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「西部警察PART2」 第34話「トリック・ジャック」(前編)


 第34話「トリック・ジャック」(1983年2月6日)

 お久しぶりの「西部警察」のお時間です。

 今回管理人がこのエピソードを取り上げようと思った裏には、ある深遠な動機が隠されているのだが、ま、それは話を進めていくうちにおいおい分かってくるだろう。

 冒頭、北条と一兵が、屋根の上を走って逃げる容疑者を追いかけている。

 一兵は途中でゴミ捨て場に頭から突っ込んで轟沈するが、北条は見事に容疑者を捕まえ、手錠を掛ける。

 
 佐川「これでな、三日前の銀行強盗事件は解決だ。たいしたもんだ北条くん」
 北条「いやぁ」

 珍しく佐川係長が北条を褒めるが、一度も発砲しないで容疑者を捕まえたのだから、それも当然であろう。

 対照的にゴミまみれになった一兵はみんなからボロクソに言われる。

 
 一兵「大したもんだ」
 鳩村「大したもんだ、じゃないよ、先輩の一兵さんはゴミとお戯れになって……」
 一兵「そりゃないでしょ、鳩さん、僕だってね、全治一週間の打撲傷を負いながら一生懸命やったんですよ」
 沖田「寄るな、寄るな」

 スーツから悪臭を漂わせながら訴える一兵だったが、沖田は、ハンカチをマスク代わりに顔に巻いて、つれなく押し戻す。

 すっかりいじけてしまった一兵だったが、北条に今夜奢ると言われるや、プライドも何もかなぐり捨てて北条の手を握り締めてはしゃぐのだった。

 その夜、北条は約束どおり一兵を連れてスナック・セブンに繰り出し、手柄祝いを兼ねたどんちゃん騒ぎとなる。

 
 美代子「男は恋だから~♪」

 店でいつも同じ(しょうもない)歌を歌っている謎の女の子、美代子。

 こうして見るとなかなか可愛いが、

 
 北条「とぅあーっ!」

 肉体派刑事の北条の暑苦しい吠え顔が割り込んできて、目の保養の邪魔をする。

 別に発狂したのではなく、店の女の子たちに空手を教えているところなのである。

 そんなこたぁ、よそでやれ、よそで。

 翌日、飲み過ぎて寝坊してしまった北条が改札を抜けて署に急いでいると、紙袋を抱えた中年男性とぶつかってしまう。

 男性の様子に不審を抱いた北条はその場に留まって様子を窺っていたが、男性のところに駆け寄ったいかにも柄の悪そうな男が何も言わずに紙袋を奪ったのを見て、当然、その男を追いかけて紙袋を取り戻してやろうとする。

 だが、男は北条と揉み合った後、逃げようと車道に飛び出したところを突っ込んで来た車に撥ねられ、あえなく死亡。

 紙袋の中には大量の札束が入っていた。

 
 永松「なんてことを、なんてことをしてくれたんだ?」

 不可解なことに、さっきの中年男性は、北条に礼を言うどころか、いきなり胸倉を掴んで突っかかってくる。

 訳が分からず、北条が邪険にその体を振り払うと、

 
 永松「う、うう……」

 男性は金には目もくれず、その場にべったり腰を下ろして男泣きに泣き始める。

 自分が何かとんでもないヘマをしたのではないかと危惧する北条であったが、その予感は不幸にも的中する。

 もっとも、北条のお節介がなければ、後述する誘拐事件は解決せず、少女も助からなかったであろうから、結果から言えば怪我の功名であったのだが。

 なにしろひと一人死んでるので、中年男性は西部署に同行を求められるが、一切事情を話そうとしない。

 
 沖田「永松昭三氏50才、銀座宝石店・ジュエル永松社長、分かったのはそれだけです。後は口を開けば早く帰らせろの一点張りで……」
 北条「事故死した男なんですが、小村三郎、カツアゲの前科(まえ)がありました、チンピラです」

 北条は、その小村と言う男の死について責任がある筈だが、このドラマにおいてはチンピラに人権はないので、誰も気にしないのだった。

 そこへ鳩村たちが戻ってきて、永松には陽子と言う12才の娘がいて、しかも二日前から学校を休んでいるとの情報をもたらす。

 浜「大さん、するとこれは誘拐ってことですか」
 佐川「しかし、そんな届けは出とらんぞ」
 大門「恐らくこれは、犯人の脅迫に屈して警察には届けず、取り引きしようとした。そう見て間違いないな」

