第1話「さすらいは爆破のあとで」(1977年2月2日)
記念すべき第1話である。
冒頭、ふたば幼稚園の送迎バスの底部に、戦闘員たちが時限装置付きのダイナマイトを仕掛ける。

みどり「みんな危ない!!」
さらに、近くの芝生にいた園児と先生に向かって車が突っ込んでくる。

で、その先生こそ愛しのみどりさんなのだった。
当時の特撮スタッフは子役にも容赦なく、

かなりのスピードで、そのすぐそばを走り抜けると言う、今ではまずありえない撮影をする。
子役たちもパワフルで、

車をよけようとして転んだ際、
「なーんやそれーっ!!」とでも言いたげな、豪快なリアクションで応える。

みどり「なんてことするの!!」
やっぱりみどりさんは綺麗だなぁ。
と、後部座席から、顔の半分をマスクで覆った不気味な男がニュッと顔を出す。

地獄竜「はははははっ」
記念すべき最初のボス・地獄組の地獄竜を演じるのは佐藤好将さんだが、声は怪人の声でお馴染み、依田英助さんが当てている。

みどり「地獄竜!!」
で、何故かその男のことを、幼稚園の先生であるみどりさんが知っているのである。
そんなに有名人なのだろうか?
でも、こんなおおっぴらに悪事を働いているのに、なんで警察は野放しにしてるんだ?
地獄竜「お嬢さん、地獄竜の恐ろしさ、私の部下に教えてもらいなさい」
地獄竜は車に乗ってさっさと走り去るが、タイトル表示後、

みどり「やめて、やめてください」
川のそばに移動し、命令どおり、みどりさんと子供たちをよってたかっていぢめている、大人気ないにもほどがある地獄組の皆さん。
ほんと、全編通してこれだけ大人気ない連中もいないだろう。
正直、そんなことして何の得になるのかさっぱり分からなかったが、そこに颯爽とあらわれてみどりさんたちを助けたのが、

早川ならぬ、その親友・飛鳥五郎その人であった。
戦闘員「誰だっ」
飛鳥「飛鳥五郎、と言ったところで知らないだろうがね、山登りの好きな貧乏学者さ」
みどり「お兄さん!!」
飛鳥「久しぶりだな、みどり」
さすが早川の親友だけあって、その腕っ節はなかなかのもので、軽く下っ端たちを片付ける。
だが、何処からか銃弾が飛んできて、飛鳥の登山帽を撃ち抜き、弾き飛ばす。
振り向けば、西部劇のガンマンのような男がゆっくりと近付いてくる。
みどり「地獄竜用心棒ランカークよ」
幼稚園の先生なのに、妙に裏社会のことに詳しいみどりさん。

ランカークを演じるのは、「イナズマンF」の上野山功一さん。
飛鳥の顔ぎりぎりに威嚇射撃をしてから、
ランカーク「今度は心臓をぶち抜くぜ」
ガチで飛鳥を殺しに掛かる。
くどいようだが、なんでこんな危ない奴が野放しになってるんだ?

兄のピンチに、頬を強張らせるみどりタン。
うーん、やっぱり綺麗でおま。
だが、ランカークが引き金を引いた瞬間、何者かが投げた石礫が当たり、狙いが外れる。
続いて、あのお馴染みのギターの音色が聞こえてくる。
ランカーク「誰だ? 何処だっ? 出て来い!!」

ランカークの呼びかけに応じ、背後の岩山の上に、ギターを持ち、黒い革ジャンの上下に身を包んだ、ウエスタンハットを目深にかぶった男があらわれる。
我らが主人公・早川健である。
無論、この時点では、ただの私立探偵に過ぎない。
早川、ギターを弾きながら岩山を降りてくる。

ランカーク「良い度胸だ、だが貴様は俺が誰だか知らねえらしいな」
早川「地獄竜の用心棒ランカーク、日本じゃあ二番目の拳銃使い」
ランカーク「二番目だと、じゃあ日本一は誰だ?」
早川「ヒュウッ、チチチチチ、はっはっはっ」
口笛を吹き、帽子を押し上げ、親指で自分を指差すお決まりのゼスチャーを見せる早川。
しかし、この問答、事前にみどりさんがランカークのことを口にしてるので、いまひとつ決まってない。
ランカーク「貴様、何処の馬の骨だ」
早川「お前さんのような、悪い馬の骨を探してる男さ」
ランカーク、よせばいいのに、早川に銃を渡して射撃比べをしようとする。
二人ともさっさと撃ち殺していれば、第1話にしてダッカーの大勝利が早くも転がり込んでいただろうに……
ランカーク、近くにいた白いウサギを的にしようとするが、

