第35話「謎のはたおり姫」(1980年10月4日)
冒頭、あきらが公園の噴水の前に腰掛け、編み物をしている。

良いよね、あきらのこういう女らしいところ。
考えたら、戦隊シリーズのヒロインで、これだけおしとやかで女性らしいキャラって、他にいないのではあるまいか。
基本的に戦隊ヒロインと言うのは戦うのがお仕事だから、こんな優雅な趣味を持ってるのは、あきらくらいだろう。
それでいて、服装は派手なイケイケギャル(笑)風と言う、そのギャップが堪らんのです!!
と、何者かが背後から近付いてくる気配に、ハッと振り向くが、

そこにいたのは、ベーダーでも変 質者でもなく、いかにも徳の高そうな、男なら誰でもこんな風に年を取りたいと思えるような上品な顔立ちの老人だった。
演じるのは、寅さんでお馴染みの吉田義夫さん。
あきら、相手が異様な目付きで自分を見詰めるので、警戒して思わず立ち上がるが、
六助「私、古代織家元・156代目、当主・戸川六助と申します」
老人は、大きな名刺を取り出して丁寧に自己紹介する。
いや、さすがに156代って多過ぎね?
天皇家だって、120台なんだから……

あきら「古代織?」
あきらが耳慣れない言葉に首をかしげると、老人はPR用のパンフレットを見せて説明する。
六助「我が戸川家に1000年も続く機織りの技術なのです」
あきら「アンティックな魅力が一杯……」

あきら「驚くべきナウなデザイン感覚……」
パンフレットの見出しを読んだあきらは、
あきら(確かに驚くべき言語感覚だわ……) 制作者の意図とは別のところで度肝を抜かれるが、嘘である。
管理人が度肝を抜かれたのは事実だけど。
六助「どーです、機織り姫になろうと思いませんか」
あきら「機織り姫?」
六助「そうです、古代織の跡継ぎになって欲しいのです」
あきら「ちょっと待ってください!!」
老人の突然の申し出に、思わず逃げ腰になって毛糸玉を落とすあきら。

あきら「藪から棒にそんなこと言われても……第一、機織りなんてできませんわ」
こんな変なじじいに絡まれても、ちゃんと敬語を使うあきらが最高なのです!!
六助「だいじょうぶ!!」
老人は、いきなりあきらの左手を掴むと、
六助「全部機械で織ってますから」 あきら「おいっっっ!!!」 じゃなくて、
六助「私が教えます!! これを見ただけで素質があることが分かります。実に器用だ、それにこの指先!!」

老人は、矢吹丈を見付けた丹下段平のように、興奮に目をギラギラ輝かせて、あきらの編んだ編み物の手触りを確かめ、さらに、あきらの白くて柔らかい手を、骨董品でも愛でるようにいじり回しながら、

六助「まるで、機織り姫に生まれてきたような指、私の目に狂いはない!! あなたこそ私が求めていた人です!!」
あきら「困りますぅ!!」
あきら、必死に老人の手を振りほどこうとするが、六助はテコでも離そうとしない。
しかし、編み物の技術と機織りの技術は、全然別物じゃないかと言う気がするんだけどね……
あと、六助の台詞、「機織り姫になるために生まれてきた……」が正しいのではあるまいか。
これだけでも、今なら即通報&ツイッターで大拡散だが、

六助「ま、ま、待ってください」
調子に乗ったじじいは、あきらの手を自分の頬に擦り付けてその感触を楽しむのだった。
……って、
ただのスケベジジイじゃねえかっ!! 六助「頼みます、一生のお願いじゃ……あんたが後を継いでくれなければ古代織りは滅びてしまうんじゃ」
あきら「私にも仕事があるんです!!」
ほとほと困り果てたあきらだったが、そこに颯爽とあらわれたのが青梅であった。
あきら「ブルー!!」
青梅「ううんっ、おじいさん、自分の年を考えなさい。そんなにお茶飲み友達が欲しければ紹介してあげます」
六助「違う、無礼者!!」
青梅「ごたいめ~ん!!」
青梅、ちょうど近くにいた白髪の老婆に六助を押し付け、あきらを連れてさっさと退散する。
六助は、山奥の渓谷に渡された吊り橋を渡った先にある、秘境と言ってもいいような人里離れた一軒家に一人で住んでいた。
ブツブツ言いながら自宅に戻ってくると、中から機を織る音が聞こえてくるではないか。
機織り機の置いてある部屋の障子を開けると、見知らぬ若い女が機を織っていたが、六助の姿を見ると、うやうやしく三つ指ついて非礼を詫びる。

