第35話「消えた嵐?妖怪集団が狙う!!」(1972年12月1日)
前回の続きから、姫路城近くのお寺に誘い込まれて罠に掛かり、体の自由を奪われたところを、ゴーレム、ドラキュラ、フランケン、狼男の西洋妖怪軍団に一方的に痛めつけられている嵐。

ドラキュラ「ようし、血を吸う前に忍者大秘巻を取ってやる。おお、これだ」
ゴーレム「おお、これで忍者大秘巻、天地二巻が揃った。うっふっふっふっ、後はお前たちに任すぞ」
前回のラストでは、ドラキュラがもう辛抱たまらなくなったように倒れている嵐の首筋に齧り付いて血を吸っていたが、今回は、その前に嵐の体をまさぐり、地の巻を奪ってゴーレムに渡している。
ゴーレムが悪魔道人に地の巻を届けに行った後、改めて嵐の血を吸おうとするドラキュラだったが、そこへ駆けつけたのが嵐の盟友・月ノ輪であった。
しかし、「嵐」の後半は、困ったらとりあえず月ノ輪が助けに来てくれるというパターンが多過ぎて、見てるほうも、嵐がピンチになってもあんまりハラハラ出来ないんだよね。

月ノ輪「しっかりするのだ、嵐、さ、早く、忍者大秘巻を取り戻せ!」
ま、それは良いんだけど、嵐の力を奪う筈のネットを被ったまま、嵐が立ち上がってゴーレムを追いかけるのは、ちょっとどうかと思う。
ドラキュラ「くそう、出たな、月ノ輪、今度こそ貴様も一緒に殺してやる!」
その後、お寺の外に場所を移し、タツマキも加わっての乱戦となる。
一方、嵐はゴーレムに追いついて簡単に地の巻を取り戻すが、ゴーレムと抱き合ったまま崖から落ち、爆発に巻き込まれる。
いや、ショッカーの怪人じゃないんだから、崖から落ちたからって爆発するのはどうかと思う。
悪魔道人「嵐は死んだーっ! 月ノ輪なんかに構わずに戻って来い」
ドラキュラ「道人様!」
月ノ輪「なんだとっ?」
月ノ輪たちと戦っていたドラキュラは、悪魔道人の命令を受けるや、パッと姿を消す。
月ノ輪「まさか、嵐が? タツマキ!」
タツマキ「はっ」
月ノ輪の指示を受け、タツマキは嵐の安否を確かめに走り出す。
タツマキとツムジが嵐の落ちた崖下まで降りて嵐を捜すが、影も形も見えない。
と、大地が揺れ動いたかと思うと、彼らの目の前に大魔神像が忽然とあらわれる。

ツムジ「出た、大魔神像だ」
タツマキ「いかん、ひとまず隠れるんじゃ」
タツマキはツムジの手を引いて後方に移動するのだが、

それが全然隠れたことになってないのは、ちょっとどうかと思う。
まあ、なにしろそこは採石場だから、身を隠す場所なんてないのだ。
さいわい、悪魔道人はタツマキたちには気付かず、

悪魔道人「蘇りし悪魔の弟子よ、嵐の死骸を探せ、そして奴の持つ忍者大秘巻・地の巻を奪い取るのじゃ~っ!」
いつものように、何もそんなに力まなくても……と言いたくなるほど顔を強張らせ、ハラワタから絞り出すような声でドラキュラたちに命じていた。
三人の妖怪は崖下に瞬間移動してくると、地面を掘り返して嵐の死体の捜索を行うが、タツマキたちだけではどう足掻いても勝ち目はないので、物陰から黙って見ているしかなかった。
やがて狼男が地中から出ている足を発見するが、それは嵐ではなくゴーレムのものだった。

ドラキュラ「おお、これはゴーレム! 嵐にやられたのか」
フランケン「ゴーレムよ、元の土に戻るのだ」
なかなか仲間思いの彼らはゴーレムの姿勢を整えてやり、フランケンが印を結ぶと、ゴーレムの体は完全にただの土になって、地面と一体化する。
しかし、前回は何度も倒されて土になりながら、そのたびに復活していたのに、特に嵐の技を受けたわけでもないのに、崖から落ちただけで死んでしまうと言うのは、なんか納得行かない最期であった。
ドラキュラ「ゴーレムは死んだ、だが嵐は?」
狼男「おい、血の臭いだ」
と、狼男が嵐の残して行った血を嗅ぎつけ、三人はそれを辿って走り去る。
そう言えば、ドラキュラ、狼男、フランケンの組み合わせって、もろに「怪物くん」の妖怪トリオだよね。
ま、一番ポピュラーな西洋の妖怪(?)だから、被っても不思議はないが。
ツムジ「どうしよう?」
タツマキ「どうにもこうにも、お前とワシだけじゃ手も足もでんわい」
そこでタツマキは、使い鳩を放って、弱い、へぼい、使えないの三拍子揃った伊賀の仲間たちに応援を求めることにする。
二人がいなくなった後、空から奇妙な壷が降りてきて、