オサム「やめろ!!」
みどり「オサム君」
ランカーク「坊主、そのウサギをこっちへ渡せ」
オサム「俺のウサギに何をするんだっ」
そこへいきなり飛び出してきてウサギを抱いたのが、レギュラーのオサム少年であった。
みどりさんとはこの時点で知り合いらしいのだが、詳しい関係は不明である。
つーか、ペットのウサギをそんなところに放してんじゃねえよ。
早川「坊や、心配するな、そのウサギは俺が殺させやしない」
早川がオサム少年を安心させ、勝負となるが、

ランカーク「貴様は赤、俺は黄色の花びらを撃つ、花びらを多く落としたほうが勝ちだ」
みどり(分かりにくいっ!!) 初回と言うことで、ズバット名物珍芸対決も実にあっさりしたもので、二人同時にウサギに向かって連射し、

ランカーク「馬鹿なっ!!」
みどり(分かりにくいっ!!) と言うのは嘘だが、何がどうなったのか、なんでランカークが驚いているのか分かりにくいのは事実である
ランカーク、ウサギも殺すつもりで撃ったのに、ウサギがピンピンしてるから驚いたのだろうか?
しかも、これでは赤い花びらだけ残ったようで、逆に早川が負けたようにも見えてしまう。
ランカーク「だが、貴様の弾も全部外れた」
早川「ふっふふ、俺の勝ちだ」
ランカーク「どういう意味だ」
早川「お前の弾は全部……チッチッ」
オサム「あったよーっ!! 飛鳥さんの言ったとおりだ」
早川の謎めいた言葉にランカークが怪訝な顔をしていると、ウサギを取りに行ったオサムがはしゃいだ声を上げて手のひらの中のものを見せる。
どうでもいいが、飛鳥さん、何か言いましたっけ?
シナリオでは、飛鳥「坊や、弾を見てごらん」みたいな台詞があったのかしら。
それはともかく、

オサム「ほらっ」
みどり(分かりにくいっ!!) ほんっっっとに、分かりにくいが、どうやらランカークの弾が全部バラバラになっていることを示しているようだ。
ランカーク「……」
ここでランカークが思考モードに入り、早川の弾が、ランカークの弾に当たって砕ける映像が映し出される。
これも、正直、分かりにくい。
これだけ一から十まで分かりにくい珍芸対決は他にあるまい。
まあ、まだ手探り状態で撮ってるだろうから、仕方あるまい。
あるまい、あるまいって、俺はアルマイトの化身か?
ランカークたちがすごすごと退散した後、味方である筈の早川と飛鳥が無駄に多いカットで睨み合って、さらにはちょっとした立ち回りまで演じ、再びその場に緊張が走る。

みどり「どうしたの、二人とも?」
早川「……」
飛鳥「……」
みどりが戸惑った声を出すが、

やがてどちらからともなく笑い出し、がっちり手を握り合う。
そう、昔の「オールスター野球大会」で、ピッチャーのマチャアキが井上順にデッドボールを投げて、マウンド上で両者が睨み合い、殴り合いになるかと思わせて二人が恋人同士のように抱き合うと言う、お約束のギャグのようなニセ喧嘩だったのである。
みどり(たとえが分かりにくいっ!!) 次のシーンでは、園児たちと一緒に送迎バスに揺られている4人。

みどり「それじゃあ、あなたが早川さん?」
早川「ああ、ぁ私立探偵の早川健です」
みどり、兄から早川のことは聞かされていたが、直接会ったのは今日が初めてだった。
早川、礼儀正しく自己紹介すると、
早川「飛鳥、お前もひどい男だなぁ」
飛鳥「うん?」
早川「こんなに可愛い妹さんがいるのを俺に隠してるなんて」
みどり「まぁ」
早川、おどけた口調でお世辞を言い、みどりさんもくすぐったそうに笑う。
だが、悲しいかな、早川が劇中でみどりさんの容姿を褒めるのは、これが最初で最後となってしまう。
この後、時限爆弾の音に早川が気付き、急いで子供たちを下ろす。
そして飛鳥がバスを運転して安全な場所まで運ぼうとし、それを早川がバスの窓にしがみついて止めようとすると言う、無駄に派手なアクションとなる。
早川は途中で振り落とされ、バスは空き地で爆発する。
飛鳥は重傷を負ったものの、幸い、命に別状はなかった。
包帯でぐるぐる巻きにされて病院のベッドで寝ている飛鳥を、早川たちが心配そうに見守っている。

