第44話「麻衣におまかせ!」(1985年11月30日)
全国178億6000万の渚さやかファンの皆さん、お待たせしました!!
いよいよこのエピソードを紹介する日がやってまいりました。
冒頭、いつもの辺境惑星(?)で、ギルークが、ひとりの宇宙獣士の死体の前に佇んでいる。
なお、ギルークは前回、ナナのリゲルオーラ(二発目)を存分に浴びて蘇り、スーパーパワーを得てスーパーギルークと名義変更したのだが、面倒臭いのでブログでは引き続きギルークと呼ぶことにする。

と、背後にアハメスが瞬間移動であらわれる。
だが、以前と比べて、落ち着きと言うか、威厳のようなものが備わったギルークは、

ギルーク「アハメス……」
かつての盟友であり、現在はライバルである女性の出現にも微動だにせず、ゆっくりと振り返る。
アハメス「死ね!!」
ギルーク「え゛っ……?」 こうしてギルークは即死した。
短い間だったけど、僕らに勇気と希望を与えてくれたギルーク司令官に敬礼!!
じゃなくて、

ギルーク「待て、アハメス」
仲良くリゲルオーラを浴びてスーパー仲間になったギルークは、余裕でそのビームを受け止めると、穏やかにアハメスを制し、
ギルーク「今、もうひとつの命が復活するところだ」

と、死体と思われた物体が青白く輝いたかと思うと、トカゲが甲冑をまとったような、いかにも凶悪そうな宇宙獣士ザドスとして蘇る。
ギルーク「ワシは宇宙の墓場へ送られた、そこで宇宙獣士ザドスの体に乗り移った、二人でひとりとなってこの世に戻ってきたのだ。念願のリゲルオーラを浴びてこの姿となったが、ザドスも蘇ることが出来た」
などとギルークが説明していると、星王バズーがあらわれる。

ギルーク「バズー様、宇宙の墓場から戻ってきた我ら二人の力をご覧ください」
スーパーになってもバズーに対しては相変わらず恭順を誓っているギルーク、迷うことなく跪く。
しかし、これだけイカつくてでかいキャラに挟まれると、アハメス様がますます小さく、まさに戦士に守られているお姫様みたいでめっちゃキュートなのである!!
バズー「ザドスまで蘇らせるとは、大したものだ……
リゲルオーラの力は!!」
ギルーク「……」
とりあえず極上のイヤミを進呈するいぢわるバズーであったが、途中から嘘である。
でも、ギルークたちを蘇らせたのがリゲルオーラであることは間違いないんだけどね。
バズー「ザドスまで蘇らせるとは、大したものだ。よかろう」
アハメス「バズー様!!」
アハメスが異議を申し立てようとするが、バズーはみなまで聞かず、
バズー「悔しければお前も早く地球を征服して見せよ!!」

アハメス「……」
逆に叱咤され、「こんな筈じゃなかったのにぃ」とでも言いたげに顔を俯かせるアハメス様。

続いて、白いブーツを履いたおみあしをバックからとらえた映像となり、早くもさやかタン降臨かと胸が高鳴るが、

さやか「待ってーっ!! 麻衣ったら!!」
いつもと様子が違い、それを追いかけているズボンスタイルの女性の声は、明らかにさやかタンのものであった。
つまり、麻衣とさやかが衣装を交換しているのだ。
と言うより、麻衣が勝手にさやかの衣装を着たので、さやかが仕方なく麻衣の服を着て追いかけているらしい。
ま、電撃戦隊の制服と言う物があるんだから、普通はそっちを着ると思うが、無論、ビジュアル的にはこっちのほうが楽しいので、ドラマとしては正解なのである。

