第24話「復しゅう鬼ジェロニモ!音もなく襲う!!」(1974年7月27日)
「復しゅう鬼」とあるから、以前に登場した怪人が蘇ったのか、あるいはその親族が仕返しに来るのかと思いきや、今回の怪人サソリジェロニモが、白人に迫害されたジェロニモ酋長の血を受け継いでいるからそう言ってるだけなのだった。
ま、終盤、実際にサソリジェロニモの息子のサソリジェロニモJrと言うのが出てくるんだけどね。
つまりサソリジェロニモJrは、復讐鬼サソリジェロニモの復讐のためにXライダーと戦う訳であり、ややこしいっ!!
勿論、この時点では、サソリジェロニモJr(要するにスーツの使いまわし)を登場させるなんてことをスタッフが考えていた訳ではないのだが。
前置きが長くなった。
冒頭、人気のない夜道をそこそこ綺麗なOL風の女性が歩いていると、いきなり目の前にサソリジェロニモが現れる。

サソリ「アワワワワッ!!」

女性「きゃあっ!!」
ゲストヒロインが今井美佐子さんじゃなかったら、ゲストを演じていてもおかしくないくらい(ちょっと褒め過ぎかな?)の美形被害者を演じるのは杉英子さん。
どっかで見たことあるんだが……?
サソリ「俺の力を見ろ!!」
慌てて反対方向へ走り出す英子(仮名)だったが、サソリの投げたトマホークが背中にぶっささり、パンツが見えてもおかしくない姿勢であえなく絶命する。
てっきり、その女性がRS装置の設計図の一部を所有しているか、所有している人の家族か関係者だから殺されたのかと思いきや、サソリは女性の死体には何の関心も抱かず、くるりと背を向けると、
サソリ「設計図は必ず手に入れやぁる!!」 英子「あたしゃ関係ねえのかよっ!!」 サソリ「えっ?」
無念のあまり、死んでるのに全力でツッコミを入れる英子であったが、嘘である。
もっとも、見ていた管理人が似たようなツッコミを入れたのは事実で、どうやら、単にデモンストレーションの為、いや、もっと言えば、単にそこにいたからと言う理由で殺されてしまったらしいのである。
不幸で仕方のない彼女の為に、合掌。
続いて、サソリ、たぶん、そこから遠くない場所にあると思われる、森の中の、南原博士の無人の屋敷に忍び込む。
南原の娘のリエがいる筈なのだが、もう親戚にでも引き取られたのだろうか?
書斎を引っ掻き回し、南原博士がRS装置を送った8人の仲間の名簿を探すが、見付からない。
でも、南原博士はGODに拉致されてRS装置を作り、そこから脱走中、咄嗟に思いついて信頼できる仲間8人に設計図の一部を郵送したのだから、あらかじめそんな名簿が書斎に存在している筈がなく、サソリのしていることはあまり意味がないように思える。

ライダー「探しても無駄だ、その8人の仲間の名簿はない。私も探したからな、用心深い南原博士、こんなこともあろうかと名簿を焼いたに違いない」
と、そこへXライダーがあらわれ、親切にも自分の調査結果を教えてくれる。
ただ、上記の理由から、はじめから名簿など存在しないのは明らかなので、ライダーの推理も間違っているのだが、結果としては同じことである。

サソリ「ふっ、その手に乗るか、先手を打って8人の名前と住所を貴様は手に入れたんだろう」
ライダー「嘘ではない」
サソリ「俺は白人に騙され、復讐の鬼となって白人どもを殺しまわったインディアンの大酋長ジェロニモの血が流れておる、やれーっ!!」
サソリジェロニモが、白人に騙されてひどい目に遭った経歴から、疑い深い性格に設定されているのは面白い。
が、そもそも、ジェロニモを悪人軍団にカウントするのは間違っているような気がする。
むしろ入れるべきは、ネイティブアメリカンから土地を奪って殺しまくった開拓者たちのほうであろう。
ともあれ小競り合いとなり、ライダーは屋敷から出て行き、サソリたちも追いかけて家の前に出てくるが、

