第21話「密室の牙・リリィはミステリーがお好き」(1983年7月22日)
タイトルから分かるように、リリィが主役のエピソードである。
以前紹介した時は、なんだかパンチの弱い話だなぁと気にも留めなかったのだが……
のっけから、

敵の攻撃を受けつつ、荒野を疾走しているモトシャリアンの姿が映し出され、「ガリガリ底を削らないかしら?」と視聴者をドキドキハラハラさせる、掴みはばっちりのアクションシーンからスタート。
シャリバンは、マドーのコマンド部隊に奇襲攻撃を受けたのだが、難なくこれを撃退する。
だが、

砂浜を走り抜けた際、小さな、サザエの殻のようなものが二つ海中から飛び出て、ジェットノズルに付着したのには気付かなかった。
今回のシナリオ、なかなか優れものなのだが、この殻が、二つあるというのだけが引っ掛かるんだよね。
登場するビーストは一体なんだから、これもひとつじゃないとおかしいのではないかと……
それとも、ひとつはダミーだったのだろうか。
シャリバンはグランドバースに帰還するが、

一度使ったメカは、こうして徹底的に洗浄していることが、初めて明かされる。
メンテナンスだけでなく、マドーが爆発物でも取り付けていないか、チェックする意味もあるのだろう。
さらに、床に落ちたゴミや付着物は、リリィが掃除機で吸い取るという細やかさで、あの殻もあえなくノズルに吸い込まれてしまう。
良く、シャリバンがヒーヒー言いながら戦っている間、一体リリィは何をしてるんだと突っ込むことがあるが、答えはこのシーンに出ていたんだね。
そう、一家の主婦のように、リリィは亭主、否、シャリバンが外でコンバットしている間、グランドバースや各メカの整備をしていたのだ。
無論、後述のように、暢気に本を読んでいる場合もあろうが……
清掃作業を終え、二人は清々した気分で操縦席に戻ってくるが、

リリィ「ねえ、今度の休みの日、ちょっと付き合ってよショッピング」
リリィの頼みに、

電「ええっ?」
露骨に嫌そうな顔をすると、
電「あ、そうだ、パトロールの時間だよ、うん」
リリィ「まだ早いじゃない」
電「いやいや、マドーは油断が出来ないからな、じゃ、行って来まーす」
パトロールにかこつけて、とっとと逃げ出してしまう。
リリィ「もうっ!!」
全くの偶然であったが、マドーにとっては願ってもない状況となる。
電のジープが足元を通過するのを、歩道橋の上から見ているミスアクマ1。

ミスアクマ1「シャリバンが通過しました」
ポルターの声「シャリバンを刺激するな、何事もなく異常なしと報告させるのだ」
ミスアクマ1「了解」
いかにも女の子らしい私服が着れて、ちょっと嬉しそうなミスアクマ1。
どうでもいいが、結婚したらミセスアクマ1になるんだろうか。
マドーの陰謀が進行中とも知らず、

グランドバースの船内で、しょうもないBGMを流しながらエアロビクスにいそしんでいるリリィ。
以前は何も感じなかったが、

その場でぐるぐる走る時の、白いマシュマロのようなおっぱいが作り出す深い谷間が、なかなか美味しそうであることに気付いた管理人であった。
惜しむらくは、カメラが寄ってくれないのではっきり見えないこと。

ついで、シャワータイムとなるが、ここでもおっぱいは見せてくれない(当たり前だハゲ)
その頃、既にあの殻のひとつは、ボウリングの球ほどの大きさに成長し、青白い光で明滅を続けていた。
と言うことは、やはりもうひとつの殻はダミーだったのか?
一方、幻夢城では、

