第42話「セーラー服のナナ」(1985年11月16日)
「セーラー服のナナ」ねえ……
どうせなら「セーラー服のさやか」が見たかったと言うのが、全成年男子の偽らざる願いであったろう。
とにかく、またしてもリゲル星人ナナが登場するエピソードなのだが、正直、ナナはもう出さないで欲しかった。
何故なら、その分さやかの出番が減るからである!!
冒頭、修学院女子高等学校と言う、いかにも由緒ありげな名門女子高で学園祭が開催中であったが、

疾風「なんで駄目なのよ、ちょっとだけだってば、剣、入ろうよ、ね?」
剣「疾風、パトロール中だぞ」
疾風「いや、そんな堅いこと言わないでさ、ここはさ、名門中の名門女子高なんだよ。こんな時しか入れないんだから……」
その門の前で、疾風が、おもちゃ売り場で母親にねだっている子供のように、剣の腕を取らんばかりに、男子にとっての憧れの園・名門女子高の中に入ろうと必死にお願いしていた。
疾風、ガチのロリコンの上にブルセラマニアでもあったのである。
ま、世の中にはそれに加えて、尻フェチと熟女マニアとプールや海以外の場所にいる水着姿の女性にコーフンするマニアなどを兼ねている人もいるらしいので、別に驚くことではない。
で、意外とスケベな剣、結局疾風に押し切られて同意する素振りを見せるが、

剣&疾風「あ、ああーっ!!」
ふと、学園内を見て、思わず二人揃えて大声を上げる。
そこにセーラー服姿のさやかタンがいたらめっちゃ嬉しかったのだが、

彼らが目撃したのは、女子高生の群れの中で平然とおでんを頬張っている勇馬の姿であった。
漢(おとこ)である。
なんだかんだで三人とも学園内に入り、疾風は早速ナンパをはじめるが、なかなか上手く行かない。
そして、疾風が偶然ぶつかったのが、

ナナ「疾風さん、大空さん!!」
33話以来、行方が分からなくなっていたナナであった。
しかし、まあ、物凄い偶然だよね。

剣「この学校に通っていたのか?」
疾風「いやぁ、しかし、こんなところで会えるとはなぁ」
剣「元気かい?」
ナナ「はい、私これから英語劇に出るんですよ。見てくれますよね?」
その後、まるで久しぶりに親戚の女の子に会ったような気軽さで話している剣たち。
既にナナは、リゲル星人の女の子が生涯に一度しか出さないと言われるリゲルオーラを出した後なので、これ以上ゴズマに付け狙われることはないだろうと剣たちが考えたのは無理もなかったが、あにはからんや、突然そこにあらわれたゴーストギルークがナナを攫い、遠く離れた荒野に連れ去ってしまう。

ゴーストギルーク、白い階段状の祭壇に意識のないナナを寝かせ、なにやら得体の知れない呪文を唱え出す。
……
嘘みたいだろ、この二人、親子なんだぜ? やがて呪文の力によるものか、彼らのいる場所が丸ごと別の空間に移動する。

ギルーク「ナナよ、リゲルオーラを出せ!! それを浴びればワシの体は永遠不滅、二度と幽霊に戻ることはない!!」
どうやらギルーク、ナナの体からなおもリゲルオーラを搾り出させて、あの世とこの世を行ったり来たりしている自分のせわしない体をこの次元に固定させようとしているらしい。
そんな当てにならないことをするより、他のリゲル星人の女の子を見付けて、そのリゲルオーラを浴びたほうが手っ取り早い気がするのだが……
別にナナはリゲル星人最後の生き残りではないのだから。
ともあれ、儀式の影響ははるか遠くに浮いているゴズマードにまで届く。