オサム「良かった、気がついたよ」
飛鳥「早川、いたのか」
早川「バカヤロウ、心配させやがって……はっはっはっはっ」
飛鳥「山男がこんなことでくたばってたまるか……それで犯人は分かったのか」
早川「ああ、警視庁から刑事が来て調べてるんだが、証拠ひとつ掴めん。俺には分かってる、地獄竜の仕業さ」
と、俄かに病院の中が慌しくなる。
早川が廊下に出ると、逃げ惑う患者や看護婦たちでパニック状態になっていた。
早川、マブダチの東条の姿を見掛け、声を掛ける。
早川「おい、東条、どうした」
東条「早川、大変だ」

東条「あ、警視庁八課の登場です、早川とは大学時代の友人でしてね」
飛鳥「あ、これはどうも、僕は早川の……」
東条「子供の頃からのパシリ、話は伺ってます。飛鳥さん、突然ですが、焼きそばパンを買って来てもらいます」
飛鳥「……」
じゃなくて、
東条「子供の頃からの兄弟以上の親友、話は伺ってます。飛鳥さん、突然ですが、他の病院へ移ってもらいます」
早川「おい、どういうわけだい」
東条「たった今、市長のところに脅迫状が届いた、午後1時までに30億円の金を用意しないと、この病院を爆破するというんだ」
早川「1時ぃ?」
挨拶もそこそこに事情を説明する東条だったが、言ってるそばから病院のあちこちで激しい爆発が起きる。
混乱の中、早川は廊下の角を曲がって逃げる地獄竜の姿を目撃する。
それを追いかけようとした瞬間、

早川の後ろにいた飛鳥が、手術室から何者かに銃を撃たれ、血まみれになる。
その直後、「はっはっはっはっ」と言う、犯人の笑い声が聞こえる。
どうも、それ、ランカークの声っぽいのだが、よく分からない。

早川「飛鳥」
飛鳥「早川……」
早川「ここにいるぞ」
飛鳥「俺は許さねえ、あんな爆弾なんか使う奴は……」
早川「ああ」
飛鳥「戦う、怪我が治ったら、お前と二人でな」
そんな状態でありながら、闘志を失わない気丈な飛鳥であったが、そう言った直後、静かに息を引き取る。

早川「飛鳥っ、飛鳥っ、飛鳥ーっ!!」
OPでも使われている、早川の絶叫カット。
CM後、みどりのアパートに早川が弔問に訪れている。

みどり「兄は12発の弾丸を体に受けていたそうです、あの火の中で」
早川「僕は飛鳥を殺した奴の笑い声を聞きました。あの笑い声は決して忘れません」
と断言する早川だったが、これ以降、早川がその笑い声を犯人探しの手掛かりにすることはないのだった。
つーか、普通は、銃の名人ランカークが犯人だと考えるのが自然だが、何故か、早川は一度もランカークのことは疑わないのである。
変だ。
みどり「早川さん、私はあなたを恨みます、あなたさえ来なかったらこんなことには……」
早川「……」
たったひとりの肉親を失ったばかりのみどり、さすがに冷静ではいられず、声を震わせて早川を非難し、嗚咽を漏らす。
もっとも、早川があの時現れなければランカークに撃ち殺されていたのは確実なので、早川を責めるのは明らかな筋違いである。
だが、誰よりも深く飛鳥の死に責任を感じている早川の胸には、みどりの言葉がアイスピックのようにザクザク突き刺さる。
いたたまれなくなって帰ろうとした早川を、みどりが鋭く呼び止め、

みどり「早川さん!! 兄のたった一つの形見です、持ってってください。見るとつらくなりますから……」
早川に、兄の遺品のギターを差し出す。
早川は無言でひったくるようにギターを掴むと、部屋を出て行く。

早川「赤い夕陽に燃え上がる~♪ 君と誓った、地平線~♪ ああ、愛しても、憎んでも……るるるる、帰らない君ぃとふ……うう……」
早川、亡き親友のために夕陽に向かって「二人の地平線」を歌うが、在りし日の飛鳥の姿がまぶたの裏にちらついて、熱い涙がとめどなくその頬を濡らし、途中で声を詰まらせる。
早川「飛鳥!! あーすかーっ!!
俺の貸した2万円は一体どうなるんだーっ!!」
普通の人間なら犯人探しは警察に任せるところだが、早川は普通の人間ではなかったので、