サソリ「う、やられている」
見れば、見張りに立っていた(?)戦闘員たちが数人地面に倒れていた。
当然、ライダーはもう逃げたものと思われたが、
サソリ「戻ってきちゃったよーっ!!」 クルーザーに乗って再び突っ込んでくるライダーであった。
どうやら、バイク取りに行ってたらしい……
このグタグタした感じのオープニングの時点で、駄作の臭いがプンプンしやがるぜぇええっ!!
あと、サソリが投げた必殺のトマホークを、ライダーが、半分他のことに気を取られながらフツーに受け取るカットも、かなりの脱力感が漂います。
無論、まだ序盤なので決着はつかず、どちらもRS装置の設計図に関する手掛かりを得られないまま終わる。
翌日の喫茶店コル。

立花「やっぱりなかったか?」
敬介「ええ、博士のお葬式の時にもそれらしい人は見当たらなかった」
立花「うーん、この広い日本のどこかにいる8人の人たち、探すのは大変だぞ」
カウンター越しに深刻な顔を付き合わせているおやっさんと敬介。
でも、世界的な学者である南原博士の葬式に、それらしい参列者、つまり、設計図を送られてもおかしくない人物が一人もいなかったというのも、考えれば変な話である。
つーか、「それらしい人」かどうかが、なんで博士とは一面識もなかった敬介に判別できるんだ?

圭子「はい、正ちゃんおにぎり」
さて、皆様、大変長らくお待たせいたしました、ここで舞台変わって、本日のメインディッシュである矢沢圭子役の今井美佐子様がご登場あそばすのです!!
70年代の特撮クイーンと言うほどではないが、なかなかの美形で、なにより、そのいかにも健康的に育った膨らみのあるボディラインが、痩せてれば痩せてるほど良いと言うような嘆かわしい風潮の蔓延る現代から見ると、実に貴重な女優さんである。
なお、彼女、数ヶ月前に「タロウ」にもゲスト出演しているのだが、奇しくも、
南原隊員のお嫁さんになると言う話だった。

正一「サンキュウ、もう忘れ物ないかな?」
圭子「気をつけてね」
正一「丹沢なんてハイキングと同じさ。それにベテランの友田先生も一緒だしね」
で、その圭子お姉ちゃんからお弁当を貰った羨ましいお子様を演じるのが、このブログの常連の高橋仁さんである。
……にしても、ロングヘアーとミニスカとエプロンの組み合わせが、凶悪なまでの可愛らしさである!!
ほんと、こんなお嫁さんが欲しい……
ついでに、撮影時、どんなパンツを履いていたのか大変気になるなぁ。お尻全体を包み込むような白いコットンかなぁ。
あと、背後に飾ってある人物画、どっかで見たことあるような……
圭子、念のため、夏休みを利用してキャンプに行くらしい弟から予定を聞いておこうとするが、正一がスケジュール帳をめくっていると、その間から、細かく折り畳まれた紙が落ちる。

その紙こそ、敬介やGODが血眼になって探しているRS設計図の一部であった。

圭子「正ちゃん、この設計図は……」
正一「父さんに来た手紙の中にあったあれさ」
圭子「大事なものよ、なくしたら大変じゃないの」
正一「だからこうして持ってるんじゃないか」
いや、なんで父親宛の書類を息子が持ってるの?
彼らの父親は何処にいるの?
二人の口ぶりから、死んだ訳ではないようだが……
何の説明もないのが歯痒いが、たぶん、矢沢氏は外国にでも行って留守なのだろう。
……でも、父親宛の手紙を勝手に開けるか、普通?
うーん、まあ、緊急の用事かもしれないから、父親から開封しても構わないと言われていたのかもしれないが。
再びコル。

チコ「おはようございます!!」
敬介が難しい顔で考え込んでいると、白いミニスカが眩しいチコが元気良く入ってくる。
立花「マコは?」
敬介「病気?」
チコ「まさか」

