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「熱中時代」傑作選 第12回「熱中先生と少年探偵団」 後編


 第12回「熱中先生と少年探偵団」(1978年12月22日)
 の続きです。

 放課後、引き続き小嶋田のことを心配している教師たち。

 広大「ひとりじゃなんだから、生徒の家まで一緒に行きましょうかって言ったんですけど、これは自分の問題だからって断られちゃいました」
 前田「小嶋田先生って責任感の強い方だから」

 
 桃子「だけど、頭をこつんとやったぐらいで、口の中が切れるもんでしょうか」

 桃子先生が、天城校長と同じ疑問を口にすると、広大も我が意を得たりとばかり、

 広大「そうなんですよねー、それに小嶋田先生がそれほど強く生徒を殴ったなんて、ちょっと想像できないすけど」
 前田「それもそうねえ」

 などとやってると、私服姿の小宮があらわれる。

 小宮「まことに申し訳ありませんが、理科室をちょっと見せていただけませんか」
 広大「理科室?」

 
 広大「あのさあ、余計なことかも知んないけど、ここは管轄が違うんだし、こんなことしたらまたあんたさぁ……」
 小宮「何を言われようと構わんよ、俺はね、自分の名誉のために必ず犯人を逮捕して見せるよ」
 広大「知らないぞ、あんた、クビになったって」
 小宮「あの屈辱に比べたらクビなんて安い安い」

 広大、小宮のことを心配して忠告してやるが、さすが九州男児の小宮は、一度こうと決めたらテコでも動かないのであった。

 小宮「それよりだ、俺のクビを心配してる暇があったら、自分の妹のことを考えたらどうなんだ?」

 
 広大「うん、青空がどうかしたか?」
 小宮「この寒空の中な、吉祥寺でサンドイッチマンやってるよ、かわいそうに」
 広大「ああっ?」

 聞き捨てならない小宮の言葉に、今度は広大の顔色が変わる。

 放課後、広大が吉祥寺に行ってみると、果たして、青空がサンタのコスプレをしてビラ配りをしているではないか。

 慌てて路地裏に連れて行くと、

 
 広大「青空、なんだその格好は?」
 青空「ああ、案外似合うでしょ? 日給3000円」
 広大「蜘蛛の巣はどうしたんだ、お前?」
 青空「ああ、財政難なんだ、あの店」

 ちなみに、ミニスカサンタの格好をしている池上さんがめっちゃ可愛いのである!!

 
 青空「ほらぁ、こないだの劇団の公演、大赤字だったでしょう? 劇団員全員で、その穴埋めにバイトすることになったの」

 以前、スナック蜘蛛の巣で、「翔んでる白雪姫」だか、「翔んでるシンデレラ」だか、とにかくクソしょうもない劇を公演して、それには桃子先生や小宮まで出演したのだが、興行的にも内容的にも大失敗に終わったのである。

 もっとも、広大たちも手伝って前売り券を手当たり次第にばら撒いた上、劇場を借りずに店の中でやったのだから、それほど足が出るとも思えないのだが……

 広大「そんなバカな話があるか、だったらお兄ちゃんが掛け合ってやるよ」
 青空「仕方ないよ、それにね、これも女優修行だと思えば結構楽しいよ」

 青空はあっけらかんとして言うと、また元の場所に戻って健気にビラ配りを再開する。

 だが、いつも金に困ってピーピーしている広大には、差し当たりどうすることも出来ないのだった。

 
 広大(新八郎巡査は傷付き、小嶋田先生は悩み、妹は金に喘ぐ……されど我は何一つ助けることあたわず、無力だねえ~ああ、悲しい、悲しい)

 コートの襟を立て、突き刺さるような木枯らしに立ち向かいながら、愛読書の「一握の砂」みたいな文句を心の中でつぶやき、空しさを噛み締める広大であった。

 ところが、

 
 警官「いくら君たちが言ったって……うう、わからんのか、そんなことが」
 男「全く、冗談じゃないっすよ」

 曲がり角を曲がろうとした時、男の怒鳴る声が聞こえて来たので振り向けば、なんと、自分の教え子たちが警官に説教されているではないか。

 広大「あいつら……」

 たちまち現実に引き戻された広大は、慌てて駆け寄り、

 
 広大「あの、この子たちが何か」
 警官「あんたが、この子供たちの学校の先生かね」
 広大「はぁ、担任ですが」
 警官「困るねえ、もっと指導をちゃんとしてもらわないと」
 広大「あのう、一体何を?」
 警官「さっき、この子供たちが突然飛び込んできて、この人が泥棒だから、逮捕してくれって言うんだなぁ」
 広大「えっ、ほんとか、お前たち?」

