第47話「ゲーター親子の涙」(1985年12月21日)
さあ、皆さんお待ちかね、久しぶりのゲーター親子のエピソードであります。
ま、スルーしても誰も文句は言わないだろうが、一応書いておこう。
いつ頃からか、東京湾周辺で夜な夜な不思議な笛の音が聞こえるようになり、その笛の音に誘われるかのように、奇妙な地震が頻発していた。
チェンジマンたちは手分けしてその原因を調査していたが、ある夜、遂に勇馬がその笛の主らしき怪人物と遭遇する。

勇馬「うわっ!!」
だが、怪人物はいきなり勇馬にビームを浴びせるとスタコラサッサと逃げ出す。
勇馬もすぐ立ち上がって追いかけ、狭い路地の奥に追い詰めるが、

勇馬「あ、ひょっとしてお前、ゲーターの息子じゃねえか」
ワラジー「いやいやいや……」
それは意外にも、ゴズマードの航海士ゲーターの息子ワラジーであった。
無論、勇馬は会ったことはないが、以前、ゲーターの妻ゾーリーに彼らの家族写真を見せられたことがあるので、すぐ分かった。
はい、今回の主役はこの可愛らしい宇宙生物なんですねえ。
……
ちょっと用を思い出したんで、帰っちゃ駄目ですか? 駄目? そうですか……
こんな連中のファミリードラマにスポットを当てて、視聴者が喜ぶとでも本気で思っていたのなら、当時のスタッフの頭の中には○○○が詰まっていたに違いない。
せめて、息子じゃなくて娘で、地球にいるときは可愛い地球人の少女の姿になってるとかなら良いのだが、ずーーーーーーーーーーっと、このまんまの姿だからなぁ。
ワラジー「僕はこの笛で父ちゃんを探しにきたんや」
勇馬「え」
ワラジー「この笛は父ちゃんが作ってくれた笛なんや、この笛を聞いたらきっと父ちゃんは会いに来てくれる、そう思って僕はこの笛ふいとるんや」
ともあれ謎の笛の正体は、ワラジーが父親を求めて吹いていたものだと判明する。
勇馬、気持ち悪いのでとりあえず射殺しようとするが(註・してませんっ!!)、そこへあらわれたブーバにまんまと笛を掻っ攫われてしまう。
さらにジグラと言う宇宙獣士があらわれ、勇馬たちに攻撃を仕掛けてくる。
裏で熱いコーヒー飲みながらスタンバッていたかのように、他の4人が即座に駆けつけ、ジグラを撃退するが、その混乱に紛れてワラジーは姿を消してしまう。
このまま永久に姿を消してくれれば良かったのにぃ……
その後、とんでもない事実が発覚する。

伊吹「大変なことが分かった、あの地震波を分析した結果、超破壊兵器ゼロスターが動き出した時に発生する機械の震動と波長が同じなんだ」
さやか「超破壊兵器ゼロスター?」
伊吹「ゼロス星と言う、とても科学の進んだ星で作られた、星ひとつを完全に破壊してしまうと言われている悪魔の兵器だ」
剣「長官、ゼロス星のジグラが現れたからには、もしかして?」
伊吹「うん、ゼロスターは地球の何処かにあるんだ」
悲しいことに、さやかの顔出しでの台詞は、今回、これひとつだけ……
でも、なんでそんな遠い星の破壊兵器が、地球の地下に埋まっていたのか、その説明が全くないのは物足りない。
ちなみに、ゼロスターって、デススターのもじりだろうな。
同じ頃、アハメスは誇らしげにブーバが奪って来たワラジーの笛を掲げ、

アハメス「バズー様、この笛を吹き続ければ必ずや、ゼロスターはその姿を現すでしょう」
ゲーター(ワイの作った笛に、そんな働きがあったやなんて……)
アハメス「ゼロスターを手に入れ、地球を破壊するとおびやかせば、地球人は震え上がってバズー様の前にひれ伏すことでございましょう」
バズー「素晴らしい、一刻も早くゼロスターを手に入れよ、吹け、その笛を」
しかし、超破壊兵器で人類を脅すというのは分かるんだけど、そのゼロス星さえ傘下におさめているらしいゴズマには、ゼロスターのほかにも、星ひとつ壊すぐらいの兵器はいくらでも配備されてると思うんだけどね。
だいたい、ゼロス星の出身者もいるだろうに、その笛以外にゼロスターの起動方法が分からないというのも変な話である。
ゼロスターが、既に失われた文明の作り出した伝説の兵器で、何かの理由で地球の地底深く眠っていたのが、たまたまワラジーの笛の波長で蘇った、とかなら分かるのだが……
再び電撃戦隊本部。
勇馬、ワラジーの涙にほだされて笛を取り上げることを躊躇した自分を責めていたが、その気持ちを察した疾風が、

