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「ウルトラマンA」 第31話「セブンからエースの手に」


 第31話「セブンからエースの手に」(1972年11月3日)

 うーん、このタイトルは詐欺に近いなぁ。

 確かにセブンは出てくるが、終盤にほんの少し出るだけで、セブンの活躍を楽しみにチャンネルを合わせた子供にとっては納得のいかない内容だったろう。

 それはさておき、冒頭、北斗とダンが早朝ジョギングをしていると、

 
 上空に黒い吹流しのようなものが飛んでいるのが見える。

 ダン「あ、ほうき星だ、黒い彗星……これは何か起きるよ、きっと超獣が出るよ」
 北斗「こいつ、またぁ」

 超獣マニアのダン、何の根拠もなく断言するが、北斗は笑って取り合わず、彗星も三日後には自然に消えてしまう。

 続いて、何者かの見た目でカメラがTAC本部に入ってくるが、

 
 その目の高さは妙に低く、視線も室内の様子を物珍しく眺めているようにあちこち定まらず、好奇心旺盛な子猫でも入って来たかのようであった。

 梶「分析の結果です」
 竜「なに、あの彗星は天体ではなかった?」
 梶「そうです、少なくとも我々が地球で言うところのものでありません、重さもなければ形もなく、勿論色もありません」
 今野「しかし、現に色は黒で、写真も残ってる」
 梶「うん、しかし、スペクトル分析やレーザー観測、その他あらゆるデータが質量ゼロ、つまり何もないという結果を示してるんだ」

 侵入者の存在に気付かず、謎の彗星について話し込む隊員たちであったが、

 
 ここで、侵入者の正体が、指で双眼鏡を作って覗き込んでいた、お下げ髪のロリロリ美少女であることが分かり、全国の真性ロリコン戦士たちが狂喜乱舞したという。

 今野「あ、君、どうやって?」

 最初に気付いた今野の叫びに、一同の視線が一斉に少女に向けられる。

 ミオ「北斗さんにお話があるの」

 
 今野「北斗? これは一体どういうことなんだ、君のガールフレンドについて説明してもらいたいな」
 北斗(やべえ……やべえっすよ、こいつはぁ~)

 今までひた隠しに隠してきた性癖が、いきなり同僚たちの前で暴露されそうになり、全身が大理石のように凍りつく北斗であったが、嘘である。

 戦隊ヒーローやメタルヒーローならともかく、ウルトラヒーローがロリコンだなんて、そんなバカなことがあるはずがないのである。

 北斗「僕に? いや、知らないなぁ」
 ミオ「嘘つき、いつでも助けてくれるって言ったわ」

 今なら女子から絶対零度の蔑視線を浴びて悶え死んでいるところだが、何しろまだおおらかな時代だったので、

 
 美川「北斗隊員、あなた、街で会ってるんじゃない? 子供とした約束を忘れるなんてTACの隊員として許せないわ」

 紅一点の美川隊員も、毒気のない笑みを浮かべてからかうように北斗に言うだけだった。

 だが、北斗はほんとに清廉潔白のようで、しきりに首をひねりながら、

 北斗「いや、ほんとに覚えがないんだなぁ」
 竜「北斗隊員にどんな用事なんだね」

 
 ミオ「獏ちゃんとね、獏のおじさんを助けてもらいたいのよ」
 竜「獏?」
 ミオ「決まってるでしょう、大和田獏よ、いま、オヤジ狩りされてるの」
 竜「それは大和田伸也のほうでは?」

 途中から嘘だが、ミオを演じるのは70年代を代表する美少女子役・戸川京子さんである。

 
 ミオ「決まってるでしょう、動物の獏よ、獏はね、夢を食べる動物なのよ」
 竜「よし、そいじゃね、北斗隊員が君の獏ちゃんと獏おじさんを助けて上げられるようにあとで休暇を作ってあげるからね」