グレムリン「聞いたぞ、嵐が生きていれぱ、必ず連絡する筈だ」
その中から、なんとも形容しがたい、不気味な顔をした怪人があらわれる。
西洋妖怪グレムリンである。
これだけでは分からないが、グレムリンは子供ほどの背丈であり、演じているのは空飛小助と言う、いわゆる「こびと」が演じている。声は声優が吹き替えてるけどね。
そう言えば、シャイダーの2話でも可愛坊也と言う「こびと」が怪人を演じていたが、今ではこういうキャスティングって無理なんだろうなぁ。

さて、ここに、柴木などを積んだ荷車を引いている親子がいた。

と、その前方からピンク色の煙が吹いてきたかと思うと、

すぐ目の前に、おれたちゃ妖怪三人組があらわれる。

父親「ああっ」
ふゆ「……」
そしてこの怯える美少女ふゆを演じている人こそ、管理人が勝手に、「嵐」の三大ロリロリ美少女と呼んでいる植田多華子さんなのである!
ちなみに他の二人は37話の西崎みどりさんと、40話の広瀬隆子さんである。

ドラキュラ「おい、このあたりに怪我人を見なかったか?」
父親「な、な、な、なんにも……」
いやぁ、ほんと可愛い。
小鹿のような……と言う形容があるが、まさにぴったり当て嵌まるリアル・バンビ少女である。

狼男「おい、ほんとに見ないのか?」
ふゆ「は、はいっ」
フランケンは念の為、刀で柴木の中を何度も突き刺すが、何の手応えもない。
ただ、このシーン、刀が刺さると同時にその中にいるハヤテの姿も見せてしまうのが、種明かしが早過ぎて、ちょっと勿体無い。
運の良いことに、刀はすべてハヤテの体をそれ、ハヤテは九死に一生を得る。

ドラキュラ「いないらしい」
狼男「奴は間違いなく怪我をしている。遠くにいけない筈だ」
フランケン「今一度探そう、ゴーッ!」
三人は刀を手に、三者三様の構えを取って再び姿を消す。
行きがけの駄賃にこの親子を殺そうとしないあたり、なかなか紳士的な連中であった。
しかし、ドラキュラと狼男とフランケンが日本刀を持ってる図……なんて、ちょっと他では見られないシチュエーションである。

父親「あっ、い、いない」

ふゆ「父さん!」
父親「ああ、危ないところじゃったよ」
怪我人を匿っていることがバレずに済み、ホッと胸を撫で下ろす二人であった。

父親「あっ」
ふゆ「早くお医者さまに診せないと……」
二人が思い出したように柴木……と言うより、藁のようだが……を掻き分けると、その下から意識朦朧としているハヤテの顔が覗く。
その手にはしっかりと地の巻が握られていた。
ハヤテ「あ、ああ、タツマキ、ツムジ、地の巻を……」
ハヤテ、瀕死の状態であの場所から逃げ出し、たまたま通り掛かったこの親子に助けられたのだろう。
CM後、タツマキからの知らせを受けて、三人の伊賀忍者が姫路城下にやってくる。
だが、彼らがタツマキに会うより先に、例の壷が飛んできたかと思うと、ヨーデルのような奇妙な音楽をバックに、妖怪グレムリンがあらわれ、立ちはだかる。

グレムリン「お前たちはここで死ぬのさ、ふぇっへへへへへっ……」
で、それを見た、弱い、へぼい、意気地なしの伊賀忍者たちの反応だが、
伊賀忍者「なんだ、小僧か、はっはっ、引っ込め、引っ込め、小僧の出る幕か」 と、まるで普通の子供にでも会ったように、にこやかに応じるのは、ちょっとどうかと思う。
今回、ちょっとどうかと思うようなことばかりである。
だって、いくらナリが小さくても、その顔はどう見ても怪物なんだから、もっと緊迫した態度になってしかるべきだろう。
グレムリン「小僧、小僧と気安く呼ぶな、ヨーロッパはアルプスの麓からやってきた、妖怪グレムリン様だぞ、さあて、ぼちぼち料理に掛かるか」

