第40話「おかしなお菓子」(1985年11月2日)
サブタイトルから容易に察しがつくと思うが、消化試合である。
パッと見、スルー確定かと思いつつ、一応キャプしたのだが……
詳細は省くが(省くなよ)、前夜、流れ星が落ちるのを見た信二少年が森の中の落下地点にやってくると、小型の人工衛星のようなメカが落ちていて、それが白い煙を吹き付けてくる。
信二少年は、小さな家や噴水のある不思議な空間に転送されるが、

信二「まさか……本物のお菓子だ!!」
試しに屋根瓦を剥がして口に運ぶと、それは紛れもないクッキーであった。
壁はウエハースで、扉は板チョコであった。
全体的に安いお菓子ばっかりであった。
それはともかく、それは、子供が一度は夢見る「お菓子の家」だったのである。
ついでに噴水の水はジュースで、足元には飴玉が転がっていた。
全体的に安いお菓子ばっかりであった。
あ、さっきも言ったか。
スーパーで、なるべく安いお菓子をカゴに放り込んでいるスタッフの姿が目に浮かぶようである。
ついでに「なんか遠足前みたいっスね!!」と言ってる若手スタッフの楽しそうな顔が目に浮かぶようである。
貧乏で貧乏で仕方のない信二少年は、半ズボンのポケットに飴玉を詰め込むだけ詰め込むと、どうやってか不明だが、不思議な空間から出て、早くこのことを兄に知らせようと森の中を走っていたが、

ゾルテ「待て、小僧、お菓子を持ってるだろ?」
その前に立ちはだかったのが、巨大な口を持つ宇宙獣士ゾルテであった。
てっきりさっきの「お菓子の家」は、こいつが子供をおびき寄せるための罠かと思ったが、そうではなく、ゾルテは子供が落とした飴玉を長い舌でかき集めるとうまそうに平らげる。

ゾルテ「うめーっ、小僧、このお菓子、ドコでみっけたーっ?」
信二「助けてくれーっ!!」
さらに逃げようとする信二を追いかけ、「お菓子の家」のありかを吐かせようとする。
と、付近で流れ星の調査をしていたチェンジマンたちがその悲鳴を聞きつけて駆けつけ、信二を救出する。
ドラゴン「宇宙獣士、こんな子供に何の真似だ?」
続いて、ゾルテのまわりにブーバ、ヒドラー兵たちが湧いて出て来て、

ブーバ「ヒドラー兵、やれい!!」
ヒドラー兵(……って言われてもなぁ) 過去何十回となく全滅させられてきたにも拘らず、毎回勝つ気満々で号令を掛ける学習能力ゼロの上司に内心うんざりしつつも、果敢にチェンジマンに戦いを挑むヒドラー兵の皆さんに敬礼!!
しかし、真面目な話、絶対勝てないと分かっている戦いに、なんで部下を惜しげもなく投入できるのだろう?
なんでヒドラー兵たちのパワーアップや武装の強化を図ろうとしないのだろう?
それはさておき、ゾルテが口から白いガスを吐くが、

それは凄まじい腐食性を持っていて、チェンジソードや盾すら、マシュマロのようにぐずぐずに溶かしてしまう。
さいわい、長時間は吐けないようで、

ブーバ「ゾルテ、どうした?」
ゾルテ「ああ、ガス欠だぁ」
ブーバ「ガス欠?」
ちなみにゾルテの口の中の牙、ところどころ黒くなっているのは、お菓子の食べ過ぎで虫歯になっているのを表現してるんだろうなぁ。芸が細かい。
ブーバ、やむなくゾルテをつれて一旦退却する。
さて、戦場から逃げ出した信二は、空き地でサッカーの練習をしている兄のもとへ行き、

信二「大変だ、大変だ、見付けたんだよ」
兄「何を?」
信二「お菓子の家だ、お菓子の家を見付けたんだよ」
兄「お菓子の家?」
信二「嘘じゃないよ、昨夜の流れ星にお祈りしたとおりになったんだ」
兄「お祈り?」
信二「お兄ちゃんの誕生日にお菓子の家をプレゼントしてくださいとお祈りしたら、本当にお菓子の家が見付かったんだよ!!」
だが、兄やそのチームメイトたちは全く信二の言うことを信じてくれず、その頭を小突き回してさっさと練習に戻ってしまう。
その様子を、勇馬が気遣わしげに見詰めていた。
信二「どうしてみんな信じてくれないのかなぁ……流れ星にお祈りしたら願いが叶うって教えてくれたのは兄ちゃんじゃないか、お菓子の家の話をしてくれたのも兄ちゃんじゃないか……」
その後、信二が川のそばに座って石を投げながら兄の「心変わり」を非難していると、勇馬が横に座り、