 竜隊長は、今のところ暇なので、名指しされた北斗に勝手にその仕事を押し付ける。

 竜「君がどうやって此処までこれたのか、教えてくれるね」
 ミオ「簡単よ、TAC基地の食堂へお野菜やお肉運ぶトラックがあるでしょう」
 山中「隊長、ゲートのチェックはどうなってんですかねえ」
 竜「警備本部へ厳重に注意しよう……さて北斗隊員、君のガールフレンドを家まで送り届けるんだ」

 
 竜隊長の言葉に、振り返ってにっこり微笑むミオ。

 それにしても、このパンダのように可愛いらしい女の子がまさか自分たちより先に亡くなるとは、この場の誰が想像しえただろう?

 北斗、パンサーにこまっちゃくれたガールフレンドを乗せてミオの自宅へ向かうが、ミオは獏のいる動物園に連れて行ってくれと言って聞かない。

 
 その動物園の獏の居住エリアには、問題の獏おじさんが勝手に入り込んで、獏に親しく語りかけながらエサを与えていた。

 飼育員「ああ、駄目駄目、また勝手にこんなところに引っ張り出したりして……ああ、エサはやらないでください」
 貘山「……」
 飼育員「何度注意したら分かるんです? 規則違反で訴えますよ」
 貘山「そんなこと言ったって、ねえ……」

 飼育園を演じるのは、樋浦勉さん。

 居住区の外から見物していた子供たちが貘山を囃し立て、獏に石などを投げつけると、獏も怒って子供たちを威嚇する。

 ミオ「駄目よ、そんなことしちゃ」

 ミオが獏のそばに寄って、優しく触りながら宥めるが、

 
 獏は、こともあろうにミオの穢れなき股間に長い鼻を突っ込ませると言う暴挙に出る。

 
 ミオ「ああっ」

 この奇襲には、さすがのミオもギョッとして人形のように固まる。

 貘山「獏ちゃん、駄目だよ、そんなことしちゃ……」

 飼育員は根負けして、貘山をそのままにして仕事に戻ってしまう。

 北斗も、貘山がひたむきに獏を愛している様子に心が和むが、何の前触れもなく、その獏の姿がスーッと消え、

 
 代わりに、獏に……は、全然似てないけど、とにかく獏っぽい超獣が街中に突然現れる。

 そう、言うまでもなく、あの黒い彗星が獏の体に乗り移り、獏を超獣バクタリに変えてしまったのである。

 ただ、そのきっかけと言うか、タイミングが全くないのは、ストーリーとして物足りない気がする。

 獏がひどくコーフンしたり、怒ったりしたら超獣になるとか、何らかの法則が欲しかった。

 
 飼育員「君ぃ、獏に何かしたな、いや、隠したな」
 貘山「え」
 飼育員「さ、白状しろ、君は毎日ここに通い詰めて手品を使って獏を盗んだなんだ、さあ、返せ、獏を何処へやった」
 貘山「何をするんだ、手を放したまえ」

 飼育員は半狂乱になって貘山に掴みかかるが、無論、貘山の与り知らぬことで、北斗も割って入って貘山の潔白を証言する。

 貘山「そうか、もしかすると……」
 ミオ「きっと何処かに隠れているのよ。おじさんが呼べばきっと帰ってくるわ」

 ミオの意見に従い、貘山は獏の鳴き声を真似つつ、必死に獏に呼びかける。

 一方、TACは北斗抜きで迎撃に上がり、ぼーっと立ってるだけの超獣に攻撃を仕掛けるが、超獣は一切反撃せず、困ったように頭を掻いていたが、これまた忽然と空中に吸い込まれるように消えてしまう。

