第25話「謎の怪盗カブト虫ルパン!!」(1974年8月3日)
今回も冒頭、RS装置および設計図についての説明がされるが、確か最初は「あらゆる物質をエネルギーに変換する」とか言う仕組みだった筈が、ここではいつの間にか「世界中の物質のエネルギーを消す」に変わっている。
それを踏まえて、本編の始まりである。
堂本理論物理学研究所と言う研究所の庭で、タカシとノリオと言う二人の子供が野球をして遊んでいたが、そのうち、ボールが建物の窓ガラスを突き破ってしまう。

タカシ「しまった」
ノリオ「ごめんなさーい」
ほどなく、ボールを手に白髪の、いかにも怖そうな老人が顔を出したので二人とも小さくなって謝るが、
堂本「なに、良いんだよ、それより君たち、ちょっと入っておいで、いいものをあげよう」
ノリオ「ほんとーっ?」
あっさり許してくれたばかりか、逆に屋敷の中に招かれる。
何しろビンボーでビンボーで仕方のない二人は、「いいもの」と聞くや、何の疑いも持たずにその招きに応じる。
ちなみに手前のノリオ少年を演じるのは、少し前まで放送されていた「キカイダー01」に出ていた五島義秀さんである。

堂本「さあ、遠慮なくおあがり」
客間に通し、飲み物やお菓子をすすめるが、さすがに二人とも遠慮して畏まっている。
堂本博士を演じるのは、大ベテランの佐々木孝丸さん。
なにしろ19世紀生まれなんだから、年季が違うのである。
堂本「名前はなんて言うの」
ノリオ「僕、ノリオ」
タカシ「タカシです」
堂本「さあ早くお上がり」
ノリオ「はい、いただきます」

重ねて促されると、二人はやっとお菓子に手を伸ばす。
ところが、一口二口食べたところで、二人はぐらりと体を倒し、眠りに落ちてしまう。
堂本「どうやら効いたようだ」
そう、食べ物にはあらかじめ睡眠薬が仕込まれていたのである。
無論、謹厳な堂本博士が彼らに性的いたずらをしようなどと企んでいる訳ではなく、

彼が持っているRS装置の設計図に絡む、ある計画のためであった。
ちなみにここでもナレーターの説明が入るのだが、今度は「地上のすべての物質をエネルギーに換える」となっていて、同じエピソードの中でさえ
「さっきと言うてることが違う!!」となっていて、腰の定まらないストーリーであることが改めて印象付けられる。
中江さんも、自分で喋ってて「あれ?」とか思わなかったのだろうか?
ともあれ、南原博士から設計図の一枚を送られた堂本博士であったが、彼は癌に冒されて余命幾許もない体であり、家族もないことから、偶然出会ったこの子供たちに設計図を託そうとしているのであった。
で、その方法と言うのが、

眠っている二人の子供を裸にして、秘密の研究室のベッドに寝かせ、

堂本「この子供たちには可哀想だが、人類の平和には換えられん。この設計図をわしのアルファ光線で子供の背中に焼き付ければまず人に知られることはあるまい」

二人の背中に、設計図を半分ずつ特殊な光線で彫ると言う、まんま「キカイダー01」で、ギルの発明したジャイアントデビルの設計図を隠した方法と同じものであった。
おまけに、「01」で設計図を書かれたうちのひとり、アキラを演じていた五島さんにそれをやるとは……スタッフの無神経さには呆れるほかない。
でも、どうやら堂本博士は二人の背中に設計図をプリントして、そのまま誰にも言わずにおくつもりだったらしい。
……じゃあ、意味ねえじゃん!!
今回は偶然そのことが発覚するのだが、普通なら二人は一生そのことに気付かず生活していた筈であり、だったらいっそのこと設計図を燃やしてしまったほうが手っ取り早かっただろう。
まあ、それは、この設計図の争奪戦に関する切り札のようなツッコミなんだけどね。
つまり、RS装置を欲しがっているのはGODであって敬介ではないのだから、さっさと自分の持っている設計図を破棄してしまえば良いのである。それで永久にRS装置は作れなくなり、GODの野望も簡単に打ち砕くことが出来た筈である。
勿論、平和利用の道もあるので、簡単には捨てられないにはしても、そんな不確実な隠匿方法を取るくらいなら、別の信頼できる科学者に預けたほうが遥かにマシだったろう。
しかも、南原博士からの手紙にはその設計図がワルモノに狙われていることも書いてあっただろうから、ひょっとしたらこの子供たちの命が危険に晒されることになるかもしれないと分かっていながら……
ともあれ、設計図の転写は無事に終わる。
同じ頃、敬介は息を弾ませてコルにやってきて、一枚の写真をおやっさんに見せる。