伊賀忍者「なんだと?」
グレムリン「グレムリン様の眠り笛」
伊賀忍者「なんだ、この煙は?」
グレムリン「眠れ、眠れ、再び目の醒めることなく……」
伊賀忍者「し、痺れる」
グレムリンが白い角笛を吹くと、忍者たちの足元から煙が吹き出し、それを吸った忍者たちはあえなくその場に倒れ、死亡する。
……
噂にたがわぬ破格の弱さである。
あと、前回ハヤテは「忍者はどんな毒物にも耐えられる訓練をしている」とか豪語してたけど、この人たちは忍者のうちに入らないのかしら?
まあ、この場合は、煙だけじゃなく、角笛の音も作用したのだろうが、それにしても……
グレムリン「ふぇふぇふぇふぇ、おい、みんな出て来い」
グレムリンが何もない空間に向かって呼びかけると、

目の前に、ドラキュラたちが出現する。

グレムリン「さあ、用意してやったぞ」
ドラキュラ「何もこんなことをせずとも」
狼男「俺たちの力で嵐を探せるわい」
ドラキュラたちはグレムリンの手の込んだお膳立てに不満を鳴らすが、

グレムリン「黙れ、悪魔道人様のお情けで生き返れたのだ、それもグレムリンが頼んでやったからだ。俺の命令が聞けないなら!」
ドラキュラ「おーっ、ちょっちょっ……」
グレムリンが角笛を吹こうとするのを見て、慌てて止める。
この三人組、だんだんダチョウ倶楽部に見えてきた……
でも、グレムリンの台詞では、あくまで三人を蘇らせたのは悪魔道人の力によるものらしいのに、グレムリンの角笛に彼らが怯えて見せるのは、なんか変である。
まあ、グレムリンの角笛には、生き返った三人を永遠に眠らせる力があったということなのかもしれないが、ここは、悪魔道人の命令で、グレムリンが(角笛の魔力で)三人を復活させた、と言うようにした方がスッキリしたと思う。
フランケン「待ってくれ、グレムリン、お前の命令を聞く」
グレムリン「ふん、二度と口答えをするな、バカモノ」
グレムリンは三人に威張り散らしてから、壷の中に戻る。

ドラキュラ「ちくしょう、グレムリンの奴、良い気になりやがって!」
「あら、やだ、奥さん!」などと言ってるみたいに右手を動かし、忌々しげにつぶやくドラキュラ。
どうでもいいけど、ドラキュラが
「ちくしょう」って言うの、初めて聞いたぞ……
ドラキュラ「おい、伊賀忍者に化けるんだ」
三人は伊賀忍者たちの死体を足でひっくり返すが、それから具体的に何をしたのか不明である。
その死体に乗り移ったのか、それとも、彼らの顔を盗んでそっくりに化けたのか……後に一瞬で伊賀忍者が妖怪に変化しているから、おそらく後者だろう。

その後、宿に戻ってきたタツマキとツムジの前に、天井から三人の伊賀忍者が降りてくる。
無論、ドラキュラたちの化けたニセモノである。
タツマキ「待っていたぞ」
伊賀忍者「で、早速だが、手伝って欲しい仕事とは」
タツマキ「人探しじゃ、お前たちも知ってる嵐殿が行方不明なんじゃ」
伊賀忍者「よし、姫路の城下を探し回ろう」
それがニセモノとも知らず、タツマキはツムジを部屋に残して、彼らと共に探索に出る。
しかし、ドラキュラたちが伊賀忍者に成り済ますというこの作戦だが、手間隙掛けた割に、終わってみれば特に意味がなかったように思う。
あと、前回はニセ嵐に気付かず、今回はニセ伊賀忍者に気付かないタツマキが、アホに見えてしょうがない。
さて、留守番を任されたツムジが、畳の上に大の字になって寝ていると、何処からか、見たことのない壷が降って来る。

ツムジ「うん、珍しい壷だなぁ……」
ツムジが壷を物珍しそうに見詰めていると、何者かが廊下をやってくる気配があった。
ツムジ「誰だ?」
ツムジが語気鋭く誰何するが、

