第2話「ストロンガーとタックルの秘密!」(1975年4月12日)
引き続き伊良湖岬周辺を舞台にした、パイロット版的性格の強いエピソードである。
冒頭、二人の戦闘員が海を見下ろす丘に立ち、双眼鏡で白い灯台の様子を窺っている。
戦闘員「絶好の場所だ」
やがて山根と言う年配の監視員が来て、富士乃さん演じるブラックサタンの一味と思われる監視員と交代する。
監視員「ふふふふ、何も知らずにか……」
戦闘員「しめた、何も知らずに入って行ったぞ」
なんで遠くにいる監視員に彼らのやりとりが聞こえるのか、そんな細かいことにいちいち突っ込んでいては身が持たないので気にしない!!
ただ、この監視員がブラックサタンの手先である必要は
全くないのは事実で、このシーン自体要らなかったように思う。
普通に戦闘員たちが見張っていて、そこに城茂が来て灯台を調べ、その後、怪人が山根に乗り移る……だけで十分だったろう。

戦闘員「あっ、貴様」
茂「何がしめた場所なのかね?」
ともあれ、戦闘員の背後からふらりとあらわれると言う、およそヒーローらしからぬ登場の仕方をしたのが、我らがストロンガーこと城茂であった。
戦闘員「盗み聞きしていたな? 何者だ?」
茂「何者? 名前は城茂だ」
戦闘員「貴様が城茂か」
早速戦いとなるが、戦闘員では歯が立たず、ひとりはさっさと逃げ出して車道に出るが、

戦闘員「イーッ!!」
こともあろうに乗用車に轢かれてしまう!! ……
ええ、この時ですね、僕がブラックサタンに明日はないと確信したのは……(管理人談)
さすがに即死はしなかったが、車から出て来たのが、

タイタン「……」
誰がどう見ても本物のヤクザだったので、

戦闘員「イーッ!!」
恐怖のあまり全身から煙を吹き出し、

一瞬で、クモのような白い小さな虫に変わる。
これがブラックサタンの首領の分身とも言うべきサタン虫で、首領はこれによって部下を操っているのである。
すぐに茂が駆けつけるが、タイタンは念入りにサタン虫を踏み潰すと、

タイタン「急に車の前に飛び出しましてね。かわしようがなかったんですよ、それにしても消えるとはタダゴトではありませんな」
茂「やれやれ、せっかく口を割らせようと思ったのになぁ」
タイタン「何か事件ですかな、なんなら私も?」
茂「結構です」
善良な市民を装って素知らぬ顔で驚いて見せ、あろうことか茂に協力まで申し出る。
茂、相手を胡散臭い男とは思っていても、刑事ではないので身元を調べる訳にも行かず、そのまま行かせるしかなかった。
その後、ユリ子を伴ってさっきの灯台の前までやってきた茂。

茂「あの戦闘員はこの灯台を監視してたんだ」
ユリ子「ふーん、すると、ここが怪しいのかな」
茂「調べりゃ分かる、ユリ子、一応ガードしてくれ」
このシーン、是非ユリ子姉さんにはミニスカで演じて欲しかったと言うのが、全世界の男子共通の願いなのです。

ユリ子「オッケイ、危なくなったら呼んでね」
……
惚れてまうやろっ!! うーん、正直、以前レビューした時はここまで可愛いとは思わなかったなぁ。
茂「へっ、ご冗談を、良く言うよ、お前も」
ユリ子「……」
茂、ユリ子の言葉を鼻で笑うと、単身灯台の中に消える。
いや、「ガードしてくれ」って言ったの、お前だろ……
茂、通路を進み、監視員の詰め所に忍び込んで机の上を引っ掻き回していたが、そこへ怪訝な顔をした山根が入ってくる。
この山根の態度も奇妙で、茂の挙動と言い、服装と言い、山根の目には、
「空き巣に入った愚連隊」としか映らないと思うのだが、山根はぼんやりと立っているだけで、声すら出そうとしない。
逆に茂の方から、
茂「失礼ですが、あんたは?」 と、まさに失礼としか言いようのない質問を投げられる始末。
ほとんどコントの世界に突入しているが、無論、スタッフは大真面目で撮っているのである。
山根「私はこの灯台の監視員だ」
茂「ふーん」

山根「う、あっ、おいっ、何をするんだ、何の真似だよ」
茂、何を思ったかいきなり山根の体に抱きつき、主にその左乳首を重点的に責める……ではなく、身体検査をしてブラックサタンかどうか見極めようとする。
これも、警察呼ばれても文句の言えないところで、いくらなんでも乱暴過ぎる態度である。
茂「奇械人じゃないらしいな……いや、大変失礼しました、十分お気をつけください」
最後はとってつけたような愛想笑いを浮かべ、早々に立ち去るのだった。