敬介「見付けるのに苦労しました。南原博士が参加した科学者会議の時の一枚です」
立花「随分古い写真だなぁ」
敬介「20年前だそうです、問題はこの人です、ほら、南原博士の隣にいる……南原博士が大先輩として非常に尊敬している堂本博士」
立花「あの理論物理学の?」
しかし、南原博士と一緒に写真に写っている科学者なんて、それこそ何十人、何百人といるだろうに、その一枚だけを敬介が特別視しているのが、良く分からない。
別に写真などなくても、単に、南原博士の大先輩だから……で、良いんじゃないの?
だが、彼らの会話は、喫茶店の窓の外にへばりついていたカブトムシ型のスパイロボットによってすべて聞かれていた。
うーん、これも、前回のサソリと全く同じで、芸がなさ過ぎる。
一方、キングダークの前に、今回の怪人カブト虫ルパンがあらわれる。

キングダーク「来たか、カブト虫ルパン」
ルパン「はあ、設計図を持っているかもしれない一人の人物にいて耳寄りな情報が入りました」
キングダーク「さすがは世界に名だたるフランスの怪盗、アルセーヌ・ルパンの化身だけのことはある……って、いや、
ルパンって架空の人物じゃん!!」
ルパン「……」
その手並みを褒めてから、はたと重大なことに気付くキングダークであったが嘘である。
再び堂本の研究所。
既に堂本はもとの客間に二人を戻し、灰皿の上で設計図の原本を焼いていた。
堂本「これで設計図の行方は誰にも分からん」 肩の荷を下ろしたようにつぶやく堂本博士であったが、だったら、設計図を捨てるのと同じことじゃねえか。
南原博士が生きていたら、「いや、先輩、そういうことじゃなくて……」と、ためらいがちに異議を唱えていたこと、必定である。

堂本「さあ起きるんだ、起きるんだ」
ノリオ「あれえ、俺、眠っちゃったのかなぁ」
タカシ「俺もだ」
堂本「はっはっはっはっ、遊び過ぎてくたびれたんだよ、さ、このお菓子、全部あげるから持ってお帰り」
ノリオ「ありがとう」
堂本に揺り起こされた二人は、全く怪しむ様子もなく、ついでに遠慮会釈なくそこにあったお菓子をひとつ残らず野球帽に詰め込んで、屋敷を辞去する。
ほんっっっと、ビンボーってイヤですよね~。
際どいタイミングであったが、堂本博士が部屋に戻ると、そこにルパンたちが待ち構えていた。
堂本博士は当然しらばっくれるが、ルパンは堂本博士を気絶させてから、部下に部屋の中を調べさせる。

ルパン「ふ、その道では世界に知れ渡ったルパンの名を持つ俺様よ。これくらい見つけんでどうする?」
さすがルパ~ン、一目で設計図の隠し場所を探り当てる。

ルパン「そうれ、見ろ、南原の手紙だ」
勝ち誇った様子で封筒の中を調べるが、

ルパン「うん、設計図が入っておらん」
戦闘員「これくらい見つけんでどうする……」(ぼそっ)
ルパン「なんだと、こらーっ!!」 戦闘員「うひゃーっ、怒ったーっ!!」 ……と言うのは嘘だが、こういうアットホームなやりとりがあってもおかしくないくらい、ルパンが怪人にしては珍しく温厚で紳士な性格なのは確かである。
ルパン、堂本を締め上げてありかを吐かせようとするが、そこへ飛び込んで来たのが敬介だった。
戦いながら庭に出るが、

