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「ウルトラマンA」 第26話「全滅!ウルトラ5兄弟」


 第26話「全滅!ウルトラ5兄弟」(1972年9月29日)

 極めてショッキングなサブタイトルである。

 しかし、今更だが、ウルトラ兄弟=地球担当ウルトラ戦士だけ(ゾフィーは例外)って言うのは、変だよね。

 実際は、地球に来たことはないけど別の星で活躍しているウルトラ戦士or兄弟だっている筈なんだから……

 だからたまには、全然見たことのないウルトラ戦士が救援に駆けつけるなんてパターンもあったら面白かったのではないかと思う。

 それはともかく話を始めよう。

 光化学スモッグの影響が深刻化し、政府主導の交通規制まで取り沙汰されているある日、東京の工業地帯の上空が歪んだかと思うと、

 
 そこに、普通の超獣や星人の数倍はあろうかと思われる、巨大な宇宙人があらわれる。

 地獄星人と言う、物凄い呼び名の割りに、カラフルなボディーと、長くとんがった口がキュートなヒッポリト星人である。

 ヒッポリト「地球人に告ぐ、ウルトラマンAを渡せ、さもなくばこの世の地獄を見せてやる」

 普通の星人と違い、いきなり要求を突きつけるヒッポリト星人。

 壮年の渋い声だが、演じるのはゲバコンドルの谷津勲さん!!

 ヒッポリト「我らは宇宙で一番強い生き物、ヒッポリト星人だ、まず風地獄を見よ」

 
 ヒッポリト星人、名刺代わりに、ノズル状の口から猛烈な風を吹いて、周囲の建物を倒壊させる。

 
 竜「今まで出会ったこともないような恐ろしい敵だ、確かな情報によれば身長200メートルあるとのことだ。いいか、これだけは忘れるな、無理な行動は一切許さんぞ、山中、吉村はTACスペース1号、北斗、南はTACスペース2号、他のものは私と一緒にファルコンに乗る。以上、退却だ!!
 隊員たち「ズドドドドドドド!!」

 「三十六計逃げるにしかず」を座右の銘にしている竜隊長の堂々たる逃げっぷりであった。

 じゃなくて、

 竜「以上、出動だ!!」
 隊員たち「はいっ」

 いつになく厳しい面持ちで、隊員たちに訓じて送り出す竜隊長であった。

 もっとも、

 
 竜「各機に告ぐ、現場上空の視界が十分ではない、接触事故に注意せよ」
 美川「……」

 隊長の横に座っている美川隊員などは、これから家族でドライブにでも出掛けるような暢気な顔つきであった。

 今野「ちくしょう、ひでえことになったな、ナミアブダブツ……」

 などと、戦う前から諦めている今野隊員(註・この後、放り落とされた)と同じく、「どうせピンチになったらAが来てくれるさっ」と、タカを括っているのは明らかであった。

 でも、実際問題、毎回欠かさず巨大宇宙人が助けに来てタダで超獣をやっつけてくれるのだから、隊員たちが(精神的に)依存するようになってしまうのは、むしろ当然の帰結ではないかと言う気がするのである。

 なにしろ、たまにじゃなくて、毎週だもんね。

 そりゃ、隊員たちも堕落しますってば。

 一方、TACを堕落させている張本人たちも、いつになく厳粛な面持ちで戦場に向かっていた。

 
 夕子「TACは勝てるのかしら?」

 いきなり、物凄い質問を放り込んでくる夕子サン。

 いや、勝てるも何も、勝てないから毎週あんたたちが「合体」してるんでしょうがっ!!

 北斗はあえてそのことには触れず、

 北斗「わからん、人間の持てる最高の科学を使って攻撃するんだ、それでダメなときはどんなことをしてもダメさ」

 と、まるで自分たちがAであると言う設定すら忘れてしまったような頓珍漢な答えを返す。

 さて、悲壮な覚悟で攻撃を開始したTACの皆さんではありますが、例によって、ヒッポリト星人にはまったく効き目なし。

 今までの前ふりを存分に生かした、実に見事なオチと言えるだろう。

 いや、効き目がないどころか、それまで突風を起こすだけだったヒッポリト星人があたかもTACの攻撃に刺激されたように、

 
 頭の三つの触角からビームを放ち、

 
 建物を豪快に吹っ飛ばす。

 近隣住民の「バカヤロー、TAC、余計なことしてんじゃねえ!!」と言う怒声が聞こえてきそうである。

 なおも攻撃を続けるTACであったが、どうやらヒッポリト星人の体はミサイルも銃弾もすり抜けてしまうらしい。

 そのうち、山中と吉村のTACスペースが撃墜される。

 
 北斗「一体どうすればいいんだ?」

 ……

 いや、アレしかないでしょおおおおおっ?