 ま、それは良いんだけど、

 竜「目標は消滅した、基地へ帰るぞ!!」

 それを見た竜隊長が、まるで見たいテレビ番組でもあるかのように、何の調査もフォローもせずに急いで帰還を命じるのは、さすがに指揮官としてどうかと思う。

 急に消えたのなら、またすぐ出てくる可能性だってあるわけで、せめて警戒のための人員を残しておくべきではなかったか。

 さて、超獣が消えると同時に、動物園に獏が何事もなかったように戻ってくる。

 
 ミオ「獏ちゃん、何処行ってたの? 心配したわー」

 
 飼育員「しかし変だなー、さっきは確かにいなかったんだ。あれ……お前、肩に怪我してるじゃないか……え、どうしたんだい、これ? 火傷だな、こりゃ」

 飼育員、すぐ獏の傷に気付くが、それが超獣がTACに攻撃された場所と同じであることに、戦闘に参加しなかった北斗に分かろう筈もなかった。

 他にすることもないので、北斗は二人をパンサーに乗せて、貘山の家まで送ってやる。

 
 今はもう絶滅寸前の、古きよき日本の風情を残す下町の路地裏。

 
 主婦「何してんのかしらねえ」
 主婦「ミオちゃん、あんな人とつきあってると獏にされちゃうかもしれないよ」

 一方、他人のやることなすことにいちいちケチをつけずにはおられない、日本人の駄目なところは今も昔も色褪せることなく健在なのです!!

 やれやれ……

 
 主婦たちの陰口に、ミオは玄関から顔だけ出して、

 
 ミオ「べーっ!!」

 可愛らしい反撃を見せる。

 ちなみに主婦たちがミオのことを知っていることから、ミオもこの近所に住んでいるものと思われる。

 部屋に落ち着いた北斗は、獏関連のスライドを見せてもらいながら、

 北斗「ミオちゃんの話だと、獏のことで何か大変お困りだとか」
 貘山「そうですか、あなたに話しましたか、実は私はご覧のとおり、私の人生を獏一筋に入れあげて来たようなものでしてね」

 ここで、貘山が何故獏にこれほど愛着を抱くようになったのかが縷々語られるのだが、

 
 たぶん誰も興味がないと思うので、読者の皆さんには、話が終わるまで、ミオたんのぬいぐるみのように可愛らしい顔でもご覧になってお待ち頂きたい。

 貘山「オイッッッ!!!」

 (無視)長年の研鑽の甲斐あって、貘山は獏と話が出来るようになったと言うのだが、

 
 貘山「ところが突然、妙なことを言い出してましてね」
 北斗「妙なこと?」
 貘山「私ゃ心配で心配で」
 北斗「もっと詳しく話してください」

 ここで、その時の様子が回想される。

 
 貘山「え、なんと言ったんだい?」
 獏「僕ね、もう僕じゃなくなるの」
 貘山「な、何を言うんです?」
 獏「駄目なんだよ、僕」
 貘山「僕(獏?)が僕じゃなくなるなんて一体ナンになるんだ?」
 獏「うう、ううーっ!!」

 と、獏が貘山に助けを求めるように訴えかけて来たと貘山は妄想したらしいのだが、その時、獏の体に熱があるのに、体温計が上がっていないことに気づいたのだという。

 北斗「熱のない風邪、それはいつのことですか」
 貘山「そう、三日前のことだったかなぁ」
 北斗「すると、あの黒い彗星が現れた日からですね」

 北斗、俄かにあの謎の物体と、今度の事件との関連を疑い出す。

 一方、それとは別に、純科学的なアプローチで、TACもあの超獣の正体に気付いていた。

 
 竜「すると我々が攻撃した超獣は普通の動物だったというのか」
 梶「そうです、観測データに間違いありません」
 山中「冗談じゃないな、現に我々はこの眼で、あのでかい図体を目撃してるんだ」
 梶「考えられることはひとつです、この地球上には存在しない、全く異次元のエネルギーが宇宙からやってきて、何処かの動物に取り憑き、変身した」

 梶は自信たっぷりに仮説を披露するのだが、現状のデータだけでそこまで言い切れるものだろうか?