軽く倒立前転を決めて見せる、アクション俳優なみの身体能力を誇る速水さんであった。
ルパン、敬介をフェンシングのような剣で刺そうとして、間違って部下を殺してしまう。
でも、ちゃんと「おああっ」って、申し訳なさそうに叫んでいるのが、なかなか良心的である。
普通の怪人なら「チッ」で片付けてるところだからね。

敬介もライダーに変身し、ライドルで相手の剣に対抗する。
ルパン、剣の腕はなかなか優れていたが、あくまで設計図を奪うのが任務だと心得ているのか、適当なところで切り上げ、

ルパン「アデュー(さよなら)、Xライダー」
いかにもルパンっぽい台詞を吐いて退却する。
CM後、既に死期の近付いていた堂本博士は今度のショックですっかり弱っており、ライダーに設計図を守ってくれと言い残して息絶える。
これで何の手掛かりもなかったら、それこそ設計図は永遠に闇の中であった訳で、ほんと、だったら最初から燃やせば良かったのである。
なお、その直後、ルパンが部屋の中にあらわれてライダーとどうでもいい会話を交わすのだが、いくらCMをまたいでいるとはいえ、さっき「アデュー」って言ったばかりの奴がまた戻ってくるのはあまり感心しない編集である。
このシーンに限らず、今回のストーリー、要らないシーンが多過ぎる。
その分、チコとマコの水着タイムにもっと時間を割いて欲しかったというのが、全人類共通の願いなのである。
ライダー、部屋の中を見回してなんでもいいから手掛かりはないかと目を凝らしていたが、ふと、ソファの上に独身の老人の家には似つかわしくない野球のグローブが置いてあるのを発見する。
ライダー「子供のグローブ……子供などいない筈だが」
何か手掛かりがないかとそのグローブを仔細に見るライダーであったが、
ライダー「でかっ!!」 グローブには、いささか過剰ほどに分かりやすい手掛かりが残されていた。
敬介、近くの空き地で野球をしていた子供たちにそのグローブを見せて尋ねると、

ノリオ「それは僕のグローブだ」
敬介「そうか、良かったな、ほら」
あっさりノリオ少年と会うことが出来た。
これも、あまりにスイスイ話が運ぶので、面白くないんだよねえ。
だからと言って、このくだりに時間を掛けてもしょうがないのだが。

敬介「君、堂本さんの家に行ったんだね」
ノリオ「うん、今朝、タカシと二人で……」
敬介、博士から何か預からなかったとストレートに聞くが、眠っていたノリオは何も知らず、空振りに終わる。
どうでもいいが、子供にとってはかなりの貴重品であるグローブをなくしたというのに、ノリオ少年がそれを探していた形跡が全く見えないのは変である。
つーか、お前、ちゃんとグローブ嵌めてんじゃねえか!!
敬介、諦めて、ノリオと一緒にいたタカシ少年を探しにプールへ向かう。
その直後、

いつの間にか、大きなカブト虫がノリオの肩に掴まっていた。
これも普通の子供なら、むしろ喜んで捕まえると思うのだが、何故かノリオは「えいっ」と、地面に叩きつけてしまう。
カブト虫はたちまちルパンの姿になると、他の子供たちを眠らせ、ノリオを攫ってしまう。
物腰は紳士だがやることは大人気ないルパン、アジトに連れ帰ると、ノリオを上半身裸にして、ロープで足を縛って逆さに吊るすという酷いことをする。

ノリオ「痛いよぉ」
ルパン「小僧、もう一度良く思い出してみろ。堂本のうちで何か変わったことはなかったか?」
ノリオ「あ、もしかすると、僕たちあそこの家でお菓子を食べていたら急に眠くなって寝ちまったんだ。もしかしたらその時タカシが預かったかもしれない」
ルパン「ばかぁ、何故早くそれを言わんのだ?」
問題の設計図の半分が、目の前に吊られている少年の背中に書いてあるとも知らず、色めきたつルパンであった。
しかし、「01」でも似たような拷問されていた五島さん、子供心に「進歩のない現場だなぁ」とか思ってたんじゃあるまいか。
さて、皆さん、長らくお待たせしました、いよいよ今回のメインディッシュのお時間です。
これまで、無味乾燥(と言うほどではないが)のストーリーを丹念にレビューしてきたのも、すべてはこのお楽しみタイムのためなのである。
敬介、タカシのいる私営プールに足を運ぶが、