 なんで今回に限って「合体」をしぶるのだろう?

 もっとも、Aはウルトラリングが光らないと変身できないと言う謎仕様なので、好きなときに変身できる訳じゃないんだけどね。

 ヒッポリト「はっはっはっはっ、これが地球で一番強いTACか? 次はウルトラマンAの出番だな、ウルトラマンAを出せ、俺様がAをやっつけるところを見せてやる」

 ヒッポリト星人の挑発に乗る形で、北斗たちはヒッポリト星人に向かって突っ込んでいく。

 竜「おい、北斗、やめるんだ、やめないか!!」
 美川「北斗隊員、やめるのよっ!!」
 今野「ナミアムダブツ……」

 竜隊長たちの制止も無視してヒッポリト星人に接近する北斗たちであったが、

 
 声「Aになってはいけない、お前たちに勝てる相手ではない」

 突然、何者かの声が、北斗、夕子、それぞれの頭の中に語り掛けてくる。

 また、肝心のウルトラリングも光らず、二人が腕をクロスさせても何も起きない。TACスペースはそのままヒッポリト星人の胴体に体当たりするが、弾と同じく、機体もその体をすり抜けてしまう。

 
 ヒッポリト「はっはっはっはっ、どうだ、地球人諸君、君たちの科学でこの謎は解けまい。約束をしてもらおう、今度俺があらわれるとき、Aを渡してもらおう。その時こそ、こうなるのだ!!」

 ヒッポリト星人、改めてAの引き渡しを要求すると、その手にAの人形を取り出し、その首をもぎ取って見せる。

 そして、愉快そうに哄笑を響かせながら、足元から青い煙を噴出し、それに吸い込まれるように姿を消してしまう。

 竜「北斗、私の命令が聞けないのか?」
 北斗「すいません」
 竜「命令違反は絶対許せん、人間の命はひとつしかないんだぞ」
 北斗「はい」
 美川「隊長、しかし、北斗隊員のお陰で星人の秘密がひとつわかったんです」
 今野「そうです、星人の体が雲のように通り抜けられるのが分かったのは北斗のお陰です」

 命令違反をしつこく咎められている北斗を美川隊員たちが庇うが、竜隊長は厳然と、

 竜「君たち、北斗と南が無事だったからそう言えるんだ、口を慎め」
 美川&今野「はい」

 彼らは引き続きその周辺を探索するが、

 
 北斗「夕子、さっき俺はAになってはいけないという声を聞いた」
 夕子「星司さんも? 私もその声を聞いたわ」
 北斗「一体誰が俺たちにあんなことを言ったんだろう?」

 さっきの声が幻聴ではなかったことを知り、困惑する二人。

 夕子「もしかしたら、私たち、もうAになれないのかも」
 北斗「バカな、じゃあ、誰が地球のピンチを救うんだ?」

 弱気発言をする夕子を叱りつけるように叫ぶ北斗であったが、さっきまでは「TACが負けたら潔く諦めよう」とか言ってたくせに、どうやらこの短い時間の内に、TACはその救世主候補から外されてしまったようです。合掌。