ブーバ「これはギラス星の黒ミサだ」
シーマ「アハメス様、本当にギルーク司令官は完全な体を取り戻して復活するのでしょうか」
アハメス「うろたえるな、テクノ惑星リゲルの女の子は生涯に一度だけしかリゲルオーラは出さないのだ」
ブーバ「しかし現にギルーク司令官はギラス星の黒ミサを行っております、もしこれでリゲルオーラを引き出されたら?」
アハメス「そんなことはさせぬ、私の目の前であの死に損ないのギルークに勝手な真似をさせるものかっ!!」
おっかないギルークが復活するのではないかと戦々恐々とする部下たちを鋭く叱咤するアハメス様。
ほんと、もう、宇宙の果てまでも付いて行きます!! って気にさせる頼もしさだよね。
ただ、ブーバたちも恐れるギラス星の黒ミサと、リゲルオーラとの再発動にどんな因果関係があるのかさっぱり分からないのが難点だが、次回以降、説明されるのだろうか?
そのうちチェンジマンが駆けつけ、亜空間の中に飛び込んでギルークを撃退するが、亜空間が消えると共にナナの姿も何処かへ行ってしまう。
ギルーク「ナナは必ずワシのものにするぞ~」 ドラゴン「ナナちゃんを渡すもんか!!」
グリフォン「ナナちゃんを早く探すんだ」
しかし、ギルークの台詞、聞きようによってはかなりヤバイよね。
5人は手分けしてナナを探すが、彼らより先にナナを見付けた宇宙獣士カーゲが、

カーゲ「カーゲ、影隠れ~」
その名の通り自らの体を影に変えると、地面をにょにょにょと進んでナナの足元に滑り込み、そのスカートの中を思う存分……じゃなくて、彼女の影に入り込むという、妖術使いのようなことをする。

影を乗っ取られた途端、雷に打たれたようにその場に棒立ちになるナナ。

彼女本来の影が、怪物の影のように変形し、さらにカーゲの姿となって、
カーゲ「ナナ、走れ!! チェンジマンを倒すのだ」
視覚的に分かりやすくカーゲの操り人形と化したナナ、命令どおりその場から走り出す。
ほどなく剣たちがナナを見付けて駆け寄ろうとするが、

ナナ、振り向きざま両目からビームを放ち、

5人の足元でささやかな爆発を起こす。
麻衣「ナナちゃん、どうしたのよ? ナナちゃん!! 私たちよ、チェンジマンよ!!」
疾風「ナナちゃん、どうしたんだ?」
麻衣たちの必死の呼びかけも届かず、ナナは邪悪な笑みを浮かべてなおも攻撃の構えを取る。
そこへシーマたちがあらわれ、

シーマ「ふっはっはっはっはっはっ、何を言っても無駄よ、ナナはゴズマのセーラー服の少女戦士となってお前たちチェンジマンを倒すのだ」
剣「なにぃ?」
シーマ「ナナ、やれ!!」
シーマの号令を受けると、

何を思ったか、急にその場でくるっと一回転しながらジャンプして、また着地するナナ。
そして再び目からビームを出して攻撃するのだが、はっきり言って、全く意味のないアクションだったと思う。
ま、セーラー服の女の子がいきなりそんなことすると、見てるほうもドキッとしてしまうのは確かなのだが、三枚目の画像を見れば分かるように、あろうことか彼女、事前に黒いブルマのようなものを履いてしっかり秘所をガードしているようなのである。
特撮女優にあるまじき、言語道断の所業と言えるだろう。
もっとも、現場には父親である山本さんもいただろうから、穢れなき娘のパンツを特撮オタクなどに見られてたまるかと、父親の権限で無理やり履かせたということは考えられる。
それはともかく、ナナに反撃する訳にも行かず、一方的に攻撃される剣たち。
その様子を本部のモニターで見ていた伊吹っちは、