早川「飛鳥、俺は今お前の研究室に来ている、お前の研究途中だった強化服の発明は俺が受け継ぐぜ、俺はこの強化服を必ず完成させて見せるぜ。俺はお前が宇宙探検用に開発中だった強化服と、特殊自動車、正義のために役立てる、飛鳥、見ていろ、お前の強化服、お前の車でカタキは必ず取ってやる」
飛鳥の研究室に遺族の許可も得ずに勝手に入り、その設備を遠慮会釈なく使い倒して自分の復讐のためのスーツとメカの開発にいそしむのだった。
しかし、本物の学者だった飛鳥でさえ梃子摺っていた研究、大学は出てるらしいが、シロートの早川がたった一人でそう簡単に成し遂げられるとは思えなかったが、
早川「できたぞーっ!!」 出来ちゃったみたいです!! 話が早くて良いねえ、江戸っ子だねえ。
早川「見てくれ、飛鳥、これがお前の強化服、ズバットスーツ!! そしてこれがズバッカー!!」
早川、人間離れしたネーミングセンスを発揮して、スーツおよびカーに名前をつける。
どーでもいいが、宇宙探検用の
車ぁ? ちなみに、この、第1話で親友が殺されて、親友の残した研究を受け継いでヒーローになると言うプロット、後の「ライブマン」の導入部の元ネタっぽい。
一方、これまた初登場となる悪の大組織ダッカーの首領Lの前に、恭しく地獄竜が報告に訪れる。
L「30億円は無事手に入ったようだな」
地獄竜「はい、あの病院爆破を見て、市長も青くなって金を用意してきました」
L「でかしたぞ、地獄竜」
しかし、地方自治体の市長が、いくら脅されたからってポンと30億なんて大金を出すだろうか。
ここは、3億円くらいが妥当かと。
L、口では褒めながら、意味ありげな視線を地獄竜に注ぎ、Lの恐ろしさを骨身に徹して知っている地獄竜も怯えたようにあとずさる。
果たして、Lは椅子についているボタンを押し、ダーツのようなものを発射して地獄竜の顔の横に突き立てる。

L「甘ったるい!! 早川健と言うチンピラ探偵がまだ生きておる、何故始末せん」
地獄竜「そ、それは……」
L「探し出せ!!」
ダン隊長並みに部下に厳しいLは、30億円程度では満足せず、更なる成果を求める。
なお、最初と言うことで、Lの顔の塗り方が中途半端で、若干、ゴリポン系の顔になっている。

L「この悪の大組織ダッカーに楯突く奴はひとりでも生かしてはおかん。探し出して殺せ!!」
L、重ねて命令した後、はじめての「マント翻し」を披露する。
前にも書いたけど、「デスノート」の世界的名探偵の正体がこの人だったら、笑えただろうな、と。
色々あって、早川、みどり、オサムの三人は地獄組に捕まって、「NOA」と言う近代的なビルにある組事務所に連れて行かれ、拷問を受ける。

みどり「あーっ、あーっ!!」
先の割れた竹刀で、地獄竜に何度も打擲されるみどりさん。
いやぁ、黒髪の美少女が苦痛に悶える姿は絵になりますなぁ。
このように序盤はワルモノたちに大人気のみどりさんだが、中盤から、ほとんど見向きもされなくなるのが残念だ。
早川とオサムは、柱に縛り付けられ、みどりさんがいたぶられるのを見せられていた。

