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「気まぐれ天使」 第13回「これっきり、もう………」 前編


 第13回「これっきり、もう………」(1976年12月29日)

 この話、スルーつもりだったのだが、第1クールの最終話であり、忍と妙子の恋の終わりを描いた重要なエピソードでもあるので、やっぱり書くことにした。

 冒頭、前回の続きから、念願かなって忍と二人きりで「ドクトル・ジバゴ」を見ている渚。

 
 だが、管理人同様、ふだん「エイリアン」とか「オーメン」とか「ジョーズ」とかのゲテモノ映画しか見ない忍にとっては、そんな名作は退屈のきわみで、露骨にあくびをしたり、鼻をほじったり、初デートのロマンティックな雰囲気を微塵も感じさせない。

 もっとも、渚はそれで十分満足そうであった。

 それでも、忍の手が自分の手の上に伸びてきたので、綾乃に言われていたことを思い出してドキッとする渚だったが、

 
 単に、渚が持っていた、日本が世界に誇るブランド・なとりのイカを取るためだった。

 どうでもいいが、当時、この手の商品がいくらぐらいしたのか、とても気になる。

 今と比べて、めちゃくちゃ安かったことは確かだろうが。

 
 一緒にイカを齧りながら、幸せそうに忍の肩に頭をもたれる渚が可愛いのである!!

 映画のあとも、渚はまるっきり恋人のように忍の腕にすがりながら帰宅する。

 忍「離せよ、いい加減に」
 渚「えへへへへ」

 荻田夫妻はまだ起きていて、意外そうな顔で出迎える。

 荻田「仲良くデートかね」
 忍「冗談じゃないよ」
 渚「恋って素敵ね~っ」

 二人が階段を上がって行くと、光政も顔を出し、

 
 光政「やるなあ、お二人さん」
 もと子「本物かしら、やっぱり」
 荻田「似合いって言えば似合いだけどなぁ……」

 二階の部屋で、渚が綾乃に「デート」の報告をしている。

 綾乃「それで、チューぐらいしたの?」
 渚「そんなことしないよ」
 綾乃「どうして? 好き合ったもの同士なら、チューぐらいするの当たり前でしょ」
 渚「ほんと? この次しようかな」

 二人をどうしてもくっつけたい綾乃が渚をけしかけていると、忍が鬼のような形相で入ってきて、

 忍「バカヤロウ、誰がいつお前のことを好きだって言った?」
 渚「私が嫌い?」
 忍「いや、別に嫌いじゃないけどね……」
 綾乃「お隠しにならなくてもようござんすよ」
 忍「やかましい!! バサマが焚きつけたんだな?」

 忍、自分は妙子と結婚するつもりだとはっきり二人に告げると、

 忍「だからね、君にも興味は全然ない、わかったね」
 渚「おっちゃん……興味ないってほんとに?」
 忍「そう、まったくない!!」

 
 渚「おっちゃん……」

 食い下がる渚を振り切って、忍は自分の部屋に引き揚げる。

 ここで画面が止まるのはいいのだが、ダンッ、チャラララッ!! と言う、「ルパン三世」のOPタイトル表示時のジングルが流れるので、一瞬今から「ルパン」が始まるのかと思ってしまう。

 OP後、さすがにショックを受けた様子で、渚が夜の通りを力のない足取りで歩いている。

 ふらっと雄二の店に入り、カウンターに腰掛ける。

 
 雄二「どうしたんだい、なんか影薄いなぁ」
 渚「お酒頂戴」
 雄二「あっは、ジュースの間違いでしょ」
 渚「うんと濃いのね」
 雄二「濃いの?」
 渚「熱いの……なんでもいいや。ねえ、お酒飲むと嬉しくなるでしょ、うちのおばあちゃんみたいに……」
 雄二「……」