疾風「大空、もし俺が大空の立場だったら、ワラジーから笛を取り上げるようなことは出来ないと思うな……そうだろ、みんな? 元気出せ」
と、勇馬の行為を弁護し、慰め励ますのだった。
疾風「誰がハゲ増すやねん!!」 管理人「ええっ?」
最近、髪の毛の話題に神経過敏になっている疾風であったが、嘘である。
その頃、ゴズマードでは、アハメスたちがなんとかして笛を吹こうとするが、ゼロス星のジグラにも吹けず、

シーマ「ぷーっ、ぷーっ!! 鳴らない……」
シーマも駄目。
ブーバ「どおら、俺に貸してみろ」

ブーバ「……」
シーマから笛を受け取り、口に持って行きかけたブーバだったが、

ブーバ「……」
何かに気付いたように口に手を当て、結局吹こうとしない。
前回の乙女チックなエピソードの連想から、管理人、てっきりブーバがシーマと間接キスになるのを憚ったのかと思ったが、単に、ブーバは常にマスクをつけているのでそのままでは吹けないと言うだけのことであった。
ブーバ「ゲーター、どういうことだ?」
ブーバ、なんとなく気まずい空気になったのを誤魔化すように、ボーっとしているゲーターの頭を笛で殴って問い質す。

ゲーター「あのー、そのー、それは、ワラジーやないと吹けんのです~」
ゲーターがいかにも言いにくそうに、「どおちて」的ポーズを取りながら釈明する。
……
にしても、改めて見ると、ゲーターの顔、死ぬほど気持ち悪りぃなぁ!!
増岡弘さんのトボけた声と演技で誤魔化されがちだが、こんなもん、善玉になっても嬉しくも何ともない。

アハメス「ゲーター、どうしてそれを早く言わないの?」
アハメス、柳眉を逆立て、杖の先でゲーターのぶよぶよした胸をぐりぐりして責める。
ゲーター「どうぞ、堪忍してーなー」
そのショックでゲーターが定期券入れに入れた家族写真を落とすのを見て、

アハメス「ゲーター、子供に会いたいだろうなぁ?」
一転、満面の笑みを浮かべて優しく尋ねるアハメス。
……
なんじゃこの、オムライスがとろけるような笑顔は!! こんな美麗なお姉さまに甘い吐息がかかるほど接近されるなんて、ゲーターがめちゃくちゃ羨ましくなって来た。
ゲーター「それはもう……」
ゲーター、寂しそうに、ブリッジから見えるエメラルドブルーの星に目をやる。

ワラジー「みんな楽しそうやなぁ」
その地球では、後楽園遊園地に紛れ込んだワラジーが、物珍しさと人恋しさを綯い交ぜにしたような表情で、行楽客たちの様子を眺めていた。
当然、人目に付かない場所にいるのかと思いきや、
普通におるんかいっ!! いや、なんで周りの客たちは騒ぎ出さないの?
あ、まあ、場所が場所だけに、遊園地のキャストとでも思われているのかもしれないが、あまりに気持ち悪いので誰も寄り付かないのだろう。

と、そこへ突然あらわれたのが、珍しく正装したゲーターであった。
……
だから、こんなところに普通に立ってんじゃねえよ!! いくらなんでもこんなもん見たら、みんなギャーギャー言いながら逃げ出すのが普通だろう。
ま、そういう反応をいちいち丁寧に描いてたら、時間が足りなくなるからね……
ともあれ、周囲の目も気にせず、久しぶりの親子水入らずの団欒を楽しむ二人。