伊吹「ナナちゃんは誰かに操られてるに違いない、なんとかして正気に戻すんだ。その方法を考え出すんだ!!」
剣(これ、何も言ってないのと同じだよな……) ナナが操られるって、そんなこと言われなくても分かってるし、勢いだけで全く具体性のないアドバイスだし、一瞬シカトしてやろうか知らんと思う剣だったが、嘘である。
嘘であるが、これまで伊吹の指示がほとんど役に立ったためしがないのは事実である。
剣「分かりました、長官!!
だからもう二度と戦闘中に通信してこないでください!!」
通信を切ると、再びナナの攻撃の矢面に立つ剣。
一方、遅蒔きながら、いつものようにアハメスがバズーに作戦の要諦を説明している。

アハメス「カーゲはあらゆる生命体の影に溶け込み、その生命体を自由自在に操ることが出来るのです」
バズー「チェンジマンはその秘密に気付かず、しかもナナが相手では手の施しようがないというわけだな」
アハメス「ナナを利用するならばこのように戦士として利用するべきなのでございます。カーゲとナナで今度こそチェンジマンを倒してご覧に入れます!!」
斜め45度でバズーを見上げつつ、急にカメラ目線でにこやかに語りかけるアハメス様。
心優しいアハメス様は、テレビの向こうの視聴者にもサービスされているのである!!
しかし、得意げに自分のアイディアを開陳しているアハメス様だが、やっぱりナナの一番の売りはその天才的な頭脳なのだから、彼女を利用するなら、捕まえて新兵器でも開発させたほうがよっぽど有益だったろう。
第一、いくら反撃されないと言っても、ナナの超能力程度で到底チェンジマンを倒せるとは思えない。
それに、カーゲの能力にしても、ナナではなく、チェンジマンの誰かの影に入り込ませて操ったほうが、より大きな戦果を挙げられるのは明らかである。
ギルークへの対抗心からか、連敗続きの焦りからか、どうも最近のアハメス様の戦略眼は濁っているようである。
さて、再び地上。
ナナの攻撃を無抵抗で浴びて流血している剣を気遣い、

さやか「危ないわ、剣さん!!」

さやか「今のナナちゃんは正気じゃないのよ!!」
どアップで剣に呼びかけるさやかタン。
悲しいことに、前回の41話がさやかタン最後のメイン回だったので、これからは、ストーリー上必要なくとも、出来るだけたくさんのさやかタンの画像を貼って行きたい所存である。
だが剣は一歩も引こうとせず、

剣「ゴズマと言えども、ナナちゃんの心の奥までは操れない筈だ!!」
いかにもレッドらしい熱血風理想論を叫んで、

さやか「……」
仲間をハッとさせる。
そうじゃ、貼りたいだけなんじゃ。
剣「剣飛竜と言う一人の男として、ナナちゃんの心の中に訴えてみる。ゴズマなんかに俺たちとの仲を引き去れてたまるか!!」
疾風「剣……」
しかし、今更だけど、自分の子供に「飛竜」なんてつける親はいないよね。
あるいは、クンフー映画の見過ぎか、「ストライダー飛竜」の大ファンだったのだろうか。
疾風たちは剣の意を汲んで、自分たちだけチェンジマンに変身してシーマたちを引き受ける。
剣はナナと睨み合いながら操車場へ場所を移す。
剣「ナナちゃん、剣飛竜だよ、分かるかい? 君は優しい心の持ち主なんだ、思い出してくれ……」
剣はナナと自分たちとの馴れ初めや、短いけれど色んなことがあった彼らの「歴史」を物語り、なんとかナナを正気に戻そうとする。
と、剣の誠意が通じたのか、ナナが突然攻撃をやめ、普段の穏やかな顔つきに戻る。
だが、再びカーゲに命じられると、何事もなかったようにビームを撃ってくる。
剣の誠意、意味なし!! と、そのビームで近くの電柱が根元から折れ、ナナ自身に向かって倒れてくるのを、剣が抱きついてなんとか助ける。