 苦労人の雄二、渚が、酒で紛らわしたい鬱屈を抱えているのだと知り、いたわるような眼差しを向けるが、

 
 渚「ぽっくり死んじゃわないかなぁ、あの人」
 雄二「ぽっくり?」

 渚が漏らした穏やかならぬ言葉に、素っ頓狂な声を出す。

 しかし、この渚の台詞、いささか引っ掛かる。

 「あの人」と言うのが誰のことを指しているのか、よく分からないからである。

 この後、番組最後となる妙子のお色気ラジオ番組を光政や忍が聞くシーンとなるので、常識的に考えれば、妙子のことを言ってるのだろうが、いくらフラれた直後で落ち込んでいるとは言え、渚の性格として、他人の死を望むというのはおよそ彼女らしくない。

 別の回では、忍が他の女性と結婚しても、忍さえ幸せだったらそれで良いなどと、健気なことを言う女の子なので、余計にね。

 また、普通「ぽっくり」と言う表現は、老人に対して使うものなので、一瞬、綾乃の死を願っているのかと、ありえないことまで連想してしまう。

 忍、あんなことを言ったが、なかなか帰ってこない渚のことを心配し、全然心配しない綾乃を放って探しに出る。

 
 渚「あんこぉー椿はーっ!! あんあ、あんあー、群れ飛ぶかもめーっ!!」

 そして、路上にまで聞こえてくる渚の馬鹿でかい歌声を耳にして八重に入ると、すっかり出来上がった渚が、カウンターをステージ代わりに、他の酔客と一緒になって、都はるみの「アンコ椿は恋の花」を熱唱しているところだった。

 ちなみに渚、煙草まで吸っているが、第6話の街頭でカッコつけて煙草吸ってるのを除けば、渚が劇中で煙草を吸うシーンはこれだけだと思う。

 坪田さん自身は、歯がヤニで汚れてるくらいなので、スモーカーなんだろうけどね。

 
 忍が雄二の監督不行き届きをどやしつけている間に、渚は「パパパヤー」と、「老人と子供のポルカ」をがなりたてながら店を出て行ってしまう。

 それはそれとして、渚の履いてる薄手のジーンズ、渚のお尻の形が丸分かりなのが、尻フェチ的には大変ありがたいのです。

 さすが綾乃の孫だけあって、渚は完全に酔っ払い、

 渚「ストップ、免許証見せなさい」
 警官「ああ、こら、ダメだよ」
 渚「どうしてクルクル回ってんのぉ?」

 よりによってパトロール中のパトカーに難癖をつけ、ボンネットの上に乗ったりする。

 
 忍「すいません、私の妹なんです」
 警官「ああ、妹さんですか」

 さすがに見捨てては置けず、忍が適当なことを言って穏便にその場を収め、家に連れ帰る。

 なお、警官役は、28話でも警官を演じているマスオさんである。

 翌朝、妙子と真紀がマンションで朝食を取りながら、宙ぶらりんになっている妙子のパリ行きの件について話している。

 妙子、真紀にはパリに行く気はないと断言するが、その心はまだ揺れ動いていた。

 と、新聞を読んでいた真紀の目があるものを捉え、その目が釘付けになる。

 
 妙子「なに? ……あーっ!!」

 真紀の様子に気付いて妙子が覗き込むと、そこには、妙子自身の写真と、彼女がナンシーと言う名前でラジオの深夜番組のDJをしていることが、でかでかと書き立ててあった。

 そう、前回、光政の友人からタレコミを受けて取材に来ていた新聞記者の仕業であった。

 同じ頃、光政も目敏くその記事を見付け、まだ布団の中に埋もれていた忍を叩き起こして御注進に及ぶ。

 眉間に皺を寄せて記事に目を落としている忍を尻目に、

 光政「あーあー、つまんねーなー、俺だけの秘密にして欲しかったのにさぁ」

 自分がうっかり口を滑らせたのが原因とも知らず、残念そうにぼやく光政。

 忍「バカだな、自分から喋るなんて……」

 再び妙子のマンション。

 妙子「下着の話しかしなかったのよ、はじめから知っててインタビューに来たんだわ。うちの会社はね、サードビジネスにうるさいの、社長や重役が女ばっかりだから……これは相当覚悟していかなきゃ」
 真紀「頑張ってね」