道子「ごめんなさい、お帰りを待ちきれず、つい勝手に触ってしまいました。私、丘道子と申します、どうか先生の弟子にしてください」
思いがけない言葉に、失意の六助は感動に打ち震えながらその手を取り、

六助「おお、ああ、今時こんな女性がいたとは……世の中捨てたもんじゃない、道子さんと言ったな、この修行は厳しいですぞぉ」
道子「覚悟しております」
あきらに振られた直後だっただけに、六助は道子の出現に狂喜し、その素性を確かめることもせず弟子入りを許可する。
そして、道子はこれから日夜わかたず、たまりにたまった六助の怒涛のセクハラ攻撃に晒されることになるのである!!
じゃなくて、厳しい修行に明け暮れることになるのである。
それから数日後のことと思われるが、

派手な衣装を着て歩行者天国で踊り狂う、今となっては、恥ずかしい、何もかもが恥ずかしい、「竹の子族」の皆さんの姿が映し出される。
今、50代、60代になった彼らにこの映像を見せたらどんな反応を示すか、実に興味深い。
ついで、公園の街路樹のまわりを踊り回っている似たような若者たちの映像となるが、こちらはモノホンではなく、エキストラやJACの若い衆に似たような恰好させただけのマガイモノである。
そこにレギュラー子役たちが通りかかり、

三太「あ、竹の子族だー」
浩「うちの街にもあらわれるようになったのか」
ゆみ子「気持ち悪い」
勝男「いい年して良くやるよ」
子供特有の無遠慮さで、彼らをクソミソにけなす。
なんか、扱いが「口裂け女」みたいだなぁ……
もっとも、当時の子供たちが実際にそんな風に思っていたかどうかは分からない。
シナリオライターが自分の気持ちを子供たちに代弁させた可能性もある。
あと、ヤンキーとまでは行かないが、優等生とは程遠い若者たちの前で、子供がそんな聞こえよがしに悪口を言うだろうかと言う疑問もある。
もっとも、若者たちは踊りと音楽に夢中で、三太たちの声など聞こえない。
と、そこへ、紫地に金糸の模様が入った、いかにも「竹の子族」の好みそうな派手な上着が何処からともなく飛んできて、若者のひとりがそれを着て喜んでいたが、突然苦しみ出すと地面に倒れ、爆発が起きてその姿が消滅してしまう。
要するに、服に食われてしまったらしいのだ。
この辺も、スタッフの「竹の子族」に対する嫌悪感が反映されているような気がするが、考え過ぎかな。
さらに、服がひとりでに空を飛び、吸血コウモリのように若者たちを追い掛け回す騒ぎとなる。

たまたま近くにいたのがあきらで、服はあきらに狙いを定めて猛スピードで追ってくる。
あきら、慌てて逃げ出すが、
もう~、パンツ見えちゃってますよ~っ!! 困るなぁ、まったく……(註・ほんとは全然困ってない)
あきら、まるで男性スタントのような動きで飛んだり跳ねたりして服から距離を取り、

あきら「こちらピンク、応答願います!!」
草の上に寝転がって、仲間に応援を求める。

謎の服は執拗にあきらの周りを飛びかい、その命を奪おうとする。
出来ればここは、あきらの服が切り裂かれて下着が露出する……みたいな演出にして欲しかった。
やがて変身済みの4人が駆けつけ、間一髪であきらを救う。
デンジスティックで木の幹に縫い付けられた服から、大きな蛾が飛び立ち、それがベーダー怪物ドクガラーの姿に変わる。
ドクガラー、名乗りを上げることもせず、特殊な鱗粉を吐き出してデンジマンの動きを封じると、あの服を毟り取って退却する。
だが、デンジスティックに服の切れ端が残ったので、デンジマンは貴重な手掛かりとして持ち帰る。
アイシーは一目見るなり、