ユリ子「どうだった?」
茂「ああ、怪しい点なしだ」
ユリ子「なんだ」
茂「ユリ子、お前はあの丘の上から見張っててくれ」
ユリ子「茂は?」
茂「逃げた戦闘員を轢き殺したのはホテルにいたキザ野郎だ、ひょっとするとブラックサタンに関係がないとも限らないからな」
ユリ子「まさか」
茂「良いか、ユリ子、ブラックサタンとの戦いは命懸けなんだぞ、そのまさかが命取りのミスに繋がることだってあるんだからな」
ユリ子「分かったわ、ここは任せといて」
ちなみに前回に比べて、茂のユリ子に対する態度がだいぶ優しくなったように思うが、前回はあまりに厳し過ぎたとスタッフが反省したのだろうか。
一方山根は、二人が灯台から立ち去るのを見送ってから、ブツブツ言いながら詰め所に戻ろうとするが、

狼の遠吠えが聞こえたかと思うと、目の前に、奇械人オオカミンが現れる。
山根「ああ、怪物」
オオカミン「怪物ではない、ブラックサタンの奇械人オオカミンだ」
山根、慌てて詰め所の中に逃げ込むが、オオカミンは自分の体を気体に変える能力を持っており、ドアの隙間から難なく詰め所に入り込み、前回のガンガル同様、山根の耳の中にサタン虫となって入り込み、その体を支配下に収める。
何気に、この能力、「RX」のバイオライダーなみの無敵技のような気がするのだが、残念ながら、オオカミンがこの能力を使うのはこのシーンだけなのだった。
ザッツ宝の持ち腐れ!! 続いて、前回も登場した伊良湖ビューホテルに宿泊中のタイタン様。
部屋でくつろいでいると電話が鳴ったので受話器を取り、

ネットで良くネタにされる有名なシーンの出来上がりとなる。
オオカミン「ミスター・タイタン、灯台は手に入れた」
タイタン「ようし、今日中にレーダー妨害装置を運び入れる。それまで待機だ、例の男は私がひきつけておく」
オオカミン「万事了解」
やがて茂がホテルに戻ってくるが、悪と善が、二週続けて同じホテルに部屋を取ってると言うのは、なかなか珍しい状況だよね。

戦闘員「わかった、ミスター・タイタンから依頼のあった城茂の正体が」
戦闘員「なにっ」
同じ頃、ブラックサタンのアジトのコンピューター調査室では、早くも城茂の正体が暴かれつつあった。
コンピューターの声「城茂、年齢22才、元城南大学アメリカンフットボールキャプテン、ブラックサタンに改造された男」
なるほどね……って、
自分たちで改造した男なら覚えとこうよーっ!! それにつなげて、茂が自分の過去を回想するシーンとなる。

茂(あの時、俺は大学3年だった、ブラックサタンでの出来事は俺の運命を変えた)
まだ人間だった頃の茂が戦闘員に腕を取られてアジトに連れて来られたので、てっきり本郷猛のように改造人間用の素材としてキャプされたのかと思いきや、

茂「俺は自分からやってきたんだぜぃ、ブラックサタンのお偉方に願いがあって俺はやってきた」
科学者「大胆不敵にもブラックサタンの秘密基地に乗り込むとは見所のありそうな若者だ。ようし、話を聞いてやろう」
茂、自ら進んでアジトにやってきたことが分かる。

茂「頼む、俺の体を改造し、切り刻んで強くしてくれ」
岡田准一似の(どこがじゃ)科学者「何故だ、改造人間になるには死よりももっと激しく恐ろしい苦痛が伴う、それを進んで受けるのは何故だ?」
茂「へっ、ご覧のとおりの生まれた時から一人ぼっち」
岡田准一似の科学者(見ただけで分かるわけねえだろ……) 茂、大学を出てもどうせ平凡な人生が待ってるだけなので、それより世界一強くなって好き放題悪いコトをしてみたいと、オイルショック&終末ブーム時代にふさわしい、先行きが不安だらけの刹那的快楽主義の青年らしい動機を語り、ブラックサタンの科学者たちを喜ばせる。
科学者「ふふふふふ、その言葉大いに気に入った」
茂「……」
科学者「ようし、望みどおり改造人間にしてやろう!!」
で、拍子抜けするくらいあっさりと、ブラックサタンの科学者たちは茂の望みを聞き届けてくれる。
もっとも、包茎手術と違ってその場で「さあ切りましょう」と言う訳には行かず、