 真紀は姉を送り出すと、改めて紙面を見ながら、

 真紀「はぁーあーっ、毎晩あんなに遅く家庭教師のバイトに行くなんて、ま、変だと思ってたんだ」

 すべてが腑に落ちたように溜息を漏らすのだった。

 忍や榎本はもっと以前から妙子のバイトのことは知っていたが、真紀は今の今まで全く知らなかったのである。

 会社でも、妙子の意外なサイドビジネスのことで持ち切りだった。

 
 由利「信じらんない」
 信子「とんだカマトトだ。役者やのう」

 顔面偏差値の低い信子は、お姫様のように取り澄ましている妙子の裏の顔に、やっかみまじりに感心して見せるが、

 由利「才能があるのよ、ターコは……ひらめきって言うのかなぁ、ジジジジって、どっかこう神経が違うのよね」

 優しい由利は、逆にその才能を認め、褒めるような口ぶりであった。

 なお、前にも書いたかもしれないが、由利の後ろにいる女子社員役のエキストラの女の子が、なかなか可愛いと思うのです。

 朝子「でもさあ、月給よりも随分稼いでんじゃないかなぁ」
 忍「余計なおせっかいだよ、俺だってうちに帰りゃ童話書いてるんだから」

 朝子がさもしいことを言って羨ましがると、珍しく真面目に仕事していた忍が、自分のことを引き合いに出して妙子を擁護する。

 
 由利「あら、だって加茂さんは入社する時に断ったんでしょ?」
 信子「それに童話とエロ話じゃねえ」
 由利「ねえ」
 忍「それが余計なお節介だって言うんだよ、くだらないこと言わないでさっさと仕事しろよ」
 朝子「あら、随分お庇いなさるじゃありませんか」
 忍「俺が言いたいのはね……」

 女子達に囲まれて嬉しそうな忍だったが、そこへ榎本が出社してくる。

 
 榎本「まずいことになりましたね」
 忍「ああ」
 榎本「誰がばらしたんですか?」
 忍「しらねえよ、そんなこと」
 榎本「部長と二人で社長室に呼び出されたんでしょうか」
 忍「今度のこととターコの仕事のことは関係ねえだろ」
 榎本「上の連中がそう思ってくれりゃいいんですけどね」

 榎本、忍とコソコソ相談し、とにかく今は静観するしかないと結論する。

 榎本が危惧したとおり、妙子は藤平と一緒に社長室に呼ばれ、散々油を絞られていた。

 専務は腹立たしげにあの記事の載っている新聞を両手で捻り潰すと、

 専務「なんですか、ここに書かれていることは?」
 藤平「大隅君、君はね、会社を裏切ろうとしたんだよ」

 間違っても、上役に逆らって部下を弁護してくれるような藤平ではないので、一緒になって妙子を責める。

 
 妙子「私、そうは思いませんけど」

 妙子が異論を唱えようとすると、前回に続いて登場の社長(清川虹子)が口を挟む。

 社長「大隅君、あなたはプリンセス下着の上品で清潔なイメージを著しく傷付けたのよ。よりによって宣伝部のあなたが」
 専務「そう、社長のおっしゃるとおり、立派な裏切り行為です。大事な来年度を前にして売り上げに響いたらどうするんです」
 妙子「そんなに影響があるでしょうか、私個人に?」
 専務「まあ、口答えする気?」
 妙子「思ったことは言わせて頂きます」