 まあ、さっきのていたらく見てりゃ、だいたい分かるわな。

 それはともかく、飛行中の北斗、現場付近の山道で車がひっくり返って炎上しているのを発見し、着陸する。

 
 北斗「しっかりするんだ」
 夕子「運転手さん」
 男「超獣が……」
 北斗「なんだって、もっと詳しく!!」
 夕子「星司さん、あまり動かさないで」

 瀕死の運転手の体を揺さぶるワンパク北斗を優しくたしなめる夕子タンであったが、この台詞から、うっかりスケベなことを妄想してしまった人は、後で去勢するように。

 男「超獣が谷間に立っていた」
 北斗「超獣が?」

 
 男「これを……子供に、ヒロシに渡してください。誕生日の土産です」

 男性は、首のもげたAのソフビ人形を北斗に託す。

 
 夕子「あっ、星司さん!!」

 夕子に言われてそちらを見れば、

 
 凶事を予感させるように、Aの首だけが、ちょこんと地面の上に落ちていた。

 男「超獣が首をもいでしまった……」
 北斗「運転手さん、しっかりするんだ」

 男性は、くれぐれも人形を届けてくれるよう言い残して息絶える。

 北斗「さっきの星人とここにいた超獣と言うのは同じものじゃないかな」
 夕子「でも、証拠も何もないのよ」
 北斗「俺はこの運転手さんの証言を信じる」
 夕子「じゃあ証拠を探さなくちゃ」

 二人が自動車の残骸を調べると、果たして、車体に生物の肉片のようなものがこびりついていた。

 つまり、別の場所にいたヒッポリト星人の本体にこの車がぶつかり、男性が持っていた人形の首をヒッポリト星人がもいでみせ、その様子がコンビナートに拡大投影されたと言うことなのだが、200メートルはないにしても、ヒッポリト星人の本体も普通の星人と同じくらいのサイズなのだから、人形との縮尺が明らかに合わず、このくだりはちょっと変である。

 CM後、梶隊員の調べで、あの肉片が超獣のものだと言うことが判明する。

 
 梶「超獣の細胞のように思えます」
 北斗「やはり」
 夕子「運転手さんの言ったこと、本当だったんだわ」
 梶「が、必ずしも超獣のものであるとは断定できかねます」

 二人を喜ばせておきながら、たちまち発言がふらつく梶さん。

 だったら最初から「わかりまへん、ほんにワテはダメな男や」って正直に言えよ。

 
 北斗「待ってください、この人形を見てください、あの被害者の証言によれば超獣はこの人形の首をもいだと言います」
 美川「もし谷間に超獣がいたとすると、星人とはどんな関係があるのかしら」
 北斗「僕には谷間に出たのは超獣ではなくて、街に出た星人と同一のものと思われます」
 山中「バカな、同じ時間に同じものが二箇所に出る訳がないじゃないか」
 北斗「念力か分身術か、あるいは自分の影を空に投射したのではないかと思いますが」

 山中の突っ込みに、北斗が、前述のようなトリックによるものではないかと憶測を述べるが、

 梶「北斗隊員、我々TACは科学的なんだよ、そんな念力だの分身術だの言う、非科学的なことを言ってもらっては困るよ」

 役に立たない癖に口だけは立つ梶が、北斗の言葉尻をとらえて、子供を叱る教師のような口調で諭す。

 今野「梶さん、ロケット弾もTACスペースも星人の体を突き抜けてしまったんですよ」

 今野隊員が北斗の肩を持つが、

 吉村「しかし、星人は口から風を吐いた、あれは影なんかの出来ることではありませんよ」
 今野「そう言えば、そうだな……」

 吉村隊員に反論されると、あえなく沈黙する。

 
 梶「我々の分析では、星人の細胞の隙間と隙間がかなり大きく、ちょうど寒天のような状態ではないかと思われるんだ」

 梶、自信たっぷりに、後に全くの誤りだったと分かる自説を披露する。

 でも、弾ならともかく、TACスペースのような大きなものまですり抜ける寒天なんてありますか?

 山中「そう言う敵にはどんな攻撃方法があるのかな?」

 独り言のような山中隊員の疑問に、

 梶「心配ご無用、我々には細胞破壊銃があるよ」

 ポケットから秘密道具を取り出すドラえもんのように、軽く言ってのける梶であった。

 当然、北斗は納得いかない様子であったが、

 竜「TACは確信のないものに手出しは出来ない。まして今のような非常事態にはなおさらのことだ。分かるな?」
 北斗「……」
 竜「星人はAを渡せと言ってきてるが、そんなことは我々TACに出来ることではない、我々は宇宙の侵略に対して戦うのが使命だ。この次星人が現れたら、必ず倒さなければならないのだ。みんなはそれまでゆっくり英気を養ってくれ」