ふゆ「あら、あなたがツムジさんね?」
襖を開けてにこやかな笑みを覗かせたのは、意外にもふゆであった。
ツムジ「ど、どうして俺の名前を? まさか、西洋妖怪? 魔女なんかじゃないだろうね」
ふゆ「いやねえ、魔女だなんて、実はある人に頼まれたのよ」
ツムジ「ある人? 誰だい」
ふゆ「ハヤテさん」
ツムジ「ハヤテさん、無事なんだね? 何処にいるんだい?」

ふゆ「城下外れの私の家よ。でもハヤテさん、怪我をしてるわ」
ああ、かわええ……
なんか、見てるだけで薄汚れた心が清められていくような素朴な美しさである。
ツムジはふゆと一緒に彼女の住まいへ向かうが、二人の会話が壷の中のグレムリンに聴かれていたのは言うまでもない。

ツムジ「ハヤテさん、ツムジだよ、しっかりしてくれよ」
ふゆ「お医者さまはすぐ良くなるって」
父親「安心するがいいだ」
ツムジはふゆの家でハヤテと再会を果たすが、ハヤテは昏々と眠っており、ツムジがいくら呼びかけても反応しない。
ツムジ「どうもありがとう、そうだ、おやじたちにハヤテさんの無事を知らせなくっちゃ」
ツムジは居住まいを正して二人に礼を言うと、慌ただしく部屋を出て行く。

ふゆ「まあまあ、忙しい坊やね」
父親「はっはっはっはっ……」
ああ、かわええ……
ツムジよりは明らかに年上だが、カスミと同じくらいだとすると、中学1年くらいだろうか?
和やかに笑っていた父親だったが、ふと、隣の板の間に見たことのない壷が置いてあるのに気付き、怪訝な顔で娘に聞く。

父親「うちにあんな壷あったかな?」
ふゆ「変ね、見るのは初めてよ」
二人が不思議がっていると、壷の中からグレムリンがあらわれ、怯える二人に角笛を聞かせてたちどころに眠らせる。

グレムリン「さすがのハヤテも手も足も出まい。あったぞ、大秘巻、これさえあれば、姫路城を占領できる」
グレムリン、眠っているハヤテの懐を探り、念願の地の巻を手に入れ、角笛の中に差し込む。
ついでにハヤテの息の根を止めようとするが、ハヤテは急に起き上がって天井に張り付く。
しかし、目が覚めていたのなら、なんでむざむざ地の巻を取らせたのだろう? それとも、殺される間際になって、偶然、目が覚めたと言うことなのだろうか?
ハヤテ「俺はまだ死ぬわけにはいかん!」
グレムリン「ハヤテめ、地の巻は貰ったぞ」
グレムリン、壷の中に戻ると、ヨーロレヒーなどと歌いながら優雅に宙を舞い、離れたところで実体化するが、
嵐「グレムリン、嵐見参!」
グレムリン「嵐めぇっ」
嵐「行くぞ、とぉっりゃっ!」
早くも嵐に変身したハヤテに追いつかれ、スタコラサッサと逃げ出す。
その反対側から、タツマキ、ツムジ、それと伊賀忍者三人がやってきて、前後から挟み撃ちにするが、

ドラキュラ「ふっふっふっふっ」
タツマキ「お前たちは?」
このタイミングで、伊賀忍者たちが本来の姿に変わり、タツマキとツムジの身柄を押さえる。
グレムリン「伊賀忍者の三人はあの世にとうの昔に行っている、万が一を考えて、タツマキに近付けた俺の仲間よ」
嵐「タツマキ、ツムジ!」
このまま、タツマキとツムジを人質にとり、嵐の動きを制する……のなら、グレムリンの作戦にも意味があったのだが、何故かグレムリンは、嵐を脅すことなくさっさとその場から走り出し、しかも、嵐は二人を見捨ててグレムリンを追いかけてしまうのである。

ドラキュラ(あれ……?)
狼男(あれ……?)
フランケン(あれ……?)
この、ポツンとその場に取り残されたドラキュラたちの姿が、かなりの爆笑ポイントである。
ドラキュラたちもやっと我に返り、タツマキたちに当身を食らわしてから、グレムリンの加勢に向かう。
この後、墓地を舞台に、4妖怪と嵐、月ノ輪とが入り乱れての乱戦になるが、大して時間も経ってないのに、当身を食らったはずのタツマキとツムジが復活してやってくる。
なんだかなぁ。
ともあれ、グレムリンの魔力の源が、あの角笛にあることを見抜いた月ノ輪は、それを奪ってツムジに投げて寄越し、笛を吹くよう指示する。

ま、これも、魔力を持たない人間が吹いても意味がないような気もするし、そもそも角笛の中には地の巻が差し込んであったんじゃなかったっけ?