チコ「生まれてから風邪ひとつ引かないのが自慢なのよ」
立花「じゃあズル休みってわけか」
チコ「ううん、なんでもおじいさんのお墓参りの日なんですって」
敬介「墓参り?」
敬介、何気ないチコの言葉に、あることを思いつく。
それにしても、相変わらずチコは可愛い!!
あと、普通にカウンターの前をフキンを取りに移動するだけで、パンツが見えそうになるミニスカ、最高です!!
しっかし、当時としてはトップクラスの美少女が二人もいるのに、コルの客の少なさは尋常じゃないよね。
よっぽどおやっさんの淹れるコーヒーが不味いのだろう。
続いて、南原の真新しい墓の前に手を合わせている圭子の映像となるが、その口から衝撃の事実が告げられる。

圭子「南原のおじ様、私の父宛のお手紙を見て驚きました。
でも、父は一週間前に亡くなったのです」
し、し、し、死んどったんかい!! これでさっきの手紙に関する疑問はクリアになったが、今度は、一週間前に父親が、それも事故で死んだばっかりだというのに、圭子や正一に全然落ち込んだ様子がないという、もっと凄い矛盾が生じてしまうことになる。
特に、正一なんか、父親が168時間前に死んだばかりだというのに、その悲しみを余裕で乗り越え、のうのうとキャンプに行こうとしている訳で、ほとんどサイコパスである。
ここは管理人が想像したように、外国に旅行に行ってることにしたほうが無難だったと思う。
それはともかく、話を続けよう。
圭子「お手紙にあったようにきっと、私と弟であの設計図の一枚はお守りします」
南原博士の霊に語りかける圭子であったが、良く考えたら、今日、初七日じゃないの? それなのに弟をキャンプに行かせて良いの?
もっとも、矢沢家が仏教徒ではなく、イスラム教徒と言う可能性もあるのだが……

と、背後に人の気配がしたので振り向くと、

そこに「しずる」の片割れみたいな顔をした住職らしい男が立っていた。
圭子は立ち上がると、笑顔でぺこりとお辞儀をする。

住職「うん、水を持ってきたよ」
圭子「どうもすいません」
住職「ああ、若いのにお墓参りとは感心なお嬢さんだな」
圭子「父の親友だったお方なの」(タメ口)
住職「ほお、何でもこのお方は偉い博士だったそうだが、お嬢さんのお父さんも科学者ですかな」
世間話と言う感じで、あれこれ言葉を交わす二人であったが、それを遠くから敬介が見ていた。
そう、マコが墓参りで休みと聞いて、南原博士の墓にも8人のうちの誰かがお参りに来るのではないかと網を張っていたのだ。
でも、墓参りに来るくらいなら、葬式にも来てそうなもんだけどね。
まあ、それこそ矢沢家は父親が事故死したばかりだったので、他人の葬式どころではなかったのかもしれない。
圭子は何事もなく寺を後にするが、それを楼門の上から見送る住職の台詞から、その正体がサソリであることが早くも分かってしまうが、これはまだ隠していたほうが良かったと思う。
一方、敬介は帰宅中の圭子の前に立ち、声を掛ける。

敬介「失礼ですが、南原博士のお知り合いですか?」
圭子「ええ」
敬介「お父さんはもしかしたら、博士と同じ科学者では?」
圭子「あなたはどうしてそんなことを知りたがるのです?」
敬介「南原博士に頼まれてぜひとも守らねばならない使命があるんです」
圭子「あたし、急いでます、失礼します」
だが、圭子は見ず知らずの敬介を警戒し、逃げるように行ってしまう。
この辺が風来坊(じゃないけど)ライダーの弱点で、情報を集めようとしても、しかるべき身分がないので、初対面の人間にはなかなか信用してもらえないのである。
敬介自身、圭子の後ろ姿を見ながら、
敬介「信用しろっていうほうが無理かな」
と、自嘲気味につぶやくくらいであった。
今更だけど、その点、ライダーの相棒にFBI捜査官の滝を配した「仮面ライダー」の設定は、実に素晴らしかったよね。
なお、この後、帰って行く敬介を住職が見ながら「神敬介、奴もあの墓を見張っていたのか」とつぶやくシーンがあるが、これも要らないよなぁ。