麻衣「うっふふ」
さやか「あ、あたしの服返してよ!!」
さやかが抗議の声を上げるが、麻衣、楽しそうに振り向いて、
麻衣「ちょっとぐらいいいじゃないの、私だってたまにはこんな格好してみたかったんだっ」
さやか「いやよ、返してーっ!!」
戦隊シリーズの女性メンバーが服を取り替えるなんて、なかなかお目に掛かれないシチュエーションだが、てっきり、ギルークがさやかを狙おうとして、間違って麻衣を襲う……みたいな展開になるのか思いきや、全然ストーリーには関係ないのだった。
たぶん、スタッフの趣味だったんだろうなぁ。
それにしても、もし二人の本来のコスチュームがこっちだったら、管理人、この作品のレビューをしようなどとは思わなかったかもしれない。
少なくとも大幅にレビュー数を減らしていたことだろう。
と、さやかが麻衣を追いかけて公園から道路に続く短い階段の上に出ると、麻衣の姿が忽然と消えてしまう。
さやか「何処に隠れたの? 出てらっしゃい!!」
さやかが呼びかけながら中間の踊り場のところまで降りると、

背後から新堀和男さんを先頭として、数人の市民がゆっくりと近付いてきて、

ふと前方を見れば、道路のほうからも5、6人の男性が自分に向かって歩いてくるのが見えた。

さやか「……」
相手は性別も年齢もバラバラで、パッと見、ただの住民にしか見えず、戸惑いを隠せないさやか。

さやか「はっ」
ちなみに別のアングルで見ると、麻衣は単に横の草むらの中に隠れていたことが分かり、てっきりゴズマに攫われたのかと思っていた管理人、いささかズッコケる。
……
あ、もうお察しのかたもおられるかと思いますが、麻衣の主役回にも拘らず、今回も管理人の脳内編集会議は、「なるべくたくさん、さやかタンの画像を貼ること」に、何の迷いもなく衆議一決されたのであます!!
ご異議はございませんね?
でも、実際、麻衣が主役の筈なのに、どう見てもさやかの出番のほうが多く見えるのは確かで、おそらく、当時のスタッフの中にも俺と同じくさやかタンにイカれてしまった殿方が多かったのではあるまいか。
まあ、麻衣には悪いが、そうなっても不思議はないけどね。

さやか「あっ!!」
やがて、新堀さんがドスのようなものを取り出して、さやかタンに襲い掛かる。

その腕を振り払うと、

反対側から同じく切りかかってきたスーツ姿の中年男性の腕を取り、
さやか「なにすんのっ?」
と、新堀さんが体を一回転させると、
宇宙獣士ゾノス「宇宙獣士ゾロイ!!」
かつてチェンジマンに倒された宇宙獣士ゾノスの姿に変わる。
あの、歌を歌ってた奴ね。
ちなみに名前はゾノスなのに、ゾロイorゾノイと言ってるようにしか、管理人の耳には聞こえませんでした。
またそれを見たさやかタンも「ゾノイ」と言ってるように聞こえるが、管理人の耳が悪いせいだろうか。

さやか「あっ」
続いて、中年男性も、かつて倒されたボルタの姿に変わり、さやかの首を絞める。
そう、今回は昔の特撮では恒例の、過去に倒された怪人が蘇って集団で襲ってくると言う、倉庫に眠っていたスーツを大活用、主婦も喜ぶドキドキ節約術なのである!!
ちなみにゾノスとボルタと、どちらも音楽関係の怪人であるが、別にそのつながりで二人が選ばれた訳ではないようだし、この手の話のお約束として、初登場時に見せた固有の能力などは一切使わないのである。

ボルタに殴られ、ゆるい坂を転がり落ちるさやか。

その途中、背後に立っていた住民たちがヒドラー兵の姿になるが、このシーンは、是非、いつものコスチュームで演じて欲しかったと言うのが、スーツアクターさんたちの偽らざる願いであったろう。
なお、このヒドラー兵たちがいつもと違って生気がないのは、別にさやかがミニスカじゃないからではなく、彼らもあの世から蘇った亡霊ヒドラー兵なので、あんまりテンションが高くないのである。