 怖いおば様二人を前にしても怯まず、毅然として反論する妙子が実にカッコイイ。

 藤平「謝りなさい、素直に……大変申し訳ありません、私から、あとでよく申し聞かせますから、はい、はい」

 それに対し、ひたすらペコペコするだけの藤平が、実にカッコ悪い。

 社長は最初から藤平など眼中になく、

 社長「社員が有名人になるのに文句を言う気はありませんけどね、売名のために社内の秩序まで乱すのは許しません。よく反省しなさい!!」

 改めてきつく妙子に言い聞かせ、ひとまずその場は散会となる。

 社長、前回、息子の縁談を妙子にすげなく断られているので、その腹いせもあったのかもしれない。

 
 妙子「……」

 会社の閉鎖的な体質にほとほと嫌気が差したような顔で沈黙する妙子。

 妙子がパリ行きを決意したのは、実にこの瞬間だったかもしれない。

 同じ頃、渚は布団の上にひっくり返って、のんきに二日酔いを楽しんでいた。

 
 渚「おっちゃん、私のことなんか言ってた?」
 綾乃「何言われても、昨夜のお前はケタケタ笑ってばかりいるんだもの」
 渚「うふふふふ……」

 介抱する祖母の膝の上に頭を乗せると、

 渚「嫌われたかなぁ……でも、私、やっぱり好きだなぁ、おっちゃんのこと……お酒飲んだからってちっともかわんないや」
 綾乃「……」

 それこそ子供のように、ひたむきに忍への恋心を抱き続ける渚を見て、綾乃は何か考え込む目付きになる。

 再びプリンセス下着の会議室。

 藤平が、榎本に対し、口を極めて妙子の背信行為を非難している。

 
 藤平「裏切り行為とおっしゃったんだぞ、社長は」
 榎本「勿論、反論して下さったんでしょうね」
 藤平「私が? どうして?」
 榎本「部下でしょう、同じ宣伝部の」
 藤平「いや、部下だから腹が立つんだよ、ちょっと仕事が出来ると思って目を掛けてやると、すぐに脱線を始めるよ、女はだから困るよ」
 榎本「社長も女ですよ」
 藤平「屁理屈を言うなよ、屁理屈を……社長は社長で社員とは違うよ」
 榎本「部長、あなたのおっしゃってることは根本的に違いますよ、高い役職についている人間は常に正しく、平社員はそれに従わなきゃならない、それじゃナチスじゃないですか、ヤクザ映画と同じですよ!!」

 ミソジニーと権威主義をちゃんぽんにしたような発言をする藤平に、正義感の強い榎本がいささか大袈裟な表現で反駁するが、そんな言葉が上役に長年へつらい続けてすっかり硬直した藤平の脳味噌に届く筈もない。

 そこへ由利が来て、おそるおそる話し掛ける。

 
 由利「あの、お話し中申し訳ありません」
 藤平「なんだね、うるさいね、君は」
 由利「だって、みんなが聞いて来いって言うもんですから」
 藤平「何をだね」
 由利「あ、あの、今晩のうちの忘年会、どうなるんでしょうか」
 藤平「それどころじゃないよ、君!!」

 空気を読まない由利の発言に、藤平が怒鳴りつけるが、

 榎本「やるよ、予定通り」
 藤平「やるって榎本くん、君……」
 榎本「部長、この際ですね、部長を中心にがっしりスクラムを組んで新しい年を迎えようじゃないですか。そうでしょう、部長」
 藤平「うん?」

 力強く結束を訴える榎本の凛々しい姿に、

 
 由利「さすがっ」

 改めて榎本に惚れ直す由利であった。

 一方、妙子は屋上で忍と話していた。

 
 忍「ターコ、社長にどんなこと言われてもビクともするな。いざとなったら俺も一緒にやめてやっから」
 妙子「駄目よ、そんなこと、どうやって食べてくの?」

 いつになく頼もしいことを言う忍であったが、いつものように、あくまで妙子は現実的だった。

 忍、いっそのこと、さっさと退社して結婚しようとすすめるが、妙子は何も言わず、忍の顔をじっと見詰める。

 
 忍「パリに行きたいのか?」
 妙子「ニンちゃん、私、結婚に自信がなくなってきたの」
 忍「どうして? 渚ちゃんのことだったら昨日宣言してやったんだよ、俺にはターコと言う婚約者がいるんだって」
 妙子「どうした、彼女?」
 忍「そんなの知るもんか」
 妙子「かわいそうよ」
 忍「どうしてよ、向こうが勝手に好きになったんじゃないか」