マコ「あ、敬介さん」
チコ「私たち今日は臨時休業なの」
マコ「ねえ、敬介さんも泳ぎに来たの?」
敬介「俺はそれどころじゃない、子供を捜しに来たんだ」
そこにいたのが、お揃いのミニスカつきワンピース水着がクッソ可愛い、チコとマコだったのである!!
何気に「仮面ライダー」では、ガールズが水着を着てくれるケースが極めて少ないので、思わず心が躍り出す管理人であった。
まあ、どうせなら、もっと露出度の高い水着か、最悪、その余計なミニスカ風パレオはどけて欲しかったところだが、贅沢は敵なのである。
あと、泳ぎに来てるのに二人の髪がぜんぜん濡れてないのもNGです。
マコ「え、何か事件があったの?」
敬介「ああ、話してる暇はないんだ」
今見ると思わずその後頭部を便所のスリッパで殴りたくなるが、バカじゃないのかと思うほど生真面目な敬介は、脂の乗った、水着姿の可愛い女子大生二人が目の前にいると言うのに、見向きもせずに行ってしまうのだった。

チコ「ああ……」

マコ「もう、バカにしてるわ、行こう」
不満そうに敬介の後ろ姿を見ていた二人、立ち上がってこっそり後をつける。
一瞬、女性としてのプライドを傷付けられたので怒っているのかと思ったが、「仮面ライダー」においては、ガールズも修道女のようにストイックなので、そうではなく、事件だと言うのに邪魔者扱いされたことに憤慨しているのである。
で、これまたすんなり敬介はタカシ少年を発見し、話を聞くことが出来た。

敬介「堂本さんの家でお菓子を貰ったんだって?」
タカシ「うん、その後で居眠りをしたんだ」
敬介「それ以外、変わったことはなかったのか?」
タカシ「それ以外、何も変わったことはなかったよ」
どうでもいいが、後ろに映り込んでいるスクール水着の女の子の顔、もっと大きく映しておいて欲しかったなぁ。
敬介「すると、俺の見込み違いだったのか……」
捜査の糸がぷっつりと切れたので、顎を撫でながら考え込む敬介であったが、

マコ「あらっ!!」
少し離れたところから二人の様子を窺っていたマコたちが、急に奇声を発して敬介のところに駆け寄る。
それにしても、つくづく色気のない水着だ……
これじゃほとんどレスリングのユニフォームだよ。
ちなみに二人が並ぶと、やっぱり、チコの仁和令子さんのウェストが、尋常じゃないほど太いことが分かる。
ご本人も気にされていたと思うが、なんてったってまだ16才(!!)の育ち盛り、その年頃の女の子はちょっと太ってるくらいが健康的で良いのである。
なお、マコの早田みゆきさんにいたっては、
15才だったりするのである!! ま、この翌月に16才になるんだけどね。
だから当時二十歳半ばの速水さんからすれば、それこそまるっきり子供で、美山さんのように恋愛対象にならなくても不思議ではなかったかもしれない。
でも二人とも実に大人っぽくて、初登場時に女子大生の役をふられたのも納得である。
前にも言ったけど、昔の俳優さんって、みんな年より大人びて見えるんだよね。
閑話休題、

マコ「ねえ、ねえ、ほら、坊やの背中に何か書いてあるわよ」
敬介「設計図だ」
マコたちに指摘され、敬介もタカシ少年の背中にいつの間にか浮かび上がっていた設計図に気付く。
前回のお墓参りのヒントと言い、マコたちがちゃんと敬介の役に立っているのは嬉しい。なんだかんだで、二人が「仮面ライダー」のガールズに比べれば、遥かに優遇されていることは間違いない。

マコ「ええっ?」
……
そうじゃ、貼りたかっただけなんじゃ。

敬介「そうか、堂本博士は設計図を特殊な光線で君たちの背中に焼き付けたんだ」(註1)