 広大が血相変えて子供たちを問い質すが、

 上野「だってそう思ったんだもん、なー」

 リーダー格の上野は悪びれずに主張して、仲間たちに同意を求める。

 警官によると、その船員風の男性は今日外国から帰ったばかりで、昨日の盗難事件とは無関係らしいのだ。

 広大「いやいや、どうもすみません」
 警官「まあ、今日のところはこの人大目に見るといってるからいいようなものの、本来ならば名誉毀損で訴えられても仕方のないところだぞ」
 広大「はぁ」
 警官「十分に子供たちに言い聞かせるように」

 
 広大「気をつけ!! どうもすいませんでした!!」
 子供たち「どうもすいませんでした!!」

 広大が、子供たちと一緒に深々と頭を下げて謝罪したので、男も納得したようにその場を立ち去る。

 当然、広大はカンカンで、自分が先頭に立って、子供たちを野外音楽堂のような場所へ連れて行き、

 
 広大「さあ、言い訳をしてみろ、先生が、あれほど注意をしておいたのにだな、どうして言うことが聞けなかった? あっ? 責任者、一歩前へ!!」
 上野「……」
 広大「上野か?」
 上野「はい」
 広大「さあ、どうしてだ、言ってみろ」
 上野「それは有力な聞き込みがあったからです」
 広大「お、何が有力な聞き込みなんだ?」
 上野「お前から話せよ」
 藤森「僕、見ちゃったんだ」
 広大「見たって何を?」
 藤森「昨日、先生に注意されて帰る途中、2組の江沢君が変な男に殴られるのを見ちゃったんだ」
 広大「なんだって?」

 藤森の口から意外な名前が出たので、びっくりする広大であった。

 藤森によると、帰宅中、

 
 男「いいな、今日の昼間学校で見たことは、誰にも話すんじゃねえぞ。もし喋ったら、これもんだ」

 電柱の陰になってはっきり姿は見えなかったが、若い男がカズオを脅していて、

 
 カズオ「……」

 男に思いっきりビンタされたカズオが、口からだらだら血を流していたというのである。

 男「わかったな?」

 男は念を押してからそのまま向こうへ行ってしまったが、黒いジャンパーにジーパン、そしてダッフルバッグを背負っていたという。

 広大「今の話、本当か?」
 藤森「本当さ、だから今朝、みんなに報告して捜査してたんじゃないか」

 と藤森は言うのだが、この証言、ちょっとおかしい。

 何故なら、藤森の言う「先生に注意されて」とは、昨日の放課後、校門の前で子供たちに話を聞いていたときのことを指すと思うのだが、その後で見たということは、江沢はまだ学校に残っていたことになり、江沢はそんなに遅くまで学校で何をしていたのか? と言うことになるからである。

 小嶋田先生にこっぴどく叱られた後で、一刻も早く帰りたいというのが人情ではあるまいか。

 犯人にしても、わざわざ江沢が帰るまで学校周辺で待っていて、それを呼び止めて脅しをかけるなど、たかが窃盗事件でそこまでやるだろうか?