 竜は噛んで含めるように、冷静に聞いたらあまり内容のない言葉で北斗をなだめ、部下を解散させる。

 
 北斗「僕にも一言言わせてください、もしかしたら一人の人間が超獣に殺されたのかもしれません、人間の命はひとつだけだとおっしゃったのは、隊長ではありませんか」
 竜「いや、俺、そんなこと言ってないよ」
 北斗「言ったやろ!!」
 竜「言ってない」
 北斗「さっきはっきり聞いたぞ!!」
 竜「さっきっていつ? 何年何月何日何時何分何秒ぉーっ?」
 夕子「……」

 ガキみたいな言い争いをする二人を見て、夕子タンは月に帰る決心をしたそうです。

 じゃなくて、

 竜「分かっている、しかし今はダメだ」
 北斗「分かりました、けれどこれだけは許してください、あの被害者の子供さんにこの人形届けてあげたいんです」

 竜は北斗の願いを聞き入れると同時に、自らも同行を申し出る。

 竜「あの運転手さんにTACはなにもしてやれなかったからな……」

 と言う理由からであった、

 でも、それこそ、こんな非常時に隊長がそんなことしてていいんかいな? と言う気はする。

 北斗たちは新しい人形まで買って、鯨幕を張り巡らされた運転手の自宅を訪ねるが、

 
 北斗「君のお父さんにこれを渡してくれと頼まれたんだ。誕生日だったんだね」

 北斗、箱に入ったウルトラマンAの人形をヒロシと言う息子に渡すが、人形を見た途端、ヒロシはそれを床に叩きつけてしまう。

 
 純子「ヒロシちゃん!!」
 ヒロシ「Aなんて僕たちの味方じゃないや、Aは父ちゃんを助けてくれなかったじゃないか!!」

 父親を失ったばかりの子供としては、当然の気持ちかもしれなかったが、現時点では事故原因もはっきりしていないのだから、Aの責任にするのはちょっとどうかと思う。

 竜「すまん、TACがもっと早く超獣を見付けていればよかったん。許してくれ」

 もっとも、竜隊長も、さっきは確信はないと言っていたのに、ここでは運転手を殺したのが超獣だと早々に認めてしまい、素直に頭を下げている。

 
 ヒロシ「TACなんてダメだよ!! あんなAを早く星人に渡しちまえばいいんだ。そうすれば星人は大人しくなるのにぃ」

 だが、ヒロシの怒りは収まらず、あろうことか、さっさと星人の要求を呑んでしまえと極めて短絡的で自己チューな発言をする。

 純子「ヒロシちゃん、やめなさい!!」

 見兼ねてヒロシの姉が叱るが、ヒロシは無言で奥に引っ込む。

 でも、ほんと、後に竜隊長が喝破したように、Aを引き渡したからってヒッポリト星人が大人しく帰ってくれる保証は何処にもないし、仮にヒッポリト星人がいなくなっても、今後、別の超獣や星人が攻めて来たらAなしでどうやって防ぐのか、先のことを全く考えてない、愚劣で身勝手で、いくら悲しみに打ちのめされているとは言え、思わず発言者の頭をぶん殴りたくなる最低の台詞である。

 
 純子「ごめんなさい、去年、母を亡くして、今度は父まで……ヒロシは今混乱してるんです」

 ま、そんなムカつくガキのことなど忘れ、我々は、そのお姉さんの美しいお顔でも鑑賞することにしましょう。

 そう、今回チェックして初めて知ったのだが、このお姉さん、今年亡くなった朝比奈順子さんなのである!!

 当時は小早川純名義で、純子と言うのは、管理人がそこから付けた仮名である。

 それはともかく、重苦しい顔つきで帰りのハンドルを握っている北斗。

 ヒロシ「あんなAを早く星人に渡しちまえばいいんだ!!」

 憎々しげに言い放つヒロシの言葉を頭の中でリフレインさせると、

 
 北斗(俺たちは今までずっと地球人のために戦ってきた……それなのに、地球人はAをもう必要としないのだろうか?)