 竜「あ待て、黒い彗星の時も?」
 梶「そうです、質量もエネルギーも測定の結果はゼロでした」
 竜「うーん、黒い彗星が運んで来た異次元エネルギーか、それが取り憑いている動物がいるとすれば、いつまた超獣に変身するかも知れんな」

 と言う訳で、改めてTACによる厳重な警戒態勢が敷かれることとなる。

 
 美川「何を考えてるの?」
 北斗「いや、なんでもない」

 羨ましいことに、仕事にかこつけて美川隊員と二人きりのドライブとしゃれこむ北斗であったが、いかにも心ここにあらずという風にハンドルを握っているのを美川隊員に聞かれ、機械的に打ち消すが、

 北斗(あの獏が超獣に変身したという証拠はない……)

 それでもやはり気になったのか、北斗はもう一度あの動物園に行ってみることにする。

 だが、北斗が到着するより先に、またしても獏が貘山たちの目の前で忽然と消え、代わりにバクタリが市街地に出現する。

 TACは待ってましたとばかりに攻撃を開始するが、バクタリの肩には、飼育員の貼った十字形の絆創膏がはっきり見えた。

 
 飼育員「やっぱり奴だ、肩を見ろ、私が貼った絆創膏がついてる」
 美川「北斗隊員」
 北斗「信じられん」

 
 バクタリ、外見はなかなか可愛らしい超獣であったが、その戦闘能力は侮れず、頭の上の丸い器官から白いガスを噴射して、

 
 鉄筋コンクリートのビルをあっという間に腐食させて、飴細工のように溶かしてしまう。

 ここにいたっては、貘山たちもあの超獣が獏の変化したものだと認めざるを得なかった。

 
 貘山「やめてくれ、この獏は本当は大人しいんだ、撃たないでくれ」
 北斗「貘山さん、早く呼び戻すんだ」
 貘山「駄目だ、私の言葉が通じないんだ」
 ミオ「ううん、通じるわよ、おじさんは獏のおじさんでしょ、心を込めたらきっと通じるわよ」

 弱気になる貘山であったが、ミオや北斗に励まされ、何度も超獣に元の姿に戻るよう呼びかける。

 どうでもいいけど、ここ、伊豆サボテン公園だね。

 獏も、そこで飼われている獏なのだろう。

 
 北斗「隊長、攻撃を中止してください」

 北斗、上空を飛ぶファルコンの竜にお願いすると、

 
 竜「了解、攻撃中止!!」

 竜、理由も何も聞かずにそれを聞き届けてくれる。

 いや、物分かりが良いに越したことないが、あまりに物分かりが良過ぎて逆に問題なのでは?

 これが成り立つなら、たとえば、

 
 北斗「隊長、そこからパラシュートなしで飛び降りてください!!」

 
 竜「了解、みんな飛べーっ!!」

 などということだってありうるのではないかと思ったりしたりなんかしたりして。

 ともあれ、貘山の必死の願いが通じたのか、超獣は暴れるのをやめ、なんとなく悲しそうに吠えていたが、やがて現れたときと同じく、スッと掻き消すようにいなくなる。

 超獣の正体が獏だと分かり、TAC本部にて、最高司令官ならびに警視総監、警察本部長、兵器化開発部長、動物学者などが出席しての対策会議が開かれる。

 と言っても、肩書きのついたお偉方の姿が映し出されるだけで、実際の議論は全く描かれず、

 
 最高司令官「やもえん、獏を銃殺刑に処する」

 増田順ニさん演じる最高司令官が立ち上がり、いきなり決定を下すだけなのは物足りない。

 北斗「待ってください、貘山さんは獏と話せます、彼に管理を任せておけば超獣になることはないと思います」
 最高司令官「君、そんな町の獏キチガイの言うことを信用できると思うかね、我々は都民全体の安全に責任があるんだ。銃殺は明日正午行う」