 それに、犯人からすれば子供なんてみんな同じような顔にしか見えないだろうに、恐らく一瞬見ただけの相手を良く識別できたものである。

 ついでに言うと、藤森自身も最初から「少年探偵団」のメンバーなんだから、その藤森が目撃したことを「聞き込み」とは言わないだろう。

 ともあれ、上野は藤森の証言を元に、それらしい男を発見したのだが、さっきの顛末の通り、完全な人違いだったのである。

 広大「あ、そっか、そりゃまあな、黒ジャンパーにジーパンの男なんてのは吉祥寺だって何十人といるだろうからな」

 広大、捜査の大変さに理解を示しつつ、ベンチの上に腰掛けると、子供たちもその周りに集まってくる。

 広大「それで江沢君はなんと言ってるんだ」
 男子「それが僕たちが行っても全然会ってくれないんだよな」

 と、ショウコちゃんが広大の肩をトントンと叩き、

 
 ショウコ「多分、これは推理だけど、江沢君はその男に脅迫されて怯えているからなんじゃないでしょうか?」

 顎に指を当て、大人びた口調で指摘する。

 ま、実際、ショウコちゃん、どう見ても他の子供たちより年上で、小5と言っても通りそうである。

 上野さんも、この一年ちょっと後には「80」で中学生を演じてるくらいだから、実際はもっと上の学年だったのだろう。

 ショウコちゃんの言葉に何気なく頷いていた広大、急に何かに気付いたように振り返る。

 そう、漸く、小嶋田先生の体罰問題と、盗難事件がリンクしていることに想到したのだ。

 広大がその足で江沢家に行くと、玄関の前に小嶋田先生が座っていた。

 
 広大「小嶋田先生、何してるんですか、こんなところで」
 小嶋田「来ては見たんですけど、全然会ってくれないんですよ、ですから、会ってくれるまでと思いまして……」

 頼みもしないのに助太刀に来たのかと思って憤慨する小嶋田先生に、広大が慌てて事情を説明する。

 そんな二人の様子を、カズオがカーテンの隙間からそっと窺っていた。

 その後、広大は、電話ボックスから天城に電話して、あらましの事情を伝える。

 天城「なんですって、犯人を? ふんふん、それで警察には連絡したんでしょうね」
 広大「小宮巡査が一緒ですから……カズオ君が話してくれるまで一緒に待ちたいと思うんですが」
 天城「そうしてください。あ、それから、くれぐれも子供の気持ちを傷付けないように」

 広大と天城のやりとりを後ろで聞いていた桃子たちもたちまち安堵の表情を見せる。

 桃子「じゃ、カズオ君の怪我、小嶋田先生のせいじゃなかったんですね」
 天城「いや、まだそう決まったわけじゃありませんけどね」
 八代「しかし、その可能性は強いわけでしょう」
 天城「うん、ええ、まあそりゃ」

 
 小宮も加わって、三人で江沢家の玄関先に陣取り、寒さに震えながらカズオが出てくるのを待っている広大たち。

 広大「いやぁ、冷えますねえ」
 小嶋田「はぁ、しかし、教育に暑いも寒いもありませんから」
 小宮「捜査にも寒さ暑さは関係ありません」
 広大「ま、そりゃそうだ」
 小嶋田「ま、のんびりやりましょう」

 やがていかにも迷惑そうな顔をした母親が出てきたので、三人はカズオに会わせてくれるよう頭を下げるが、息子はもう寝たと言って引っ込んでしまう。

 だが、カズオは起きていて、依然、部屋の中から広大たちの様子をじっと見詰めていた。

 さらに夜が更け、広大たちはちょうど家の前に来た屋台のラーメンを仲良く啜っている。

 シナチクやナルトなど、それぞれの嫌いなものを相手に押し付けるという麗しい友情のエールを交換したあと、

 
 小嶋田「結局のところ、教育者としての自信の問題なんですよね」

 ふと、小嶋田先生が、今度の一件を振り返ってしみじみと語り出す。

 広大「教員者としての自信?」
 小嶋田「ええ、体罰が良いとか悪いとかの問題じゃないんですよ、教育者として自信があれば少しぐらい殴ったところで生徒は教師を恨まないと思うんです」
 広大「……」
 小嶋田「でも、僕には殴る自信がありませんでした、憎まれたり恨まれたりすることを恐れて殴れませんでした。教育者として自信があればこんなに悩まなかっただろうし、江沢だって素直にほんとのことを話してくれたと思うんですよ」

 率直に、自分の至らなさを認め、痛悔する小嶋田先生であったが、極めて民主的なこのドラマでも、「体罰容認論」が幅を利かせているのは、いささかショックを覚える管理人であった。

 もっとも、小嶋田先生が江沢の頭を小突いたのを、体罰の範疇に入れていいものかどうか、いささか悩ましいところではある。

 
 小宮「俺もおんなじだな」
 広大「え?」
 小宮「派出所巡査としての自信がなかったからこそ、刑事に怒鳴られた時、シュンとなってしまったんだよな、派出所巡査として誇りを持てって、いつも自分を励ましてるんだけど、どっかこの、心の隅にコンプレックスがあるんだろうねえ」
 広大「……」

 客観的に自分の行動心理を分析して見せる小宮であったが、小宮の場合、自信云々以前に、現場保存を怠った単なるミスじゃないのかと思う広大であったが、口に出しては何も言わない。

 
 広大「あー、寒い」
 小宮「北海道生まれの君でも寒いの?」
 広大「あ、そりゃそうだ、北海道生まれがみんな暑がりって訳じゃないからね……小嶋田先生、どちらですか」
 小嶋田「僕は長野です」
 小宮「僕は九州熊本」