さやか「あ……」
一番下まで落ちたさやか、なんとか体を起こそうとするが、あえなく気絶してしまう。
麻衣、さやかのそばに飛び降りると、
麻衣「宇宙獣士ボルタ、ゾノス!! お前たちはもう死んだ筈よ」
と、その疑問に答えるように、二人の背後にギルークとザドスがあらわれる。

麻衣「一体何を企んでるの?」
ギルーク「魔界都市」
麻衣「新宿!!」
じゃなくて、
ギルーク「魔界都市、ギルークシティーを作るのだ。魔界から蘇ったものどもの悪魔の町を作るのだ」
ボルタたちが襲い掛かってくるが、そこへドラゴンたちも駆けつける。
麻衣「ドラゴン、さやかが!! さやかを早く!!」
ドラゴン「よおおおおしっ!!」 そんなお仕事なら金を払ってでもやりたいと言わんばかりの意気込みで応じ、気絶しているさやかタンの持ち重りのするボディーをお姫様だっこするドラゴン。
安全な場所まで後退すると、

ドラゴン「じゃ、あとよろしくー」
麻衣「おいっっっ!!!」 じゃなくて、
ドラゴン「早く脱出するんだ」
だが、一足遅く、ギルークがアハメスのハードウォールと同じような光の壁を下ろしたので、麻衣だけその中に取り残されてしまう。
どうでもいいが、さやかをお姫様だっこしているドラゴンを演じているのが、ついさっきさやかにドスを向けていた新堀さんなのだから面白い。

ドラゴン「なんだ、あれは?」
グリフォン「麻衣ーっ!!」
ハードウォールと違い、それは巨大なドームを形成して、その内部を外界から隔絶する。
もっとも、そこは元々公園だったので、そこが別世界になっても特に近隣住民が困ることはなく、むしろ、霊界から蘇った怪人たちの保養施設として、町内会とも平和に共存できるのではあるまいか。
それはともかく、ドームの中は西部劇に出てくる盛り場、あるいはウエスタン村のような、異様な世界となっていた。
おまけに、あちこちで銃撃戦が行われたり、男が意味もなく馬に引き摺られていたり、まるでウエスタン村のアトラクションが四六時中開催されているようなせわしないところで、とても怪人たちの理想郷にはなりそうにもなかった。
まあ、別にギルークもそんなことのために作り出した訳ではあるまいが。

麻衣(ここは何処?)
異様な光景の数々に、目をぱちくりさせる麻衣。
しかし、せっかくスーパーギルークが自信を持ってお送りする魔界都市なのに、ロケ地が最初から最後までこのウエスタン村だけというのは、あまりに寂しいよね。
なお、街にいる西部劇風の人たちは、住民が無理やりそんな格好をさせられているのではなく、亡霊怪人や亡霊ヒドラー兵など、すべてゴズマのメンバーのようだ。
要するに撃ち合いも、彼らのレクレーションの一環としてやってるだけらしい。

麻衣「ほんとにこの町はどうなっちゃったんだろう?」
ともあれ、麻衣、まずはウェディングドレスを着た花嫁となって、ショーウィンドウの中から街の様子をうかがう。
つまり、視聴者は、これから麻衣の七変化が楽しめると言うわけである。
これは是非さやかタンに演じて欲しかったところだが、今更文句を言っても仕方あるまい。
一方、ギルークは教会を拠点として、ザドスの体内からどんどん宇宙獣士やヒドラー兵を蘇らせていた。
ギルーク「星王バズー様、私と宇宙獣士ザドスはこれまでに死んだ宇宙獣士やヒドラー兵を宇宙の墓場から呼び戻し、人間どもの体に乗り移らせることが出来るのです」
バズー「素晴らしい、地球上を腐敗と堕落の街で埋め尽くせ!!」
ギルークのプレゼンを聞いて、バズーは号令を掛けるのだが、宇宙獣士とヒドラー兵が住んでるところを
「腐敗と堕落の街」と言うのは、ゴズマの首領としては問題発言なんじゃないかなぁ?
ところで、さっき、近隣住民には迷惑は掛からないと速断したが、無辜の市民が宇宙獣士に体を乗っ取られているとなれば、ヒーローとしてこれを捨て置くわけに行くまい。
ドラゴンたちは一旦本部に引き揚げてから、各メカに乗ってドーム上空に戻ってきて、攻撃を加えるが、アハメスのハードウォール同様、通常攻撃では全く歯が立たない。