 それでも北斗は果敢に反対するが、最高司令官の一般論に押し潰されてしまう。

 こうして、戦時中、万が一に備えて動物園の危険動物が殺処分されたと言う、人間のエゴイズムが最悪の形で発揮されたケースを髣髴とさせる事態となる。

 もっとも、北斗はあんなことを言っていたが、獏は二度とも貘山のいる時に超獣になっているので、客観的に見てあまり説得力のある代案でなかったことは確かである。

 あと、こんな肝心なときに、竜隊長が何も言ってくれないのが頼りなさ過ぎて悲しい。

 
 次のシーンでは一気に翌日の正午前に飛び、狭くて深い、よくMACの隊員が宇宙人に撲殺されることで有名な通路を、進軍ラッパの音を背に、白い布で覆われた獏の檻が、祭りの神輿のように4人の男に担がれ、儀仗兵に先導されて進んでいくのを、赤い風船を持ったミオがゆっくり追いかけている。

 
 で、檻を担いでいる4人が、まるで覆面を脱いだショッカーの戦闘員のごとく、黒一色のタイツのような衣装なのが、なんとなく前衛舞踊でも見せられているような感じなのである。

 今回、あえて指摘しなかったが、手持ちカメラによる臨場感溢れるショットや、極端なクローズアップの多用など、映像的にはかなり意欲的な工夫が見られるのだ。

 アナ「いよいよ獏は中央広場に引き出されました。上空には警戒のTACスペースが舞っております、超獣に変身する前の動物の段階でこれを退治してしまう、ま、この方法が成功すれば超獣対策に画期的な革命をもたらすものと世界から注目を集めております、刻一刻と銃殺の時刻が近付いてきました。あ、ちょっと都民の方の声を聞いてみましょうか」

 で、その銃殺の様子をテレビが面白おかしく中継するという、いかにも70年代的退廃の色濃い展開となる。

 しかし、今回のようなケースはほぼ初めてなのだから、毎回こんな方法が採れるわけではなく、「画期的な革命」と言うのはいくらなんでもオーバーな表現だろう。

 あと、「世界から注目」と言うことは、日本以外の地域にも超獣が出現しているのだろうか? だとすれば、海外の怪獣やっつけ隊は、巨大ヒーローの力を借りずに自力で超獣を倒しているのだろうか?

 まあ、考えれば、日本にだけ超獣が出るというのはおかしな話で、むしろ世界各地に出没して当然なんだけどね。

 
 アナ「あの、どう思いますかね?」
 通行人「どけ」
 アナ「……」

 じゃなくて、

 通行人「早くやっつけてもらいたいね、超獣なんか、卵のうちに」
 アナ「なるほど」

 アナウンサーが、いかにも仕込っぽいサラリーマン風男性にマイクを向けると、男性は何の躊躇もなく賛成する。

 ちなみに、この人こそ、「新マン」で知的な宇宙人の声などを演じていた阪脩さんなのである。

 アナウンサーは、そこへ来たミオにも意見を求めるが、

 
 ミオ「殺すなんてかわいそうよ、誰か助けてあげてよ」

 ミオは堂々と反対意見を述べる。

 その後ろから北斗と美川隊員が走ってきて、

 
 北斗「ミオちゃん」
 ミオ「北斗さんなんか大嫌い、獏を助けてっていったのに、何もしてくれなかったじゃないの、嫌いよ、嫌いよ、北斗さんなんか大嫌い」
 北斗「……」