茂「うわーっ!!」
まずは茂が体が改造に耐えられるかどうか、高圧電流を流してテストする。
ついでに、茂の素性や人間性、交友関係などもきちっとリサーチしておけば良かったのだが、まさか自ら改造人間になって悪と戦おうとするような若者が今の日本にいるとは思わず、茂の言葉を鵜呑みにしてスキップしてしまったのがブラックサタンにとっての致命的なミスであった。
茂、アメフトで鍛えられた肉体と、自分の手で悪を倒すのだと言う強い信念で、なんとか激痛に耐える。
科学者「どうかね、城茂の肉体反応は?」
岡田准一似の科学者「は、奇械人には最高の肉体を備えております」
ちなみに、この科学者の台詞から、茂もまた、ガンガルやオオカミンなど、冠婚葬祭に出られないようなおぞましい化け物系の改造人間にされる可能性もあったのだから、茂の賭けはあまりに危険が大き過ぎたと言えよう。
ともあれ、茂の改造手術は無事終了し、

科学者「改造手術は成功した。カブト虫の強力な力を植えつけ、内臓の代わりに発電装置をセットした」
茂、早くも目を覚まし、手術台の上に上半身を起こす。

科学者「その手袋を取りたまえ」
茂「……」
言われるまま両手の黒いグローブを外すと、コイルのような金属製の手があらわれる。
で、このクローズアップ映像につなげて、

科学者「その手にある発電ボタンを接触させることにより、お前は改造電気人間ストロンガーとなる」
茂「なるほどねえ、改造電気人間か」
茂が自分の手をしげしげと見ている映像となるのだが、これでは色が違い過ぎて、まだグローブを嵌めているようにも見えてしまう。
茂、まだ脳改造を受けておらず、てっきり本郷猛のようにその前に脱走するつもりなのかと思いきや、
茂「なーるほど、気に入ったぜ」
科学者「さ、大首領に御報告だ」
CM後、科学者たちに伴われて、大人しく大首領の前までやってくる。
茂「何の真似だ?」
岡田准一似の科学者「奇械人としての忠誠を、大首領に誓う宣誓式だ」
茂「へっ、宣誓式ねえ」

大首領「城茂よ、天地の悪霊、万物の悪魔に誓え、ブラックサタンの命令はいかなる理由があろうとも全力を尽くして実行することを誓え」
もっとも、大首領と言っても、例によって例のごとく、ブラックサタンの紋章プレートの向こうから大首領と思われる壮年の男性の声がするだけで、その正体までは分からない。
大首領の声は、納谷悟朗のとっつぁん。
……
ちょっと誰ぇー、今、「またか」って言ったのは~?
ま、実際、さすがにそろそろ飽きるよね。
もっとも、納谷さんが首領の声を演じるのは「V3」以来なので、当時の視聴者的にはそうでもなかったかもしれない。
茂「……」
大首領「城茂、宣誓を」
茂が跪いたまま沈黙しているので、大首領がせかすが、茂は腹の底から不気味な笑いを響かせると、そのうち、おかしくておかしくてしょうがないと言う風に笑いを爆発させて立ち上がり、科学者たちを戸惑わせる。
茂「はっはっはっはっはっ、はっはっはっはっはっ……」
岡田准一似の科学者「おい、何を笑う?」
茂「ブラックサタンの大首領がとんだ間抜けだから笑ってるのさ」
科学者「貴様、狂ったのか?」
茂「お生憎だが、正気も正気、大正気!!」
茂、後頭部に手をやると、小さなメカを毟り取って科学者たちに突きつける。
それを見た科学者は、
科学者(わかりにくいっ!!) と言うのは嘘だが、ビジュアル的に分かりにくいのは事実である。