勇馬「それはな、お兄ちゃんが大人になったからさ」
信二「大人ぁ?」
勇馬「でもね、大きくなっても俺みたいにそんな話を信じる人間だっているぞ」
信二「ほんとー?」
その理由を教えると共に、大変説得力のある言説で少年を勇気付ける。
なにしろ、いい年こいて、必死でこんなブログ書いてる人間がいるくらいですからね!!
一方、ゴズマードでは、
バズー「シガール星を滅ぼしたのははるか昔のことだ、そのシガール星の菓子製造ロボットが地球に到着したそうだな」

アハメス「たったひとつだけ残っていたのです、それで、宇宙獣士ゾルテを呼んだわけでございます」
ゾルテ「私はシガール星のお菓子を食べるとゾルテガスに変えることが出来ます」
ブーバ「チェンジソードさえ溶かしてしまう、まさに恐るべきガスでした」
アハメス「もっともっとそのお菓子を食べればゾルテガスで東京さえ滅ぼすことが出来るのです」
ブーバ「面白い、なんとしてもシガールの菓子製造ロボットを探し出せ!!」
相変わらず魅力的なアハメス様の笑顔。
しかし、なんでゴズマには落下したのが菓子製造ロボットだと分かったのだろう?
仮に何らかの電波を発しているのなら、信二を脅さなくてもゴズマにも簡単に突き止められた筈だし、早い時期からそれが菓子製造ロボットだと分かっていたのなら、地球に落下する前に回収出来ていただろう。
実際、こんなに早くゾルテが呼ばれていると言うことは、事前にそれがなんであるか分かっていたとしか考えられず、落下するまで手を出さなかったアハメス様の行動は不可解である。
あと、「東京さえ滅ぼす」って、前にも書いた気がするが、ゴズマの目的は地球を征服することであって、滅ぼすことじゃなかったと思うんだけどね。
つーか、住民を支配しようとしているからこんなにも梃子摺ってる訳で、単に破壊するだけで良いのなら、さっさと軍隊を差し向け、戦略爆撃を行えば済むことではないか。
それはそれとして、勇馬は信二少年に案内してもらって、至極あっさり「お菓子の家」のある空間に入り込む。

勇馬「うわ、こいつは凄い……これ、本物だぜっ」
信二「ね、ほんとだったでしょう?」
屋根瓦のクッキーを一口食べて、目を丸くする勇馬。
でも、ゾルテはそのお菓子を食べないとゾルテガスを吐けないのだから、シガール製のお菓子には何か特殊な成分が含まれていると考えるのが普通で、人間がそんなもん食べて平気なのだろうか?
それはともかく、彼らの後をつけていたのだろう、すぐにゾルテもその空間に侵入してくる。

信二「怖い」
勇馬「危ない!!」
うーむ、こうなると、まるっきり「おかあさんといっしょ」の特撮バージョンみたいである。
どうせなら、勇馬じゃなくてさやかタンのメイン回にして欲しかったところだが……
ゾルテ「遂に見付けたぞ、これだ、これだ」
ゾルテ、大喜びで家に噛り付くが、そこにまたあらわれたのが目下、次元のはざまを絶賛漂流中のゴーストギルークであった。
ギルーク、ゾルテを払い除けると、
ギルーク「この菓子を食うのは俺だ」

そう言って、クッキーを剥がしてむしゃむしゃ食べ始める。
山本さん、長い役者人生で色んなコトされたと思うが、変な被り物して顔を白く塗り、クッキーを貪り食うなんて仕事は生涯でこれだけだろうなぁ。
ゾルテ「何だ、お前は?」
ギルーク「この菓子を食えば、俺はずっとこの世にいられる
かも知れんのだ」
勇馬「なんだとっ」
ブーバ「なにっ」
「かも知れん」だけでのこのこ出て来たギルークに全力で呆れる二人であったが嘘である。
しかし、ギルークがそう考えていると言うことは、やはりシガール製のお菓子には特殊な成分が含まれていると考えるのが妥当で、地球人が食べても何の副作用も起きないと言うのは、やっぱりなんか物足りない。
まあ、そこまでやると話がややこしくなるし、テーマがぼやけてしまうからね。
さて、ギルークとゾルテが仲良くお菓子を食べていると、急に雷鳴が轟き、空間ごとお菓子の家が消え、普通の森に戻ってしまう。