 己のアイデンティティーを足元から掘り崩され、自分たちのやってきたことに空しさを感じる北斗であったが、本部に戻るとさらに彼らを鬱にさせる事態が待っていた。

 休養をとってる筈の隊員たちが勤務についているのを見て、

 
 竜「どうしたんだ?」
 今野「市民から早くAを渡してしまえと電話がジャンジャン掛かってくるんです」
 竜「なにっ?」

 予想されてしかるべきだったが、目先の安全と自分のことしか考えられないクソ野郎はヒロシだけではなかったのである。

 この辺、いかにも人間の嫌なところが凝縮されている感じで、見てる方もやるせない気持ちになる。

 さらに、

 山中「いっそのことAを星人に渡してしまったらどうなんでしょうか?」

 隊員の中にまで同じ発想をするスットコドッコイが出たことで、遂に竜隊長の怒りが爆発する。

 
 竜「バカモン!! 君たちはそれでもTACの隊員か、星人の作戦にうかうか乗ってしまうほどバカなのか? Aを渡したら次はどうなると思う? 星人は地球を乗っ取るに決まってる、君たちにはそれが分からないのか。我々は戦う、Aも戦うんだ!!」

 竜のかつてないほど激しい罵言に、猛省したように黙りこくる隊員たち。

 山中「ま、そもそも、居所も分からないAをどうやって引き渡すんだって話なんですけどね」
 竜「それな!!」

 嘘はさておき、遂にヒッポリト星人出現の知らせが入る。

 竜隊長の叱責で目を覚ましたのか、山中も吉村も怪我をおして出撃することを申し出る。

 ヒッポリト星人「地球人に告ぐ、これが最後の通告だ。ウルトラマンAを渡せ。今度は火炎地獄を見せてやる」

 そう宣言すると、温存していた(?)火炎放射を行うヒッポリト星人。

 

 
 その一撃で、巨大な工場が吹っ飛ぶ凄まじいショット。

 炎の舌が四方八方に走り、ヒッポリト星人が宣言したとおり、付近一帯はたちまち焦熱地獄と化す。

 竜「総攻撃開始!!」

 TACはとりあえずヒッポリト星人に通常攻撃を加えてから、梶隊員自慢の細胞破壊爆弾を投下するが、案の定、まったく、これっぽっちも、ほんの少しの効果もナッシング!!

 隊員たち(だろうなぁ……)

 もっとも、最初から梶になど期待していなかったのか、隊員たちは爆弾が効かなかったことへのリアクションすら取らないのだった。

 ファルコンがあえなく撃ち落されたのを見て、

 
 北斗「このままでは、今度こそTACは全滅してしまうぞ、夕子、ウルトラマンAは最後の最後まで人間の味方だと言うことを見せてやるんだ!!」
 夕子「……」

 北斗の呼びかけに、かすかに笑って頷く夕子タン。

 で、さっきは変身するなと忠告した謎の声(ウルトラの父?)は、何故か今度は止めようとせず、うまい具合にリングが光ったので、二人は空中で無事ウルトラマンAに変身する。

 
 だが、目の前にいるヒッポリト星人は影に過ぎないと考えているA(北斗)は、一戦もまじえることなく、その鼻先をかすめて何処かへ飛んで行ってしまう。

 ちなみにヒッポリト星人の身長200メートルと言うのは本当のようで、明らかにAより巨大である。

 
 Aが、あの運転手が超獣を見たという場所に降りると、睨んだとおり、円柱形の透明なチューブの中に、通常サイズのヒッポリト星人がいて、そこからコンビナートに影を送り出していたことが分かる。

