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横溝正史シリーズ2「八つ墓村」

八つ墓村 上巻 【DVD】

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 「横溝正史シリーズ」から半年後の1978年4月から始まった「横溝正史シリーズ2」。

 1で原作の代表作を使い切ってしまったため、この「八つ墓村」以外は、割とマイナーな作品が採用されている。中には「真珠郎」のように金田一耕助の出て来ない小説が使われることもあった。

 個人的にはこちらの方が好きで、内容的にも優れたものが多い、と思う。原作の面白さと映像化作品の面白さは反比例すると言う管理人の持論に沿うシリーズだ。

 ただし、この「八つ墓村」は正直ダメである。ダメなのに紹介するのは気が引けるが、一応全部浚うつもりなので。

 あまりにも有名な作品だし、その上登場人物が多く、やたらめったら人が殺されるストーリーなので、詳しい粗筋などは書かない。

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 主人公・辰弥を演じるのは荻島真一。彼は天涯孤独の孤児だったが、ある日、岡山の多治見家と言う旧家の跡取りとして招かれる。原作では化粧品会社に勤めているが、ドラマでは闇屋のブローカーみたいな、ややすれっからしの雰囲気。

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 で、初っ端から彼の祖父が目の前で毒殺される。そして彼を改めて迎えに来るのが、ヒロインの森美也子。演じる鰐淵さんは、顔がで……いや、この後の映画「悪魔が来りて笛を吹く」にも出演していた。

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 多治見家の出戻り娘(だったっけ?)で、義理の姉である春代を松尾嘉代が演じる。

 他にもたくさんキャラは出てくるが、ドラマではだいたいこの三人を軸にストーリーが展開される。全5回と言う長編なのに、原作のキャラが削られていたり、扱いが軽くなっていたりするのが不満である。

 たとえば、森美也子の元恋人の里村慎太郎は出番はかなり少ないけれど重要な役なのに、ドラマではほとんど何の見せ場もないまま殺されてしまう。彼だけは殺しちゃいけないはずなのに、さすがにこれはない。彼の妹・典子も原作ではヒロインとも言うべき存在だが、彼女は登場すらしない。

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 八つ墓村と言えば、落ち武者殺し~32人殺しと言う、恐ろしい事件の下敷きがあるが、あまりにポピュラーなので敢えて紹介しない。

 32人殺しの多治見要蔵を演じるのは中村敦夫。松竹の山崎努に比べたら怖くもなんともない「死霊の盆踊り」を披露する(ほんとに村の盆踊りの中へ突撃していく……)。

 そして、辰弥が帰ってきてから、ほとんど無目的と思える殺人事件が連続する。

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 で、我らが金田一耕助は原作を尊重してか、全体的に控え目な印象だ。

 彼が泊まる旅館のオリジナルキャラの女の子(津山登志子)がなかなかチャーミングなのだ。

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 辰弥と美也子は、原作では途中から曖昧になってしまうがドラマではかなり早い段階から男女の関係になる。

 こうして並ぶと鰐淵さんの……いや、なんでもないです。

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 そう言えば、松尾嘉代が負けじと(何に?)こんなアングルで辰弥と話すカットがあったけど、これははっきりいって失敗だろう。これでは単に妖怪「顔でか女」である。

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 で、原作どおりにあらかたの人物がぶっ殺されてハッピーエンド(どこがじゃ)。ただドラマでは原作にはないどんでん返し(と言うほどでもないが)が用意されている。これはこれで面白い。

 それだけならいいけど、最後の最後に、数ヵ月後、八つ墓村が濁流に襲われて壊滅し、辰弥も死んでしまうと言うめちゃくちゃなことになる。
 原作では、辰弥は恐ろしい目に遭いながら、埋蔵金と可愛いお嫁さんをゲットしているのだから、この落差はひどい。最低のオチである。

 とにかく個人的には不満だらけの映像作品であった。

 なお、2では当然、エンディングテーマ曲が変わり、タイトルバックも新しいものになっている。

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 ワシはこれがとても好きなのだ。茶木みやこさんの歌う「あざみの如く棘あれば」もとても良い曲。

 ところで、このタイトルバックはエピソードによってちょっと違うんだよね。今手元に資料がないのではっきりしないが、金田一が教会の外廊下(?)に座るシーンが妙に長いバージョンがあったと思う。

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 どうでもいいけど、金田一が河原を歩く時に、画面右端を何かが落下してるのが一瞬だけ見える。鳥かなぁ?