勇馬「あっ、メカだ!!」
ついで、勇馬たちの目の前を月面探査機みたいな形をした菓子製造ロボットが飛んでいくのが見えた。
勇馬「あのメカがお菓子の家を作っていたんだ、行くぞ!!」
勇馬、子供の手を引いて追いかけるが、ギルーク、ゾルテ、ブーバ、さらにはアハメス様まで加わった争奪戦となる。
ちなみに、ギルークにとってはシガール星の菓子は何の効力もなかったようで、ギルークは例によって、途中で別の空間に消えてしまう。

結局、菓子製造ロボットは勇馬たちの目の前に落下するが、
信二「あっ」
ここで本部から勇馬のブレスに通信が入る。
伊吹「大空、君たちが見たのはシガール星のお菓子だ、僅かに残っているガスの分析の結果、宇宙獣士ゾルテはそのお菓子の特殊な成分を恐ろしいガスに変えていることが分かった。すぐにそのメカを破壊しろ」
勇馬「は、はいっ」
だが、既に信二はメカを抱えて走り出していた。
勇馬も必死に追いかけ、公園に入ったところで反対側からさやかたちが来て、

さやか「待って!!」
信二「やだ、兄ちゃんに見せるんだ。お菓子の家を見せるんだ」
……
いやぁ、こんなお宝ショットが隠されていたとは、スルーしないで本当に良かった。
嬉しさのあまり似たような画像を二枚も貼ってしまったが、悔いはない。

疾風「そんなこと言ったってさ……」
駄々をこねる信二少年を説き伏せようとしていると、いきなりメカから煙が吹き出す。
疾風「ほら、これどう見たって故障してるぞ」
麻衣「そうよ、これ使い物になんないわっ」
信二「直せばいいじゃないか」
剣「それは悪いやつに利用されると恐ろしいことになるんだよ」
信二「イヤだ、絶対に兄ちゃんに見せるんだ!!」
どうしてもメカを離そうとしない信二少年に対し、

勇馬「分かったよ、信二君」
さやか「大空さん!!」
剣「大空、これは命令だぞ」
勝手に許可しようとする勇馬に仲間たちは反発するが、
勇馬「お菓子を作るメカなんて夢みたいなものが本当にあったんだ。こんな素敵な夢、俺たちだって見たいじゃないか。頼む、信二君の兄ちゃんに見せるまでは壊さないで、くれ!!」
自分で言ったように、5人の中では一番少年っぽい心を持つ勇馬、信二少年に代わって必死に頼み込み、ほんの少しの猶予を乞う。
しかし、「お菓子を作るメカ」って言うけど、店で売ってるお菓子は大体みんな工場の機械で作ってると思うんだけどね……
まあ、勇馬の言いたいことは分かるけど。
だが、剣が結論を出すより先に、ジャンゲランに乗ったアハメスが攻撃を仕掛けてくる。
6人はひとまず公園の滑り台の下に隠れるが、

剣「うっ」
剣、たまたま目の間にあった大きな石を両手で持ち上げると、

剣「よし、俺たちが囮になる!!」
うっかりそれを片手で持って懐にねじ込むと、抱くようにしてその場所から飛び出し、さやかたちもそれに続く。
アハメスが陽動作戦に引っ掛かってる間に急いでロボットを直そうとする勇馬であったが、
さすがに、それ、メカニックの仕事を舐めてないか? それじゃあ、眼鏡の手入れくらいしかできんだろうが。
それ以前に、遠く離れた惑星の、全く異なる文明で作られたメカが、JIS規格の工具でどうにかなると思ってる時点でスットコドッコイ確定である。
もっとも、勇馬が作業に取り掛かった途端、再びメカが爆発し、白い粉が噴出する。

信二「だいじょうぶ、大空さん? 壊れちゃったのかなぁ」
勇馬「ええ? ああ……」
コンピューター「電子頭脳回復」
信二「メカが喋った」
勇馬「ただのメカじゃない、ロボットだ、これ」
と、その衝撃で、内蔵されたコンピューターが起動する。
しかし、ゾルテガスの元になっていると思われるその粉を浴びて、お前ら平気なのか?
まあ、ゾルテの体内に入らない限り無害な物質なんだろうけど、なんとなく釈然としない。