ポルター「そろそろ殻を破る時間だ」
ガイラー「上手く行くかな」
ポルター「遺伝子や染色体を組み替えて漸く完成させた受精卵なのだ。
だいじょうぶ、きっと上手くいく」
心配するガイラーに、ポルターが、「悪の組織」の幹部らしからぬ前向きな台詞で請け合っていた。
サイコ「グランドバースがずたずたになるぞ、カオーッ!!」
そう、今回の作戦は、正面から戦っては到底シャリバンに勝てないので、その母艦にビーストを潜入させて内部からその拠り所を破壊しようと言う、ありがちだが効果的な作戦なのである。
ただ、惜しむらくは、電の外出と言う偶然の出来事に頼っていることからも分かるように、電をグランドバースから引き離しておくための陽動作戦がお座なりになっていることだった。
ここに、もう一体囮用のビーストを作り出して、全く別の作戦を大々的に行っていれば、電を地上に釘付けにして、目論見どおりグランドバースを沈めることが出来たかも知れないのだが……
さて、再びグランドバース。
ナレ「リリィは、超音波赤外線パックを受けながら、グランドバースでのひと時を楽しんでいた」
リリィ(超音波赤外線パックってなんやねん?) ……と言うのは嘘だが、ほんと、なんだろう?
あと、リリィの読んでる小説が、クソつまんなさそうなんですが……
つーか、これ、ミステリーじゃなくてどう見てもSFだよね?
これは番組で作ったものではなく、実際に刊行されている小説だと思うが、良く分からない。
と、ここで不粋な警報ブザーが鳴り響き、リリィがしぶしぶ操縦席に行くと、格納庫に何か異常があることが分かる。
ここもちょっと分かりにくいのだが、モニターには、格納庫のダストボックスの上にへばりついている、発光を繰り返している奇妙なサザエの殻のようなものが映っていた。
リリィ「何かしら?」
リリィが格納庫に行くと、巨大な殻は既になく、ダストボックスの前の床に小さな殻の破片が散らばっていた。
これもちょっと分かりにくいんだよね。
その破片が、破片と言うより、最初にノズルについていた殻のようにも見えるので、一瞬、殻がまた小さくなったのかと思ってしまうのだ。
リリィ「さっき捨てた筈なのに……」

リリィ「うっ?」
その殻を拾い集めていたリリィ、不意に、弾かれたように振り向き、全身に緊張を漲らせる。
リリィ(気配がする……何かいるのかしら?)
リリィがゆっくりと立ち上がり、モトシャリアンに向かって歩き出すと、電ののんびりした声が聞こえてくる。

電の声「こちらシャリバン、リリィ、応答願います」
リリィ「ちょっと待ってください……」
電の声「リリィ、リリィちゃん、居眠り中ですか? それともシェイプアップ体操を終えてシャワールームってとこかな」
リリィ「……」
電の声「どうした、リリィ!!」
リリィ「うんっ、うるさいわねえ」
リリィが電の声を無視してモトシャリアンの車体を調べていると、最初はおどけて軽口を叩いていた電の声が、俄かに真剣味を帯びてくる。
基本的に真面目な電がリリィに対してこんな口調でこんな台詞を言うのは珍しい。
どっちかって言うと、烈が言いそうな台詞だよね。
リリィは掃除機でもう一度殻を回収すると、うるさく呼び続けている電の相手をしに操縦席に取って返す。
リリィ「はい、こちらリリィ」
電「あ……かなり激しくやってますね、大変だな、最近太り気味だから」
リリィ「何言ってんの!!」
リリィの声を聞いて思わず安堵の息を漏らす電だったが、すぐにからかうような口調に戻る。
電、リリィがエアロビに熱中して、それで応答しなかったと思い込んでいるのだ。
電「えー、こちらは全く異常なし、そっちも勿論天下泰平だな」
リリィ「まあね」
電「じゃ俺はもう一回りして帰るから」
リリィ「あ、シャリバン……」
電「分かってるよ、ショッピングに付き合ってやる、じゃあまたね」
リリィ、さっきのことを知らせようとするが、電は一人合点して一方的に切ってしまう。

リリィ「ふーっ、気楽な人!!」
リリィ、溜息をつくと、もう一度モトシャリアンをモニターに映し出すが、何の問題もなさそうであった。
リリィ「よし、異常なし」

だが、異常は大有りで、殻から抜け出たビーストの幼体が、船内を徘徊していたのである!!
この造型、もろにエイリアンが人間のお腹から飛び出したときの姿を彷彿とさせるが、今回のプロット自体、「エイリアン」を下敷きにしているのだろう。
ただ、あの動かない殻に反応していた警報ブザーが、しばらくはこの怪物に反応しなかったのは、いささか不自然のようにも思える。
それでも漸く警報ブザーが鳴り始めたので、リリィは読みかけの本を置いて操縦席へ。
リリィ「通信回路が故障?」
今度は、通信回路の故障と言うただならぬ事態だったので、リリィも臨戦態勢に入り、