 憎しみの篭る目で、子供らしく一途に自分への嫌悪感をあらわにするミオに、北斗は言うべき言葉が見付からなかった。

 
 処刑の時刻が迫る中、貘山が駆けつけて獏の助命を嘆願するが、銃殺隊は機械的に引き金を引き、ミオの風船が弾ける音と一緒に、複数の銃声と閃光が無情の荒野に冷たく響く。

 
 で、撃たれた獏は何故か大爆発を起こし、

 
 その炎の中からバクタリが出現するという、容易に予想できる展開となる。

 
 バクタリ、まず頭から白いガスを放射し、自分を殺そうとした銃殺隊に浴びせ、

 
 逆に彼らを溶かして、白い粉末に変えてしまう。

 銃殺隊の皆さんには気の毒だが、見ていて大変スカッとするシーンである。

 
 美川「はっ」

 ……

 ええ、貼りたいから貼りました。

 銃撃のエネルギーを吸収したのか、バクタリは以前より凶暴・強力になっており、溶解ガスと火炎放射で、好き放題に暴れまわり、都市を破壊する。

 この後、色々あって北斗がAに変身し、バクタリと戦う。

 超獣と言っても所詮は獏、Aの敵ではなく、激しい攻防の末に地面に大の字に倒れたところをメタリウム光線を食らいそうになるが、

 
 セブン「Aよ、バクタリを殺してはいけない」

 その時、上空にセブンからのウルトラサインが輝き、Aを止める。

 で、この声を演じているのが、阪さんなのである。

 A、バクタリの巨体を持ち上げてそのまま宇宙空間まで飛んでいくが、

 
 そこへあの勇壮なテーマ曲と共に宇宙の彼方から飛んで来たのが、言うまでもなくウルトラセブンであった。

 セブンは額からエメリウム光線を放つが、それはエメリウム光線と酷似しているが別種のビームだったのか、あるいは、エメリウム光線で獏に取り憑いた異次元エネルギーにだけダメージを与えたのか不明だが、その一撃でバクタリは本来の獏の姿に戻り、

 
 それをAが優しくキャッチする。

 まあ、本当なら、地球に戻るまでに窒息死する可能性大だが、そんな救いのないオチになる筈もなく、Aによって獏は無事動物園に戻されるのだった。

 と言う訳で、サブタイトルに堂々と書いてあるセブンの出番は、これだけなのだった。

 つまり「セブンからエースの手に」獏が渡されたと言うことなのだ。

 ね? 最初に詐欺だと言った意味が分かったでしょ?

 エピローグ。

 以前のように、居住区に入って勝手に獏の世話をしている貘山。

 貘山「北斗さん、獏の病気が治りましたよ。熱もないし、黒い彗星が取り憑いてたんですねえ、これもAのお陰ですよ」

 貘山の獏に対する真摯な愛情に負けたのか、今度の一件で、あの飼育員もガミガミうるさいことは言わなくなって、まさに雨降って地固まるような結末であった。

 
 ミオ「ありがとう、北斗さん」
 北斗「ふっ、お礼ならウルトラマンAに言っておくれよ、僕はあんまり役に立たなかった」

 ミオ、さっきとはうってかわって北斗に笑顔を向けるのを、北斗は謙遜して受け流す。

 まあ、実際、ここで北斗に礼を言う筋合いはないのだが、純真な少女の目には、理屈では分からなくても直感で北斗がAであり、そのお陰で獏が助かったことが分かっているのかもしれない。

 ダン「僕が言ったとおりだったろう、北斗さん」

 ダン、あの彗星が超獣だという自分の予言が当たったことを自慢すると、

 ダン「僕はウルトラ6番目の弟なんだ!!」
 ミオ(関係ねーだろ)

 何の脈絡もなく、いつもの続柄自慢をするが、それに対し、ミオが心の中で冷たくツッコミを入れたという。

 以上、「A」の中でも極めて叙情的でファンタジックなエピソードで、随所に色んな映像的試みが見られるが、演出自体はごくオーソドックスだし、ストーリーも極めて単純で捻りもないので、いまひとつ印象に残らない作品となっている。

 そう言えば、劇中、折に触れて出て来た、獏が怖い夢を食べてくれるという逸話も、結局、ドラマの中では生かされないままだったなぁ。
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コメント

