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横溝正史シリーズ「悪魔が来りて笛を吹く」

[DVD] 悪魔が来りて笛を吹く(リマスター版)

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 横溝正史シリーズ4作目の「悪魔が来りて笛を吹く」です。

 1977年6月~7月の放送。

 原作の複雑で雄大なストーリーをうまく映像化した力作で、キャストはいつものように映画並の豪華さである。ただ、前半は原作にかなり忠実なのだが、四回目、五回目になると話が間延びして、無駄に時間を引き延ばしている感じになる。一方で、最後まで隠しておくべき秘密をあっさりとネタばらしするなど、ミステリーとして不満が強くなる。

 これは全四回くらいが良かったかな。それだけが原因ではないけど、名作になり損ねたエピソードだと思う。

 なお、ストーリーと言うか、人間関係が極めて複雑怪奇骨折なので、今回もざくっと見所を紹介するにとどめる。断じて面倒だからではない。

 おおまかな状況を書くと、戦後間もない時期、銀座の宝石商・天銀堂で青酸カリを使った大量強盗殺人事件が発生する(実際に起きた帝銀事件がモデル)。捜査は難航するが、容疑者のひとりとして浮かび上がった椿(元)子爵が、その後、娘の美禰子に遺書を残して自殺する。その美禰子が、金田一のところへ父が本当に死んだのかどうか確かめて欲しいと依頼に訪れる。

 子爵邸には、玉虫(元)伯爵や、子爵の義理の兄の一家などが同居していて、複雑な家庭を成していた。そして子爵の妻・アキ子の主治医・目賀博士が砂占いで子爵の生死を確かめようとした晩、怪しいフルートの旋律が響く……それは、音楽家だった子爵が最後に作った「悪魔が来りて笛を吹く」と言う曲だった!

 なかなかゾクゾクする導入部でしょ?

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 ヒロイン、美禰子を壇ふみが演じる。元華族の娘らしい、いかにも育ちが良さそうで適役だ。

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 その母親で、ある秘密を持つ美貌の女性を草笛光子が演じている。ただ、世間知らずの華族のお嬢様と言う設定なのだが、肝っ玉母さんと言う感じの草笛光子はちょっと違う気がする。

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 玉虫伯爵(加藤嘉)のメカケ・菊江を中山麻理が演じている。原作では、脇役だが要所要所で鋭い発言をする魅力的なキャラとして描かれ、金田一のお気に入りでもあるが、ドラマではただいるだけと言う感じ。中山麻理はイメージにかなり近いけれど。

 男性視聴者の視線は、胸の谷間に集中。

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 そして、アキ子の兄の新宮利彦を長門裕之、その妻を岩崎加根子が演じている。

 この新宮利彦も、どうしようもないダメ人間として、原作では魅力的に描かれているのだが、長門裕之はこれもなんか違うなぁ。

 彼らの息子を星正人が演じている。

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 他に使用人の三島東太郎を沖雅也が演じている。使用人なのに沖雅也? と言う時点でネタバレになってるけど……

 他に原泉とか、白石幸子とか。原作の登場人物はだいたい出てくると思う。

 で、最初の殺人事件が起きる。被害者は玉虫伯爵で、準密室状態で見付かる。この密室は密室と言うほどでもないんだけど、そのトリックはある意味凄くリアルで、自分は評価してるんだけどね。

 そして調査の過程で、天銀堂事件の贓品が出てきたため、椿子爵の(天銀堂事件の際の)アリバイ調べの必要が出てくる。で、金田一と、志村刑事(モロボシダン)が椿子爵が訪れたと言う神戸の須磨へ赴くこととなる……。

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 子爵の泊まった須磨の宿の女中を、管理人イチオシの児島美ゆきさんが可愛く演じている。これも、原作に忠実なキャラなんだよね。