ドラキュラ「ああ、眠いっ」
ともあれ、ツムジの吹く笛の音を聞くや、ドラキュラは猛烈な眠気を感じて動きを止め、無防備の状態となる。
うーん、妖怪が吹くと人間が眠くなり、人間が吹くと妖怪が眠くなるように出来ているのだろうか?
なんか釈然としないなぁ。
今回のシナリオ、釈然としないことばっかりである。
嵐「よし、いまだ!」 ドラキュラ「ぐわーっ!」
そして嵐は、情け容赦なく、無抵抗のドラキュラを斬り殺してしまうのだった。
殺し合いに卑怯もクソもないとは言え、ひでーヒーローだなぁ。
「よし、いまだ!」じゃねえよ。
あと、ドラキュラは眠たくなったのに、狼男とフランケンは平気な顔してるのも???である。
その二人も嵐に斬られ、あえなく死亡。
グレムリンは壷の中に入って空を飛んで逃げようとするが、そうはさせじと嵐がジャンプして壷を真っ二つにたたっ斬る。

壷から出たグレムリン、一見無事のようであったが、

嵐に背を向けて走り出そうとした瞬間、

壷と同じく、その体も真っ二つに割れて、理科室の人体模型標本のような無残な切り口を見せつつ倒れ、絶命するのだった。
これもちょっとやり過ぎだよね。
グレムリン、「こびと」が演じてるせいもあるが、ヒーローと一度もまともに戦わずに殺された、珍しい怪人であった。
地の巻も無事取り戻し、姫路城下を舞台に繰り広げられた悪魔道人の策謀はことごとく叩き潰される。

悪魔道人「ええい、今一歩のところで、地の巻を取り損なったか!」
相変わらず、必要以上に力んで悔しがる悪魔道人さん。

悪魔道人「
だが負けはせぬ、この悪魔道人、必ず天地二巻をこの手に握るぞぉっ! ……あっ、ウンコ出ちゃった」
気張るのもいいけど、ほどほどにね!
ラスト、改めて、白鷺城と言う別名そのままに、白く気高く美しく聳え立つ姫路城の城郭を見上げているハヤテたち。
ツムジ「ほら、あんなにお城が輝いてる」
タツマキ「あの城を危なく悪魔道人に取られるところじゃったわい」
と、遠くからハヤテの名を呼ぶふゆの声が聞こえてくる。
ハヤテ「あの人たちの平和がいつまでも続くようにみんなで祈ろう」

父親と一緒に城下を後にするハヤテたちに手を振って別れを告げるふゆちゃん。
いやぁ、くどいようだが、ほんと可愛い。
自分の知る限り、出演作がこれ一本だけと言うのが実に勿体無い。
しかし、ハヤテたちはこれにて一件落着ってな顔してるけど、よくよく考えたら、ニセ嵐による藩士殺害の一件は、実は全然解決しておらず、ハヤテは引き続き殺人犯として姫路藩から追われる立場にあるのではなかろうか。
家老たちも、ゴーレムに全員殺されてしまったようだから、西洋妖怪の仕業などと証言してくれるものはひとりもいない筈だし……
あと、伊賀忍者たちも、ふゆ親子も、同じグレムリンの術によって眠らされているのだが、屈強な筈の伊賀忍者がそれだけで死に、一般市民であるふゆたちが平然と生きていると言うのは、なんか釈然としない。
ま、彼ら、意外と紳士的だから、関係のないふゆたちまで殺す気にはなれなかったのだろうか?
あるいは、伊賀忍者たちも眠っただけで死んではおらず、あの後、ドラキュラたちに改めて殺されたのだろうか?
以上、前回に比べれば多少マシだが、突っ込みどころが多く、グレムリンのキャラと、ふゆさんの存在しか価値のない凡作であった。

と言う訳で、最後に、予告編だけに出てくる、飛び切り可愛いふゆさんの画像を貼ってお開きとしよう。
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