アイシー「ベーダー織りだ」
あきら「ベーダー織り?」
アイシー「それについては恐ろしい話が伝えられている。ベーダー織りで出来た服は人間の命を吸い取るのだ、そしてその服を着ることができるのはただひとり、ヘドリアン女王のみ……そして、ヘドリアン女王はより美しく、よりいつまでも若さを保つことができると言うのだ」
赤城「アイシー、本当か?」
続いて、そのヘドリアン女王が、ご満悦でドクガラーから献上されたガウンのようなドレスを試着している。

ヘドリアン「うんー、あはは……」
ちなみにこの服、さっき人を襲っていた服とは明らかに別物なのだが、ドクガラーが新たに作ったものなのだろうか?
だとしたら、さっき人を襲撃させのは何の意味があったのだろう?
と、ヘドリアン、右脇腹のあたりで紐を結ぼうとするが、どうしても届かない。

ヘドリアン「えーいっ!! ああっ」
体に力を入れた瞬間、服の背中が真っ二つに裂けてしまう。
ヘドリアン「あ゛あ゛ーっ!!」
世にも切ない悲鳴を上げるヘドリアンに、

ドクガラー「はにほにへほはは……」
表記不能のうろたえ声を出して畏れ入る、ドクガラーが可愛いのである!!
ドクガラーの声を演じるのは声優の坂井すみ江さん。
ヘドリアン「いーっ、破けた、こんなもん、こんなもん!!」
癇癪を起こし、服を着たまま激しく体をツイストさせるヘドリアン。
その姿は、それこそ「竹の子族」のようであった。

扉の隙間からその様子を窺っていたヘドラーは、呆れ顔で溜息をつき、「触らぬ神に祟りなし」とばかりに扉を閉める。
ヘドリアン「おのれー」
ミラー「ドクガラー、何がベーダー一族の機織り姫じゃ」
ケラー「もう一度織り直して参れ」
非難はヘドリアンのウエストではなく、ドクガラーの技量に向けられる。
と、ヘドラーが入って来て、

ヘドラー「今後、同じ過ちを犯さぬため、懼れながら女王様のサイズを教えておくべきかと存じますが」
ヘドリアン「うん、そうかー、ミラー、ケラー、遠慮なく測れ」
極めて現実的な助言をし、ヘドリアンもそれに従う。
ただ、このシーン、ヘドラーが、この問題には関わりたくないと言うように扉を閉めた後だけに、若干違和感があるんだよね。
なので、扉を閉めるシーンは要らなかったかと……
と言う訳で、部下が「悪の組織」の首領のスリーサイズを測るという、前代未聞、空前絶後のシーンとなるが、

ミラー「バスト98センチ」
ケラー「ウエスト98センチ」
ミラー「ヒップ98センチ」
その結果、ヘドリアンが、ドラえもんみたいな体型をしていることが分かってしまい、
ヘドラー(ダミだ、こりゃ) ヘドラーは絶望的な顔で天を仰ぎ、

ヘドリアンも、顎の下に梅干を作って、フグのように頬を膨らますのだった。
このくだり、もう完全なコメディードラマである。
それでいて、実際に人を殺しているのだから、この、笑いと恐怖の不思議な混淆こそ、「デンジマン」が、他のシリーズ作品と一線を画す最大の特徴と言えるだろう。
「サンバルカン」もそうだけど、演出やシナリオだけじゃなく、やっぱり曽我さんの存在が大きいんだろうなぁ。
同じような設定で「スピルバン」が失敗したのは、パンドラが、敵だけじゃなく、部下にも残酷だったせいだろう。
一方、ベーダー織りについて調べている赤城たち。

黄山「おかしいな、データーバンクによると、ベーダー織りは滅びたことになってる」
緑川「じゃあ、どうしてベーダー織りがここに?」
あきら「ちょっと見せて!!」
緑川が切れ端をあきらの目の前にぶら下げると、あきらは急に何かに気付いたようにそれをひったくり、六助から貰ったパンフレットに載っていた織物と照合してみる。