 自分のことより他人の……いや、恋のライバルのことまで心配してしまう妙子。

 自分の幸せより周りの幸せを優先させると言う点では、妙子と渚は似たもの同士なのかも知れない。

 もっとも、それは忍にも言えることだが……

 と、そこへ朝子が来て、妙子に来客があると告げたので、二人の話し合いはうやむやになってしまう。

 来客と言うのは意外にも綾乃であった。

 
 忍が自分の席で悩んでいると、榎本が来て、

 榎本「先輩、ターコどうでした」
 忍「お前には関係ねえだろ」
 榎本「完全に意見が一致とは行かなかったようですね」
 忍「お前にはその方が好都合かもしれんがな、そう簡単にはターコは渡さんからな」

 心配してくれている親友に対し、絵に描いたような「ゲスの勘繰り」を口にする忍に、

 
 榎本「僕はね、そんな男じゃありませんよ!!」

 榎本も、忌々しそうに言い返す。

 実際、このシーンの忍はあまりに器が小さく見えて、これではただの「嫌な奴」である。

 その頃、妙子と綾乃は近くの公園に移動し、ブランコに乗りながら世間話をしていた。

 
 考えたら、これ、長きにわたって女性タレント好感度のトップを競り合った(?)二人の、夢のツーショットなんだよね。

 しばらく忍の悪口で盛り上がったあと、

 綾乃「私事で何なんですけど、見ていて渚が可哀想でしてね……まあ、あなたのような立派な許婚がおいでになるとは知らずに好きになって……気がついたときには、お腹に加茂さんの赤ちゃんが……
 妙子「ほんと、それっ?」

 綾乃、シリーズを通しても、最高にタチの悪い嘘をつき、さすがの妙子も思わずブランコから降りて悲鳴に近い叫び声を上げる。

 綾乃「どなたにもおっしゃらないで下さいましね、始末させましたから……あなたに申し訳なくて」
 妙子「……」
 綾乃「どうぞ、このことはくれぐれもあなたの胸にしまっといてくださいましね」

 綾乃、妙子に追及されるのを恐れるように、孫のことが心配だと言って逃げるように立ち去る。

 言うまでもなく、綾乃の魂胆は、そうやって二人の仲を裂き、忍と渚をくっつけようというものだったが、それがバレたときに忍がどんな態度を示すかについて考えなかったのは、綾乃にしてはあまりに浅墓であった。

 一方、プリンセス下着では、由利が血相変えてオフィスに飛び込んできて、

 
 由利「聞いたー、副部長が辞表出したんだって」
 信子「ええーっ、まさかぁ」
 由利「ほんとよー、ああ副部長がやめるんだったら私もやめちゃう!!」

 気の早い由利、妙子に辞表の書き方を尋ねるが、

 忍「はは、バカだな、エノ一流のハッタリだよ、やめるわけねえだろ」
 由利「ほんとー?」
 忍「当たり前だよ、次期部長候補だよー」

 榎本のことを誰よりもよく知っている忍が至極簡単に請け合うと、

 忍「そんなことよりさー、今日は忘年会だろ」
 信子「そうだ、行こう由利」

 社員たちはさっさとその問題を忘れ、たちまち忘年会モードに切り替わってしまう。

 この辺、いささか変と言えば変である。

 それ以上に、このタイミングで榎本が辞表を出すというのが不自然に感じられる。

 ま、榎本は妙子の直接の上司だから、妙子の「不祥事」の責任をそう言う形で取ろうとしたのだろうが、忍と言う婚約者を差し置いて、榎本がそこまで思い切ったことをするのは、どうにも飛躍しているように思うのだ。

 あるいは自分の辞表を取引材料にして(註1)、妙子をパリに行かせてやろうとしたのかもしれないが、妙子や忍の意向も確かめずそんなことをするのは余計なお節介と言うものだろう。

 註1……榎本は勘当されているとは言え、榎本財閥の御曹司なので、会社としても安易に彼を首にする訳に行かないのだ。それに榎本は女性の重役連中に気に入られているので、辞表を出しても受理されることはないと計算しての行動だったと思われる。

 それはともかく、

 忍「あ、ターコも行かない?」
 妙子「私、あとから行くから」
 忍「ああ、そ」

 
 妙子「……」

 忍が騒々しく女子社員たちと出て行くのを、懸念の目で見送る妙子。

 後編に続く。
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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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