 Aがビームでチューブを壊すと、竜隊長たちの前にいたヒッポリト星人が掻き消すようにいなくなる。

 
 吉村「どうしたんだ?」
 美川「Aがなにかしたのかしら」
 竜「北斗の言ってたことが当たってんのかも知れない……行ってみよう」

 ここから爽快なBGMが流れ出し、Aと実体のあるヒッポリト星人の肉弾戦となる。まともな戦いとなればAの楽勝……かと思われたが、宇宙最強(自称)は伊達ではなく、

 
 しばらく戦ったあと、Aをさっきのチューブの中に閉じ込めてしまう。

 ヒッポリト星人「残念だな、A、自分で自分の最後は見られないだろう。俺は貴様の最後をゆっくりと見せてもらうぞ」

 今思えば、ヒッポリト星人はわざと事故現場に手掛かりを残すことで、Aをこの場所まで誘導する作戦だったのかもしれない。

 だとすれば、恐るべき策士である。

 やがてチューブの中に特殊が液体が滝のように流れ、身動きできないAの体に降り注ぐ。

 ヒッポリト星人「へっへっへっ、苦しめ、苦しめ、だんだん死んでいくのだ

 破壊力のある台詞だなぁ。

 Aはそのうち両手をだらりと下げて棒立ちとなるが、活動を停止する間際、額からウルトラサインを出して兄弟に助けを求める。

 が、ヒッポリト星人は慌てず騒がす、それさえも予定のうちと言わんばかりに、チューブの中を緑色の煙で満たし、

 
 最終的に、Aをブロンズ像のように固めてしまう。

 ヒッポリト星人「次はウルトラ4兄弟に死んでもらう番だ」

 ウルトラ兄弟の接近を知りつつ、余裕たっぷりに待ち構えるヒッポリト星人。

 
 4兄弟は暇だったのか、割とすぐその場に飛んでくるが、変わり果てたAの姿に愕然とする。

 
 と、一旦姿を消していたヒッポリト星人が再び現れ、空からチューブを落としてウルトラマンとゾフィーをその中に閉じ込める。

 なんとか二人を助けようとした新マンもあえなく捕まり、唯一無事だったセブンが果敢にヒッポリト星人に立ち向かうが、

 
 拳から炎が噴き出す、まるで「マスクマン」のゴッドハンドのような凄まじいハードパンチを叩き込み、一方的にセブンを痛めつける。

 やはりさっきのAとの戦いは、相手を油断させるためにわざと全力を出さなかったと思われる。

 奮闘空しく、結局セブンもチューブの中に入れられてしまう。

 
 特殊な液体で動きを封じられたところに、緑色の煙でいぶされ、

 
 4人とも、思い思いのポーズで銅像にされてしまうのだった。

 いやー、たったひとりで5人のウルトラ戦士を倒してしまうとは、ヒッポリト星人、まさに最強であった。

 ヒッポリト星人もさすがに疲れたのか、それを見届けると霞のように消える。

 ほどなく、気付けば今回もクソの役にも立たなかったTACの隊員たちが駆けつけるが、

 
 美川「ウルトラ5兄弟が……」
 竜「……」

 信じがたい悪夢のような光景に、さすが豪胆な竜隊長も、魂の抜けたような顔で5体の死せる巨人の前に立ち尽くすのだった。

 ナレーターによるフォローもないまま、夕陽に照らされた5兄弟の無残な姿を映しつつ、次回へ続く。
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コメント

何故来ない

地球のピンチなのに他のウルトラ兄弟が来るのが遅いようですね😅ヒッポリト星人も中々戦略的に優れているようですね

朝比奈順子さんと谷津勲さん

朝比奈順子さんがこの回のゲストと認識したのはあるウルトラシリーズのマニアックなブログを読んでからです。ヒッポリト星人の声が谷津勲さんと知ったのもネットからでした。エースは基本声優の名前がクレジットされないので宇宙人の声はフォローし切れていません。
谷津勲さんの名前を初めて見たのは仮面ライダーの永キングの回でした。エイキングの声を聞いたときにヒッポリト星人に似ているとは思いましたが、声優が同一人物と知ったときは驚きました。

No title

映画「ウルトラマン物語」の様に、ウルトラ兄弟が喋って憤慨する方が個人的には好きでした。
それにしても、ブロンズ像にしてしまえなんて誰が言い出したんやろ?