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コメント

いつもレスをありがとうございます。
この「八つ墓村」のテレビ版をちょっと前に見ました。
見応えがありました。最後までハラハラしました。
荻島真一はテレビでも私生活でも、どうも不幸の影がある人ですね。この役に合っています。ラストも不幸だし。
僕は映画版は未見です。そのうち見たいです。
それとね。影丸穣也が描いた漫画版。古本屋で2冊2000円で売っていました。そのうち買おうと思っていました。そして一大決心をした頃に他の人に買われてしまいました。情けない・・・・。

Re[1]:横溝正史シリーズ2「八つ墓村」(07/24)  

>影丸穣也が描いた漫画版。古本屋で2冊2000円で売っていました。そのうち買おうと思っていました。そして一大決心をした頃に他の人に買われてしまいました。情けない・・・・。

自分は文庫版を300円くらいで買いましたが、正直言ってつまんなかったです。KC版のプレミア価格としても2000円は高過ぎでは? 文庫版には横溝亮一氏のコラムもついているので、お得だと思いますが。

「八つ墓村」2時間版  

古谷一行の2時間版、観ました。
順番が逆になりましたが、「真珠郎」が2005年の32番目の最終作
「八つ墓村」は1991年の13作目だったんですね。

やはりフィルム撮影だけに雰囲気がいいですね。
辰弥役の鶴見辰吾はなかなかいい味出してるけど
美也子の夏木マリはミスキャストな気が・・・
辰弥が恋に落ちるのは無理がありました。
春代の浅田美代子は良かったです。
あと、ジョニー大倉の惨殺シーンは怖くもなんともない。
彼に3役もやらせてるのは手抜きもいいところ・・・
やっぱ、バブル崩壊直後で、予算が少なかったでしょうか?

渥美清の映画版も良くなかった記憶があります。
管理人様の仰るとおり「原作の面白さと映像化作品の面白さは反比例する」のでしょうか?

Re:「八つ墓村」2時間版(07/24)  

影の王子様
「八つ墓村」の映像化作品としては、かなり良心的な方ですね。
夏木マリはアレですが、短い尺の中でかなり忠実に原作を映像化していると思います。

原作「八つ墓村」は、プロットが複雑で、金田一耕助も脇役に過ぎないので、映像化は高確率で失敗します。

鶴太郎版は論外、稲垣版は金田一がでしゃばり過ぎ、松竹版は完全にオカルト映画になってたし、トヨエツ版もあまりにあっさりした作風でした。

松竹版の32人殺しや、稲垣版の美也子(若村麻由美)とか、それぞれ部分的に優れたところはあるんですけどね。

Re:横溝正史シリーズ2「八つ墓村」  

1978年版、全5回観ました。
演出は手堅くて好感が持てましたが、ご指摘の通りの脚本のマズさ・女性キャストの地味さで
陰惨さと救いの無さばかりが漂っていて、これは成功作ではないですね。
ラストは洞窟というクライマックスに相応しい場所が用意されてるのに
そこで盛り上がらないのが一番不満でした。

それにしても、管理人様がダメ押しされてるのについつい全話観てしまう
横溝原作の魅力は計り知れませんね。

Re[1]:横溝正史シリーズ2「八つ墓村」(07/24)  

影の王子様

個人的にはワースト3に入る作品ですね。

まぁ、原作を読んでるかどうかでも評価は違ってくると思いますが、これは原作の面白さが全く生かされていないので、どうしようもないです。

一度で良いから「八つ墓村」のちゃんとした映像化作品を見てみたいものです。

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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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