 この、大の男が家の前に座り込んでラーメン啜って夜を明かすというのが、実になんともいえないしょぼくれた感じがして、同時に、それぞれの職務に忠実な男たちの友情が爽やかに描かれていて、とても好きなシーンである。

 結局、三人はその場所で朝を迎えるのだが、小鳥のさえずりで目を覚ました広大がふと気付いて振り向くと、すぐ後ろに寝巻き姿のカズオが立っているではないか。

 広大は急いで二人を叩き起こすが、カズオはすぐ家の中に戻ってしまう。

 三人は飛びつくようにドアに駆け寄り、

 
 小嶋田「江沢、開けてくれ、殴ったのは先生が悪かった。謝るから本当のことを話してくれ」
 カズオ「ごめんなさい、先生……」
 小嶋田「江沢……」
 カズオ「口の中を切ったのは、先生に殴られたからじゃないよ、泥棒に殴られたからだよ」
 小宮「犯人見たんだね」
 カズオ「先生に叱られて教室に帰る途中、犯人に会ったんだ」

 ドア越しではあったが、遂にカズオが重たい口を開いてくれ、三人の徹夜の苦労が報われた瞬間であった。

 その後、三人は代わる代わる大きなくしゃみをしながら、充実感で胸を一杯にして天城家に戻ってくる。

 同じく徹夜で吉報を待っていた天城校長が三人の労をねぎらい、綾子と桃子は用意していたあったかい味噌汁を振舞ってくれる。

 
 広大「しかし、あの子もあんなにしゃべんなかったところを見ると、よっぽどその犯人が恐ろしいんでしょうねえ」
 小宮「許せんね、全く、あんな小さな子供を脅かすなんて」
 天城「ほんとですよ、捕まえたらこっぴどく懲らしめて……」

 広大の述懐に、小宮も天城も我がことのように憤慨していると、広大に電話が掛かってくる。

 広大「お、上野か、えっ、犯人が見つかった? おいこら、まだそんなことやってんのか」

 
 上野「今度は本当なんだよ、今藤森君から尾行してるって連絡があったんだ、先生も早く来てよ!!」
 広大「よし分かった分かった、今行くから、良いか、勝手な行動をとっちゃいかんぞ」

 広大、強く言い聞かせてから電話を切ると、天城たちに報告して、とにかく子供たちに会いに行くと言うと、小宮も小嶋田も同行を申し出る。

 ま、正直、人相も分からないのにそんな簡単に犯人が見付かれば世話はないのだが、これはドラマなので、藤森が尾行している男こそ、盗難事件及び口腔内裂傷の真犯人であった。

 例の王冠を目印に残しつつ、犯人のあとにぴったりくっついていた藤森だったが、途中、大きな物音を立ててしまい、犯人に気付かれてしまう。

 
 子供たち「あっ、先生!!」

 一方、赤電話のそばで待っていた子供たちの前に、広大たちが駆けつける。

 ……

 真のキャプ職人とは、そこに0.01パーセントの可能性しかなくとも、キャプせずにはいられない生き物なのである!!

 それはともかく、上野たち三人は先行して藤森の行方を追っており、広大たちも、残りの子供たちと一緒に王冠を探しながら続くことになる。

 
 引き続きサンタコスプレでチラシを配っていた青空が、地べたに顔をくっつけるようにして歩いている広大と子供たちを見て、素っ頓狂な声を上げる。

 青空「お兄ちゃん、なにやってんのー?」

 で、なんだかんだで青空もついてきて、

 
 青空「体の中ゾクゾクしちゃう、スリルがある~」
 広大「バカ、青空、遊んでんじゃないぞ、これは、お前帰れ、もう!!」

 広大たちは、王冠を辿って大きな公園の中に入り、そこで先行していた上野たちと合流する。

 
 上野「先生、この辺で目印がなくなってんだ」
 広大「なんだ、ほんとか」
 小嶋田「まさか犯人に気付かれて……」
 小宮「ようし、この辺一体を手分けして探すんだ」
 子供たち「おーっ!!」