早川「やめろ、俺が憎いなら、俺を殴れ。何故みどりさんを殴るんだ」
地獄竜「ふふふふ、この女をひどい目に遭わせると、貴様がその通り苦しむからよ」
早川「やめろ、やめてくれ」
地獄竜「喚け、苦しめ、はははははは、地獄の苦しみを与えたあとで殺す、それがこの地獄竜のやり方だ」
憎々しげに言い放つと、なおもみどりさんを打ち据える。
地獄竜「爆弾に比べると楽しみが少ないな。次はその小僧だ」
早川「地獄竜、今なんと言った? やはり爆弾を仕掛けたのは貴様だったんだな」
地獄竜「当たり前だ、はははは、俺以外にあんな見事な仕事の出来るやつがいると思うか」
早川「やはり貴様か、その言葉を待ってたぜ、地獄竜」
初回と言うことで、妙に慎重な早川、地獄竜自身が「当たり前だのクラッカー」と言ってるくらい、一連の犯行が地獄組によるものだということは明々白々なのに、地獄竜の言質を取ってから、やっと確信を抱くのだった。
地獄竜、今度はオサム少年を床に転がし、竹刀でいたぶるという、全然楽しくないことを始めるが、それに夢中になっているうちに、忽然と早川が姿を消してしまう。
キョロキョロと周囲を見回してた地獄竜、近付いてくるエンジン音に窓際に行き、下を見ると、
ズバット(いや~ん、見ないで~、もう、恥ずかしい~) 客待ちのタクシーの運ちゃんたちに、その恥ずかしいフォルムをガン見されながら、ズバットがズバッカーに乗って驀進してくるのが見えた。
ズバット、ズバッカーで空を飛び、窓ガラスを蹴破って部屋に飛び込み、名乗りを上げる。
そして丸い屋上に出て、ラス殺陣となる。
と、早くもヘルメットのタイマーが警報を発し始める。
ズバット(しまった、飛鳥、俺が強化服を着ていられるのは5分が限度なんだ、5分を過ぎると俺の体はバラバラになる。あと1分しかない) ちなみにこのズバットの焦燥の台詞に、「二人の地平線」のイントロが流れるのだが、はっきり言って選曲ミス。
ズバット、ランカークの銃弾を鞭で払い落とすという、トシちゃんみたいな芸を見せると、十字剣でランカークのどてっぱらを突き刺し、殺す。
今回一番納得行かないのがこのシーンで、前述したように、飛鳥殺しの最有力容疑者は誰がどう考えても銃の名手ランカークなのに、彼に対して「飛鳥五郎を殺したのは貴様だな」と言う尋問をしないまま殺してしまっているのである。
ちなみに最終回で総統Dが犯人だったと分かるのだが、わざわざDがそんな危険な現場に出向いて飛鳥を殺す必要は全くなく、それこそ、地獄竜に命じてランカークに飛鳥を殺させれば済むことではないか。
それはともかく、路上に下りて地獄竜をぶちのめし、必殺「ズバットアタック」を繰り出すズバットだったが、

これまた初回と言うことで、キックではなく、股間を相手の顔に押し付けるという、ほとんど、
変態仮面のフィニッシュホールドにしか見えないのだった。

ズバット「地獄竜、飛鳥五郎と言う男を殺したのは貴様だな」
地獄竜「げぇげぇええ」
ズバット「貴様だな?」
地獄竜「違う、俺じゃない」
ズバット「嘘をつけ!!」
地獄竜「本当だ」
ズバット「……」
ズバット、初めての「尋問」を行うが、無論、ここで地獄竜が白状してしまうと、番組が終わってしまうので、地獄竜はあくまで否定する。
ズバット、地獄竜を殴り倒すと、飛鳥が撃たれる直前、地獄竜が手術室とは反対側に走って行ったことを思い出し、
ズバット「地獄竜のいたあの位置からでは、飛鳥を撃つことは出来ない……やはり……では、飛鳥を殺したのはこいつじゃなかったのか」
何気に、これって、ズバットが、相手の言い分によらず、論理的に飛鳥五郎殺しの犯人ではないと導き出した、唯一の例なんだよね。
ラスト、荒野の向こうに去った早川に向かって大声で呼びかけているみどりさんとオサム。

みどり「早川さーん」
オサム「早川さーん」
みどり「私はひどいこと言い過ぎたわ、だから早川さん行っちゃったのかしら」
オサム「俺、早川さん追いかけるよ、助手にしてもらうんだ」
みどり「私も行くわ、お兄さんを殺した犯人を探す旅に」
二人が決意を固めているシーンで幕となり、EDとなる。
しかし、さっきの場面、みどりさんたちからすれば、早川が自分だけさっさとトンズラしたようにしか見えず、そんな男の助手にしてもらおうと思うだろうか?
その癖、ズバットの正体が早川だということは、これっぽっちも思わないのだから、矛盾してるよなぁ。
なので、あそこは、早川が命懸けで二人を救い、生死不明になってからズバットがあらわれる……と言う風にしたほうが、二人の最後の台詞がしっくり来たと思う。
そもそも、どうやって早川がロープを解いたのか、その説明が全くないではないか。

ちなみに、EDで印象に残る、夕陽の中、馬にまたがって進む早川のシルエットだが、実はこれ、地獄竜を演じた佐藤好将さんの吹き替えだそうな。
なんでも、馬が暴れて、まだ乗馬の上手くなかった宮内さんには乗りこなせなかったらしい。
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