その際、電柱がちょうどナナの影に入り込んでいるカーゲを押し潰し、それと同時に、

ナナ「剣さん……」
初めて剣と会ったとき、危うくトラックに轢かれそうになったところを今と同じように剣に抱き付かれて助かったことをありありと思い出し、

剣「ナナちゃん……」
その顔を見詰めているうちに、過去の記憶と本来の自分を取り戻す。

ナナ「剣さん!! 剣さん!!」
そう言って、嬉しそうに剣の胸に飛び込むナナ。
剣「ナナちゃん……」
そんな剣の顔に一抹の寂しさが漂っているように見えるのは、ロリロリ美少女が一気に女子高生に育ってしまったからではなく、管理人の目の錯覚です。
ところが、カーゲの術は存外に強力で、再びナナに命令すると、何事もなかったようにナナがまた剣に襲い掛かってくる。
うーん、ここは同じパターンが二度繰り返されることになるし、せっかくの感動のシーンを台無しにしているので、ナナがまた操られるのはやめたほうが良かったと思う。

剣「イヤーッ!!」
だが、剣も漸くナナの影に何者かが潜んでいることに気付き、ナナの頭上を飛び越えてその背後の影を思いっきり踏みつけ、カーゲを実体化させる。
剣「宇宙獣士、貴様がナナちゃんを操っていたのか?」
カーゲ「はっはっはっはっ、バレちゃあしょうがねえ」
何故かべらんめえ口調のカーゲ、開き直って攻撃しようとするが、その足元で爆発が起きる。

剣たちが振り向けば、まだ諦め切れないのか、ギルークが貨物列車の上に出現する。
ギルーク「ナナはワシのものだ、ナナ、ワシのためにもう一度リゲルオーラを出せ」

剣「ギルーク!!」
ナナ「私にはもうリゲルゲーラなんて出ないわ!!
いい加減にしてよ、お父さん!!」
剣「え゛っ、あの人、お父さんなの?」 じゃなくて、
ナナ「私にはもうリゲルオーラなんて出ないわ!! 私はもう普通の女の子なのよ、リゲルオーラなんて出ない……」
ギルークが再びあの呪文を唱え始めるが、そこへジャンゲランに乗ったアハメス様が飛んできて、ギルークに火炎を放射して邪魔する。
アハメス「死に損ないの幽霊め、宇宙の墓場へ戻れ!!」
ギルークを別の次元に追い出すと、

アハメス「ナナ、ギルークからは逃げられても女王アハメスからは逃げられるものかっ!!」
見てる方も思わず楽しくなるような、明るく爽やかな笑顔を浮かべて野心に満ちた台詞を涼やかに言い放つアハメス様。
このギャップが堪らんのです!!
この後、ラス殺陣&巨大ロボバトルとなり、事件はひとまず解決する。

女子高生「ナナ、何処行ってたの?」
ナナ「ごめ~ん」
ラスト、夜になって漸くナナを学校に送り届けると、中庭では、なんでかしらんが万国旗を吊るしてキャンプファイヤーを囲み、生徒同士で手をつないで輪になってオクラホマミキサーを踊ると言う、意味不明のイベントが行われていた。
女同士でそんなことして、何が楽しいのやら……
だが、最後にスタッフから管理人へのプレゼントが用意されていた。
ナナの友人に誘われて、剣たちも一緒に踊ることになるのだが、

勇馬とペアを組んださやかタンが、子供のように楽しそうに踊るのが、んもぉおおおおっ、可愛いのなんの!!

あと、女子高生と言っても当時はみんなチャイナドレスみたいに丈が長く、麻衣もズボンなので、この中で生足を出しているのがさやかタンだけと言うのも、ますます彼女の存在感が重みを増す結果となっている。
パンチラをブルマで回避しようとした柴田さんには、ほんと、西本さんに女優として心構えを見習って頂きたいものである。 だが、勿論、蛇のように執念深いギルークがこのまま断念する筈がなく、ナナを巡る争いはなおも続くのであった。
やれやれ。
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