あきら「ほら、似てると思わない?」
青梅「そういや、そっくりだぜ」
アイシー「同じなのだ、ベーダー織りと古代織りは同じだ」
あきら「やっぱり」
赤城「と言うことは、滅んだ筈のベーダー織りが日本に、古代織りと言う名で残っていたことになるな」
あきら「うん……このおじいさんは私に機織り姫になってくれって言うのよ、跡継ぎを探してるんですって」
……
あれ、でも、六助が156代目と言うことは、仮に、当主が10年で交替したとして、少なくとも1500年以上昔から古代織り、すなわちベーダー織りが日本に存在したことになり、だとすれば、ずっと昔からベーダー一族が地球に来ていたってことにならないか?
それはともかく、急に道子がいなくなったので六助が落ち込んでいると、その道子が戻ってきて、
六助「道子さん、一体どこ行ってたんじゃ」
道子「ちょっと自信を失いまして、もうやめようかと思って山を降りてしまったんです」
六助「初めてであれだけ織れる人がどうしてそんな弱気なことを言うんじゃ」
道子「申し訳ありません、私も考え直して、もうこの道しかないと思い、戻って参りました」
屋敷の近くの森から、あきらと青梅がその様子を窺っていると、いきなりベーダーから攻撃を受ける。
と言っても、戦闘員による小手調べのようなもので、すぐにやむが、騒ぎに気付いて六助が飛び出してくる。
六助「おーい、何事じゃ……お、あんたたちは……」
青梅「先日はどうも」
あきら「実はお話があって参りました」
二人は、道子に聞かれないよう、場所を変えて話すのだが、

六助「そんなバカな、古代織りがベーダー織りだなんて……人間の命を吸い取る服だなんて」
何もそんなところで話すことはないんじゃない?
分かりにくいが、ここは良く特撮で出てくる、目も眩むような高さの吊り橋の上なのである。
……
今気付いたんだけど、古代織り=ベーダー織りなら、今まで、古代織りを着た人間もその命を吸い取られないとおかしいのでは?
あ、ひょっとして、古代織りの家元が頻繁に交代しているのは、自分で試着するたびに次々死んで行ったからなのかもしれない。
……って、だったら、とっくの昔に廃絶してるか。
あきら、例の切れ端を六助に見せ、
あきら「これでもですか」
六助「……」
あきら「古代織りに間違いありませんね」

あきら「さっき、私たちはベーダーに襲われたんですよ」
六助「わしゃ知らん」
あきら「まだ信じてくださらないのですか?」
六助「道子さんは自分の織った古代織りは焼いたと言った」
青梅「嘘に決まっています」
六助「いや、あの人は嘘なんかつく人じゃない、若い身空で、こんな山奥のわしみたいな年寄りのもとにやってきた人です、本当に古代織りの美しさに惹かれた心優しい女性じゃ」
青梅「騙されてはいけません」
六助「うるさい、人を疑うのもいい加減にしろ!! 道子さんの悪口を言う奴は許さん!! 道子さんはわしにとってはかけがえのない人じゃーっ!!」
二人は必死に訴えるが、道子のことを信じ切っている六助の胸には届かず、それどころか、六助は怒り狂って、二人に石をぶつけてくる。
孤独な生活を長年送ってきたであろう六助が、古代織りのことは別にして、一緒に暮らしている道子のことを実の娘か孫のように大事に思うのは、無理からぬ話であった。
CM後、二人はデンジマンに変身してデンジスコープで六助の屋敷の中を透視するが、何故か、機織り部屋だけが見通せない。
ブルー「駄目だ、どうやら仕事場だけ、内側からバリアみたいなものが張ってあるのかもしれない」
ピンク「早くベーダーの尻尾を掴んでおじいさんにも信じてもらわなくちゃ」
青梅、屋根から建物の中に忍び込むが、道子の正体を暴く前に六助に見付かり、猟銃で危うく殺されそうになる。