自宅に戻った圭子、部屋に入った途端、ギョッとする。
何故ならそこに、托鉢姿のお坊さんがいて何やら念仏を唱えていたからである。

圭子「あなたはお寺の?」
それでも、相手がさっきの住職と同一人物だと知ると警戒を解く。
いや、絶対解いたらあかんやろ。
勝手に部屋に上がりこんでる時点であぶねー奴確定なんだから。
でもまあ、今井美佐子さんが演じると、いかにも何不自由なくおっとりと育てられて、人を疑うことを知らないお嬢様と言う感じがして、悪くない。
住職「いただきたいのもがありましてな」
圭子「ああ、忘れてましたわ。お礼を差し上げるの」
住職、圭子の天然ボケ発言をスルーすると、

住職「南原博士から送られてきた紙切れ」
圭子「し、知りません、そんなもの」
住職「とぼけてもダメだ、調べは済んでいる」
圭子「……」
住職「お前の父は矢沢博士、南原の親友、8人の科学者の一人」
圭子「手紙にあった、設計図を狙うというのは?」
住職「俺だ、サソリジェロニモ」
住職、赤い煙を焚いてサソリジェロニモの姿になる。

圭子「ああーっ、助けてーっ!!」
サソリ「設計図の一枚は?」
圭子「し、知らない、あっ」
サソリ「うーん、しぶとい小娘が、命が惜しくないのか、喋れ、喋るのだ」
戦闘員に腕を取られ、無理やりベッドに座らされるミニスカ美女。
絶好のパンチラスポットになる筈であったが、何故か意味もなく部屋が暗くなってしまい、全人類が絶望の淵に叩き込まれる。
それにしても、何度も言うが、「悪の組織」の怪人はストイックだよね。
こんな美味しい状況を前にして、圭子のスカートをめくることさえしないのだから……
一体何が楽しみで生きているのだろう?
サソリ、その神聖なスカートの上に毒サソリを置くと、
サソリ「お前にとっては何の役にも立たない一枚の紙切れのために命がなくなっていいのか」
圭子「南原のおじ様の手紙に書いてあったわ、人類のために守ってくれって……渡すもんですか!!」
圭子、おっとりした雰囲気とは裏腹に、正義感溢れる気丈なところを見せ、断固サソリの脅しに屈しない。
やがて圭子の首筋まで登って来た毒サソリであったが、窓から突っ込まれたポールが払い落とす。
無論、Xライダーのライドルであった。

ライダー「サソリジェロニモ、坊主に化けたとは考えたな」
サソリ「うむ」
颯爽と圭子を守るライダーであったが、迂闊にも戦いの最中に再び圭子を連れ去られてしまう。
家を出た途端、山の中の、それこそ丹沢のような緑豊かな山の中の砂防ダムの上に移動しちゃうのが、昔の特撮ならではのテキトーなつなぎ。
ライダーもすぐ追いつき、
ライダー「待て、逃がさんぞ、サソリジェロニモ」
サソリ「馬鹿め、逃げられんのはXライダー、貴様だ」
ライダー、軽く戦闘員を片付けるが、

サソリ「Xライダー、この娘を死なしてもいいのか?」
圭子「私に構わないで、やっつけて」
サソリ「ええい、余計なことを言うな!!」
サソリジェロニモに捕まりながら、健気なことを言う圭子タン。
容姿、性格とも特撮のゲストヒロインとしては非の打ち所のないキャラクターである。
ま、ここまでは良いんだが、