戸川京子さん

翌年のジャンボーグAにて岡村監督に重用されます。
準レギュラーだった戸川京子さんジャンボーグA初登場エピソードの怪獣のモチーフはパンダで原子力発電所襲撃という内容のエピソードでした。それを震災直後に放送したばかりでなく、番宣にまで使用したMXは最強のローカルテレビ局です。

>増田順ニさん演じる最高司令官
ゴーロン星人に操られる科学者役でゲスト出演してました。1991年のNHKBSでは台詞が一部カットされました。2009年のMXではそのままでした。

それぞれの感慨…。

〉このパンダのように可愛いらしい女の子がまさか自分たちより先に亡くなるとは、この場の誰が想像しえただろう?

本当にそうですよねぇ…実際、役者さんの印象って、熱心なファンでもない限り、演じた役柄とか表面的な物で受け止めちゃう面がありますから…当時、えっ?姉ちゃんじゃなくて?って、滅茶苦茶に失礼な感想を持った記憶があります…。改めて話はAの本編になりますけど、このブログのAのレビュー見てて、挿入される画像の凝った絵面に本当に感心しちゃいますね。(^_^)

セブン客演タイトルに始まり

>ウルトラヒーローがロリコンだなんて、そんなバカなことが
>MACの隊員が宇宙人に撲殺されることで有名な通路
最後のダン&ミオちゃんが並んでいるカットに至るまで
「レオ」の原典的要素が満載という感じがします。

それにしてもセブン、本当に出ていたんだ。
冒頭の黒い彗星と獏の超獣化は見覚えがありましたが
セブンは全く記憶に無く完全にタイトル詐欺エピと思っていました。

何もしない

竜隊長は貘について何も(調査すら)しなかったようですね😅これでは組織の程を成していないですね😖

山田正弘先生&セブンのゲスト出演

Q~セブンで数多の名作を輩出した山田正弘先生のゲスト執筆作品ですね。普段のAと雰囲気が違うのはそれが理由だと思われます。また、元々ヤプール編における一本として書かれた脚本だったそうです。獏が超獣化するのはヤプールの仕業であり、美川隊員の役回りは全て夕子が担っていたのでしょう。27話でレギュラーを降板した梶隊員が出演していること、ダンの出番が冒頭と最後に取ってつけたようにしかないこともその表れではないかと言われています。

第27話以来、4週間ぶりに他のウルトラ戦士がゲスト出演します。恐らく元々の脚本ではこの展開はなく、テコ入れとして盛り込んだのではないでしょうか。放送リストを見ると、1ヶ月に1回は他の戦士を出すという方針だったのではないかと思われます。セブンはこの後も39話と44話で単独ゲスト出演します。当時の児童層にはセブンが一番人気だったそうなので、この優遇ぶりもうなずけます。

意外と近い獏と犀

そういや『ザ☆ウルトラマン』でも爬虫類に精神寄生体が憑りついて怪獣化する話がありましたが、その話では倒しても倒しても精神寄生体が死体から抜け出し別の爬虫類に憑りついて怪獣となり、最後にはウルトラマンも力尽きてしまっていました
今回の黒い彗星も同様の性質を持っているとすればバクタリを倒しても別の獏(あるいは同じ有角亜目の犀とか)に憑りついて超獣化する恐れがあった、それでセブンはバクタリに止めを刺すのを止めたのかもしれません

というよりもしそうだとしたら全ての獏がいつか超獣になる恐れがあるという話が広まって、全国各地の罪の無い獏がパニックになった一般市民に殺されかねない
いや本当セブンが間に合ってよかった

冷たいですが

冷たいですが、今回は銃殺しようとする側のほうに分があるように思いますね。客観的に見ても獏が超獣になる可能性大ですし、銃殺が可哀想だというなら隔離するなどの提案くらいはすべきでしょう。竜隊長がそうしないのはかなり問題ですが。