武器を入れてあるロッカーを開け、

自分のレーザーガンを取り出す。
この近未来的なロッカーといい、レーザーガン(正式名称不明)のエネルギーカートリッジをガコッと嵌め込むところなど、セットとプロップの作り込みが実に素晴らしい。
リリィが通信室へ行くと、回路や基板がずたずたに引き裂かれていた。
リリィ(これじゃ、何処も連絡できない……もしかしたら)

リリィ、念のため、赤射システムのある部屋を見に行くが、さいわい、そこは手付かずだった。
しかし、グランドバースの通信システムがダウンしても、電やリリィの持っている小型通信機は、それとは独立しているんじゃないかと思うんだけどね。
ま、リリィが外部と連絡できなくなる、すなわち、グランドバースが「密室」にならなくてはこの話が成立しないので、その辺は忘れることにしよう。
一方、電がジープを走らせていると、細長い池(濠?)の上から自分の名を呼ぶものがいる。

電「やあーっ」
千秋「電さんもいらっしゃいよー」
それは、小次郎さん、千秋、千恵、明のいつもの4人で、ボート遊びを楽しんでいるのだった。
明「涼しくて気持ちいいよー」
千恵「サイコーよーっ!!」
電「……」
千恵の声に、
電「千恵ちゃんこそサイコーだよっ!!」 と、大声で叫びたくなるのを鉄の自制心で抑える真性ロリコン戦士・電であった。
電曰く、「自制心のない奴にロリコンをやる資格はねえ!!」なのです。
小次郎「とんでもねえって、千秋ちゃんをデートに誘ったら、二人のこぶまでついて来て、もうたまんねえよっ!!」
電「ははははっ」
小次郎さんの悲鳴のようなぼやきに、思わず破顔する電だったが、そこに烈からの通信が入る。

烈「シャリバン、俺だ、グランドバースが出ないんだ、定時連絡がないんで、リリィに連絡を取っているんだが」
電「そうですか? こちらシャリバン、リリィ、応答願います……おかしいな、これから帰って調べます」
烈「そうしてくれ」
しかし、さっきは見て見ぬふりをするといったが、烈のいる銀河連邦警察から、電のジープにじかに通信できるのに、リリィの持っているであろう通信機で電と通信できないと言うのは、明らかに変である。
ここは、無理に烈を出す必要はなかったようにも思うが……
電は断腸の思いで千恵の誘いを断り、グランドバースに引き揚げようとするが、まさにその時、千秋たちの悲鳴が聞こえたかと思うと、何処からともなくあらわれた白い大きな風船に千恵と明の体が飲み込まれてしまう。

それを見てハッとする千秋。
前にも貼ったような気がするが、この、千秋の舌の上の窪みが可愛いのです!!
小次郎「明、千恵!! 電ちゃん、電ちゃん、ちょっと!!」
そのまま空中に飛んでいく風船にどうすることも出来ず、小次郎さんは必死に電に助けを求める。
これが明だけなら無視するのだが、なにしろ千恵も一緒なので電が放って置ける筈もなく、グランドバースのこともリリィのことも忘却の彼方に追いやって、死に物狂いで浮遊する風船を追いかける。
再び幻夢城。
ポルター「ウツボビーストは成獣に成長しました、シャリバンは風船を追いかけています、グランドバースが爆発するのも時間の問題です」
サイコ「グランドバースが木っ端微塵になるのを早く見たい」
その頃、リリィはひとりで通信システムを修理していたが、頻繁に警報がブザーが鳴るのでなかなか集中できない。
今度は機関室の異常と言うことでモニターを切り替えると、