ゲーター「でも、どないしてきたんや?」
ワラジー「家出してきたんや」
ゲーター「家出?」
ワラジー「父ちゃん、はよナビ星へ帰ろ、はよ帰らんと母ちゃん心配しとる」
ゲーター「ああ、それより、この笛を吹いてんか?」
ワラジー「どうしたんや、この笛、ワシ、悪い奴に盗られてしもうたのに」
ゲーター「父ちゃんが取り戻したんやで……さあ、ワラジー、父ちゃんに聞かせてんか、ナビ星の曲を聞かせてんか?」
ゲーター、息子を適当に言い包めて、笛を吹いてくれるよう頼む。
無論、ゲーターの本意ではなく、アハメスに命じられてのことである。
……
何が腹立つって、見てるだけでも気持ち悪いのに、こいつらの会話が変な関西弁なので、その台詞を書き写すのがめちゃくちゃ面倒臭いことである!!
息子の笛を聞きながら、ナビ星での平和な暮らしを思い返してほろりとするゲーター。
そこへ勇馬があらわれ、ワラジーの笛をやめさせようとするが、見張っていたブーバたちがそれを阻止しようとする。
他の4人も駆けつけ乱戦となるが、ここでも既に変身済みなので、さやかタンの出番はなし。
当然パンチラもなし。
パンチラのない「チェンジマン」なんて、カツの載っていないカツ丼みたいなものである。
勇馬、ジグラに攻撃されてピンチになるが、

何処からか飛んで来たピンク色の球体に包まれ、空の彼方へ連れ去られる。
で、嫌な予感がしたのだが、

ゾーリー「大空はん、だいじょうぶでっか?」
勇馬「ゾーリー!! お前が助けてくれたのか」
近くの球場の観客席まで勇馬を運んだのは、ゲーターの妻のゾーリーであった。
……
いや、明らかに顔変わってない? 整形でもしたの?
確か以前はもっとブッチャー要素が濃くて、ゲーター以上に見るに耐えないブサイクだった筈だが、スタッフも、さすがにその気持ち悪さに吐き気を催したのか、リファインしたのだろう。

勇馬「ありがとう、相変わらず綺麗だね」
ゾーリー「そんなぁ」
勇馬「……」
勇馬のお世辞に身をくねらせて照れるゾーリー。
「ええ、あの時ばかりは、その場で撃ち殺してやろうかと思いましたよ」(勇馬談)
ゾーリー「そんなことよりお願いがあるんだす、どうかゲーターを止めておくんなはれ。ワラジーは自分の父親が悪いことしてるとは知らんのです」
勇馬「ええっ?」
ゾーリー「父親が戦争しに行ってるなんて、とてもあの子には言えまへん」
どうでもいいが、ゾーリー、27話の最後にゴズマに連れ去られてなかったっけ?
なんで自由に動き回ってるの?
ゴズマも、一応捕まえたけど、あんまり気持ち悪いのでその辺に捨てたのかなぁ?
一方、ゲーターはワラジーを連れて桟橋に移動し、再びワラジーにあの笛を吹かせていた。
ゲーター(ワイはいつも、弱い立場やなぁ……)

やがて、ワラジーの笛に呼ばれるように、眼下に広がる海の底から、巨大な銀色のドクロのような物体、超破壊兵器ゼロスターがせり出してきて、大地を揺らし、湾内に高波を発生させる。
ワラジーも怖がって笛を吹くのを嫌がるが、

ゲーター「お前がちゃんと吹いたら、わいら、ナビ星へ戻れるんやで」
ワラジー「えっ、ほんま?」
ゲーター「ああ、ほんまや」
ワラジー「ほんなら吹く」
父親と一緒に暮らしたい一心で、何も知らずに笛を吹こうとするワラジーであったが、そこへ駆けつけたのが勇馬であった。
勇馬「待てーっ、やめろ、やめるんだ」
ゲーター「大空!!」
勇馬「ワラジー、君は騙されてるんだぞ」
ワラジー「え?」
ゲーター「あー、うるさーい!!」
ゲーター、口から電撃ビームを放って勇馬の口を封じると、ワラジーをその場から逃がす。
勇馬「ゲーター、お前はそれでも親か?」
ゲーター「黙れい!!」
と、再びピンク色の球体が降りてきて、勇馬をかばうように立つゾーリーの姿になる。

ゾーリー「あんた、やめとくなはれ」
ゲーター「ゾーリー!!」
ゾーリー「わてが、追いかけるよう(勇馬に)頼んだんです。あんたが悪いことしとるなんてワラジーに教えとうないわ!!」
……
初期バージョンのゾーリーのブサイク面も強烈だったが、この後期型も、普通のブサイクとはまた違った意味で気持ち悪いなぁ。
なんとなく、人間の胎児っぽくて。