 その宿の女将を「男はつらいよ」でお馴染み、三崎千恵子が演じているが、関西弁がぜんぜん似合わない。

 えー、で、椿子爵がかつての玉虫伯爵の屋敷を中心としてあることを調べていたことが分かり、金田一たちもあれこれとデータを集めるのだが、はっきりいって複雑過ぎてついていけないと思うので、割愛する。東京の登場人物だけでも手一杯なのに、神戸でまたゾロゾロとキャラが出てくるので頭がパンクする。

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 関西編では他にも、これまた「男はつらいよ」の脇役でお馴染み、吉田義夫が出てくる。

 児島さんも、「男はつらいよ」に出てたな。

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 旅先でも得意の逆立ちをする金田一を見て「はあっ?」と驚く児島さん。

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 関西でも新たな殺人事件が起こる。大事な証人の口を封じられるのだ。

 問題の核心は、戦前、新宮利彦か玉虫伯爵が女中に産ませた小夜子と言う娘の存在にあるのだが、金田一と志村刑事が彼女についてあれこれ話し合うシーン↑。これも原作に「不倫問答」と言う章があって、似たようなことをしているのだ。

 しかし、調査の途中、東京でまた殺人が起きたという知らせが入り、金田一は東京へ戻る。今度は、新宮利彦が殺されたのだ。

 ここまでは、完璧に近い映像化が行われているのだが、残念ながらこの辺からなんか迷走が始まる感じだ。

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 後半、金田一が中山麻理に話を聞くシーンがあっても良さそうなのに、何故かドラマでは彼女、のらりくらりと金田一から逃げるばかりで、ほとんど証言してくれない。

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 ま、綺麗だからとりあえず貼っとこう。

 あとはまあ、金田一が事件の解説をして犯人を指摘するだけなのだが……、最後の処理は、原作とはかなり異なる。

 なんとなく無理に感動的な結末にしちゃってるのが、ちょっと不満だ。

 が、最後の最後に金田一が、事件解決のヒントをゲーテの小説から思いついたと日和警部(長門勇)に打ち明けるくだりなんか、好きなんだけどね。

 原作の方も面白いので、是非読んで頂きたい。

 


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コメント

コメントするネタが現在枯渇気味なので(←お前が勝手に書いて、勝手にネタ切れになっただけだろうが)、今日はスッキリと簡易版で。

壇ふみさん・・・同時期に、「華麗なる刑事」で、婦警役で、レギュラー出演していますね。

星正人さん・・・一年後に、「大都会Part3」の虎田刑事の役で有名になります。

沖雅也さん・・・言うまでもなく七曲署のスコッチ・・・スコッチが活躍する話、見たことがないんですがね(←おい!)

今日はこのくらいにします。それでは。

Re[1]:横溝正史シリーズ「悪魔が来りて笛を吹く」(06/01)  

妄想大好き人間様
毎日コメントありがとうございます。励みになります。

>壇ふみさん・・・同時期に、「華麗なる刑事」で、婦警役で、レギュラー出演していますね。

「華麗なる刑事」、だいぶ前にCSで放送されましたが、それ以来一度も放送してくれないのが悔しいのです。

Re:横溝正史シリーズ「悪魔が来りて笛を吹く」(06/01)  

壇ふみさんと中山麻理さんは流石に若いですね😅今は無き沖雅也さんも出演されていたのですか?ついでにモロボシ・ダンこと森嗣さんも出演されていたようですね😅

Re[1]:横溝正史シリーズ「悪魔が来りて笛を吹く」(06/01)  

ふて猫様

キャストはいいんですけどね、シナリオが……。

昨日原作を読みましたが、中々面白い作品でしたね😅今更ですが、原作の"天銀堂事件”は“帝銀事件”が元になっていたのですか?

Re: タイトルなし

> 今更ですが、原作の"天銀堂事件”は“帝銀事件”が元になっていたのですか?

そうです。他にも斜陽華族が自殺したという事件が実際にあって、それからもヒントを得たようです。

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70~80年代の特撮、80年代のドラマを中心に紹介しています。

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