青梅「失敗、失敗、駄目だわ」
あきら「どうしたの」
青梅「じいさんたら、がっちりガードしちゃってさぁ」
あきら「うん」
青梅「機織り姫様には一歩も近付けさせてくれないよ」
あきら「どんなことがあっても手放したくないのね……おじいさんにしてみれば、やっと見付けた古代織りの跡継ぎなんですもの」
今回、ロケに参加するのは大葉さんと小泉さんの二人だけと言う変則的な構成なのだが、これ見ててふと思ったのは、極端な話、「デンジマン」はこの二人だけでも足りるんじゃないかと。
まあ、それだけだと戦隊シリーズにはならないが、宇宙刑事シリーズみたいな、男女ペアのヒーローが活躍する話なら、成立するような気がしたのである。
あるいは、緑川を加えて三人でも良い。
なんだったら千恵子巡査を加えて4人でも良い。
ついでに、友子巡査(勿論、日高久美子のほう)を入れて5人でも良い。
赤城&黄山「オイッッッ!!!」 管理人「えっ?」
……と言うのは冗談で、赤城も黄山も嫌いじゃないんだけどね。
一方、完全に六助の信用を得たと確信した道子は、これから2時間ほど機織りに集中したいので、その間、決して中を覗かないようにと、「鶴の恩返し」のようなことを言い出す。
さらに、

道子「先生のアドバイスなしにどれくらい出来るものか試してみたいんです」
六助「なるほど」
道子「でも、困るのはさっきからうろつきまわってる二人組みです、先生のお力で遠ざけて頂けませんか」
すっかり道子の言いなりになっている六助は、その頼みを快く引き受け、馬鹿でかい、唐草模様の風呂敷包みを背負子に担いで、よたよたと屋敷の門から出てくる。
二人はその後をつけるが、川原で石に蹴躓いたのを見て、思わず駆け寄る。

青梅「だいじょぶですか、おじいさん」
六助「あんたたちか、済まんなぁ」
あきら「何処行かれるんですか」
六助「ああ、織物が出来たのでな、町の問屋へ納めに行くんじゃ……すまんが半分担いでもらえんじゃろうか」
青梅「いやぁ、全部担ぎますよ」
お年寄りに親切にするのは特撮ヒーローの鉄則なので、青梅は快く荷物を引き受ける。
だが、それがシャレにならないほど重く、

青梅「こりゃ重いや」
あきら「古代織ってこんなに重いんですか」
六助「ええ、問屋さんは珍しい石を集める趣味があるんで、どっさり石もはいっとんじゃ」
青梅「石ね……ああっ?」
六助の言葉に、目玉を引ん剥いて奇声を放つ青梅。
ここもなかなかコミカルなシーンなのだが、ひとつ問題がある。青梅がかろうじて耐えられるほどの重さの物を、老人の六助が独力でかなりの距離を運んでいることである。
そりゃ、こんな山奥に住んでいるのだから、普通の年寄りよりは足腰が頑健なんだろうが、ちょっと無理がある。

やがて、三人は、人工池の周囲に作られた、アスレチック場に出る。

あきら「あら、こんなところにフィールドアスレチックがあるのね」
若干、タイアップ臭のする台詞を口にして、興味深そうに眺めるあきらタン。
もっとも、デンジマンもアスレチッククラブで働いているので、こういう施設に常人より関心を抱いても不思議はない。
と、四方からロープが飛んできて三人の体にからまり、青梅とあきらはそのまま引っ張り上げられ、ラグビーのゴールポストのような柱から逆さ吊りにされ、前後に大きくスイングする。
あきら「ちょっと、何これ」
青梅「おーい、ちょっと、下ろしてーっ!!」
青梅は大葉さん本人だが、あきらは無論、男性スタントが演じているのである。
宙に放り出され、水面に浮かぶ小さなイカダの上に落ちる二人。

あきら、ロープで引っ張られて動くイカダの上でバランスを取ろうとして、

鮮烈なパンチラを披露!!
もう、困るなぁ……(註・ほんとは全然困ってない)
ついで、池に渡されたワイヤーからぶら下がる太い網の上に横たわるあきらだったが、ここで、今回、最大の収穫となる発見があった。

あきらのタンクトップの左胸の横から、白いブラがはみ出ているのがお分かり頂けるだろうか?
そう、リテイクのためにチェックしてて初めて気付いたのだが、特撮ではかなり珍しいブラチラなのである!!
いやぁ、リテイクして良かった!!
まぁ、別に管理人が初めて発見した訳じゃなく、特撮ファン界隈ではとっくの昔に知られていることだと思うが、自分の力で発見したことは褒められて良いと思う。