敬介「それが強い紫外線を受けて浮かび上がって来たんだよ」
タカシ「……」
敬介「さ、早く水の中に飛び込んでそれを消してしまうんだ。誰かに見られるといかん」
タカシ、そもそも設計図のことを知らないので、ひたすら怪訝な顔で自分の背中を見ようと首を捻じ曲げるだけだったが、敬介に促されて素直にプールに飛び込む。
いや、紫外線、要するに日光に当たったくらいで浮かび上がるのなら、全然隠したことになってないじゃん。
あと、水に濡らしたからってまた見えなくなるものだろうか?
註1……この画像は、レビュー中に急遽追加したものです。どうして管理人がわざわざこの画像を貼ろうとしたのか、その理由をお父さんお母さんと一緒に考えてみましょう。
それはともかく、敬介の判断はちと軽率だった。ここは、すぐタカシに服を着せ、コルにでも連れて行くのが最善の選択だったろう。

マコ「変ねえ、あの子まだ浮かんでこないわ」
チコ「ほんと」
プールに飛び込んだタカシがいつまで経っても上がってこないので、前屈みになってプールを覗き込むマコの胸元が、少しだけ「ブラが浮いている」状態になったのを、管理人のキャプ職人としての鷲のように鋭い目が見逃す筈もないのでした。
しかし、マコ、「浮かんでこない」って、水死人探してるんじゃないんだから……
敬介「おかしい」
あと、異変に気付きながら、敬介がプールの中に飛び込もうとしないのが、いかにも手を抜いているように見えて、ちょっと幻滅。
敬介がダメなら、せめてマコたちに飛び込んでもらって、その瑞々しい肉体を水で濡らして欲しかった。
案の定、タカシは水中でルパンに捕まり、

わざわざそれを知らせるメッセージが水面に浮かび上がる。
やっぱり、ルバン、良い人だわ。
いまだかつて、ヒーローに「悪く思うな」なんて気遣いを示した怪人がいただろうか?
ただ、このメッセージの字が、
普通にヘタだったのが、画竜点睛を欠く残念な仕上がり。
せっかくフランス風の紳士を気取っていたのだから、フランス語は無理だとしても、こんな金釘流じゃなく、もうちょっと流麗な筆致を披露して欲しかったところだ。
さらに、プールの配水管を伝ってタカシを連れ出したところで、

ルパン「神敬介、子供は貰った」
全然、全く、金輪際、これっぽっちも気付いていない敬介たちにわざわざ大声で自分の存在を知らせるあたり、彼こそ昭和ライダーシリーズ随一の「イイ人」だと言う確信をますます深める管理人であった。

マコ「えっ?」
敬介「……」
驚いて振り向く敬介たちであったが、その驚きの中には
「えっ、なんで自分から話しかけたの?」と言う、別の角度からの驚きも混じっていたに違いない。
また、このシーンにおける敬介は妙に鈍くて、背後で堂々とルパンたちがタカシを拉致しているのに全然気付かなかったと言うのは、ライダーにしてはかなり間抜けである。
やっぱり敬介とて人の子、水着ギャルのそばだと集中力が乱されるのだろうか?
敬介「カブト虫ルバン、逃がしはせんぞ」
こうして、楽しい楽しい水着タイムは終了。
しかし、レギュラーが誰一人水に入らないまま終わる水着タイムと言うのは、かなり珍しいのではあるまいか。
この後、ライダーに変身してルパンたちを追いかけるが、あえなくまかれてしまう。

子供たち「熱いよー」
ルパン、さっさとアジトに戻ればいいものを、廃工場にて、子供たちの背中に巨大な集光レンズで太陽光を照射して、背中の図面を無理やり浮かび上がらせると言う、大人気ないにも程があることをする。
でも、タカシの背中は普通に泳いでいただけで図面が出て来たのだから、正直、ここまでする必要があるだろうかと疑問である。
と言うか、真夏にそんなことしたら、子供たちが大火傷をしてしまい、せっかくの図面がパーになるんじゃないかと言う気がする。
ともあれ、狙い通り設計図がくっきり浮かび上がったので部下に写真を撮らせるのだが、