 本来なら、子供たちはすぐ帰すべきなのだが、一刻を争う事態なので、広大はテキパキと分担を決めて捜索を始める。

 で、時間もないので、広大はほどなく弁天堂の裏で、犯人が藤森をナイフで脅しつけているのに出くわす。

 広大「藤森!!」
 藤森「あ、先生」
 広大「何やってんだ、こんなとこで」

 広大に向かって走ろうとした藤森の体を押さえると、その首にナイフを突きつけ、

 
 男「なんだ、てめえは」
 広大「この子の学校の先生だよ」
 男「先生なんて用事ねえ、けえれ!!」
 広大「けえれじゃないだろ、そういう、バカなことよしなさいよ、な」
 男「近寄ったら刺すぞ、ほんとに」
 広大「バカなこと言うんじゃない、あんた何やってんだ、え、自分のやってること分かってんのか? そんなちっちゃな子いじめて面白いか? 子供放しなさい、放しなさい!!」

 所詮、ケチなコソ泥に過ぎない男は、広大の剣幕に恐れをなし、藤森を置き捨ててとっとと逃げ出す。

 この後、池の周囲で大捕物が繰り広げられるが、

 

 
 最後は広大の右フックが見事に決まり、倒れたところを小宮が取り押さえる。

 広大、たびたび公言しているように結構ワルガキだったので、腕っぷしもなかなかのものなのである。

 だが、広大の怒りは収まらず、

 
 広大「子供を脅すなんて許せないぞ、あんた、最低だぞ、最低だからな!!」
 小宮「公務執行妨害で逮捕する」
 広大「さあ、あんた、子供たちに謝れ、謝れ!! 謝れって言ってるだろ!!」

 ほとんど駄々っ子のように、犯人の襟首を掴んでしつこいくらい何度も何度も謝罪を要求する広大の姿に、

 
 改めて広大の生徒たちへの熱い思いを感じ、なんとはなしに涙ぐむ子供たちであった。

 結局男は謝らず、きりがないので小宮がその体を引っ立てていく。

 その場には江沢親子も来ていて、

 母親「先生、どうも申し訳ありませんでした」
 小嶋田「いえ、こちらこそどうも」
 カズオ「先生、ごめんなさい」
 小嶋田「いや、先生もごめんなさい」

 こうして、盗難事件も体罰事件も綺麗に片付き、八方丸く収まるのだった。

 全編通して、これだけすっきりとした結末は他にないんじゃないかなぁ?

 もっとも、広大にはまだすべき仕事が残っていた。

 小嶋田「北野さん、色々とありがとう」
 広大「いえいえ、あとは子供たちの処分だけですよ」
 小嶋田「処分?」

 広大は子供たちの前に立つと、

 
 広大「いっかー、今回はたまたま犯人を逮捕できたからいいようなものの、先生の言うことを聞かなかったために、随分と危険な目に遭ったなぁ? いっかー、一度注意されたことを聞けない子は大人になってもろくな人間になれないぞ。いっか?」
 子供たち「はーい」
 広大「それじゃあ今日は、先生の言うことを聞けなかったバツとして、日曜日の特別授業をやろう」
 子供たち「何をやるのー?」
 広大「公園の周りを三周駆け足!!」

 広大の命令に一斉に不満の声を上げる子供たちだったが、広大は意味不明の喚き声を放って黙らせると、自ら先頭に立って走り出し、子供たちも仕方なくついていく。

 
 小嶋田「これも体罰なんでしょうか?」
 青空「そうですねー、体罰ですねー」

 
 青空「小嶋田先生も走ったらどうですか」
 小嶋田「いえ、僕は……」
 青空「走ったらどうですか」
 小嶋田「はい……じゃ」

 一旦は辞退するが、青空に強く言われると、か細い声を出して走り出す、相変わらず女に弱い小嶋田先生であった。

 以上、盗難事件に体罰問題を絡めつつ、男と男の友情を描いた後味の良い佳作であった。

 不満を言えば、タイトルにもなっている「少年探偵団」の見せ場があまりなかったことかな。
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コメント

良いな…少年探偵団!

(*´∇︎`)ノ こんばんは〜!体罰については判断が難しいですよねぇ…私も結構…先生にビンタなんか打たれた方ですけど当の本人は自業自得って事で恨む事は無かったですね。かと言って体罰を容認していいとは言いませんけど。やっぱり子供でも何でも、教育するって難しい事ですよねぇ…。(^◇^;) あっ、改めて思うのは熱中時代…良い役者が揃ってますよね。(^_^)

Re: 良いな…少年探偵団!

こんばんは。

> 体罰については判断が難しいですよねぇ…私も結構…先生にビンタなんか打たれた方ですけど

まあ、ビンタくらいならねえ。

ただ、自分が中学のころは理不尽な理由で教師が暴力振るうのを何度か見ました。

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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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