 
 永松「陽子!」
 沖田「永松さん、どうかほんとうのことを話してください、お嬢さんは誘拐された。そうですね」
 永松「はい……」

 誠実さが服を着て歩いているようなトモカズさんに娘の写真を見せられ、永松はやっと誘拐の事実を認める。

 沖田「どうして警察に知らせなかったんですか?」
 永松「娘を、陽子を殺すといわれたんです」
 沖田「しかし、ホシは事故死、お嬢さんはいまだ戻ってない」

 
 永松「そうしたのは誰なんだ? あんたがあんなことしなけりゃ陽子は今頃戻ってたんだ」
 北条「申し訳ありません」

 カッとなって北条を怒鳴りつける永松だったが、沖田の誠意ある説得に折れて、やっと娘が誘拐された時の様子を話してくれる。

 永松「三日前の朝です。いつものように私が車で陽子を学校に送る途中でした……」

 目の前に自転車に乗った男(小村)が突っ込んできてコケたので、慌てて車から飛び出すが、

 
 それは誘拐犯たちの仕掛けた策略で、待ち構えていた他の二人にまんまと娘を拉致されてしまう。

 陽子「お父さん、お父さん!」

 主犯格の風間を演じるのは、カー将軍の石橋雅史さん。

 
 永松「君たちは、一体何を……」
 風間「営利誘拐ってやつさ、売り値は3000万、おって指示する。金の勘定でもしながら電話機抱いて待ってろ」
 永松「……」
 風間「サツに行きたきゃ行け、その時は可愛い娘の死体、速達でてめえの店に送ってやる」

 風間はドスを利かせた声で永松を脅してから、風のように走り去ったという。

 
 永松「陽子は私の生き甲斐です、女房が死んで10年、私はあの子のためにだけ働いてきた、金なんかくれてやります、刑事さん、私はこの手であの子を取り戻したい。刑事さん、私を帰して下さい、頼みます」
 沖田「金を渡したからってお嬢さんが無事に戻ってくるという保証は何処にもありませんよ」

 涙ながらに訴える永松に対し、沖田が冷静に指摘するが、

 永松「刑事さん、頼みます、もう時間が、時間がないんです」
 北条「時間?」
 沖田「どういうことですか?」
 永松「あの子は、陽子は普通の体じゃないんです」
 沖田「普通の体じゃない?」
 永松「生まれつきあの子は腎臓が……陽子は腎不全なんです!」

 意外な事実を告げられ、思わず顔を見合わせる二人。

 念の為、鳩村と浜は、陽子の主治医に詳しい事情を聞きにいく。

 
 医者「確かに陽子ちゃんはうちの患者です。一週間に二度、うちで血液透析を行っています」
 鳩村「て言うことは、先生、万が一、その血液透析が行われない場合は?」
 医者「いや、それは極めて危険ですよ、腎臓が汚れた血液を濾過できませんからね。尿毒症を惹起してそのまま昏睡状態から死を招きます」

 
 鳩村「誘拐されたのは三日前、週に二回ある透析日の前日、て言うことはつまり、本来の透析の予定を今日で丸二日過ぎてるって訳です」
 浜「遅くともぎりぎり今日の夕方五時には透析を開始せんと危険だそうです」
 大門「……」

 二人の報告を聞いた大門は、反射的に腕時計を見る。

 現在午前11時半で、タイムリミットまで5時間半しか残されていない。

 大門は鳩村たちに小村の交友関係を調べさせる一方、沖田たちと一緒に逆探知装置を用意して永松家に張り込むことにする。

 ま、ほんとなら、永松が警察の介入を拒むのを大門が何とか説得する……みたいなシーンも必要なのだろうが、尺の関係か、省略されている。

 やがて主犯格の男から電話が掛かってくる。

 
 風間「あれほど言った筈だぜ、永松さんよ、サツに駆け込んだら娘を殺すとな」
 永松「ち、違う、あれは偶然だったんだ、私は警察なんかには何も言ってない、ほんとなんだ」
 風間「信じろってのか」
 永松「ほんとだ、そんなことよりも、陽子は無事か、あの子は普通の体じゃ……」
 風間「腎不全なんだろ、百も承知だい」
 永松「……」

 風間は永松の言葉を皆まで聞かず、突き放すように言う。

 そう、彼らは冷酷にも、陽子の病気のことを承知の上で誘拐したのだ。

 なんと言う卑劣漢であろう。

 ちなみに今回の話、part1にもそっくり同じよう話があったけど、その焼き直しだね。

 その時は、女の子じゃなくて、もっと小さい男の子だったと思うが。

 風間「郵便受けに娘がまだ生きてるって証拠を入れといた、よく見とけ」

 ともあれ、風間はそれだけ言うと電話を切る。

 沖田が周囲を気にしながら玄関から出て、郵便受けを見ると、確かに茶色い封筒が突っ込んであった。

 
 封筒の中には、一本のビデオテープ、それもベータが入っていた!