青梅「じいさん、俺たちを騙したな」
あきら「ベーダーの仕掛けよ」
六助「とんでもない」
青梅「これでも信じないのかーっ!!」
ついでにこのシーンは、あきらたちの真下から撮って欲しかった……
色々あって、青梅たちは六助を助け出し、戦闘員と戦うが、六助は二人が止めるのも聞かずに真相を確かめに自宅に向かう。
六助は帰宅すると、我慢できなくなって障子を開けてしまう。
果たして、そこにいたのは道子ではなく、ドクガラーであった。
ドクガラー「見たわねえ、あれほど見てはいけないといったのに」
六助「うう……」
ドクガラー「教えてあげようか、古代織りにドクガラーの毒を織り込んだのが、ベーダー織りになるのよ」
六助「騙したな、年寄りの最後の夢を……」
……と言うことなのだが、これで古代織りを着た人間が死なない理由は分かったが、だとすると、古代織り=ベーダー織りと言うアイシーの言葉が間違っていたことになる。
第一、大昔から存在していたベーダー織りが、つい最近製造されたドクガラーの毒によって完成すると言うのは、甚だしい矛盾ではないか。
つーか、どんな織物でも、毒麟粉さえ混ぜれば、それでベーダー織りになるのとちゃうん?
それはともかく、
ドクガラー「この世に機織り姫は私ひとりだけ!!」
屋外に逃げた六助を追い詰めるドクガラーだったが、そこにデンジスティックが飛んできて、
ピンク「機織り姫になるのは私よ!!」
六助「おっ、その声は」
ピンク「古代織りは、私が守るわ」
さて、ここまで来れば詳述の必要はあるまい。
あとはラス殺陣&巨大ロボをこなすだけ。
……と思ったのだが、

ブルー「ぐうーっ」
ラス殺陣で、ブルーがドクガラーの胸を鷲掴みにすると、

ドクガラー「あんっ、いやらしいわねっ!!」
ドクガラーが生娘のように敏感に反応して嬌声を発し、

ブルー「ごめんなさい」
思わずブルーが「素」で謝ってしまうと言う、爆笑シーンがあった。
その隙に、ブルーをビンタし、イエローにヒップアタックをかますドクガラー。
それにピンクが飛び蹴りを食らわせ、
ピンク「もう、しっかりしなさいよ!!」 と、情けない男どもを叱咤する。
ああ、自分もピンクに叱られたい……と思った人、ボクと文通しましょう!!
事件解決後、再び屋敷に戻って来た六助とデンジマン。
道子がいなくなり、がらんとした仕事部屋を悄然と眺めていた六助、おずおずとあきらに向かって、

六助「あの、あなたが機織り姫になると仰ったことは……」
あきら「本当です」
あきらの答えに赤城たちがギョッとするが、それは今すぐデンジマンをやめると言う意味ではなく、

あきら「ベーダーを倒したら、必ずここに戻ってきます、ベーダーがいなくなれば古代織りを悪用されることもないでしょう、その日まで待っていて下さいますか?」
六助「その日が一日も早からんことを……あなたたちの安全を祈りながら待っていましょう」
しかし、そんな簡単に人生決めちゃって良いのかしらね?
確か、あきら、プロテニスプレーヤーになる夢があったが、自分がなるのは諦めて、ヒーロー活動が終わったら、プレーヤーを育成するとかなんとか言ってたような……
なので、老い先短い老人を喜ばせる為の、あきらの社交辞令だった可能性が限りなく高い。
そもそも、古代織りと言うのが、他の織物とどう違うのか、どういう特色を持っているのか、その辺の説明が全くないので、古代織りを受け継ぐことにどれほどの価値があるのかさっぱり分からないのが今回のシナリオの欠点である。

あきら「さよなら」
ラストはやっぱり、あきらの美しいお顔で締めましょう!!
ちなみに、さっき、二人しかロケに参加しないと書いたが、赤城たちもちゃんと来てたね。
以上、今回もあきらの魅力爆発回であったが、中盤以降、ヘドリアンたちが全然登場しなくなるのが残念であった。
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