ところでロリコンの話ですが、この頃は仮面ライダーとウルトラシリーズくらいしかないので、北斗が元祖ロリコンということになるんでしょうか?個人的には神敬介のほうがロリコンかと思いますが。

No title

梶の降板回です。この後出番がありそうな回も多かったのにも多かったのに少し惜しまれます。

Re: 戸川京子さん

> 翌年のジャンボーグAにて岡村監督に重用されます。

ジャンボーグAは一通り見てるはずなんでが、彼女が出てたことすら記憶に残ってないです。

Re: それぞれの感慨…。

映像はほんと素晴らしいんですけどね。

Re: セブン客演タイトルに始まり

> 最後のダン&ミオちゃんが並んでいるカットに至るまで
> 「レオ」の原典的要素が満載という感じがします。

なるほど……それは気付きませんでした。

> それにしてもセブン、本当に出ていたんだ。
> 冒頭の黒い彗星と獏の超獣化は見覚えがありましたが
> セブンは全く記憶に無く完全にタイトル詐欺エピと思っていました。

なんか、セブンの客演がやたら多い気がします。やっぱり人気だったのかな。

Re: 何もしない

まあ、そもそもTACいなくても事件解決しますからね。

Re: 山田正弘先生&セブンのゲスト出演

> Q~セブンで数多の名作を輩出した山田正弘先生のゲスト執筆作品ですね。普段のAと雰囲気が違うのはそれが理由だと思われます。また、元々ヤプール編における一本として書かれた脚本だったそうです。

ご教示ありがとうございます。てっきり石堂さんのシナリオかと思ってました。

> 第27話以来、4週間ぶりに他のウルトラ戦士がゲスト出演します。恐らく元々の脚本ではこの展開はなく、テコ入れとして盛り込んだのではないでしょうか。放送リストを見ると、1ヶ月に1回は他の戦士を出すという方針だったのではないかと思われます。セブンはこの後も39話と44話で単独ゲスト出演します。当時の児童層にはセブンが一番人気だったそうなので、この優遇ぶりもうなずけます。

やっぱり人気あったんですね。

Re: 意外と近い獏と犀

> そういや『ザ☆ウルトラマン』でも爬虫類に精神寄生体が憑りついて怪獣化する話がありましたが、その話では倒しても倒しても精神寄生体が死体から抜け出し別の爬虫類に憑りついて怪獣となり、最後にはウルトラマンも力尽きてしまっていました

それは怖いですね。

> というよりもしそうだとしたら全ての獏がいつか超獣になる恐れがあるという話が広まって、全国各地の罪の無い獏がパニックになった一般市民に殺されかねない
> いや本当セブンが間に合ってよかった

何気に美味しいところ持って行きましたね、セブンは。

Re: 冷たいですが

> 冷たいですが、今回は銃殺しようとする側のほうに分があるように思いますね。客観的に見ても獏が超獣になる可能性大ですし、銃殺が可哀想だというなら隔離するなどの提案くらいはすべきでしょう。竜隊長がそうしないのはかなり問題ですが。

まあ、管理人は人類なんかとっとと滅んだ方が良いと思ってるような頭のおかしい人間ですので。

> ところでロリコンの話ですが、この頃は仮面ライダーとウルトラシリーズくらいしかないので、北斗が元祖ロリコンということになるんでしょうか?

レビューではネタにしてますが、北斗はロリコンと言う感じはないですね。

おっしゃるように、敬介の方が怪しいですね。

Re: No title

> 梶の降板回です。この後出番がありそうな回も多かったのにも多かったのに少し惜しまれます。

最後なのに、思いっきりスルーしちゃいました。すまん、梶。

監督がロリコン

今回の岡村監督は、レオのマザラス星人の回も担当していて、レビューをした人の多くは監督がロリコンではないのかというコメントをしています。

Re: 監督がロリコン

そうなんですか。確かに怪しい。

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zura1980

Author:zura1980
70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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