伊吹「麻衣はさやかが負傷したことに責任を感じ、ひとりで調査してるに違いない、早くしないと危険だ。なんとしても潜入するんだっ」
腕を三角巾で吊って、神妙な顔で立っているさやかタン。
しかし、「ひとりで調査」って言うと、まるで自分から進んでドームの中に潜入したように聞こえるが、麻衣はその空間に閉じ込められて出るに出られず、やむなくその場に留まっているだけなんだけどね。
一方、麻衣の七変化はまだまだ続き、

今度は、酒場で色っぽく踊る、フラメンコダンサーに扮する。
……
うーん、これはないよなぁ。
あまりに野生的で、これでは勃つものも勃たん。
喜ぶのは、腋フェチくらいだろう。
麻衣は艶やかな踊りと目付きで男たちを骨抜きにすると、

麻衣「ねえ、スーパーギルーク様の前で踊りたいんだけど、取り次いでくれない?」
男「うーん、いいとも、そいつはいい考えだ」
露骨な方法でギルークの居場所を突き止めようとするが、そこへ新堀さんが絡んできたのでやむなく逃げ出す麻衣であった。
ちなみに男はボルタの人間態なのだが、ちゃんとオリジナルのボルタっぽく喋っているのがエラい。
ここで西部劇っぽい衣装を着た剣たちが、細い地下道を進むカットが挿入されるが、ハードウォールと同じく、地下までは壁が入り込まないことを利用した潜入方法であろう。
さて、麻衣は今度はインディアン風の格好をして、即座に撃ち殺されたそうです。
第44話「麻衣におまかせ!」 ―完― と言うのは嘘だが、インディアンがばしばし撃ち殺されているのを見た直後にそんな格好をするとは、正気の沙汰とは思えないのは事実である。
さいわい、女性なので誰にも警戒されず、バーベキューの串を手に、気軽に街中をぶらついていたが、

新堀「見付けたぞ!!」
麻衣「はっ!!」
背後からまた新堀さんに叫ばれ、思わず凍りつくが、
新堀「いくら化けても誤魔化されんぞ」
新堀さんは麻衣の横を素通りして、前方を歩いていた貴婦人の腕をとらえ、振り向かせるが、

新堀「おいっ」
シーマ「……」
それは貴婦人に成りすましていつの間にか潜り込んでいたシーマであった。
ただ、それを見た新堀さんが、人違いだと気付いて狼狽することもなく、
新堀「うん~」
ナンパでもするようにウィンクして見せるのが、ちょっと違和感である。
シーマ「いやらしいわねっ!! なにすんのよ!!」

新堀「おうっ」
見掛けによらず猛々しい性格のシーマに股間を思いっきり蹴られ、悶絶してその場に尻餅をつくと、そのショックでゾノスの姿に変わる。
ゾノス「お前はシーマ?」

さらにソンブレロを被ったブーバたちもあらわれ、お揃いで西部劇の登場人物になりきる。
おそらく、アハメスに命じられて探索に来たのだろうが、何も出来ないうちに、スーパーギルークの力でドームの外へ叩き出される。
……一体何がしたかったんだ、お前ら?
正直、こんなチョイ役でシーマたちを出す暇があったら、少しでも多くさやか、いや、麻衣の見せ場を増やすべきだったろう。
後編に続く。
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