サソリ、圭子の体を抱えながらライダーと対峙していたが、それ以上何の脅しも掛けず、

間合いを取りつつ立ち位置を変えたところで、
フツーに圭子が逃げ出してしまうのである!! おまけに、それについてライダーも怪人も一切反応を示さないというのが、今までのやりとりはなんだったんだと言う脱力感。
結局、勝負はつかず、ライダーは圭子を連れてその場から離脱する。
なお、その際、圭子がクルーザーのお尻におっきなお尻を乗せて去っていくのが小さく見えるが、ここはしっかり大きく映して欲しかったところだ。
CM後、喫茶店コルで、敬介たちと一緒にいる圭子タン。
店には、もう墓参りを済ませたのか、マコの姿もあった。

立花「博士のお墓を見張ったのは成功だったな」
マコ「あら、そのことだったら私にお礼を言ってよ、なんてったって私がヒントを上げたんですからね」
チコ「ヒントは私の言葉よ」
天井から見下ろした珍しいアングルだが、どうせなら真下から撮って欲しかったなって、管理人の知り合いが言ってました。
敬介、マコとチコの手柄争いに割って入ると、
敬介「それより、もう俺を信用してくれますか」
チコ&マコ「勿論よね!!」
立花「ちょっと、うるさいんだよ、お前たちは」
圭子「信じるわ」
敬介「じゃあ南原博士から送られた設計図は?」
圭子「弟の正一が持ってるの、今朝、丹沢に登山に行き……」
敬介「シッ!!」
圭子が言いかけるのを敬介が鋭く止め、天井に灰皿を投げつけると、いつの間にか天井に張り付いていたスパイサソリが落ちてくる。
敬介「盗聴用のサソリだ、今の話をサソリジェロニモに聞かれてしまった」

圭子「弟は、弟は?」
敬介「必ず守って無事にお連れします」
いやぁ、太くて白くていかにも美味しそうな生腕ですねえ。
丘野さんのようなスレンダータイプも良いけど、個人的にはこういう肉付きのいいほうが好きだなぁ(知るかハゲ)
その後、ライダーが戦っていたところと大差のない砂防ダム下の河原で正一たちが休んでいると、

インディアンを引き連れたサソリジェロニモがあらわれる。
サソリ「矢沢正一はどいつだ、言え、言うんだ」
友田「矢沢君に何の用だ?」
インディアンのひとりがいきなり矢を放ち、友田先生の腕に命中させる。

友田「うっ」
正一「矢沢正一は僕だ、先生になんてことをするんだーっ?」
サソリ「お前が持っている設計図の一枚を渡すんだ」
正一「設計図なんて知らない、そんなものは」
サソリ「お前の姉の圭子に聞いたのだ、隠しても無駄だ」
詳しい事情を知らない友田先生、子供たちの命には換えられないと正一に渡すよう頼み、正一もやむなく設計図を取り出すが、そこへやっとライダーが駆けつける。
ライダー「先生、この先に山小屋がある、みんなを連れてその中に」
友田「分かった、さあ行こう」
ライダー、一行を脱出させるが、彼らが山小屋に着くと、沢井と言う少年の姿がなかった。
友田先生は沢井を探しに小屋を出るが、
沢井「矢沢と一緒にいたら殺される、イヤだ、殺されるなんて」
沢井は自分の意思で仲間から別行動を取っていたことが分かる。
サソリ「そうか、死ぬのはイヤか?」
その沢井をサソリジェロニモが見付けたので、てっきり、ヘタレの沢井を抱き込んで正一から設計図を奪って来いとか命令するのかと思いきや、単に友田先生と一緒に捕まえて人質にするだけなのだった。チーン。
書くのを忘れていたが、今回のシナリオ、伊上さんにしては突っ込みどころが異様に多い。
なんて言うか、自分で考えた設定を、自分でご破算にしてるような?
部分的には評価できる箇所もあるだけに、惜しい。
この後、正一が「僕たちも探しに行こう」と仲間に発破をかけるのだが、
仲間「うーん」
命惜しさに腰を上げようとしない仲間たち。
ところが、
正一「探しに行こう!!」
仲間「行こう!!」 正一(行くんかいっ!!) もう一度正一に強く言われると、何事もなかったように元気に立ち上がるのも、かなりのトホホである。
もっとも、彼らが出掛けるより先にライダーが駆けつけ、さらに、小屋の外にサソリたちがやってくる。