茂「見たか、自己催眠装置でね、頭までは改造されてないって
寸法よ」
科学者(寸法……)
こんな状況ながら、「お前は江戸っ子か?」とツッコミを入れたくなった科学者であったが、嘘である。
しかし、この茂の説明、物凄く釈然としない。
自己催眠もクソも、茂は頭の中を開かれて物理的に脳を改造されたのだろうから、何の意味もあるまい。
それともブラックサタンの洗脳は、催眠術をかけるだけのお手軽な方法が取られているのだろうか……って、んな訳ねえだろ!!
もっと変なのは、大首領が部下を操るのに使っている肝心のサタン虫が何処にも出て来ない点である。
たとえば、洗脳のために茂の耳にサタン虫を入れるが、茂はあらかじめ耳の中に防護装置をつけていたので助かる……みたいな方法なら、まだ理解できるんだけどね。
そもそも、茂はどうやって事前にブラックサタンの改造手術の実態および洗脳方法を知り、それに対する対策を用意することできたのか? さらに、特に秀才とも思えないアメフト部の学生に、そんなアイテムが作れるだろうか?
あと、手術の前にガンガン高圧電流流されてたけど、その時点で、頭につけていた(註1)メカも駄目になってるんじゃないかと……
註1……服のポケットに入れていたという言い訳が出来そうだが、捕まった時点で身体検査されて所持品チェックされてるだろうから、無理だろう。
科学者「何だと、貴様、何の目的で?」
茂「ブラックサタン、俺の親友・沼田五郎を改造人間にしようとして失敗し殺したのを覚えているだろう、俺はその親友の仇、いや、全世界の敵・ブラックサタンと戦う決意をしたんだ。ブラックサタン、俺は今日から戦うぞ」
茂の口から、壮絶な決意が語られる。
そう、茂は自ら志願して改造人間となり、親友の仇を討とうという、過去のライダーにも見られなかった前向きな動機から人としての幸せを捨て、仮面ライダーとなったのであった。
……
いや、沼田っちと同じく手術が失敗してたらどうするつもりだったんでしょうか、コイツは?
あと、いくら親友を殺されたからって、自分の将来を棒に振って、ここまでするかなぁ? と言う気がしなくもない。
志郎のように、家族を皆殺しにされたとかならまだ分かるんだけどね。
大首領「このバカモノを始末しろ!!」 たまりかねたように叫ぶ首領であったが、きっと心の中では、
「もう、私のバカバカ、何度同じミスを繰り返せば良いのよっ!! ライダー増える一方じゃないの!!」 などと、激しく自分自身を罵倒していたに違いない。
あと、ブラックサタンが独力でストロンガーを作り出したのなら、それと同等の戦士を作り出すことも可能ではないかと思うのだが、その手術に耐えられる、鍛え抜かれた肉体と強靭な精神力を持つ若者は、そうそうは見付からなかったと言うことなのかもしれない。
つまり、劇中には出て来ないが、ブラックサタンもストロンガークラスの奇械人を作り出そうとしていたのだが、なかなか茂のような素材にめぐりあえず、何度も失敗を重ねているうちに、組織自体が滅んでしまったと言うことなのかもしれない。
茂、試しにストロンガーに変身してから、ともかくアジトから脱出しようとするが、

逃げる途中、白いシーツを被された手術台を見付けたことが、彼に運命の出会いをもたらすこととなる。
そのシーツが蠢いているのを見て、思い切ってシーツを剥がすが、

ユリ子「あっ」
ライダー「女?」
そこに縛り付けられていたのが、他ならぬ岬ユリ子だったのである。
……
うーん、是非ここは、岡田さんには全裸で演じて欲しかったところである。
ユリ子「助けてよ!!」
ライダー「逃げるんだ!!」

ユリ子「ちくしょう、ブラックサタンの奴ら……」
ライダー「もう大丈夫だ」
ユリ子「あなた、誰?」
ライダー「俺はストロンガー、仮面ライダーストロンガーだ」
ユリ子「仮面ライダー?」
ライダー「そうだ、ブラックサタンと戦う、自由と平和の戦士だ」
ユリ子「私は岬ユリ子、一緒に戦うわ」
ライダー「女では無理だ」
ユリ子「女だって、無理じゃないわよ」
ユリ子、腕を組んでニヤニヤしながら、洞窟の柱の後ろに隠れ、

一瞬でタックルの姿に変わる。
ライダー「その姿は?」
タックル「電波人間タックル!!」 ライダー(まずい、バカだ……) じゃなくて、
ライダー「電波人間タックル?」
命からがらアジトから逃げ出した茂とユリ子であったが、ユリ子が何故タックルになったのかと言う点については、別の機会に語られることになる。
ここで回想シーンが終わるが、

茂(あの日から、正義のためにブラックサタンと戦ってる俺だが……って、
回想シーンに行ってる間に、隣に変なカップルが来てるよーっ!!)
まさに悪との戦いには、一瞬の油断も許されないのであった。
茂、近くの席にいるタイタンに気を配りつつ、情熱のリンボーダンスと野生のリズムが弾ける躍動のステージを見遣り、
茂(ところで、ここ何処だ?) 回想シーンに行ってる間に、ポリネシアかどっかにワープしてしまったのかと訝しむ茂であった。
まさに悪との戦いには一瞬の油断も許されないのであった。
で、実際、茂がステージの得体の知れないショーを見ている僅かの隙に、タイタンに逃げられてしまう。
タイタン「オオカミン、直ちに作戦実行だ。城茂と戦うのは目的を果たしてからだ」
山根「わかってます」
部屋に戻ったタイタン、電話で灯台のオオカミンに命令を伝える。