ヒッポリト作戦第一号

ウルトラマンAに挑戦しに来た宇宙人が車に衝突して傷を負ったという時点でツッコミどころな気がしますが、そもそもどういう状況だったら宇宙人と車で事故が起こるんでしょうか
ヒッポリト星人が虚像を送り出す時にカプセルに入っていたという事は、衝突したのはカプセルに入る前でしょう(流石に真っ昼間に道の真ん中に立っている電話ボックス大の物体に気付かないという事は無いでしょうし)
という事はヒッポリト星人は地上にワープしてきた出会い頭に車と衝突し、怒って車をひっくり返した後に虚像を作り出した事になります
・・・・・・地球に来て早々人身事故とは開幕から地味にツイてない、多分ヒッポリト星人側が有責だろうし

ちなみに今回登場したAの人形は当時マスダヤという会社から発売されていたトーキング人形だそうです
紹介動画
https://www.youtube.com/watch?v=gPUkeL1AYbs

No title

リングが光った時の夕子の表情が良かったと思いました。ヒッポリト後編はほとんど封印(?)されたままの二人。竜隊長は巨大ヤプールの回は無責任な感じがしたのですがこの回は熱演です。

ネタで乗り切った前回から一転

TAC面々の掛け合い、ク〇ガキが前フリとなって癒し効果倍増の美女、
知略もフィジカルも強いヒッポリト星人のビジュアル演出等々、
ストーリー&レビュー共に充実したエピソードとなりましたな。

>夕子「星司さん、あまり動かさないで」
>ワンパク北斗を優しくたしなめる夕子タンであったが、
>この台詞から、うっかりスケベなことを妄想してしまった人
そりゃ、直前に「合体」「合体」と強調していれば。

No title

ウルトラ5兄弟をまんまと罠にはまり、テレポーテーションのように出現したり、上空から出現させるカプセルに閉じ込めて、ブロンズ像の姿にするなんて、卑怯なヒッポリト星人め!でも次回はウルトラの父が初登場の後編にご期待下さい!

Re: 何故来ない

まあ、ウルトラの星から来たのなら、むしろ早い方じゃないですか。

Re: 朝比奈順子さんと谷津勲さん

> 谷津勲さんの名前を初めて見たのは仮面ライダーの永キングの回でした。エイキングの声を聞いたときにヒッポリト星人に似ているとは思いましたが、声優が同一人物と知ったときは驚きました。

良い声されてますよね。

Re: No title

> 映画「ウルトラマン物語」の様に、ウルトラ兄弟が喋って憤慨する方が個人的には好きでした。

そう言えば、喋る場合と喋らない場合がありますね。

Re: ヒッポリト作戦第一号

> ウルトラマンAに挑戦しに来た宇宙人が車に衝突して傷を負ったという時点でツッコミどころな気がしますが、そもそもどういう状況だったら宇宙人と車で事故が起こるんでしょうか

考えたら変ですよね。

> ちなみに今回登場したAの人形は当時マスダヤという会社から発売されていたトーキング人形だそうです

わざわざリンクまで教えていただき、恐縮です。

Re: No title

> 竜隊長は巨大ヤプールの回は無責任な感じがしたのですがこの回は熱演です。

なんだかんだでカツコイイですよね。

Re: ネタで乗り切った前回から一転

> TAC面々の掛け合い、ク〇ガキが前フリとなって癒し効果倍増の美女、
> 知略もフィジカルも強いヒッポリト星人のビジュアル演出等々、
> ストーリー&レビュー共に充実したエピソードとなりましたな。

ありがとうございます。やっぱり作品が面白いと気合が入りますね。

> そりゃ、直前に「合体」「合体」と強調していれば。

我ながら、あまりに下品だったと反省しております。

Re: No title

ヒッポリト星人、強いですよね~。

貶めているのでは

最強の怪獣としてゼットンやタイラントがよく挙げられますが(平成はよくわからないし興味もないのでスルーします)、ヒッポリト星人があまりピックアップされないのはやはり策略によるものだからでしょうか。セブンと互角以上に戦っているので、戦闘能力も高いはずですが。
ただヒッポリト星人の能力は高く評価できますが、正直こんな展開では自分たちの作ったヒーローを貶めている気もしますね。実際、私は子供の頃にこの話を見てウルトラ兄弟に弱いイメージを持ちましたし。

Re: 貶めているのでは

確かに、あまりに弱過ぎですよね。

無抵抗

他の方が仰る通りヒッポリト星人の戦略は褒められて然るべきではありますが、必殺技の一つもやらずにあっさりと罠にかかるウルトラ兄弟も情け無いですね😅特にジャックの“ウルトラブレスレッド”なら罠を破ってもおかしくないと思うのは小生だけだと思うのでしょうか?