友田「助けてくれーっ!!」
ライダー「その少年は矢沢正一君ではない、放してやれ」
サソリ「俺の本当の目的は南原博士の設計図だ、設計図を渡さなければ、この小僧も、先生も殺す!!」
サソリジェロニモの脅し文句に、
ライダー(悪の怪人が、『先生』って……) 思わず吹きそうになったライダーだったが、なんとか我慢する。
じゃなくて、
ライダー「卑怯な」
サソリ、5秒以内に渡さないと二人を殺すとカウントダウンを始めるが、ライダーが何の関心もなさそうにただ見上げているだけと言うのがひどい。
ひょっとして、設計図さえ守れれば、教師や子供の一人二人死んでも構わないと思っていたのではあるまいな?

正一「殺すなら僕を殺せ、設計図を持ってるのは僕だーっ!!」
と、ここで正一自身が小屋から飛び出してきて、大声でアピールする。
サソリ「Xライダー、その設計図を渡せ」
ライダー「奴は目的のために手段を選ばない、君の勇気には感心した、しかし、設計図を渡すしか方法はない」 正一「Xライダー!!」
このライダーの台詞も、微妙に噛み合ってないと言うか……
「君の勇気には感心した」→but→「設計図を渡す」 となるのだが、正一、最初から設計図渡す気マンマンやったやん。
だから、少なくともこの会話に関しては、
「君の勇気には感心した」→but→「設計図を渡すに訳には行かない」 でなければならないのではあるまいか。
ともあれ、ライダーとサソリは、特撮ではかなり珍しいことに、無事に人質と設計図の交換を完了させる。
その後、サソリがライダーに襲い掛かるのだが、別にこれは約束に反した行為ではなく、なんら問題ない。
続いて、戦闘員たちが正一たちの隠れている山小屋に、四方八方から火矢を射掛ける。

ライダー「また同じ手を」
サソリ「Xライダーの泣き所だな、正義と平和を守る奴が罪もない人間を目の前で殺させて良いのかな?」
ライダー「卑怯なやつめ」
サソリ「今分かったか?」
この辺の会話はさすが伊上さんと言う感じだが、「同じ手」って、前にもこんなことやりましったっけ?
で、ここからの展開がまた膝カックンで、

ライダー「クルーザー!!」
ライダー、いきなり右手を上げてクルーザーを呼ぶ。

と、向こうから無人のクルーザーが突っ込んで来たので、周りにいる戦闘員でも蹴散らすのかと思いきや、ライダー、ジャンプしてクルーザーにまたがると、また山小屋の前に戻ってきて、

戸を開けてみんなを出すと、
ライダー「逃げろ、あっちに逃げるんだ」 正一(クルーザー関係ねえのかよっ!!) 直前の行動と、ほぼ関係のない指示を与えて逃がすのだった。
いや、周りには矢を持った戦闘員がたくさんいるのだから、めっちゃ危ないのでは?
せめてクルーザーでぐるっと回って戦闘員を全滅させてから逃がして欲しかった。
あれやこれやで、いつものラス殺陣となるが、

実際に山小屋を燃やしながらバトルするのが多少目を引くくらいで、特に書くべきことはない。
サソリジェロニモは倒されるが、カブト虫ルパンによって正一の持っていた設計図はまんまとGODに奪われる。
このように、全部ライダー側が取るんじゃなくて、たまに悪人側が取るのは面白いよね。
もっとも、これ以降は、ほぼライダーの独り占めが続いたと思うが……
以上、ストーリーは無味乾燥、おまけに突っ込みどころだらけと言う、伊上さんらしからぬシナリオで、管理人的には今井美佐子さんの可愛らしさを満喫できる以外に価値のないエピソードであった。
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