ユリ子「茂の奴、何にも異常ないじゃないの……あ、女の子」
一方、真面目に灯台の監視をしていたユリ子であったが、外から見ても異変が分かる筈もなく、退屈をかこっていたが、ひとりの可愛らしい女の子が灯台の中に入っていくのが見えた。

山根「沖を通るタンカーのレーダーを狂わし、次々と爆破させて、日本中の海を油だらけにしてやる」
んで、ずーっと謎に包まれていた今回のブラックサタンの目的が、オオカミンにのっとられた山根の口から語られる。
うーん、でも、レーダーを狂わせるだけで爆発するかなぁ?
まあ、座礁させてオイルを流出させようと言うことなのだろうが、「悪の組織」にしてはみみっちい作戦であった。
と、そこへ入ってきたのたが、さっきの女の子であった。

マリ「父さん、お弁当」
山根「ありがとう……どうした、お父さんの顔に何かついているのか?」
マリと言う山根の娘、弁当箱を差し出すが、じっと父親の顔を見ているうちにそれを引っ込め、何も言わずに逃げ出してしまう。

山根「お待ち、どうして逃げるんだ?」
マリ「放して、父さんの姿はしてるけど、本当のお父さんじゃないわ、マリには分かるわ」
山根もすぐ追いかけて灯台の外で捕まえようとするが、マリは激しく抵抗して叫ぶ。
子供の純粋な目は、一目で父親がオオカミンに憑依されていることを見抜いたのだろう。
……うーん、でも、肉体的には本物の父親で、外見上は区別がつかないのだから、マリが正体を見抜くのが余りに早過ぎる気もする。
まあ、尺の関係もあったんだろうけどね。

(なんだ、この画像は?)
山根「何をバカなことを言うんだ」
マリ「違うわ、父さんの匂いじゃない、動物の臭いがする」
ま、マリの台詞で、一応、父親の体臭で気付いたことになってるが、犬じゃあるまいし、体を密着させずにそんな体臭まで嗅ぎ分けられるだろうか?
そもそもオオカミンはサタン虫となってオヤジの体内に入っているのだから、獣の臭いなどしないのでは?
ともあれ、そこにあらわれたのがユリ子であった。

ユリ子「待ちなさい」
マリ「助けて、父さんじゃないの」
山根「マリ!! この子は少し病気なんでね」
ユリ子「そうかしら、いくら化けても実の娘の目は誤魔化せないんじゃなくって? 奇械人さん」
山根「奇械人を知っているのか、女? 城茂と一緒にブラックサタンを脱走した岬ユリ子だな?」
ほとんど球体のような顔のマリを演じているのは、戸川京子さん。
ユリ子「またの名は電波人間タックル」
ユリ子、タックルに変身してマリを助け出すが、オオカミンの敵ではなく、あえなく殴り飛ばされて奪い返される。
ついで茂が悠然と現れ、ストロンガーに変身し、特に何の盛り上がりもなくオオカミンを倒して事件解決。
……
弱っ!! これだけ視聴者の胸に爪痕を残さず去って行った怪人も珍しい。
つーか、自慢の気体化能力はどうしたの?
なので、

我々のなすべきことは、記念すべきタックルの初チラの瞬間をしっかり眼に焼き付けておくことだけであった。
まあ、あくまで見せパンなのだが、これは一応岡田さん本人が演じているようなので、準パンチラに認定しても問題なかろう。
茂「山根さん、しっかりするんだ」
幸い、山根本人は心身とも無事であった。

(だから、なんだ、この画像は?)

マリ「本当のお父さんなのね!!」
輝くような若さが溢れるこの二人が、既に鬼籍に入られているかと思うと悲しい。
考えたら、このシーンの4人とも、全員お亡くなりになってるんだよね。合掌。

ラスト、ブラックサタンとの次なる戦いに向けて、改めて気を引き締める茂とユリ子の絵になるツーショットを映しつつ、幕となる。
以上、ストロンガー誕生秘話にかなりの時間が割かれている分、メインストーリーのほうは前回同様おざなりであった。
そう言えば、タイタンが「レーダー妨害装置を運び入れる」とか言ってたけど、終盤のシーンでは既に機材は山根の前に置いてあったな。
ユリ子は灯台を監視していながら、それには気付かなかったのだろうか?
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