 犯罪者の癖に、画質に拘る誘拐犯たち……と言いたいところだが、当時はまだVHSとベータが激しく競争していた頃だからね。

 しかし、永松家にVHSデッキしかなかったらどうするつもりだったのだろう?

 沖田はそのテープにめちゃくちゃいやらしいことをされている陽子の姿が映っていたらどうしようかと期待心配するが、

 
 映っていたのは、ロープで縛られて転がされて苦しがっている陽子の姿が映っているだけだったので、残念安堵する沖田であった。

 
 永松「陽子!」

 だが、父親にしてみれば、この上なく残酷な映像であり、永松は自ら責め苦を受けているかのように顔を悲痛に歪ませる。

 と、頃合を見計らったように、再び犯人から電話が掛かる。

 
 風間「ビデオ見たかよ、お父さん?」
 永松「か、金は渡す、陽子を返してくれ」
 風間「……」

 風間は、しばしの沈黙の後、死んだ小村の香典として2000万上乗せした5000万を要求し、それを午後2時までに月島二丁目のレスポワールと言う喫茶店まで持ってくるよう指示するが、

 風間「なんならそこにいるデカにやらせてやってもいいぜ、永松さんよ」
 永松「な、何を言ってる、警察なんかには……」
 風間「とぼけるな、デカを出せ」
 大門「電話代わった、こちら西部署の大門だ」
 風間「こちらは犯人だ、よろしくな」
 大門「ふざけんな」
 風間「ふっふっふっ、仲間を殺した若いデカがいたな、奴に5000万持たせろ」
 大門「なにぃ?」
 風間「ガキデカに金を運ばせろといってるんだ」
 大門(面白いこと言う!)

 この事件が終わったら、北条のことをそう呼ぼうと心に決めた大門は、風間の不可解な指示を受け入れる。

 浜刑事は、仲間の仕返しに北条を殺すつもりなのではないかと怪しみ、沖田も不審を抱いて自分が行くと申し出るが、ヘマをしでかした刑事にはその手で責任を取らせる主義の大門は、犯人との約束どおり北条を身代金受け渡しの使者としてレスポワールへ送り込むのだった。

 もっとも、風間がわざわざ刑事を指名した理由は、番組の中でもはっきりしないままである。

 相手が刑事では牛原(後述)が逆に撃ち殺される可能性もあったのだから、ここは普通に永松にやらせるべきだったと思うのだが……

 それはともかく、北条は5000万のキャッシュを入れた紙袋を携え、問題の喫茶店にやってくるが、

 
 圭子「いらっしゃいませ」

 そこで働いていたウェイトレスの村野圭子(漢字は適当)を演じている人こそ、管理人の一押し、小林伊津子さんだったのである!

 どうやら管理人がこのエピソードを選んだのは、それが狙いだったようである。

 ちなみに小林さん、この半年以上前に、レギュラー出演していた「ゴーグルファイブ」を降板されているのだが、その後もこうやってドラマの仕事をされているのを見ると、管理人が勝手に想像したように、結婚でもして引退されたのではなく、別の理由による降板だったようである。

 北条、とりあえず窓際の席に陣取ると、ペンダントに仕込んだ隠しマイクのチェックなどしながら、犯人側のアクションを待つ。

 店の外には、西部署の誇るスーパーハイテク車両マシンRSが待機しており、店内の様子を油断なくモニターしている。

 ほどなく店に犯人からの電話が入り、4時に横浜の山下公園まで来いという新たな指示を出す。

 北条「おい、待ってくれ、あの子は5時までに透析しないと命が危ないんだ。もっと近い場所にしてくれよ」
 風間「横浜にも病院はあるさ」
 北条「おい、ふざけるな」
 風間「取り引きは4時、急げよデカさん」

 北条は何とか食い下がるが、相手はにべもなく電話を切る。

 やむなくマイクで沖田たちに連絡してから横浜に向かおうとした北条だったが、そこでいきなり銃声がしたかと思うと、

 
 ライフル銃を持った阿藤快が店に飛び込んでくる!