No title

ウルトラ5兄弟をまんまと罠にはまり、カプセルを閉じ込めて、ブロンズ像の姿で死んでしまうなんて、卑怯なヒッポリト星人め!次回のウルトラの父が初登場する後編をみんなで必ず観よう!ひょっとすると、ウルトラマンエースに合体変身する一人である南夕子が降板直前かも?

Re: 無抵抗

いくらなんでも弱過ぎますよね。

Re: No title

そう言えば、そろそろお別れですね。

No title

セブンが一人で奮戦する場面は、当時の児童
層にはセブンが一番人気だったから・・・とどこ
かで読んだ記憶があります。確かに第2期では
単独客演が多いですし、前作「ウルトラの星光
る時」の救出作戦の場面でも、初代マンよりセ
ブンがメインに据えられているように見えます。
その極めつけが「レオ」におけるダン隊長として
のレギュラー出演なのかも知れません。

梶隊員が「念力や分身術なんて非科学的」と述
べるのを見て「歴代のウルトラ戦士が念力を使っ
ていたことを地球人は認識していない?」と不思
議に思いました。しかし、初代~帰マンが念力を
使った場面を思い出すと、認識できていなくとも
不思議ではないようです。目撃者がいないような
状況だったこともありますし、セブンのアイスラッ
ガーが念力で操作されていることは目で見ただ
けでは分からないでしょう。帰マンがサータンを
空中に浮かせた場面も同様です。

やっぱり貶めている

最後まで頑張ったセブンですが、ゴドラ星人にカプセルに閉じ込められた経験があるのだから「内側から光線を打てば破壊出来るかも」ぐらいは考えてほしい気もしますね。
あと余談ですが、V3がマシーン大元帥との戦いで魔のピラミッドパワーを食らっても穴を掘って危機を脱する場面がありますが、ウエブでは「ヒッポリトと戦ったやつらよりは知恵が回る」などと言われており今回の話はやはり貶めている結果になっている印象です。

Re: No title

> セブンが一人で奮戦する場面は、当時の児童
> 層にはセブンが一番人気だったから・・・とどこ
> かで読んだ記憶があります。

昔から人気があったんですね。

> 梶隊員が「念力や分身術なんて非科学的」と述
> べるのを見て「歴代のウルトラ戦士が念力を使っ
> ていたことを地球人は認識していない?」と不思
> 議に思いました。

まあ、それ以前に、ウルトラマンの存在自体が非科学的なような気もします。

Re: やっぱり貶めている

その雑な扱いで、ウルトラマンやセブンと言う得難いキャラクターのブランドイメージを自分たちの手で貶めているような感じがします。

前にも書いたかもしれませんが、ウルトラ戦士の客演は最初からやらないほうが良かったかな、と。

No title

卑怯なヒッポリト星人の策略で、ブロンズ像の姿になって死んでしまったウルトラ5兄弟のうち、初代ウルトラマンがブロンズ像の姿になったポーズは何か見た事があるかと思うと、かつての本作「(初代)ウルトラマン」第7話「バラージの青い石」の劇中に出てくるノアの神とそっくりですな。

Re: No title

棒立ちじゃ絵にならないので、とりあえずポーズをつけたんでしょうね。

No title

後編と同時にウルトラの父が初登場の第27話「奇跡!ウルトラの父」はまだですか?

Re: No title

ちょうど今日公開しようと思ってたところです。

No title

ウルトラセブンがブロンズ像の姿で死なせたウルトラマンエースの敵を取ろうと、ヒッポリト星人と戦う時の声は、初代ウルトラマン、ウルトラマンジャック、エースと同じです。セブンのスーツの胸の銀のラインは短くなっており、かつての本作にはなかったですな。

Re: No title

スーツとかは適当ですよね。

No title

今から49年前の今日、放送されました。次回予告の最初のヒッポリト星人の罠でブロンズ像の姿になったエースを観て驚きました。次回の後編をみんなで観よう!

Re: No title

もう半世紀ですか。

違和感

夕子姉さんの“TACは勝てるのかしら“?はどうも違和感のある台詞でしたね😅勝てるわけがないから毎回毎回Aが登場して超獣を倒している事に気がつくと思うのですがね😅

Re: 違和感

だからと言って、絶対勝てないとは言えませんからね。

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zura1980

Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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