完全な魔怪獣となったウツボビーストが、我が物顔で機関室をのたくりまわっているではないか。
リリィ「キャアッ、はぁっ!!」 思わず飛び退き、悲鳴を上げるリリィ。
いかにも女の子らしいリアクションではあったが、ここは、ふだん見慣れている魔怪獣としての姿より、生理的に気持ち悪い幼体を見て驚くほうが良かったかな、と言う気もする。
結局、幼体は、視聴者以外に誰にも見られずに消えてしまったことになるし……
しばし、台所でゴキブリに遭遇した主婦のように慄然と立ち尽くすリリィだったが、
リリィ(なんだろう? もしかしたら、あの貝殻……生まれたんだわ、あの時)
漸くあの殻から、何か恐ろしい生物が誕生したのではないかと気付くのだった。

リリィ「こちらリリィ、シャリバン応答願います!! シャリバン? シャリバン!!」
無駄と承知で、思わず電に助けを求めてしまうリリィだったが、無論、返事はない。
リリィ(あれはマドーの魔怪獣、グランドバース破壊のために送り込まれたに違いないわ)
だが、リリィとて立派な宇宙刑事、安全な場所で震えている訳にも行かず、勇気を奮ってプラズマカノンのエネルギータンクに接近している魔怪獣を狩りに行く。

何処からともなく聞こえてくる魔怪獣の唸り声や気配を頼りに船内を探索するリリィであったが、いきなり天井から襲い掛かられ、思わず悲鳴を上げたところでCMです。
この辺の演出は実にサスペンスフルで、特に、頭上から魔怪獣が降ってくるあたりは、本家「エイリアン」に負けないくらいの怖さがある。
ちなみにウツボビーストの登場時のテロップが、明らかに「ウッボビースト」になっている。
CM後、自分がずっぽり罠に嵌まっているとも知らず、ひたすら風船を追いかけている電。

埒が明かないので、ビルの屋上から飛び降りて、空中で風船をキャッチするが、地上で待機していたマドーのコマンド部隊が短刀を投げつけ、風船を割る。

電「わっ!!」
電、咄嗟に千恵と明の体を両脇に抱えると、

そのまま垂直に落下していく。
……
いやぁ、一度レビューしてるのに、まさかこんなお宝シーンがあるのに気付かなかったとは……自分の不明を恥じるばかりである。
もっとも、千恵にしてはちょっと体が大き過ぎるようにも見えるので、スタントのような気もするのだが、ここは素直に千恵本人が演じていると思っていたほうが幸せなのである。
で、ご丁寧なことに、

テイクを変えて、ほぼ同じシーンが流れるが、明は明らかに子役本人なのだが、千恵は最後まで顔が見えないので、やっぱりスタントなのかなぁ?
せめて、女性スタントだったら助かるのだが……
三人は公園の一角に何とか着地する。

電「おい、だいじょぶか? 明、千恵、逃げろ!!」
電、いつまでも千恵のぬくもりを感じていたかったが、すぐに清掃員に化けたコマンド部隊が群がって来たので、断腸の思いで二人を逃がす。
それにしても、改めて見ると、千恵ってかなり髪が長いよね。
ほとんど、アニメの世界に出て来そうなツインテールである。
電、場所を変えて、ファイトロー、ミスアクマたちと戦うが、

小学生に負けてられないわとばかりに、

お堅いミスアクマ1も豪快なパンチラを披露する。
ま、どうせ見せパンなんだから、さやかのように白い見せパンで勝負してくれれば良かったのだが、まあ、贅沢は言うまい。
ガイラーが出て来たところで、電もシャリバンに「赤射」する。

その後も、正面からの飛びチラや、

半ケツなどをサービスしてくれるミスアクマたち。
戦いは白熱するが、

シャリバン「魔怪獣がいない、魔怪獣はどうした?」
途中、シャリバンがいつもと相手の陣容が違うことに気付いて叫ぶ。
でも、別に必ず魔怪獣がいなくちゃいけないなんてルールはないんだから、シャリバンがクレームまでつけるのは、ちょっと変な気もする。
せいぜい、心の中で疑問に思うくらいで良かったのでは?
ただ、さっきも言ったように、マドーがウツボビーストのほかにもう一体魔怪獣を用意してシャリバンにぶつけていれば、作戦は完璧だったのだが……
さて、ここで、千恵のパンモロシーンとは別の意味で奇跡のショットが生まれる。