 ……

 あるよね、こういうこと!!(註・ねえよ)

 男……後に牛原と言う名前だと分かるが、男はまず店のマスターを撃ち殺すと、手当たり次第に発砲して店のインテリアを破壊する。

 北条が隙を見て飛び掛ろうとするが、逆に右足を撃たれてもんどりうつ。

 
 牛原「おらぁっ」
 圭子「ああっ、きゃあっ!」

 床に伏せていたところを、まるで猫のように襟首を掴まれて怯える圭子タンが可愛いのである!

 
 牛原「出て行け、このアマぶっ殺すぞ、おらぁ!」
 圭子「放して! いやーっ、ああーっ!」

 そこへ沖田たちが駆けつけるが、人質に銃を突き付けられては引き下がるしかなかった。

 まあ、牛原の持っているのは銃身の長いライフル銃であり、人質に突きつけるには不向きなので、三人が駆けつけたときに即座に撃っていれば簡単に人質を救出できていたのではないかと言う気もするが、そうするとストーリーが成立しなくなるので仕方あるまい。

 
 大門「喫茶店がジャックされた?」

 鳩村から報告を受けた大門の声に、刑事部屋に緊張が走る。

 
 いとしの美子タンも思わず振り返るが、今回の出番はこれだけ。

 
 一方、牛原は、そこに篭城するつもりなのか、圭子を脅して窓際にテーブルやソファを集めさせ、バリケードを築いていた。

 貴重な小林さんのヒップ映像であるが、こんな野暮ったいスカートでは立つものも立たない。

 
 やがて、応援のパトカーが集結し、大門軍団と共に店を包囲する。

 ちなみにこの喫茶店だが、無論、実際の店舗ではないと思うが、もとはマンションのガレージか何かだったのを、撮影用に改装しているのだろうか?

 左右の建物と比べると、そんな感じがするのだが、良く分からない。

 一方、沖田たちは、マシンRSのコンピューターと本部のデータとをリンクさせて、現場にいながら簡単に立て篭もり犯の身元を割り出す。

 牛原常次と言う男で、覚醒剤の常習者であった。

 そこへ、風間から署に確認の電話が掛かってくる。

 大門は正直に喫茶店ジャックの事実を告げて、運搬人の交代と取り引き場所の変更とを要求するが、風間は一切耳を貸そうとせず、くどいほど「4時に山下公園」と繰り返して電話を切る。

 予期せぬシャブ中男の乱入は、風間たちにとっても迷惑千万な筈なのに、風間は、相棒の塚原と言う男と顔を見合わせてニヤリと笑う。

 その後、課長室で首脳会議を開いている大門たち。

 
 佐川「よりによってこんなときに喫茶店ジャックだなんて参りました」
 大門「……」
 小暮「どうした団長?」
 大門「こりゃどうも、偶然じゃないような気がするんですがね」
 佐川「まさか、君、すると何か、シャブ中も誘拐の一味だとでも?」
 大門「確証はありません、が、しかし、連中は一度、金の受け取りに失敗してます。自分たちが捜査を開始したのを知りながら、要求を出してきました」
 小暮「しかもあえてデカを指名してきた。団長、これは挑戦だ」

 小暮っちは、犯人側が刑事を運び役に指名した理由をそう断じるのだが、風間の様子から見て、小村の死んだことなどこれっぽっちも気にしてないようだし、いちいちそんなことに拘るような粘着質の男には見えないので、あまり説得力はない。

 大門はまた、しつこく時間と場所を繰り返していた風間の物言いにも作為的なものを感じていた。

 
 大門「自分たちを横浜にひきつけようとしてる……そんな気がするんですが」
 小暮「大至急裏を取る必要があるな」
 大門「ゲンさんにやってもらいます」
 小暮「金は何とかする、神奈川県警にも応援頼もう」

 5000万もの大金を右から左に「何とか」してしまい、さらに所轄署の一介の捜査課長の分際で、他県の県警を動かしてしまうと言う、いつもながらの大物ぶりを見せ付ける小暮っちであった。

 大門「お願いします。自分は定時なんで帰ります
 小暮「……」

 じゃなくて、

 大門「お願いします。自分は喫茶店に行きます」

 後編に続く。
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コメント

発砲しない

今では発砲する方が珍しいですが、この世界の中では(西部警察)発砲するのは日常茶飯事のようですね😅

Re: 発砲しない

とりあえず撃つのがモットーですからね。

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zura1980

Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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