コンピューター「そうだ、私はシガール星の菓子製造ロボットだ。世界中の子供にその子供たちが欲しいと念じるお菓子を作り出すことを使命としているのだ」
勇馬「夢を与えるメカって言う訳か」
コンピューター「地球へ来たとき、私はこの少年の願いを探知した」
信二「流れ星ってこのロボットだったのか」
コンピューター「そう、そしてあのお菓子の家を作った」
信二「もう一度作って」
コンピューター「駄目だ、さっきの墜落で壊れてしまった」
信二「なんだー、つまんないの」 勇馬(現代っ子!!) 夢を与えてくれたメカが壊れたと知るや、たちまち興味をなくしてしまう信二少年の身勝手さに戦慄する勇馬であった。
などとやってると、ブーバたちに見付かり、勇馬は信二少年を逃がすと、自分はロボットを抱いて反対方向へ逃げる。

勇馬「頼む、お前にもし心があるならば、地球の子供に夢を与えてやってくれ!!」
なんとなくタイミングがズレているような気もするのだが、勇馬はロボットに向かって叫ぶと、空目掛けて思いっきり投げ飛ばす。

アハメス「……」
で、それが目の前を飛んでいくのを、アハメス様が何もせずに見ているのが、かなりのツボであった。
この後、ラス殺陣&巨大ロボットバトルとなり、事件は解決する。
ラスト、夜の公園に信二少年と兄が、勇馬たちと一緒にやってくる。

信二「またお祈りしたからきっと来てくれると思うよ」
……
別に改めて言うことじゃないが、さやかタンのミニスカにロングブーツの組み合わせが、抱きつきたくなるほどの可愛らしさなのである!!
はっきり言って、戦隊シリーズのヒロインの私服コスの中では、最強ではあるまいか。
「ゴーグルファイブ」のミキも大概最強だが、遺憾ながらホットパンツ止まりだったからねえ。
「デンジマン」のあきらのパンツはいかにも見せパンと言う感じで醒めるし、「マスクマン」のモモコはスパッツ一択だし、「ライブマン」のめぐみは途中で半パンになっちゃうし、「フラッシュマン」は論外だし……
それはともかく、待つまでもなく、信二少年の予言通り、あのメカが再び彼らの前に飛来する。
ロボットは白い綿のようなのをたくさん降らせる。

兄「甘いぞ、本当の綿菓子だ」
疾風「ほんとだ」
麻衣「ああ、おいしーいっ」
それが綿飴だと知って、勇馬たちも競うように拾って口にする。

勇馬「そうか、これがシガール星の菓子製造ロボットに出来る精一杯のことなんだ。良かったなぁ」
兄「ははっ、綿菓子だって……だっせっ!!」 勇馬「贅沢言うなっ!!」 兄「へぶっ!!」
この弟にしてこの兄あり、遂に勇馬の怒りが鉄拳となって唸るのだったが、嘘である。
ただ、実際、普通に屋台で買えば済むことなのでは? と言う気がしなくはない。
スタッフは、それこそ雨のように綿菓子を降らす……みたいなことがしたかったのかもしれないが、飴で服がべたべたになるし、後片付けが大変だからね。
コンピューター「地球の皆さん、さよーならー」
ともあれ、最後の贈り物をして、ロボットは夜空に帰っていく。
うーん、あれだけダメージを受けて、まだ宇宙へ帰れるだけの機能や燃料があるのか、甚だしく疑問である。
それに、まさに飛んで火にいるなんとやらで、すぐゴズマに捕まりそうだが……

兄「信二、ありがとう、素敵な誕生日のプレゼントだぜ」
信二「お兄ちゃん、良かったね」
大人になったと言っても、気は優しい兄は、素直に弟の気持ちを受け取るのだった。
ま、そんなことはどうでも良くて、綿菓子を手にしているさやかタンが可愛いのである!!
さやかタンの浴衣姿、死ぬほど可愛かったであろうのう……

兄「俺、今日、年がひとつ増えたけど、いつまでも信二みたいな夢を持っていたいと思うぜ」
勇馬「生意気抜かすなっ!!」 兄「へぶっ!!」
調子に乗って大人びた台詞を放つ兄に、再び勇馬の怒りが爆発するが、嘘である。
ま、そんなことはどうでも良くて、背後に見切れているさやかタンが可愛いのである!!

ナレ「それはチェンジマンにとっても同じ思いであった、人はいつか夢を忘れて大人になる。だが、心のどこかに子供時代の夢は持ち続けたいものだ」
最後はいつになくしんみりしたナレーションで締め括られるが、そんなのはどうでも良くて、童心に帰って綿菓子を食べているさやかタンが可愛いのである!!
あと、剣がエクトプラズムを吐いてるようにも見える。
ま、正直、綿菓子ってそんなに美味いもんじゃないけどね……
以上、最初に書いたように、あってもなくても良いようなストーリーで、さやかタンのチラがなければ躊躇なくスルーしていたところである。
- 関連記事
-
スポンサーサイト