精油所か何かの巨大な設備を支えるコンクリート製の台座の上から、ファイトローがシャリバンに向かって飛びかかるのだが、

この時、画面右端に、とても戦闘中とは思えない、緊張感のない様子でつっ立っている別のファイトローが映り込んでしまうのだ。

飛び掛ったファイトローが倒されたあと、思い出したようにシャリバンに斬りかかるのだが、これは、中の人が、自分の姿はカメラに入らないと油断して、うっかり「待って」しまったのか、予定よりカメラの位置が右にずれてしまい、本来映ってはいけないものが映ってしまったのか、どちらかだろう。
どっちにしても、特撮ドラマでは滅多に見れないNGシーンであった。
一方、リリィ、果敢にも魔怪獣に立ち向かっていたが、やはり歯が立たず、どんどん追い詰められていた。

ウツボビーストの口からポタポタと流れ落ちる白い液体。
それに続けて、

まるでレ○プもののハメ撮りでもしてるかのような、魔怪獣目線で、恐怖に引き攣った表情を浮かべながら、脚を開いたまま後ずさるリリィの姿が映し出される。
……
なんとなく、ヒワイだと思った人がヒワイなんである!!
ま、白い液体は、別に深い意味はなく、エイリアンの吐く強酸性の唾液から来てるんだろう。
いいように魔怪獣にいたぶられ続けたリリィは、あえなく気絶してしまう。
それこそ、リリィの体を裸に剥くなり、一思いに殺すなり、魔怪獣のやりたい放題だと思うのだが、

魔怪獣のとった行動は、リリィをお姫様抱っこして、エネルギータンクの前まで運んで横たえることであった。
うーむ、意味が分からん。
ともあれ、ウツボビースト、エネルギータンクの制御装置をいじって、冷却装置を切る。

ナレ「冷却装置が停止すれば、エネルギータンクは過熱し、やがて爆発する。グランドバースも木っ端微塵に吹き飛んでしまうのだ」
よく見れば、なかなか可愛らしい顔をしているウツボビースト。
頑張ってお仕事している様子がまた愛くるしいのである。
と、目を覚ましたリリィが、なおもウツボビーストに掴みかかって邪魔しようとするが、そこへ飛び込んできたのがグランドバースの異変を知って駆けつけたシャリバンであった。
マドーの作戦も、後一歩のところまで行きながら、惜しくもゲームオーバー。

シャリバンとウツボが戦っている隙に、頬に猫のヒゲのような引っ掻き傷の出来たリリィが冷却装置を作動させ、上昇した温度をドンドン下げていく。
しかし、あれだけ長時間、魔怪獣と素手で戦った割りに、受けた傷が引っ掻き傷だけと言うのは、いかにも嘘臭い話だ。
おそらく、一見すると全身タイツのような宇宙刑事の頼りない制服だが、実際はかなりの強度を誇っており、それでなんとか助かったのだろう。

何しろ重要な装置がいたるところにあるグランドバースの中なので、シャリバンも思いっきり戦えず、苦慮していたが、ウツボビーストに抱きついて一緒にグランドバースから飛び出し、やっとピンチを切り抜ける。
ここから幻夢界に場所を移して、いつものルーティンアクションが延々と繰り広げられる。

リリィ「シャリバン!!」
電「だいじょうぶか?」
ウツボビーストを倒して戻って来た電の顔を見て、リリィはホッとしたように電の胸に倒れ込む。
どんなに傷付き疲れていても、相棒が無事帰還するまではサポート役としての職務を全うするという、宇宙刑事の鑑のようなリリィであった。
大ちゃんなら、とっくにへばって寝てるところである。
リリィ「ミステリーを読み損ねたのが残念」
電「待ってろ、今手当てしやるから」
それでもまだ軽口を叩く余裕のあるリリィと、その手当てをしている電の姿を映しつつ、終わりです。
以上、最後にもう一度千恵たちの姿を見せて欲しかった気もするが、マドーの巧妙な内部破壊工作と、それに対するリリィの孤独な戦いを描いた、文句なしの力作であった。
リリィのエアロビやシャワーシーン、千恵のパンモロ、ミスアクマ1のパンチラなど、全体的に青少年のリビドーを適度に刺激するシーンが多いのも好ましい。
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