ゾーリー「チェンジマンさんは、前にわてが地球に来たとき、見逃してくれはったんやないかぁ」
ゲーター「ああ、わいは、わいはどないすりゃええねん!!」
義理と人情の板ばさみになって、その場に膝を突いて泣き叫ぶゲーター。
ゾーリー「あんたのつらい立場はようわかってます、だって、わてはあんたの妻やもん」

ゲーター「ゾーリー!!」
ゾーリー「あんたぁあああっ」
感極まって抱き合うゲーターとゾーリーの姿を見ていた勇馬は、
勇馬「キモッ!!」 うっかり、二人が交尾しているところまで想像してしまい、思わず吐きそうになったが、嘘である。
と、再び大地が激しく揺れ、波が立ったかと思うと、ワラジーの目の前で、機雷でも爆発したかのような水しぶきが上がり、ゼロスターが既に海面近くまで浮上していることが分かる。

ジグラ「へっへっへっ、今こそゼロスターを我が手に」
勇馬「待て!!」(こればっかり)
舌なめずりをして待つブーバたちの前に再び勇馬があらわれ、ここからラス殺陣に突入する。
で、今回は、巨大ロボバトルが、海中のゼロスターの争奪戦として行われる。

ゼロスターを止めようとするチェンジロボと、それを邪魔する巨大ジグラ。
ジグラが、ゼロスターを掴んで引き抜くのを見て、
グリフォン「こいつは自爆する気だぞ」
ドラゴン「そうはさせるかっ」
……
いや、ゼロスターを爆発させたらダメなのでは?
あくまでそれで人類を脅し、降伏させるのが目的なんだから。
まあ、バズーも、侵略開始からそろそろ一年近く経っていい加減面倒になっており、最悪、地球が消滅しても「ま、いっか」ぐらいに考えていたのかもしれないが。
チェンジロボ、ゼロスターをジグラから奪い返すと、それを小脇に抱え、右手だけで「電撃剣スーパーサンダーボルト」を繰り出し、ジグラを撃破する。
水中でそんなモン使ったら、魚が死ぬで。

チェンジロボ、そのまま一気に宇宙空間に飛び出し、ゼロスターを安全な場所で爆発させ、地球のピンチを救うのだった。
……
あのー、チェンジロボで宇宙に行けるのなら、ちゃっちゃとゴズマードを攻撃すればいいのでは?
チェンジロボの力なら、バズーはともかく、ゴズマードぐらい簡単に沈められただろう。
その後、美しい夕陽を眺めながら話しているゾーリーとワラジー。

ゾーリー「父ちゃんは決してほんまに悪い人やおまへん、ワラジー、きっと父ちゃんはわてらのところへ戻ってきはります」
ワラジー「うん……僕はもうナビ星へは戻れん。父ちゃん、僕たち地球にいるからね、いつか一緒にナビ星へ戻ろうね」
こうしてゾーリーとワラジーはそのまま地球に留まり、ゲーターと一緒にナビ星へ帰るチャンスを待つことになるのだった。
……
マジかよ。
待たなくていいから、今すぐにでも三人揃ってナビ星へ帰って欲しいところだ。
それはともかく、ゴズマードのブリッジで妻と息子のことを思うゲーターの映像、そして、夜の港をワラジーたちを探して歩く勇馬たちの姿。
何処からか聞こえてくるあの笛の音を耳にして、

勇馬は、以前見た、ゲーター一家の家族写真を思い浮かべるのだったが、
勇馬(あれ、ゾーリーの顔、著しく変わってね?) 漸くそのことに気付くのだった。
ナレ「父を思って吹く笛の音に、チェンジマンはゲーター一家に一日も早く幸せな日が来ることを祈らずにはいられなかった」
メンバーそれぞれの深刻な顔に、ナレーションが重々しく被さるが、
さやか(台詞欲しい……) 全編通してさやかタンのアップは、実にこの、暗闇の中の一枚だけなのだった。
今回のさやかタンの収穫。
顔出し台詞……1
アップ……1
パンチラ……0
……
思わず出家したくなったのは管理人だけではあるまい!!
くっそー、貴重なさやかタンの出番を気持ち悪い生き物の分際で潰しやがって……
ゲーター一家に殺意すら覚える管理人であった。
と言う訳で、これ以降、ゲーター親子のことは、極力無視する方針で進めて参りたいと思います。
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