。
……
いや、この牙では、どう考えても噛めないよね。
なお、吸血鬼にされても元の人格が多少残っているようで、

マコ「あーあ、駄目ね、中年の男の血って……美味しくないわ」
吸い終わると、いつものマコの口調になって、おやっさんの血の味を酷評するのだった。
この手の話って、ライダーシリーズには腐るほどあるのだが、吸血鬼orゾンビ化した人間が、こんなユーモラスな台詞を口にするのは、シリーズ通してもここだけだろうなぁ。
その後、喫茶店に戻った敬介に、吸血鬼になったおやっさんとマコたちが襲い掛かる。

敬介「おやじさん……」

敬介「君たちもか……ううっ」
背後から両手首を掴まれた敬介、その手を高々と上げるが、その際、チコのミニスカワンピが浮いて、尻肉が少しはみ出てしまう。
いやぁ、いいもん見せてもらいました。
ついでにそのまま前方に投げ飛ばしてくれれば、Wパンチラも夢ではなかったと思うが、アクションの出来ない二人にそんなことは無理で、敬介はそのまま二人に血を吸われてその場に昏倒する。

不気味な笑い声を立てながら、カメラの方を向く二人。
どうでもいいけど、チコのキバ、さっきと明らかに生えてる角度が違ってるんですが……
立花「ご主人様の元に運ぶのだ」
敬介の体は早苗のいた山上病院に運ばれる。
たぶん、この病院全体が、GODの支配下に置かれているのだろう。
敬介の寝かされている部屋に、あの医者と、早苗、おやっさん、チコとマコがぞろぞろ入ってくる。
医者「でかしたぞ、血の奴隷たちよ、これで神敬介は吸血鬼になって、私の奴隷だ」
ちなみに、早苗が何故かパジャマ姿に戻っている。
ホテルに現れた時は普通の私服だったのに、わざわざまたパジャマに着替えたの?
ま、要するに、最初のお見舞いのシーンを撮ったついでにこのシーンを撮っているので、早苗を着替えさせるのを忘れていたのだろう。

医者「はっはっはっはっはっ……」
医者が愉快そうに笑いながらシーツを剥がすが、

ライダー「はっはっはっはっ」
その下からあらわれたのは、敬介ではなくXライダーであった。
なんか笑えるビジュアルだ。
医者「Xライダー!」
ライダー「貴様の吸血ビールスが私に通じるとでも思っていたのか?」
そうなんである。敬介は人間ではなくカイゾーグなんだから、ビールスなんか効く筈がないのである!!
そんな基本的なファクトに思い至らなかったジンギスカンコンドル、ひいてはキングダーク率いる新生GOD軍団の行く末が不安になる管理人であったが、本当は別に不安にならない。

ジンギスカンコンドルになった医者の命令で、一斉にライダーに襲い掛かる女の子たちとおやっさん。
可愛い女の子たちに押さえ付けられて、ちょっと嬉しいライダーであったが、
ライダー「私は戦えん、しばらく眠っていてくれ」
4人に素早く当身を食らわし、気絶させる。
ま、ほんとはおやっさんだけ気絶させ、引き続き女の子たちとじゃれていたかったのではないかと思うが、ヒーローにも色々とやることがあるのである。
ちなみに逃げる際、ジンギスカンコンドルが
「思う存分血を吸ってやれ」と叫んでいるが、これほど学習能力の欠如を示す台詞もあるまい。
この後、ラス殺陣となり、激闘の末にジンギスカンコンドルを倒し、同時に吸血鬼にされた人たちも元に戻り、事件は解決する。
以上、怪人に血を吸われた人間がその奴隷になるという定番の吸血鬼系プロットで、多少は工夫が見られるものの、特に面白いとは言えないエピソードであった。
よって、今回も、チコとマコの画像を貼るのがメインのレビューになってしまった。
おどろおどろしいサブタイトルにしても、肝心のライダーがキングダークと対面する訳じゃないから、羊頭狗肉の感は否めない。
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