それが何故えらい時代がかった古臭いカメラなのがおかしいが、なんとなく、オリジナルのルパンシリーズの持つイメージに合ってるような気もする。

また、戦闘員がちゃんとストロボ代わりのマグネシウムライトを焚いて、

ルパン「ぐほっ、ほっ、ばかぁ、早く乾板をよこせえっ!!」
その煙でルバンがむせると言うのも、妙に人間臭くてほのぼのさせられる。
しかし、カメラについては不案内だが、こんな真っ昼間にストロボが要るのかなぁ?
だが、戦闘員が渡そうとした乾板を、横から飛んで来たロープに掻っ攫われてしまう。
無論、Xライダーの仕業であった。
ライダー「俺が貰ったぁ」
ルパン「貴様、よくも」
ただ、どうやってライダーがこの場所を突き止めたのか、その説明がないのが物足りない。
それ以上に不可解なのは、
立花「ライダー!!」
ライダー「おやじさん、子供を早く」
何故かその場におやっさんまで来ていることである。
ライダーがクルーザーを走らせ、空まで飛んで追いかけていたのだから、廃工場はかなり離れた場所にあると思われるのに、プールにもいなかったおやっさんが同行していると言うのは、感覚的にもめちゃくちゃ不自然である。
この後、いつものラス殺陣となるが、

さすがに紳士であるルパンは、手ぶらのライダーに自分のフェンシングの剣を投げてやり、

自分は空手のような構えを取って素手で戦いを挑むと言う、
訳の分からないことをするのだった。
ライダー(ひょっとして、バカなのかな……) ライダーはライドルと言う武器を持っているのだから、わざわざ剣を貸してやる必要はあるまい。
で、少し戦っただけでルパンは自分の剣を取り戻しているのだから、ますます意味不明であった。

ルパン「Xライダー、俺のギロチンハットを受けて見よ」
剣を失ったルパン、隠し武器のギロチンハットを投げつけるが、投げる前にギロチンだよって教えてしまったのであっさりよけられる。
……
やっぱりバカなのかな。
ギロチンハットはライダーの後ろでマシンガンを構えていた戦闘員の首を刈り飛ばす。
ライダー、すかさずXキックを放ってルパンを地上に蹴り落とし、

ライダー「今度はお前だ!!」
立ち上がったところにギロチンハットを投げつけ、その首を刎ね飛ばす。
個人的には善戦したと思うルパンであったが、せっかくカブト虫と言う属性を持ちながら、カブト虫ロボットをスパイにするくらいで、体が頑丈とか、怪力とか、カブト虫由来の能力を有していなかったのが敗因だったかもしれない。
だが、冷酷な首領キングダークは、

キングダーク「口ほどにもない奴め」
部下の奮闘を、一言で片付ける。
キングダーク「カブト虫ルパンの恥を雪ぐものは誰だ」
そして、キングダークの呼びかけに応じたのは、
ヒトデ「ヒトデヒットラー!!」 
キングダーク「……」
さすがのキングダークも思わず引いてしまったほどの強烈無比の怪人であった。
そう、ある意味、ライダーシリーズで一番有名かもしれないヒトデヒットラーである。
前にも書いたけど、これ、ドイツの人に見せたらどんな反応を示すか、とても興味がある。
嬉しいことに、ラスト、もう一度チコたちが登場する。

チコ「ねえマスター、あの子達の背中の設計図は消えないのかしら」
立花「ああ大丈夫だよ、敬介の話だと、堂本博士のアルファ光線はシグマー光線と言うのを当てると消えるそうだ」
ぶっとい腕でコーヒーを飲んでいたチコ、ノリオたちのことを心配するが、おやっさんはこともなげに言って安心させる。
ついで、実際に、堂本博士の秘密の研究室で二人の背中の図面が敬介の手で消されるシーンも出てくるのだが、そもそもどうやって設計図がアルファ光線で書かれたなんてことが水産大学出身の敬介に分かったのだろう?
あと、その研究室の壁に、早くもヒトデヒットラーのスパイヒトデが張り付いているのだが、いくらなんでもこれは手回しが良過ぎるだろう。
以上、「01」のネタをもろパクリしているのはアレだし、色々と腑に落ちない点はあるものの、チコたちの水着姿でそんな不満も吹っ飛んでしまった。
カブト虫ルパンの、怪人らしからぬ紳士的なキャラも魅力的で、少なくとも前回よりは面白かったと言えるだろう。
- 関連記事
-
スポンサーサイト